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引きこもりの姉から逃げたい

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「こんにちは、私は佐上申と申します。漫画家をしているんですが、最近原稿の納期に追われていて…。それに、家族の問題も抱えているので、何だか気持ちが晴れないんですよね。」
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(佐上申が神山書店の社長神山太郎と会話する場面)

神山太郎「申くん、最近どうだい?漫画の仕事は順調かい?」

佐上申「うん、まあ順調だよ。ただ、家族のことで悩んでるんだ」

神山太郎「家族?どういうことだい?」

佐上申「姉がね、引きこもりで金欲しさに俺にせがんでくるんだ。最近はエスカレートして、もう嫌になってきたんだよ」

神山太郎「それは大変だね。どうするつもりだい?」

佐上申「まあ、ある程度は援助してるけど、もう限界なんだ。どうにかして縁を切りたい」

神山太郎「それは難しいかもしれないね。引きこもりって、なかなか一般的な判断基準がないからね」

佐上申「うん、わかる。でも、なんとかしないと。将来的にも、姉が関わることがあると困る」

神山太郎「そうだね。何か良いアイデアはないかい?」

佐上申「考えてみるよ。何か思いついたら、相談しに来るよ」

神山太郎「いいね、頼むよ。申くんならきっといい策を考えてくれると思うよ」

(申が家の電気を停電させた後、比呂が家に乗り込んでくる。)

比呂「なんで電気切ったのよ!私の部屋まで影が差してるじゃない!」

申「ごめんなさい、ただのミスだったんだ」

比呂「ミス?ふざけんなよ。この田舎で暮らしてるんだから、ちゃんと電気使えって言ってるでしょ!」

申「分かってるよ、でも今回は本当にミスだったんだ」

比呂「ほんとに?私はあんたが私をいじめてるって思ってるんだけど」

申「いじめてるって、何言ってるんだよ。そんなことしてないし」

比呂「あんたが私を馬鹿にしてるのは明らかじゃない。あんたが漫画家で私は引きこもりだからって私をバカにしてるでしょ」

申「それは聞いたことないぞ。それに、漫画家だからって誰かをバカにするつもりはないよ」

比呂「うるさいわ。私はあんたから金をせびってただけなのに、そんなに嫌がるならもうしないわよ」

申「金をせびられたって、いつ言われたことがあるんだ?」

比呂「あんたは私を見下してるくせに、物忘れが激しいんだから。もういいわ、帰るわ」

(比呂が怒りながら家を出ていく)

(佐上申が漫画原稿を書いている机の前で、神山彩未が訪ねてくる)

彩未「おはようございます、申さん」

申「おはよう、彩未。どうした?」

彩未「実は、あの……私、最近毎日家に帰ってもお姉ちゃんがいるんですよ。でも、引きこもってるから一緒に過ごすことはできないし、私が話しかけても無視されるんです」

申「そうか……」

彩未「それで、今朝も起きたらお姉ちゃんがテレビを独り占めしてたんですよ。お母さんが言っても止めないから、何ともできずに出てきたんです」

申「それはつらいな……」

彩未「そうなんです。でも、それ以上に困ってるのがお父さんなんです。お姉ちゃんが引きこもってから、お父さんは家族に向けた愛情を注げなくなってしまって……」

申「そんなことが……」

彩未「はい。お姉ちゃんがいなくなることで、家族が元気になれるかもしれないって思うんです。でも、お姉ちゃんが自分から動かないから、どうしたらいいか分からないんです」

申「彩未、なんとかしたいと思うよ。俺も手伝うから」

彩未「ありがとうございます。でも、お姉ちゃんは本当に頑固なんです。私たちが話しかけても、全然聞いてくれないし……」

申「……それでも、諦めずに頑張ろう。彩未が悩んでる姿を見るのはつらいから」

彩未「申さん……ありがとうございます。頑張ります」

(佐上申は自宅で漫画を描いている最中、突然停電が発生し、パソコンがシャットダウンしてしまった。)

佐上申:「なんだこれ、電気どうしたんだろう?」

(携帯の懐中電灯アプリを立ち上げ、家の中を探索する)

佐上申:「あれ?姉さんの部屋が明かりついてる」

(佐上申は姉の部屋に向かい、ドアをノックする)

