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第67話 恋を探すトコヨ 祭り前日 風呂上がり
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しばらくガル爺の物語を読み、気がつけば三日も経っていた。
「ワシはそろそろ帰ろうかの、思い出の場所を見に行きたくなったのう」
ガル爺…アンタにも色々あったんだな…爺さんなんて選ばなければ恋した人魚や人間、妖精と恋人にもなれたんじゃないか?
孫と爺さんみたいな関係じゃなく…
ガル爺は惚れやすい、しかし見た目が爺さんなので恋愛対象より保護対象のような…そんな扱いを受けてしまう…
「ガル爺の物語面白かったよ、暇あったらまた見せてよ」
「そうじゃのう、この万年筆も貰ってしまったしの。大事にするぞい、ありがとうな。」
結構気に入ってるみたいだ。ガル爺は大事そうに懐に万年筆をしまい、地下室を出て行った。
ガル爺を見送った後急にトコヨが声をあげた。
「わっちも恋したいでありんす!」
急にどうした?恋愛脳にでもなったか?
でも今のトコヨって普通に可愛いし、飼い主を探してるでありんす!が別の意味に聞こえちゃうよね。
トコヨが恋ねぇ…想像つかないけど…
「わっちも乙女でありんす!もうカメでは無い!」
最初から竜でしょ?
「わっちも旅に出るでありんす!ガル爺でもできたんだからわっちにも恋くらいできるでありんす!」
申し訳ないがガル爺にでもできたと言われるとトコヨなら楽勝な気がする。爺さんだし彼。
「一回ギルドに帰るでありんす!準備をしたら出発するでありんす!!」
まあ攻撃スキルも取ったらしいし何より不死身だ。心配無いだろう。
僕達は冒険者ギルドに向かう。また女の子を連れて来てって言われるだろうな…
「ショウさん?随分楽しそうですね、また可愛い女の子連れて」
ほら来た、知ってたもんね。でも今回は違うもんね。
「ユキさん!わっちでありんす!トコヨでありんす!」
ユキさんにトコヨが人型になれるようになったと説明、あまり驚いていないようだが…
「そのわっちっていう単語聞いたら誰でも信じますよ。完全にトコヨちゃんじゃないですか…」
「わっちは恋をする旅に出るでありんす!結構な間世話になったでありんす!」
「どうしちゃったんですか?トコヨちゃんに何が…」
僕はガルドーンという七聖竜に出会い、恋愛話を聞いたトコヨが恋愛脳になったと話した。
「少し寂しいですけど…ちょくちょく遊びに来て下さいね、もうギルドのマスコットみたいなもんですから。」
ノアちゃんやマロンさんも話を聞いて受付に顔を出した。
「寂しくなるっすねぇ、帰ってきたら恋の話聞かせて欲しいっす!」
「トコヨちゃん…一緒にお喋りするの楽しかったですわ。また美容について語り合いましょうね。」
カメと美容の話してたの?得るものあった!?
「すぐに恋して帰ってくるでありんす!じゃあ行ってくるでありんす!!」
そう言ってトコヨはギルドを出て行った。
実は僕も少し寂しいんだよね。
残された四人、恋だ恋だと言われたので少し微妙な雰囲気…
「あ、あの!ショウさん!」
そんな空気の中口を開いたユキさん。これは何か良い予感がしますよ!
「明日この町でお祭りがあるんです!一緒に行きませんか!?」
行くよ!行く行く!急になんか祭りとか聞いたけど行く!!
「もちろん行きます!行きますとも!」
ノアちゃん、マロンさん、そんなニヤニヤしないで下さい…ガル爺の本読んでた時の僕みたいな顔ですね。
「えっと…それじゃあ明日の正午にギルド前で待ち合わせしましょう!楽しいお祭りですよ!」
「先輩今日中にショウさん帰ってきて良かったっすねぇ、ずっと電話するか悩んでたっすもんね」
「かければ良いじゃないと言ったのに忙しいかも知れないとか言うし、意気地なしよねぇ」
「なっ!何を言ってるんですか!そういった話はやめて頂きたい!!」
急に武士みたくなっちゃった…ユキさんってボキャブラリー豊富だよね。
それじゃあまた明日とギルドを出ると確かにお祭りの雰囲気だ。直接ギルドに出てしまったから気が付かなかったけど。
屋台も出るのか、そういえば何の祭りなんだろ、明日聞いてみよ。
地下室に戻り風呂に入る、明日楽しみだな…朝風呂も入って清潔に…などと思っているとトランシーバーが鳴っている。
すごく嫌な予感がする…僕は裸でリビングに行き電話を取った。
「ショウさん!大型の魔獣が町に接近しています!!迎撃の準備をお願いします!!」
ほぅ…
「あの、どの方角ですか?」
「西の方から数体!虎型の魔獣だと思われます!」
ふーん…
「あの、騒ぎにならないようにだけして下さい。お祭りの準備に集中するように。決して騒ぎが大きくなってお祭りが中止にならないようにだけして下さい」
そう言って電話を切った。
タイミングも悪い、空気も読めない魔獣なんか消し飛ばしてやる。本当何しに来んの?
