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第二章【平穏な日常】
第十一節 ミハイル将軍
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リベリア王城は“集中式城郭”と呼ばれる、天守や外壁が石造りで、天守塔が二重の城壁に守られた堅牢な城である。
それは有事で外壁が破られる事態になろうとも、更に内側に城壁が存在するために内側の防御が有利となるように築城されているのが特徴だった――。
――リベリア王城にある騎士団の詰め所。
その一角にある軍議などが行われる広間では先ほどまで、将軍であるミハイルを筆頭とする騎士の面々が、昨今の隣国――カーナ騎士皇国の動向報告や、今後のリベリア騎士団の出方についての会議を行っていた。
日が変わるまで行われていた会議が終わり、殆どの騎士たちが出て行った軍議室――。
そこでミハイルは、椅子に腰掛けたまま深い溜息を吐き出した。
(今日で城に詰めてから三週間か。また随分と屋敷を留守にしてしまったな……)
かつての友好国であったカーナ騎士皇国に不穏な動きが見られ始めてから、リベリア公国の将軍――ミハイルは常に多忙を窮めていた。
リベリア騎士団の騎士たちを統率する立場にいる以上、仕方がないこととわかってはいるものの、自身の娘――ビアンカと共に過ごす時間すら取れないことに、ミハイルは苦渋の思いを抱いていた。
「――ミハイル将軍、本日もお疲れ様でした」
ミハイルの溜息を聞き、彼の直属の部下である騎士の青年――ヨシュアが労いの言葉をかける。
「ああ、ヨシュアも遅くまでご苦労だったな。今日はもう休んで良いぞ」
「いいえ。ミハイル将軍のお手伝いをさせて頂きたいと思います。――なあ、レオン?」
ヨシュアは言うと自らの傍らに立つ青年、同じミハイル直属の部下である騎士――レオンに声をかける。
ヨシュアからの声かけに、レオンは無言のまま頷いた。
ヨシュアとレオンは騎士として叙階を受けてから、リベリア公国の将軍ミハイルの両翼として仕える騎士だった。
騎士としての忠義心や戦いの腕前は他の騎士たちより群を抜いており、異例の大出世を果たした――天才と称されている年若い二人組である。
「私も、なるべく早い内にミハイル将軍がお屋敷に戻り、ビアンカ様とお会いできるよう少しでもお役に立ちたいと思います」
寡黙な印象を抱かせるレオンは静かに言う。
誠実な二人の部下の様子にミハイルは困ったような苦笑いを浮かべた。
「二人とも。気遣いはありがたいが――、休むことも騎士としての務めだ。私ももう少ししたら休ませてもらうことにしよう」
ミハイルは言いながら椅子から立ち上がる。
それとほぼ同時だった――。
――コンコン。
軍議室の扉をノックする音が聞こえた。
「――入れ」
ミハイルが扉を叩いた主に対して声をかける。
すると扉が静かに開けられ、軍務室に甲冑に身を包んだ一人の騎士が入ってきた。
騎士は――ミハイルの姿を見とめると最敬礼をする。
「失礼いたします! 大臣閣下よりミハイル将軍閣下へ言伝を賜り馳せ参じました!」
「大臣閣下から?」
ミハイルは訝しげな表情を浮かべる。
大臣からの急務となれば、緊急事態の可能性が高い。
そう考え、ミハイルは身構えるのだが――。
「はい。『リベリア国王陛下からの勅命で――、明日より三日の期間、ミハイル将軍閣下へ暇を与える』とのことです!」
「何……?」
訪れた騎士から伝えられた予想外の言葉――。
ミハイルはおくびにも出さなかったが内心驚いていた。
リベリア国王より急な暇――休日を言い渡されるとは、思ってもいなかったのだ。
「――確かにお伝えさせて頂きました! 失礼いたします!」
騎士は再度敬礼をすると、足早に軍議室を後にした。
急務が言い渡されるのかと一瞬ピリついた軍務室の空気は、また静かなものへと戻っていく。
「良かったじゃないですか! ミハイル将軍!!」
言い渡された伝令にヨシュアは、まるで自身のことのように嬉しそうにミハイルに言葉を掛ける。
「あ、ああ……」
「大臣閣下が国王陛下に輔弼してくださったようですね」
呆気に取られた様子のミハイルにレオンは言葉を零す。
この三週間を――、城に詰めたまま休みなく将軍としての任をこなしているミハイルを見兼ねて、大臣がリベリア国王に暇を与えるよう進言してくれたのであろう。
