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LOVE IS SOMETHING YOU FALL IN.
LOVE IS SOMETHING YOU FALL IN. 第17話
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「なんか、知り合いっぽいな……」
「そう、だな……。悠栖も知らなかったのか? お前同じクラスなんだし仲良いんだろ?」
どういう知り合いなんだろうと疑問を零すも、喋ったこともない俺が知るわけないだろうと英彰からは呆れられてしまった。
しかし、それを言うなら悠栖だって『仲が良い』と言っても出会って一カ月かそこらの関係なのだから那鳥の友達関係なんて知らないと不貞腐れてしまう。
不機嫌になった悠栖に、言葉選びが悪かったと謝ってくる英彰。二人はもう一度視線を那鳥達に戻し、その関係性を探る。
「……どういう知り合いかは分からないけど、久遠先輩が誰かとあんなに喋ってるところ、今まで見たことあるか? 俺はないぞ」
「俺もない。てか、先輩って実在してたんだな」
「! 確かにそのレベルの話だな」
そもそも先輩自体姿を見たのは初めてだった。
そう苦笑を漏らす悠栖と英彰。
すると、二人が様子を伺っていた那鳥に動きがあった。
那鳥は促される形で部室へと足を踏み入れ、そして悠真と共に悠栖達の前から姿を消した。
「なんか、見ちゃいけないモノ見た気分なんだけど……」
「だな……。って、唯哉? オイ、どうした?」
「! あ、いや、悪い。なんか、現実味が薄すぎて……」
なるほど。びっくりし過ぎると人は反応できなくなるのか。
空笑いを浮かべる唯哉の様子を見て、確かに予想外の事に驚くと反応が鈍くなるよなと納得する悠栖。
しかし英彰は悠栖とは違って納得するよりも違和感を覚えたようで、どうして唯哉がそこまで驚くんだと訝し気に質問を重ねた。友人である悠栖がその反応をするなら理解できるが、こちらが一方的に知っているだけの唯哉がその反応をするなんて他の要因があるように思える。と。
問いかける英彰の言葉に、悠栖は「『他の要因』って」とそんな大げさな言い方をしなくてもと笑う。
だがしかし、笑っているのは悠栖だけで、唯哉も英彰も何やら神妙な面持ちでお互いを牽制するように視線を交わしていて……。
「え? 何? どうしたんだよ? チカ? ヒデ?」
え? え? と困惑する悠栖。なんでそんな雰囲気になってんの? と、睨み合いに近い二人の視線の間に割って入れば、英彰ははっきりとした言葉で唯哉を問いただした。
「お前、姫神のこと気になってんのか?」
と。
その言葉は一体どういう意味だろう? いや、どういう意味で英彰の口から出たかは分かっている。
分かっているが、唯哉に対して出た言葉とはどうしても思えなかったのだ。
英彰は恐らく『恋愛感情を抱いているのか?』という意味で唯哉を問いただしている。
唯哉が那鳥を『恋愛対象として意識している』と、確信している。
だが、同性である悠栖を恋愛的な意味で想っている英彰とは違い、唯哉は悠栖と同じく恋愛対象は女性だったはず。
そう認識している悠栖は英彰の言葉に『まさか』と思ってしまうのだ。
(確かに姫神は『男装の麗人』って言われてるぐらい性別不祥なところはあるけど、でも、それでも男は男だし、チカが『姫神のことを』ってヒデの奴、飛躍しすぎだろ?)
