異世界は流されるままに

椎井瑛弥

文字の大きさ
上 下
51 / 190
第3章:冬の終わり、山も谷もあってこその人生

第12話:奴隷商にて

しおりを挟む
「不思議な建物だな。でも、どこかで見たことがある気がするんだなあ、これ」

 レイは奴隷商の場所を聞いてやってきました。目の前にある建物に、レイは既視感デジャヴを感じました。ところが、今日は建物を鑑賞しに来たわけではありません。前で突っ立っていても仕方がありませんので中に入りました。

「いらっしゃいませ」

 玄関から入ったレイに向かって、ホールにいた男性が挨拶をして頭を下げました。

「お客様は当店のご利用は初めてでございますか?」
「ええ、初めてです」
「ではステータスカードのチェックをお願いいたします。奴隷を購入された場合はお客様情報として使用させていただきます」

 レイはステータスカードを端末に乗せました。いわゆる顧客カードを作るわけですが、それと同時に犯罪者かどうかのチェックも行われます。特に高級店ではこのようにチェックが行われるのが一般的です。

「レイモンド様ですね。ではしばらく応接室でお待ちいただけますか? 当店の店主をこれから案内します」

 応接室に案内されたレイがソファーに座って待っていると、扉が開きました。そして「失礼いたします」とドレスを着た女性が現れてレイの前にお茶を置いて出ていきました。

(口にしないのも失礼だろうな)

 まさか毒が入っていることはないだろうと、レイはカップに口を付けました。すると、かなり高級な茶葉を使っていることがわかりました。

「お待たせいたしました。レイモンド様、店主のヘクターと申します。お見知りおきください」

 次に入ってきたのは店主のヘクターでした。きれいになでつけた髪が嫌みっぽく見えません。彼を見て、父親よりは下だろうとレイは考えました。

「本日は受付担当がラッセル、接客がアデラインになります。二人の態度などに問題はございませんでしたか?」
「いや、まったく。所作も言葉遣いも立派なものだったと思う」
「それは安心いたしました。あの二人も当店が扱っている奴隷でして」

 レイはそう言われてぽけっとした顔をしました。執事のブライアンのようにピシッとした身なりをしたラッセルが奴隷だとは思えなかったからです。同じくドレスを着ていたアデラインも同じでした。
 レイには奴隷について一般的な知識はありますが、本で読むのと実際に見るのとでは大きく違います。さらには日本人の知識として、奴隷とは虐げられるのが当たり前だと思い込んでいたのです。

「どうかなさいましたか?」
「いや、奴隷の扱いが思った以上だったから少し驚いて」
「二束三文で売られているような奴隷ならそうでしょうが、当店は高価な商品として販売しておりますので。あの二人もご購入いただけますよ。二人とも三〇代とまだ若いですが、どこに出しても恥ずかしくはありません」
「さすがに屋敷もないから無理だなあ」

