【R18BL】クラスで人気の強面不良少年に一方的に彼女宣言されてドロドロに溺愛される話なんですけど……僕、男です。

斜偲泳(ななしの えい)

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長くなりすぎた初エッチ編

事後と余韻と二回戦

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「はぁ……はぁ……はぁ……」
「フーッ……フーッ……フーッ……」

 下界から隔絶されたお洒落タワマンの秘密のヤリ部屋に熱っぽい吐息が静かく響いている。

 三度目の射精は完璧だった。

 最高の相手、最高のシチュエーション、最高の体位、最高のタイミング。

 文句のつけようがない、完璧な初エッチになったと僕は思う。

 その中でも、特にタイミングが最高だった。

 男の子の射精には限りがある。

 一日にそう何度もは出来ないし、鬼塚君が相手でなければ僕だってこの短時間に三度も射精は出来なかっただろう。

 だからこそ、男の子は限りある射精のタイミングを大切にする。

 波のように揺らぐ身体のムラムラと心のムラムラ、二つのタイミングがピッタリ合った瞬間に射精出来たら物凄く気持ちが良い。

 オナニーの時ですら、男の子はおちんちんをシュッシュしながらオカズ相手にベストなタイミングを計っている。

 たかが射精と思われるかもしれないけれど、この世に同じ射精なんか一つもなく、同じオカズを相手にしても、タイミング次第で射精の気持ち良さは全く変わってしまう。

 うっかりおちんちんをシュッシュし過ぎて変なタイミングでイッてしまったら消化不良で気持ち悪いし、ベストなタイミングで射精出来たらお金玉のどこにこんなに溜まっていたのだろうと自分でも驚くくらいビュービュー出てしまう。

 鬼塚君と向かい合い、お尻にすっぽり根元までおちんちんを挿入され、互いにしっかり抱き合って、口の中を犯し合うようにチュ~しながら、お腹の中にびゅー! びゅびゅびゅー! と叩きつけるように精液を吐き出され、鬼塚君の逞しい腹筋におちんちんを包まれながら、心置きなく射精するのは本当に最高の気分だった。

 僕と鬼塚君、二人の心と体が完全に同期した、完璧なタイミングでの射精だ。

 それまでのお漏らし射精とは全く違う、我慢の必要がない、むしろここで出さなければいつ出すのかというベストなタイミングでの射精だった。

 凄い出た。

 めっちゃ出た。

 一滴残らず出た気がするし、一週間分ぐらい出た気がする。

 なんなら一生分出たような気さえして、これで不能になってしまっても不思議ではないくらい満ち足りた、人生最高の射精だった。

 それ程の射精だから、その後の余韻もすごかった。

 全てを吐き出し終えた後もしばらくは、僕のおちんちんは僕と鬼塚君のお腹にピッタリ挟まれながら、ねっとりと糸を引くような快感にヒクヒク震えていた。全てを出し切ってなお、存在しない精液を吐き出そうとでもするようだった。

 鬼塚君のおちんちんも同じようで、信じられない程長い間ビュービューと射精した後、出す物がなにもなくなってからも、ビクビク、ビクンビクンと僕のお腹の中で踊るように悶えていた。