佐上申:「比呂、電気止めたのか?漫画描いてたんだけどパソコンがシャットダウンしちゃったんだ」

佐上比呂:「お前のせいで電気代が高いんだよ。自分で払えよ」

佐上申:「何言ってんだよ、自分で払ってるだろうが」

佐上比呂:「うるせえ、金を出せって言ってるんだろ。それとも、今月も仕事があんのかよ?」

佐上申:「まだ連載は続いてるぞ。それに、あんたが働けばいいんだよ」

佐上比呂:「働かなくてもお金がもらえるなんて最高じゃん。それに、私は引きこもりなんだから無理だろ」

佐上申:「くそっ、こんなことで揉めるのもう嫌だ。もう出ていくから」

佐上比呂:「出ていくって、どこに行くんだよ?」

佐上申:「分かるかよ、神山書店にでも泊めてもらうわ」

佐上比呂:「神山書店?社長令嬢の神山彩未のところかよ。あいつとでも寝たいのか?」

佐上申:「そんなこと考えてねえよ。とにかく、もうここにいられない」

佐上比呂:「まあ、良いけどさ。それにしても、彩未には俺からよろしく伝えてくれよ」

(佐上申は姉の部屋を出て、神山書店に向かおうとする)

(佐上申が自宅で仕事をしていると、急に停電が起きる。)

佐上申「なんだこれは…電気代が払えなくて止められたのか?」

(比呂が現れる)

佐上比呂「おい、電気止めたのは私だよ。金を払え。」

佐上申「いくら払えって言うんだよ。今度の原稿料が入ったら払うから待ってくれ。」

佐上比呂「どうしても今すぐ金が必要なんだ。払わないならば……」

(比呂が怒りながら申に接近してくる)

神山彩未「止めてください!」

佐上申「彩未?」

神山彩未「佐上さんには私がお金を貸します。比呂さんには関係ありません。」

佐上比呂「なんだと!」

神山彩未「佐上さんが忙しいのにこんなことをさせるなんて!私がお金を貸しますから、この場から出て行ってください。」

佐上比呂「……わかった。今回は許してやるよ。」

(比呂が去る)

神山彩未「大丈夫ですか?」

佐上申「ありがとう、助かったよ。でも、どうしてそんなに私を助けてくれるんだ?」

神山彩未「それは…」

(彩未が申に近づく)

神山彩未「私は佐上さんのファンなんです。あなたの作品にはいつも元気をもらっています。だから、あなたが困っていると聞いてすぐに駆けつけました。」

佐上申「……ありがとう。でも、もう大丈夫だ。これからは気をつけるよ。」

神山彩未「そうですね。でも、もしもう一度何かあったら、私に連絡してください。」

佐上申「わかった。ありがとう。」

(彩未が去る)

佐上申「よし、これで気持ちを切り替えて仕事を再開するぞ!」

(主人公・佐上申が自宅で漫画制作に没頭している。しかし、アシスタントの神山彩未からの連絡が途絶えていることに気づき不安になっている。)

申「(神山さんからの返信がない…。いったい何があったんだろう…)」

(電話が鳴り、神山彩未からの着信を知らせる。)

申「(やっと出たか…)もしもし、神山さん?どうしたんですか?」

彩未「あ、申くん、ごめんね。ちょっと忙しくて連絡が遅れちゃった。」

申「(忙しいのか…)なんだか、心配になっちゃったよ。」

彩未「ごめんごめん。でも、今は大丈夫だから。」

申「(大丈夫って、どういうことだ?)何があったんですか?」

彩未「えっと、実は家に引きこもってる姉がね…。」

申「(引きこもりの姉?)」

彩未「なんか、申くんのことを悪く言ってたの。でも、ごめんね。」

申「(悪く言われたって、気にしないけど…。)そんなこと気にしなくていいよ。」

彩未「ありがとう。でも、私もちょっと心配なんだよね。」

申「(心配って、どういうことだ?)どうしたんですか?」

彩未「姉が、最近体調悪くてね…。今日も八月の猛暑日で熱中症になっちゃったみたいで…。」

申「(熱中症か…。)それは大変だね。」

彩未「ううん、でも、自業自得だから…。」

申「(自業自得って、何があったんだ?)」

彩未「えっと、実はね、昨日の夜、申くんのおかげで家の電気が止まっちゃったの。姉の部屋にエアコンがつかなかったから、熱中症になっちゃったみたい…。」

申「(電気が止まった?)そんなことになってたんだ…。でも、俺は家のブレーカーを落としただけだよ。」

彩未「あ、そうだったの?ごめんね、勘違いしてた。」

申「(このままじゃ、彩未さんが心配してるし、姉も心配だろうな…。)でも、申し訳ないけど、俺はもう何もできないんだ。」

彩未「大丈夫、申くん。私たちで何とかするから。」

申「(彩未さんも、姉も、なんとかしてくれるのか…。)ありがとう、彩未さん。でも、もう俺は何もできないんだ…。」

彩未「大丈夫、申くん。私たちが何とかするから。」

(通話が切れ、主人公・佐上申の心は沈んでいく。)