 執事とメイドを連れて冒険は無理でしょう。レイはここで奴隷を探している理由を説明しました。パーティーメンバーとしてちょうどいい奴隷はいないかと。

「初めて奴隷を購入される方には説明をする必要がございますので、しばらくお付き合いください」

 そう前置きをしてからヘクターは奴隷についての説明を始めました。
 奴隷については分類方法が大きく二つあります。一つは重犯罪奴隷、軽犯罪奴隷、借金奴隷、特殊奴隷という分け方で、これは国や奴隷商側、つまり管理する側の分け方です。
 重犯罪奴隷は殺人などを繰り返した重犯罪者がなる奴隷で、奴隷商で販売されることはありません。生きたまま捕らえることができた場合、そのまま処刑にするのはもったいないので、鉱山などの危険な場所で死ぬまで働かせます。
 基本的には捕まれば処刑されるような罪を犯しているわけです。捕まる前に殺されるか、それとも捕まって死刑になるか、重犯罪奴隷になって死ぬまで働かされるか、どれがいいかは微妙なところでしょう。
 軽犯罪奴隷は、窃盗や食い逃げなどの軽度の犯罪者、あるいは殺人でも情状酌量の余地がある犯罪者がなる奴隷です。こちらも奴隷商で販売されることはほとんどありません。
 軽犯罪奴隷は、まずは被害者に謝罪をしてから街中で様々な奉仕活動をさせられます。その賃金が被害者に支払われるという形になっています。償いが終わったかどうかはステータスカードの賞罰欄で確認することができます。
 借金奴隷は理由があって奴隷商に売られた奴隷です。奴隷といえば一般的には借金奴隷を指すことが多いでしょう。
 ヘクターは奴隷のことを「高価な商品」と言いましたが、実際には奴隷商が間に立って労働契約を結ぶ形になっています。契約を行う奴隷商人が立ち合い、仕事の内容や解放の条件が決められます。そして購入費用分だけきちんと働いたとみなされると解放されるようになっているんです。
 必ずしも売られただけではなく、金に困って自分を奴隷商に売り、その金を家族に渡すというパターンもあります。セーフティーネットがない世界なので、万が一の場合に金を作る手段となりえるのです。
 最後の特殊奴隷とは上記以外の奴隷のことですが、借金奴隷の一種とも考えられます。
 たとえば、強引に結婚させられそうになったために金の力で一時的に奴隷になって逃げる場合などです。特殊奴隷である間は第三者が買うことはできません。売った本人にしか買い戻せなくなっているんです。ただし、期間は三か月と決まっています。それ以降は通常の借金奴隷として、新たに値付けをされて売られることになります。
 もう一つの分け方は、購入者がその奴隷をどのように扱うかです。これには愛玩奴隷、労働奴隷、知識奴隷、戦闘奴隷などがあります。
 愛玩奴隷は愛人やペットとして可愛がられる奴隷ですが、必ずしも扱いがいいとは限りません。憂さ晴らしのために暴力を振るわれる場合もあるのです。
 労働奴隷は主に肉体労働のために購入されます。仕事内容は荷運びや開拓の手伝い、あるいは兵士の欠員補充などが多いでしょう。体の丈夫な男性や獣人が好まれます。
 知識奴隷も労働奴隷の一種ですが、肉体労働ではなく頭脳労働のために雇われます。奴隷になる前から読み書き計算ができていたパターンが多いですが、奴隷になってから身に付けることもあります。知識奴隷は労働奴隷よりも金額が高く設定されていることが多いでしょう。
 戦闘奴隷も労働奴隷の一種ですが、戦闘に向いた魔法やスキルが使えるなら、パーティーメンバーとして購入される場合が多くなります。特に魔法が得意な場合や特殊なスキルを持っている場合は高値で購入されます。
 これらの分け方は、あくまで大きく目的別に分けただけなので、どう扱うかは購入者次第になります。戦闘奴隷として売られていた奴隷を愛玩奴隷にしても悪くはありません。

「労働奴隷や愛玩奴隷ではなく戦闘奴隷、前衛または後衛、ただし女性、となりますと……ああ、一人いますね。こちらです。犬人でラケルという名前です」

 ヘクターはファイルを開くと、あるページをレイに見せました。

「戦闘奴隷の女性は少ないんですか?」
「多くはありませんね。ジョブにもよりますが、冒険者であれば自分である程度稼ぐことができるでしょう。レイモンド様ならお分かりでしょうが、コツコツ働いていればそう簡単に借金を背負しょい込むことはありません。不相応な依頼に手を出したり、見栄を張って高価な武器を購入したり、大金が入ったと思って豪遊したり、うまい儲け話だと思って飛びついたら詐欺だったり。理由としてはそのあたりでしょうか」

 ヘクターの話を聞いて、レイには武器や豪遊や詐欺の話は理解できるとして、不相応の依頼の意味が理解できませんでした。

「不相応な依頼で借金を背負い込むとは? 普通なら受付の段階で断られるのでは?」

 依頼によっては完了できない場合に罰金がありますが、よほど高ランクの依頼でなければそこまでの罰金にはならないでしょう。そもそも、そのレベルなら指名依頼の可能性もあります。レイの疑問を聞いたヘクターは、さも当然のようにうなずいてから口を開きます。

「レイモンド様は上級ジョブのロードをお持ちだそうですが、それなら治療魔法をお持ちでしょう」
「まだレベルは低いけど怪我なら治せ……ああ、不相応というのは怪我を負う可能性のことか」
「はい。ちょっとした怪我なら下級薬で治せますが、大怪我で、しかも早く治したいなら中級薬が必要になります。まだ未熟なパーティーの場合、その購入資金をどう工面するか」

 メンバーが善人ばかりなら、誰かが一時的に特殊奴隷として奴隷商に買われ、まずその金で怪我を治します。今度はそのメンバーを買い直すために依頼を受けるのです。そして依頼料を貯めて特殊奴隷になったメンバーを買い戻すというわけです。

「なるほど。メンバーが一人残れば踏み倒されることもないと」
「形としてはそうなりますが、みんながみんな真面目とは限りません。実際のところはいつまで経っても迎えが来ないこともあります。そのために期限を区切って通常の借金奴隷にします」