そうだ。そんな簡単に男が男を好きになるわけがない。
そう自己完結した悠栖は、まだ唯哉を問いただす様に見据える英彰に対し、『それはいくらなんでも考えすぎだぞ』と笑い飛ばそうとした。だが―――。
「そうみたいだ……」
驚きながらも英彰の言葉を肯定するのは他でもなく唯哉本人。悠栖はその言葉に、聞き間違いかと勢いよく親友を振り返った。
「ち、チカ……? マジで……?」
嘘だよな? と期待を込めて尋ねてみたが、唯哉から返ってきたのは申し訳なさそうな笑い顔だけだった。
「そう、だな……。悠栖も知らなかったのか? お前同じクラスなんだし仲良いんだろ?」
どういう知り合いなんだろうと疑問を零すも、喋ったこともない俺が知るわけないだろうと英彰からは呆れられてしまった。
しかし、それを言うなら悠栖だって『仲が良い』と言っても出会って一カ月かそこらの関係なのだから那鳥の友達関係なんて知らないと不貞腐れてしまう。
不機嫌になった悠栖に、言葉選びが悪かったと謝ってくる英彰。二人はもう一度視線を那鳥達に戻し、その関係性を探る。
「……どういう知り合いかは分からないけど、久遠先輩が誰かとあんなに喋ってるところ、今まで見たことあるか? 俺はないぞ」
「俺もない。てか、先輩って実在してたんだな」
「! 確かにそのレベルの話だな」
そもそも先輩自体姿を見たのは初めてだった。
そう苦笑を漏らす悠栖と英彰。
すると、二人が様子を伺っていた那鳥に動きがあった。
那鳥は促される形で部室へと足を踏み入れ、そして悠真と共に悠栖達の前から姿を消した。
「なんか、見ちゃいけないモノ見た気分なんだけど……」
「だな……。って、唯哉? オイ、どうした?」
「! あ、いや、悪い。なんか、現実味が薄すぎて……」
なるほど。びっくりし過ぎると人は反応できなくなるのか。
空笑いを浮かべる唯哉の様子を見て、確かに予想外の事に驚くと反応が鈍くなるよなと納得する悠栖。
しかし英彰は悠栖とは違って納得するよりも違和感を覚えたようで、どうして唯哉がそこまで驚くんだと訝し気に質問を重ねた。友人である悠栖がその反応をするなら理解できるが、こちらが一方的に知っているだけの唯哉がその反応をするなんて他の要因があるように思える。と。
問いかける英彰の言葉に、悠栖は「『他の要因』って」とそんな大げさな言い方をしなくてもと笑う。
だがしかし、笑っているのは悠栖だけで、唯哉も英彰も何やら神妙な面持ちでお互いを牽制するように視線を交わしていて……。
「え? 何? どうしたんだよ? チカ? ヒデ?」
え? え? と困惑する悠栖。なんでそんな雰囲気になってんの? と、睨み合いに近い二人の視線の間に割って入れば、英彰ははっきりとした言葉で唯哉を問いただした。
「お前、姫神のこと気になってんのか?」
と。
その言葉は一体どういう意味だろう? いや、どういう意味で英彰の口から出たかは分かっている。
分かっているが、唯哉に対して出た言葉とはどうしても思えなかったのだ。
英彰は恐らく『恋愛感情を抱いているのか?』という意味で唯哉を問いただしている。
唯哉が那鳥を『恋愛対象として意識している』と、確信している。
だが、同性である悠栖を恋愛的な意味で想っている英彰とは違い、唯哉は悠栖と同じく恋愛対象は女性だったはず。
そう認識している悠栖は英彰の言葉に『まさか』と思ってしまうのだ。
(確かに姫神は『男装の麗人』って言われてるぐらい性別不祥なところはあるけど、でも、それでも男は男だし、チカが『姫神のことを』ってヒデの奴、飛躍しすぎだろ?)
そうだ。そんな簡単に男が男を好きになるわけがない。
そう自己完結した悠栖は、まだ唯哉を問いただす様に見据える英彰に対し、『それはいくらなんでも考えすぎだぞ』と笑い飛ばそうとした。だが―――。
「そうみたいだ……」
驚きながらも英彰の言葉を肯定するのは他でもなく唯哉本人。悠栖はその言葉に、聞き間違いかと勢いよく親友を振り返った。
「ち、チカ……? マジで……?」
嘘だよな? と期待を込めて尋ねてみたが、唯哉から返ってきたのは申し訳なさそうな笑い顔だけだった。
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