猫じゃらしで一生遊んでろよ。
地下室を走らせ、数分で魔獣を発見。
確かにでかいな…一目散に町を目指して走っている。
大きな虎が三匹、正直吹き飛ばすのは少し可哀想な気もする。
色々言った後で全く信憑性が無いけど。
「ちょっと驚かせれば帰るんじゃない?」
僕は虎の前方で空に向けてフルバーストを叩き込む。
轟音と共に光が発射され、毎度の事ながら空にポッカリと穴を開けた。
虎達は一目散に踵を返して逃げていく。無駄な殺生はよく無い、なんだかんだ言って僕は猫派なんだよ。
ユキさんに無事撃退しましたよと連絡を入れ、僕はまた風呂に戻ろうとしたのだが…
「ちょっとショウさん!!私の部屋に穴空いちゃったんですけど!!」
サキエルじゃん、そうなの?大変だね。帰れば?
「空には天界があるんですから無闇に空に打たないで下さい!」
だからさ、言えよ…そういう事は先に。
「じゃあどこに打てって言うの?あんなの空に打つしかないじゃん」
「今回は丁度上にいたんですよ!もうショウさんの上を飛ばないように上司に相談しました!」
じゃあ来んなよ!変に罪悪感でも与えに来たの?残念ながらザマァ見ろって思ってるよ。
「いや…良い言い訳に使ってビール飲もうと思ったんですけど…今日はもうお腹一杯です。ご馳走様でした。ふふ」
ふふ?しかしやけに素直だな…あ、ビールは持ってくんだ…
「毎回素直に帰ればいいのに、なんで今回はこんなあっさりと?ご馳走様ってなんだよ」
そう言ってから自分の姿に気づく、
風呂から直行したから僕全裸じゃん…アイツ僕の裸見て満足して帰ったの?
無性に通報したい、サキエルってなんで神でいられるんだ?俗物だろあんなの。
まあ良いか…減るもんでもないし…言っても仕方ない…
明日はお祭りだしバカの事は忘れてゆっくり休もう!
「ワシはそろそろ帰ろうかの、思い出の場所を見に行きたくなったのう」
ガル爺…アンタにも色々あったんだな…爺さんなんて選ばなければ恋した人魚や人間、妖精と恋人にもなれたんじゃないか?
孫と爺さんみたいな関係じゃなく…
ガル爺は惚れやすい、しかし見た目が爺さんなので恋愛対象より保護対象のような…そんな扱いを受けてしまう…
「ガル爺の物語面白かったよ、暇あったらまた見せてよ」
「そうじゃのう、この万年筆も貰ってしまったしの。大事にするぞい、ありがとうな。」
結構気に入ってるみたいだ。ガル爺は大事そうに懐に万年筆をしまい、地下室を出て行った。
ガル爺を見送った後急にトコヨが声をあげた。
「わっちも恋したいでありんす!」
急にどうした?恋愛脳にでもなったか?
でも今のトコヨって普通に可愛いし、飼い主を探してるでありんす!が別の意味に聞こえちゃうよね。
トコヨが恋ねぇ…想像つかないけど…
「わっちも乙女でありんす!もうカメでは無い!」
最初から竜でしょ?
「わっちも旅に出るでありんす!ガル爺でもできたんだからわっちにも恋くらいできるでありんす!」
申し訳ないがガル爺にでもできたと言われるとトコヨなら楽勝な気がする。爺さんだし彼。
「一回ギルドに帰るでありんす!準備をしたら出発するでありんす!!」
まあ攻撃スキルも取ったらしいし何より不死身だ。心配無いだろう。
僕達は冒険者ギルドに向かう。また女の子を連れて来てって言われるだろうな…
「ショウさん?随分楽しそうですね、また可愛い女の子連れて」
ほら来た、知ってたもんね。でも今回は違うもんね。
「ユキさん!わっちでありんす!トコヨでありんす!」
ユキさんにトコヨが人型になれるようになったと説明、あまり驚いていないようだが…
「そのわっちっていう単語聞いたら誰でも信じますよ。完全にトコヨちゃんじゃないですか…」
「わっちは恋をする旅に出るでありんす!結構な間世話になったでありんす!」
「どうしちゃったんですか?トコヨちゃんに何が…」
僕はガルドーンという七聖竜に出会い、恋愛話を聞いたトコヨが恋愛脳になったと話した。
「少し寂しいですけど…ちょくちょく遊びに来て下さいね、もうギルドのマスコットみたいなもんですから。」
ノアちゃんやマロンさんも話を聞いて受付に顔を出した。
「寂しくなるっすねぇ、帰ってきたら恋の話聞かせて欲しいっす!」
「トコヨちゃん…一緒にお喋りするの楽しかったですわ。また美容について語り合いましょうね。」
カメと美容の話してたの?得るものあった!?