 たとえば、誰かを特殊奴隷として五万キールで奴隷商に売ったとします。特殊奴隷として預かってもらえる期限は三か月です。その間なら売った当人にしか買い戻すことはできません。その間の生活費も払う必要がありますが、せいぜい数千キールです。少し多めに用意すればいいだけです。
 ただし、三か月を過ぎれば通常の借金奴隷と同じ扱いになりますので、五万キールでは買い戻すことはできないでしょう。その奴隷の外見や能力、将来性などを検討し、あらためて値付けがされるからです。七万キールのこともあれば一〇万キールや二〇万キールになることもあるでしょう。理屈から考えて売ったときの値段よりも下がることはありえません。

「ラケルはそれほど背は高くはありませんが盾使いです。レベルは二〇で、冒険者ランクはDです。半年ほどソロ活動をしてからCランクパーティーに入りました。それでこのランクとレベルですので、おそらく素質があるのでしょう。力がありますので、盾と棍棒を使っていたそうです」
「半年でレベル二〇にランクがDか。とんでもない成長じゃないですか? そのラケルが特殊奴隷になったというわけですか」
「はい。おそらく詐欺まがいですが」

 たとえ詐欺まがいでも、納得して売られるのであれば奴隷商は購入します。本当に詐欺だと判断されれば、売った人は今頃は犯罪者になっているでしょう。

「現在は通常の借金奴隷という扱いになっています。販売額は五〇万キールになります」
「五〇万キールか……」

 五〇万キール。金貨五枚。普通なら気軽に払える金額ではありません。金貨が一枚あれば一家四人が一年間は暮らせます。それが五枚です。

「なかなか微妙な値付けでしょう」
「たしかに。一般ジョブの盾使いとしては」

 普通なら悩むところですが、レイたちに必要なのは魔法が使える後衛か盾役の前衛です。このラケルという少女はうってつけです。問題は金額だけですね。どう自分を納得させるかです。
 レイは「悩む理由が値段だけなら買え、買う理由が値段だけならやめておけ」という言葉を聞いたことがあります。「自分にとって本当に必要なものなら、多少高くても買ったほうがいい。買いたい理由が安いからというだけなら、本来は欲しくもないし買う必要がないものだから買うな」というものです。

「一度このラケルと話をさせてください」
「もちろんです。こちらへどうぞ」

 レイはヘクターに案内されて店の奥に向かうことになりました。
 廊下を進むと扉がありました。その扉を通ると壁にいくつも扉が並んだ廊下が見えます。

「ここが奴隷たちの個室になります」
「へえ、個室なんですね」
「ええ。大人数を一部屋に詰め込むような店もあるそうですが、奴隷たちの健康を考えるとこうするのが一番です。結局こうすることで商品価値も上がります」

 まとめて大部屋に放り込めば誰でもストレスを感じるものです。食事、着替え、睡眠。赤の他人と一緒は気が休まらないでしょう。たとえ狭くても個室があれば、最低限のプライバシーは確保できます。特に愛玩奴隷として売られる場合は、髪や肌の状態がどうかで売れ行きが変わります。

「こちらです」

 小窓から部屋を覗くとそのラケルはベッドに座っていました。茶色い髪は肩まであり、頭の上には柴犬のような犬耳が付いていますが、今はその耳がペタンと前に倒れています。

「彼女がこちらに来てから半年ほどになります。有望でしょう」
「そうですね」

 何が有望なのかをはっきりさせないまま、レイはそう答えました。ラケルのほうがレイよりも一つ年上ですが、やや幼い顔立ちをしています。美少女と呼んでも間違いないでしょう。愛玩奴隷としても高値で売れそうです。五〇万キールという値付けにも頷けます。
 ヘクターはノックをすると、鍵を使って扉を開けました。

「ラケル。こちらのお客様がお前と話がしたいそうだ」

 声をかけられたラケルはぴょこんと立ち上がって直立不動の体勢になりました。

「は、はい。ラケルです。犬人族の盾使いでレベルは二〇、冒険者ランクはDです」

 ラケルは直立不動の姿勢になりました。耳がピンと立ちます。

「俺はレイという。向こうの部屋で少し話をさせてほしい」
「はい。よろしくお願いします」

 レイは先ほどまでいた部屋にラケルを連れて戻りました。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

伯爵家の三男は冒険者を目指す!

おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました! 佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。 彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった... (...伶奈、ごめん...) 異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。 初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。 誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。 1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ペット(老猫)と異世界転生

童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。

処理中です...