万が一、リベリア騎士団を統率する要である将軍――ミハイルが倒れるなどということがあれば、代わりとなる人物がいないということは騎士団の誰もが周知していた。
それは、上の立場であるリベリア国王や大臣たちも了得していることであり、それ故の今回の暇の言い渡しなのだろうとミハイルは察した。
「助かると言えば助かるのだが……。随分と急な話だな」
ミハイルは苦笑する。その様子は唐突に舞い込んだ話に戸惑っていることが窺い知れた。
「いいじゃないですか。せっかく頂いた休みの機会なのですから、ビアンカ様とお会いしてゆっくりと過ごしてください」
「そうです。ミハイル将軍は些か働きすぎです」
「うむ。では――、せっかくの機会だ。甘えさせてもらおう」
立て続けにヨシュアとレオンに苦言され――、ミハイルは微かに笑うのだった。
◇◇◇
翌日の早朝――。
ミハイルは久方ぶりに自身の屋敷であるウェーバー邸に帰ることとなった。
「――では、ヨシュアにレオン。私が不在の間、くれぐれも頼むぞ」
ミハイルの言葉にヨシュアとレオンは「はい!」――と力強く返事をし、敬礼をする。
「何かご報告があれば、ミハイル将軍のお屋敷にお邪魔させていただきます。久しぶりに私もビアンカ様とハル君にお会いしたいですし」
ヨシュアはヘラッと人懐こそうな笑みを浮かべ、軽口を零す。
そんなヨシュアの言葉にミハイルは柔らかな笑みを見せた。
「今は特段大きな動きもないだろう。急務がなくとも来てもらって構わんよ」
「おお、本当ですか。そうしましたら遠慮なくお邪魔させていただきます!」
ミハイルの言葉にヨシュアは至極嬉しそうにしていた。
「勿論、レオンも来てもらって構わんからな」
「はい。ありがとうございます。お心遣い感謝いたします」
ミハイルからの言葉に、寡黙な様子を崩さずレオンは礼儀正しく静かに返礼する。
両極端な性格の年若い騎士二人を見て、ミハイルは頷いた。
「では、暫し暇をいただく。任せたぞ、二人とも」
そう言葉を残し、ミハイルは踵を返す。
(ビアンカは元気にしているだろうか。まあ……、ハル君がいれば寂しい思いをさせることもないとは思うが……)
ミハイルは屋敷への道中、久しぶりに会うこととなるビアンカへと思いを馳せるのだった。
それは有事で外壁が破られる事態になろうとも、更に内側に城壁が存在するために内側の防御が有利となるように築城されているのが特徴だった――。
――リベリア王城にある騎士団の詰め所。
その一角にある軍議などが行われる広間では先ほどまで、将軍であるミハイルを筆頭とする騎士の面々が、昨今の隣国――カーナ騎士皇国の動向報告や、今後のリベリア騎士団の出方についての会議を行っていた。
日が変わるまで行われていた会議が終わり、殆どの騎士たちが出て行った軍議室――。
そこでミハイルは、椅子に腰掛けたまま深い溜息を吐き出した。
(今日で城に詰めてから三週間か。また随分と屋敷を留守にしてしまったな……)
かつての友好国であったカーナ騎士皇国に不穏な動きが見られ始めてから、リベリア公国の将軍――ミハイルは常に多忙を窮めていた。
リベリア騎士団の騎士たちを統率する立場にいる以上、仕方がないこととわかってはいるものの、自身の娘――ビアンカと共に過ごす時間すら取れないことに、ミハイルは苦渋の思いを抱いていた。
「――ミハイル将軍、本日もお疲れ様でした」
ミハイルの溜息を聞き、彼の直属の部下である騎士の青年――ヨシュアが労いの言葉をかける。
「ああ、ヨシュアも遅くまでご苦労だったな。今日はもう休んで良いぞ」
「いいえ。ミハイル将軍のお手伝いをさせて頂きたいと思います。――なあ、レオン?」
ヨシュアは言うと自らの傍らに立つ青年、同じミハイル直属の部下である騎士――レオンに声をかける。
ヨシュアからの声かけに、レオンは無言のまま頷いた。
ヨシュアとレオンは騎士として叙階を受けてから、リベリア公国の将軍ミハイルの両翼として仕える騎士だった。
騎士としての忠義心や戦いの腕前は他の騎士たちより群を抜いており、異例の大出世を果たした――天才と称されている年若い二人組である。
「私も、なるべく早い内にミハイル将軍がお屋敷に戻り、ビアンカ様とお会いできるよう少しでもお役に立ちたいと思います」