「すぐに恋して帰ってくるでありんす!じゃあ行ってくるでありんす!!」
そう言ってトコヨはギルドを出て行った。
実は僕も少し寂しいんだよね。
残された四人、恋だ恋だと言われたので少し微妙な雰囲気…
「あ、あの!ショウさん!」
そんな空気の中口を開いたユキさん。これは何か良い予感がしますよ!
「明日この町でお祭りがあるんです!一緒に行きませんか!?」
行くよ!行く行く!急になんか祭りとか聞いたけど行く!!
「もちろん行きます!行きますとも!」
ノアちゃん、マロンさん、そんなニヤニヤしないで下さい…ガル爺の本読んでた時の僕みたいな顔ですね。
「えっと…それじゃあ明日の正午にギルド前で待ち合わせしましょう!楽しいお祭りですよ!」
「先輩今日中にショウさん帰ってきて良かったっすねぇ、ずっと電話するか悩んでたっすもんね」
「かければ良いじゃないと言ったのに忙しいかも知れないとか言うし、意気地なしよねぇ」
「なっ!何を言ってるんですか!そういった話はやめて頂きたい!!」
急に武士みたくなっちゃった…ユキさんってボキャブラリー豊富だよね。
それじゃあまた明日とギルドを出ると確かにお祭りの雰囲気だ。直接ギルドに出てしまったから気が付かなかったけど。
屋台も出るのか、そういえば何の祭りなんだろ、明日聞いてみよ。
地下室に戻り風呂に入る、明日楽しみだな…朝風呂も入って清潔に…などと思っているとトランシーバーが鳴っている。
すごく嫌な予感がする…僕は裸でリビングに行き電話を取った。
「ショウさん!大型の魔獣が町に接近しています!!迎撃の準備をお願いします!!」
ほぅ…
「あの、どの方角ですか?」
「西の方から数体!虎型の魔獣だと思われます!」
ふーん…
「あの、騒ぎにならないようにだけして下さい。お祭りの準備に集中するように。決して騒ぎが大きくなってお祭りが中止にならないようにだけして下さい」
そう言って電話を切った。
タイミングも悪い、空気も読めない魔獣なんか消し飛ばしてやる。本当何しに来んの?
猫じゃらしで一生遊んでろよ。
地下室を走らせ、数分で魔獣を発見。
確かにでかいな…一目散に町を目指して走っている。
大きな虎が三匹、正直吹き飛ばすのは少し可哀想な気もする。
色々言った後で全く信憑性が無いけど。
「ちょっと驚かせれば帰るんじゃない?」
僕は虎の前方で空に向けてフルバーストを叩き込む。
轟音と共に光が発射され、毎度の事ながら空にポッカリと穴を開けた。
虎達は一目散に踵を返して逃げていく。無駄な殺生はよく無い、なんだかんだ言って僕は猫派なんだよ。
ユキさんに無事撃退しましたよと連絡を入れ、僕はまた風呂に戻ろうとしたのだが…
「ちょっとショウさん!!私の部屋に穴空いちゃったんですけど!!」
サキエルじゃん、そうなの?大変だね。帰れば?
「空には天界があるんですから無闇に空に打たないで下さい!」
だからさ、言えよ…そういう事は先に。
「じゃあどこに打てって言うの?あんなの空に打つしかないじゃん」
「今回は丁度上にいたんですよ!もうショウさんの上を飛ばないように上司に相談しました!」
じゃあ来んなよ!変に罪悪感でも与えに来たの?残念ながらザマァ見ろって思ってるよ。
「いや…良い言い訳に使ってビール飲もうと思ったんですけど…今日はもうお腹一杯です。ご馳走様でした。ふふ」
ふふ?しかしやけに素直だな…あ、ビールは持ってくんだ…
「毎回素直に帰ればいいのに、なんで今回はこんなあっさりと?ご馳走様ってなんだよ」
そう言ってから自分の姿に気づく、
風呂から直行したから僕全裸じゃん…アイツ僕の裸見て満足して帰ったの?
無性に通報したい、サキエルってなんで神でいられるんだ?俗物だろあんなの。
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