 僕は鬼塚君の汗ばんだ分厚い雄っぱいに顔を埋めながら、おちんちんの余韻とお腹の中で暴れる鬼塚君のおちんちんの感覚を穏やかな気持ちで楽しんでいた。

 完璧な射精の後の完璧な事後。

 おちんちんの呪縛から解放されたまっさらな賢者モードだった。

 肉欲から解き放たれたからこそ、鬼塚君の存在がクリアに感じられた。

 その温もり、その香り、その鼓動、その息遣い、その一挙手一投足と思考を味わうだけの無我で居られた。

 いつまでもこうしていたいと思った。

 永遠にこうして抱き合って鬼塚君を感じていたい。

 エッチよりも幸せで、射精よりも素晴らしい、最高の事後がそこにはあった。

 鬼塚君もそうであったらいいと思う。

 そうなんじゃないかと期待する。

 だって僕達は、もう五分近く無言で余韻を味わっている。

 なんにせよ、僕はやり遂げた気持ちだった。

 最高のタイミングで射精して、最高の初エッチを迎えられ、三度の射精でお金玉の中をすっかり空っぽにして、文句なしの状態だった。

 閉店ガラガラ。

 後は鬼塚君と甘い事後を過ごして帰るだけ。

 そう思っていたのだけれど。

「……ふぅ。そんじゃ、二回戦行くか」
「えぇ!?」

 長い余韻をしゃぶり尽くした後の鬼塚君の一言に、僕は我が耳を疑った。

「えぇってなんだよ」

 不満そうに鬼塚君がジト目を向ける。

 特大の射精を僕のお尻にぶちかまし、おちんちんのムラムラをリセットした事で、鬼塚君の顔にはいつもの余裕が戻っていた。

 僕では到底敵わない、敵う訳もない、圧倒的な雄の顔だ。

「だ、だって、今のエッチ、最高だったし……」
「最高だったな。今までで一番出たし、今までで一番気持ちよかった。だからどうした」
「ど、どうしたって言われるとアレなんだけど……」

 鬼塚君の視線が痛い。

「なぁ、星野。お前は三回目かもしれないが、俺はまだ一回目だ。確かにさっきのエッチは最高だったが、俺は全然出したりねぇ。それともなんだ? 自分は三回イケて満足したからもう終わりだとか、勝手な事を言う訳か? あぁ?」
「ま、まさか!?」

 大慌てで僕はブンブン首を振る。

 鬼塚君の言う通りだ。

 僕にとっては三回目でも、鬼塚君には一回目。

 僕ですら三回も射精してしまったのだから、鬼塚君も同程度かそれ以上射精しなければムラムラが収まらないだろう。

 その気持ちは分かるのだけれど……。

「ちょ、ちょっとだけ休ませて欲しいなぁ~……なんて……」

 鬼塚君は何も言わない。

 ただ不満そうなジト目で見つめるだけだ。

 それだけで十分答えになっていたけれど。

「だ、だってぇ!? その前も膝グリグリでお漏らし射精しちゃったし、さっきのエッチでお金玉の中身一滴残らず出ちゃった気がするし! 鬼塚君の気持ちに応えたい気持ちはもちろんあるけど……」

 おへその下に視線を向ける。

 二人の腰が重なって出来た窪地には、僕の精液と二人の汗が混じり合った乳白色の泉が出来ていた。その真ん中にへたり込むように、完全にやり切った顔をした子供ちんちんがお昼寝する首長竜の赤ちゃんみたいに微睡んでいる。

 どう頑張っても今日はこれ以上勃たないと思う。

 まぁ、それでも別に良いのだけれど……。

 肉欲0のパーフェクト賢者モードで鬼塚君に犯されるのはちょっと怖い。

 多分気持ち良くなれないと思うし、演技をしてもバレると思うし、僕が気持ち良くなかった鬼塚君も覚めてしまって微妙な空気になると思う……。

「そ、そうだ! お口とかどう? 初めての割には上手く出来た気がするし! 改めてしっかりご奉仕するのもありかな~……とか……」

 正直顎も舌もヘロヘロだけど。

 そこは手でカバーすればなんとかなる……かな?

 と思うんだけど、鬼塚君はやっぱり不満そうだ。

「やだ。さっきはろくに動かないで射精しちまったし。ちゃんと星野の尻でエッチしてぇ」
「そ、その気持ちは嬉しいんだけど……」

 いや本当、嬉しくはあるんだけどさ。

「てか星野はそれでいいのかよ。自分のケツに入ったチンコ舐める事になるんだぞ」
「それはやだ!?」

 やべ。

 全然考えてなかった。

「だろ?」
「うぅ……。じゃあいいけど。上手く出来なくてもガッカリしないでね……」

 事後の余韻は消え去って、猛烈な後悔と自己嫌悪に襲われた。

 こんな事になるんなら、お漏らし射精なんかするんじゃなかった……。

 どうしてあの時もっと我慢しなかったのだろう……。

 鬼塚君の言う事はもっともだ。

 僕だけ三回イッて自分は一回で終わりなんて、誰だって不公平に思うはずだ。

 ……やだ。

 ……やだやだやだ。

 ……自分の事しか考えてないわがままな奴だって思われちゃったかも!