(主人公の漫画の原稿が台風で濡れてしまった状況)

佐上申「うわぁ、台風のせいで原稿が濡れちゃった…。これじゃ明日の納期に間に合わないよ…」

神山彩未「大丈夫ですか、申さん?」

佐上申「あ、彩未ちゃん。いや、原稿がダメになっちゃったんだ…。」

神山彩未「それは大変ですね…でも、きっと何かいいアイデアが浮かぶかもしれませんよ。私も何かお手伝いできることがあれば言ってください。」

佐上申「そうだな…何かいいアイデアがあるかもしれない。でも、明日までに完成させなければならないから…。」

神山彩未「そうですね…でも、焦っても仕方がありません。落ち着いて考えましょう。」

佐上申「(そうだ、焦っても仕方がない。でも、何かいいアイデアが欲しい…。)」

神山彩未「(申さんは本当に一生懸命ですね。私ももっと力になりたい…。)」

佐上申「(でも、何かいいアイデアが浮かばない…。)」

神山彩未「(申さん、もしかして何か悩みがあるのかもしれません…。)」

佐上申「(あ、そうだ!彩未ちゃん、助けてくれるなら一つお願いがあるんだ。)」

神山彩未「(何かお手伝いできることがあるのなら、ぜひ教えてください。)」

佐上申「(実は、この原稿を完成させるためには、昔の漫画を参考にしなければならないんだ。でも、それがどこにあるか忘れちゃったんだよね。)」

神山彩未「(それは大変ですね…でも、私たちで探してみましょう。)」

佐上申「(本当か?それじゃあ、手分けして探してみようか。)」

神山彩未「(はい、分かりました。私も一緒に探します。)」

(二人で手分けして漫画の資料を探し始める)

佐上申「(あった!これだ!)」

神山彩未「(おめでとうございます、申さん!)」

佐上申「(ありがとう、彩未ちゃん。おかげで助かったよ。)」

神山彩未「(私もお役に立てて良かったです。これで完成することができますね。)」

佐上申「(そうだな、もう一度頑張って完成させよう!)」

(佐上申は、神山彩未と一緒に仕事をしている。彩未は、申に励ましの言葉をかける。)

申は、彩未の協力で漫画の原稿を仕上げようと頑張っている。しかし、彩未の父親である出版社神山書店の社長・神山太郎は、申の姉である佐上比呂に金をせびられ、熱中症で倒れてしまう。

彩未:申さん、大丈夫ですか?

申:うん、なんとかなるさ。

彩未:でも、神山さんが倒れたし、姉さんからもまだ金をせびられてるし、どうしようもない気がするんですよね。

申:そうだな。でも、諦めたらそこで試合終了だ。

彩未:申さん、それは格言ですか?

申:いや、漫画のネタだ。でも、本当にそう思ってるんだ。

彩未:私も、申さんが言う通りだと思います。私たちは、自分たちの手で未来を切り開いていかなくてはなりません。

申:そうだ、彩未の言う通りだ。自分たちで未来を切り開くんだ。

彩未:そうですよね。神山さんも、申さんが漫画家として成功することを願っていたはずです。だから、私たちは神山さんの思いを継いで頑張らなくてはなりません。

申:そうだ、彩未の言う通りだ。神山さんが願っていた夢を、僕たちが叶えるんだ。

彩未:そうですよね。だから、申さん、諦めないでください。

申:ありがとう、彩未。君と一緒に頑張らなくちゃ。

彩未:はい、私たちで未来を切り開きましょう!

(二人は、力を合わせて頑張る決意を新たにした。)

(敵の家の中。佐上比呂が暑さに耐えられずに倒れている。)

佐上比呂:(バタバタと音を立てながら)ふぅ…暑すぎる…もう限界だ…

(神山彩未が比呂の様子を見に来る。)

神山彩未:(心配そうに)比呂さん、大丈夫ですか?

佐上比呂:(苦しそうに)こんなに暑いとやってられないんだ…電気代を払えなくてエアコンを使えないんだ…

神山彩未:(驚きながら)電気代を払えないの?どうしてそんなことになったんですか?

佐上比呂:(うつむき加減で)私は引きこもってばかりで、仕事もせずにお金を使ってしまったんだ…でも、お金を貸してくれる人もいないし、どうしようもないんだ…

神山彩未:(同情的に)そうだったんですか…でも、もう大丈夫ですよ。私がお金を貸してあげますから、エアコンを使って涼しい部屋で休んでください。

佐上比呂:(驚きながら)え、でも、なぜ私のことを助けてくれるんですか?

