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第40話 宴会の後 エルフの依頼

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大宴会はまだまだ続きそうだ。
しかしグアム王は流石に泊まれないので風呂に入ったら帰るらしい。
そして今僕達はお風呂でまだお酒を飲んでいる。

「いやぁゴウケツ殿は本当に酒豪じゃのぉ!羨ましいぞい!」
「王も飲みっぱなしではないか、その歳で感服するぞ。」
すごい仲良いじゃん。何があったの?

なんでも王がゴウケツさんに興味を持ち話しかけたのがキッカケらしい。
「オーガは希少な種族じゃからの、男の憧れじゃよ、この筋肉!惚れ惚れするのう」

確かに憧れだよなぁ、ゴウケツさんは初め王とは知らず普通に喋っていたそうだ。
余りにも普通に接するものだから近くの村人が王だと教えてくれたらしい。

「勝手に王族は偉そうなもんだと思っていたからな、こんな気さくな爺さんだとは思わなかったぞ」
ゴウケツさん結構言うね!?大丈夫?
王はホッホッホと笑っている。本当に良い王だよね。

「ゴウケツ殿、ショウ君、サウナという場所で整う事ができると聞いたのじゃが一緒にどうかの?整うというのを体験したいのじゃ。」

「ヌッ…サウナか、そうだな…いい場所だぞ…」
ぬ?無理しないで欲しいぬ。

僕達は暗い顔のゴウケツさんを連れてサウナへと向かう。
「これは身体の芯まで温まるのう…整うとはこういう事か…気持ち良いのう…」
お、グアム王はサウナ大丈夫な人か、一方ゴウケツさんは…

「ぐっ…そうだな、芯から温まった後のビールは最高だぞ。」
いや顔!顔!そんな苦戦してる顔見た事ないよ!

そして10分ほど入り外に出る、ゴウケツさん…大丈夫?あれ、大丈夫そう。

「最初は暑すぎると思っていたが慣れれば気持ちいいものだな。これは確かに整う。」
克服した!すごいよ戦闘種族!

「歳を取ると冷え性になってのう…こんなに芯からポカポカするのは久しぶりじゃよ。うちにも作ろうかのう。」
良いんじゃないですか?あなたの娘さん露天風呂作るとか世迷言言ってましたし。

サウナを上がりビールを飲んだ王は名残惜しそうに帰って行った。
ココさんとハンナちゃんはどうするのだろうか。

僕は二人にどうするか確認しに行くと二人も帰るそうだ。
まあ急に来てもらったしな、しょうがないね。
チヒロちゃんとサイカさんはそれぞれ王族とお友達になった。
「それじゃあサイカさん、また一緒に麻雀をしましょうね」
「チヒロさん、また今度遊んで下さいね!」
二人は喜んでと手を振っていた。
王族と友達か…すごいな…まあ僕もだけど。

それから地下室を運転して村に帰る。
「ゴウケツさん、今日はどうしますか?泊まります?」

「そうしたいのは山々だが…村の警護をこれ以上疎かにするわけには…」
確かに…全員で出てきちゃったからなぁ…

村人も一斉に帰る事になり、みんなで掃除をしてくれた。来る前より綺麗なんじゃなかろうか。

「じゃあ皆さん、ご協力ありがとうございました。スキルポイントも結構貯まりました!」
全員がこんな事で良いなら毎日楽しませて貰ってもいいですよと口を揃えて言ってくる。それはそうか…でも毎日はちょっと…

「じゃあ帰りますね。」
みんなに見送られて村を出る、正直一晩くらいあそこにいても良かったんだけど…
なんか帰る雰囲気になってたしなぁ…

幸せポイントは大量に溜まり、なんとスキルポイント800を手に入れた。
アップデート後にこれは嬉しい。

しかし普通なら800レベルとかいうとんでもないレベルアップをして貰えるポイントなんだよな…
本当にぶっ壊れだなこれ。
しばらく運転だ、慣れると面倒になるヤツだ!

「やっと着いた…」
意外にあの村からこのアルカリスの町は遠いんだよな。なんか久しぶりにアルカリスって名前で呼んだ気がする…

「寝よう、明日は何か依頼を受けるか…なんか平和的なヤツを…」
僕は眠気の限界が来て瞼を閉じた。

翌朝僕は冒険者ギルドに顔を出す。ユキさんとトコヨが出迎えてくれた。

「ショウさん!今日は何か依頼を受けてくれるんですか?」
「わっちの飼い主も見つけて欲しいでありんす!」
トコヨはもうギルドのペットでよくない?
結構馴染んでるじゃん。

「平和な依頼があれば受けたいんですけど…何かあります?平和なヤツですよ?」

「あの…平和な依頼をAランク冒険者に回すのはちょっと…。でももしかしたら平和に解決する依頼はありますよ」
絶対危険じゃん…

「エルフからの依頼で子供のドラゴンを親に返して欲しいっていう依頼ですね。子供ドラゴンが村に迷い込んで来たので保護したそうなのですが親に返そうとしても中々難しいみたいです。」
誘拐とか思われたら焼き殺されるな…確かに円満解決なら平和だけど…

「じゃあそれ行ってみます。エルフにも会ってみたいですし。」

「じゃあお願いします!結構前の依頼なので急ぎ向かって頂けるとありがたいです!」
結構前か、状況が変わってないと良いんだけどなぁ…

エルフの村は東の森の中らしい、マップで確認すると大体半日で着くか?
しかしエルフか…きっと美形ばかりなんだろうな。

僕は期待を胸にハンドルを握る、目測通り半日で村に到着した。
「ここがエルフの村か…」
綺麗な森に中にツリーハウスが点在している。自然と一体になった美しい村だ。

門番に依頼で来たと話すと村の中に通され、村長の家に案内された。
やはり村人は美形揃いだ…しかし男女の差がわからん…

「よく来て下さいました、村長のフィーナと申します」
村長はお爺さんのイメージがあったがずいぶん若い女性だな、長寿だから200歳とか?

「冒険者のショウです。ドラゴンの子供を保護しているとか…」

「そうなのです。我々では母親の怒りに触れた場合対処ができません。相手はエンシェントドラゴンですし…」
ほら出たよ、後出しでどえらいの出すヤツ。普通のドラゴンじゃないですって注意書きに書いておいて欲しいもんだ。

「ドラゴンの場所って分かってるんですか?」
僕は突っ込みたい気持ちを抑えて普通に質問する。

「ここから見える一番高い山の頂上が巣ですね。それと、私達からするとエンシェントドラゴンは神のような存在なので出来れば傷付けないで子供を返して下さい。」

結構好き放題言うなこの人…依頼書に書けばいいじゃん、なんなのこの時間…

「そしてドラゴンの子供はこの子です。怒らせると火を吹きますので慎重に扱って下さいね。」

敬語使えば何言っても良いと思ってる?後出しがすぎないか?例えばブレイズのメンバーとかなら最悪死人が出るよ?

「それと最後に…」
まだ何かあるの?もう聞きたく無いんだけど…

「山には凶暴な魔獣も多いので気をつけて下さいね」
何この人ぼったくりバーとか経営してんの?後出しが過ぎるんだが。

流石にもう話は無いようなので僕は子供ドラゴンを抱えて村を出た。
子供ドラゴンは赤茶色の小さなドラゴンだ。怒る様子も無く僕の胸の中でスヤスヤ寝ている。
可愛いなコイツ…連れて帰りたい…

そして僕は出来るだけ急いでドラゴンのいる山を目指す。
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