 なにが賢者モードだ!

 ただのバカじゃん!

「ご、ごめんね鬼塚君! す、すぐ勃たせるから!」

 半泣きになり、僕は出来るはずもない約束をしてしまう。

 必死にエッチな事を考えて、先程の最高のエッチを反芻したりするけれど、全くダメだ。

 情けない自分勝手な僕の子供おちんちんはピクリとも反応しない。

「うぅ、なんで! バカぁ! 勃て、勃てってばぁ!」

 自分が憎くなり、ポコポコとお腹を叩く。

「バカ! やめろよ!」

 鬼塚君に両手を捕まれる。

「だって! このままじゃ鬼塚君に嫌われちゃう!」
「嫌わねぇよ! そんな無理して勃起されても嬉しくねぇし! てか、そこ叩かれるとチンコに響いて気持ちよくなっちまうだろ!」
「ぇ、ぁ、ぅん?」

 確かに、僕のお腹の中にはまだ鬼塚君の硬いままのおちんちんが入っているから、お腹を叩いたら響くのかもしれない。

 気持ち良いなら別にいいんじゃないかと思うけど。

 ていうか、このまま自分のお腹をごしごししたら間接的に鬼塚君のおちんちんをごしごし出来るのかな?

 ……エッチじゃん。

 あ。おちんちんちょっとピクンってなった。

 なんて思っていると。

「星野は俺の女なんだ! バカな心配してないで全部俺に任せときゃ良いんだよ! ……お、俺がこれから色々やって、それで星野がその気にならなかったら諦めるし。それでいいだろ!」

 ぶっきら棒に、どことなく恥ずかしそうに鬼塚君は言う。

 まだ一回しかしてなくて、まだまだ全然出したりなくて、僕のお腹の中でおちんちんをウズウズさせている癖に。

 精一杯僕の事を気遣ってくれている。

 愛されている。

 そう思えて、僕のお腹がキュンキュンする。

 今日の精液は一滴残らず吐き出してしまったはずなのに、そう思えたのに、ポタポタとまた溜まり始めている気がする。

 事後の余韻もあって、僕は鬼塚君にウットリした。

「……ぅん。でも、もしその気になれなくても、僕の事犯していいからね? 多分きっと、鬼塚君が相手ならそれでも気持ち良いと思うから……」

 遠慮ではなく嘘でもなく、本心から出た本音だった。

 そんな僕の頬っぺたを、鬼塚君が人差し指でぶにゅっと押す。

「バーカ! その気もねぇ相手を無理やり犯す程落ちぶれてねぇし! 調子乗んなよ!」
「えへへ……。そだね……」

 そんな言葉の一つ一つに鬼塚君の気遣いが感じられ、僕はますます好きになる。

 好き、好き、好き好き好き。

 大好きになってキュンキュンする。

 残念ながらおちんちんが勃つ気配はないけれど。

 間違いなく、心のおちんちんは勃起していた。

「それで、どうするの? 一回抜く?」
「まさか。折角入れたのに勿体ねぇだろ」
「それはそうだけど――」
「うるせぇ黙ってろ」

 鬼塚君が乱暴にキスをする。

 でも、乱暴に見えるのは最初だけで、キスしてからは凄く優しい。

 繊細なガラス細工を掃除するように、優しく僕の口を愛撫する。

 僕もそれに応えようとするのだけれど。

「星野はじっとしてろ」
「むぅ……」

 怒られてしまったら仕方ない。

 僕はされるがままに身を委ねる。

 正直、そうしたいとも思っていた。

 やっぱり僕はMらしい。

 こうして一方的にされるがままになっているのが気持ち良い。

 お口の中を愛撫され、僕は段々眠くなってきた。

 寝ちゃだめだと思うけど、鬼塚君の優しいキスが気持ち良すぎて、安心して、ホッとして、眠くなってしまう……。

「むぅ!?」

 突然の痛みに目が覚める。

 鬼塚君はキスをしながら、空いた手で僕の右乳首を、正確には、ぷくっと膨らんだ恥ずかしい乳輪を、クニクニと指先で転がしていた。
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