神山彩未:(優しく微笑んで)それは、私が比呂さんのことを大切に思っているからです。申さんが私に教えてくれた比呂さんのことを知って、心配で心配で…。

佐上比呂:(感動して)ありがとう…こんな私を助けてくれるなんて…。

(神山彩未がエアコンをつけて、涼しい部屋にしてあげる。)

佐上比呂:(涼しさに癒されながら)本当にありがとう…。

神山彩未:(再び微笑んで)どういたしまして。これからは一緒に頑張りましょうね。

(神山彩未が佐上比呂の手を取り、励ましている。)

(比呂は八月の猛暑日に自宅で引きこもり生活を送っていた。しかし、彼女は熱中症により倒れてしまった。)

比呂「うわぁ…暑い…水…水が欲しい…」

(比呂は汗をダラダラと流しながら、部屋中を探し回っていた。)

比呂「と、とりあえずたいものが欲しい…氷…あった!」

(比呂は冷蔵庫を探し回り、氷を手にした。しかし、その時…)

比呂「あ、電気が…?」

(突如、停電が起こった。)

比呂「えっ、どうして?…電気代払ってなかったっけ?」

(比呂は慌てふためき、懐中電灯を手にして外へ出た。)

比呂「こ、こんな暑い日に何してんだよ…」

(その後、比呂は熱中症で倒れてしまった。)

比呂「うぅ…もう限界…」

(その時、申からの着信が…)

比呂「誰だ…?」

(比呂は、申からの着信を受ける。)

比呂「…?佐上?何?」

佐上「あ、比呂か…元気か?」

比呂「そんなに元気じゃねぇよ…」

佐上「ああ、そうか…じゃあ、君には一つ提案があるんだ」

比呂「提案…?」

佐上「そうだ…君が僕に金をせびったのは、覚えているよな?」

比呂「…あ、ああ、そうだ。でも、今は金がないから…」

佐上「じゃあ、代わりにもう一つの方法があるんだ。君は、彩未という女性を知っているよな?」

比呂「彩未…?ああ、あの神山書店の社長令嬢か…何か彼女に用があるのか?」

佐上「そうだ…彼女と結婚するんだ。そして、今からが彼女に近づくという条件で、君に金を出すんだ」

比呂「…え?何言ってんだよ…」

佐上「分かるだろ、君も金が欲しいんだろ?それなら、彼女に近づいて彼女の財布から金を出してくれよ」

比呂「…そんな、そんなことできるかよ…」

佐上「できないのかよ…じゃあ、君に金を出すわけがないだろう?」

比呂「…でも、それって…詐欺じゃ…」

佐上「詐欺じゃないよ…君は自分でやりたいと言ったんだろ。それに、彼女はお金持ちだし、君が近づいたら簡単に金を出してくれるだろう」

比呂「…でも、それがバレたら…」

佐上「大丈夫だよ…君は彼女と結婚して、お金持ちになるんだ。それに、彼女にバレないようにやればいいだけだ」

比呂「でも…」

(比呂は迷いながらも、申の言葉に押され、彩未に近づくことを決意する。しかし、その後、比呂は彩未に見つかり、警察に逮捕されてしまった。)

比呂「うわぁ…もう…二度とやらない…」

(比呂は自分の行いを悔い、反省する。)


申は比呂の死後、多くの批判を浴びながらも、彩未との結婚生活を送っていた。しかし、比呂の死に関する真相が明らかになり、申は社会的にも精神的にも追い詰められていた。

(家の中で)
申「あー、もう疲れたなあ」
彩未「大丈夫?疲れたの?」
申「うん、今日は漫画の原稿も進まなかったし、ちょっと気分が落ち込んでる」
彩未「そうなんだ。でも、私は今日からお仕事が休みだから、一緒に過ごせる時間が増えるね」
申「そうか、それは嬉しいな」
(彩未が申の肩を抱きながら)
彩未「あ、そうだ。私ね、今日は夕飯に美味しいもの作って待ってるから、頑張ってね」
申「ありがとう、楽しみにしてるよ」

(町中で)
神山太郎「おお、佐上君!お久しぶり!」
申「あ、神山社長、お久しぶりです」
神山太郎「あの事件以来、あまり表に出られなくなってたから心配してたんだよ。でも、彩未ちゃんと結婚して、前向きに頑張ってる姿を見て、本当に嬉しいよ」
申「ありがとうございます。これからも、頑張ります」
神山太郎「そうそう、佐上君の新しい作品が出ると聞いて期待してたんだ。早く読みたいな」
申「はい、頑張ります!」

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