寡黙な印象を抱かせるレオンは静かに言う。
誠実な二人の部下の様子にミハイルは困ったような苦笑いを浮かべた。
「二人とも。気遣いはありがたいが――、休むことも騎士としての務めだ。私ももう少ししたら休ませてもらうことにしよう」
ミハイルは言いながら椅子から立ち上がる。
それとほぼ同時だった――。
――コンコン。
軍議室の扉をノックする音が聞こえた。
「――入れ」
ミハイルが扉を叩いた主に対して声をかける。
すると扉が静かに開けられ、軍務室に甲冑に身を包んだ一人の騎士が入ってきた。
騎士は――ミハイルの姿を見とめると最敬礼をする。
「失礼いたします! 大臣閣下よりミハイル将軍閣下へ言伝を賜り馳せ参じました!」
「大臣閣下から?」
ミハイルは訝しげな表情を浮かべる。
大臣からの急務となれば、緊急事態の可能性が高い。
そう考え、ミハイルは身構えるのだが――。
「はい。『リベリア国王陛下からの勅命で――、明日より三日の期間、ミハイル将軍閣下へ暇を与える』とのことです!」
「何……?」
訪れた騎士から伝えられた予想外の言葉――。
ミハイルはおくびにも出さなかったが内心驚いていた。
リベリア国王より急な暇――休日を言い渡されるとは、思ってもいなかったのだ。
「――確かにお伝えさせて頂きました! 失礼いたします!」
騎士は再度敬礼をすると、足早に軍議室を後にした。
急務が言い渡されるのかと一瞬ピリついた軍務室の空気は、また静かなものへと戻っていく。
「良かったじゃないですか! ミハイル将軍!!」
言い渡された伝令にヨシュアは、まるで自身のことのように嬉しそうにミハイルに言葉を掛ける。
「あ、ああ……」
「大臣閣下が国王陛下に輔弼してくださったようですね」
呆気に取られた様子のミハイルにレオンは言葉を零す。
この三週間を――、城に詰めたまま休みなく将軍としての任をこなしているミハイルを見兼ねて、大臣がリベリア国王に暇を与えるよう進言してくれたのであろう。
万が一、リベリア騎士団を統率する要である将軍――ミハイルが倒れるなどということがあれば、代わりとなる人物がいないということは騎士団の誰もが周知していた。
それは、上の立場であるリベリア国王や大臣たちも了得していることであり、それ故の今回の暇の言い渡しなのだろうとミハイルは察した。
「助かると言えば助かるのだが……。随分と急な話だな」
ミハイルは苦笑する。その様子は唐突に舞い込んだ話に戸惑っていることが窺い知れた。
「いいじゃないですか。せっかく頂いた休みの機会なのですから、ビアンカ様とお会いしてゆっくりと過ごしてください」
「そうです。ミハイル将軍は些か働きすぎです」
「うむ。では――、せっかくの機会だ。甘えさせてもらおう」
立て続けにヨシュアとレオンに苦言され――、ミハイルは微かに笑うのだった。
◇◇◇
翌日の早朝――。
ミハイルは久方ぶりに自身の屋敷であるウェーバー邸に帰ることとなった。
「――では、ヨシュアにレオン。私が不在の間、くれぐれも頼むぞ」
ミハイルの言葉にヨシュアとレオンは「はい!」――と力強く返事をし、敬礼をする。
「何かご報告があれば、ミハイル将軍のお屋敷にお邪魔させていただきます。久しぶりに私もビアンカ様とハル君にお会いしたいですし」
ヨシュアはヘラッと人懐こそうな笑みを浮かべ、軽口を零す。
そんなヨシュアの言葉にミハイルは柔らかな笑みを見せた。
「今は特段大きな動きもないだろう。急務がなくとも来てもらって構わんよ」
「おお、本当ですか。そうしましたら遠慮なくお邪魔させていただきます!」
ミハイルの言葉にヨシュアは至極嬉しそうにしていた。
「勿論、レオンも来てもらって構わんからな」
「はい。ありがとうございます。お心遣い感謝いたします」
ミハイルからの言葉に、寡黙な様子を崩さずレオンは礼儀正しく静かに返礼する。
両極端な性格の年若い騎士二人を見て、ミハイルは頷いた。
「では、暫し暇をいただく。任せたぞ、二人とも」
そう言葉を残し、ミハイルは踵を返す。
(ビアンカは元気にしているだろうか。まあ……、ハル君がいれば寂しい思いをさせることもないとは思うが……)
ミハイルは屋敷への道中、久しぶりに会うこととなるビアンカへと思いを馳せるのだった。
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