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第7章:新春、急展開
第1話:新しい年、新しい関係
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「それじゃあ二人の解放を祝って、乾杯!」
「「「乾杯!」」」
レイたちの家では、大晦日から新年に日が変わった瞬間に乾杯が行われました。これは新年祝いではなく、奴隷から解放されたラケルとシャロンの契約満了祝いです。
デューラント王国では、新年祝いは一月一日の夜に行われるものです。特に成人を迎えた子供がいる場合は、成人祝いも兼ねて大きなパーティーをします。村なら村全体で新成人を祝うことがほとんどです。
ラケルは上級ジョブに転職できれば去年の年末まで、それが無理でも今年いっぱいまでという契約でした。シャロンは元々が三年少々の契約で、去年の年末で契約満了ということになっていました。二人ともステータスカードからレイの奴隷であるという情報が消えています。
「ラケルとシャロンは前へ」
レイにそう言われて、二人が前に出ます。
「それじゃ、みんなで拍手」
レイ、サラ、シーヴ、ケイト、ディオナが拍手をします。モリハナバチの羽音が場を盛り上げます。
「ありがとうございます」
「あらためてそう言われると恥ずかしいですが」
ラケルは素直に返事をしましたたが、シャロンは少し照れました。彼女は他人をイジることは好きですが、イジられることに慣れていません。周りから拍手されて顔を赤くしています。
「ラケル、俺のことを『ご主人さま』と呼ばなくてもいいぞ」
「いえ。ご主人さまはご主人さまです。他の呼び方は考えられませんです」
「それならまあ……今のままでいいか」
「はい!」
どこまでも真面目な元奴隷です。
「シャロンも同じだけど、どうする?」
「旦那様は旦那様です。ですが、奥様方は『さん』を付けるのでよろしいですか?」
シャロンはケイトの指示で、サラ奥様、シーヴ奥様と、「奥様」を付けて呼んでいました。
「家族なんだから呼びやすいほうでいいだろう」
「家族……になったんですね」
「元から家族みたいなもんだけどな」
シャロンがレイの胸に飛び込みます。レイは小柄な彼女の頭を撫でました。レイは奴隷だからとラケルとシャロンを差別した記憶はありません。そもそも、二人を奴隷にしておく必要を感じませんでした。ただ、この世界は日本とは違い、契約には神々が関わっています。適当には扱えないと考え、今日まで解放するのを待ったのです。
「ご主人さま、落ち着く場所ができましたです」
「できたな」
「はい。それならご主人さまの子供が欲しいです」
「子供か……」
いずれ子供を作るとレイは約束しました。ですが、今すぐではないとも伝えています。冒険者になってまだ一年です。自分はまだまだ未熟者。冒険者としても人としてもこれからだと考えています。
「ラケルは俺の護衛ができないのは嫌だろ?」
「もちろんです」
「俺としても、子供がお腹の中にいるラケルに盾役はさせられない。何かがあったら困る。いずれ必ず作るけど、今はまだ無理だ」
種族によって、あるいは部族によって、子作りと子育ての考え方は違います。ほぼ脳筋に近い育てられ方をしたラケルにとって、自分自身が強くなった上で自分より強い相手を見つけて子供を作ることは、子供のころからすり込まれたテーゼです。簡単には考えを変えることはできませんが、レイの言葉は彼女にとっては絶対です。奴隷から解放されてもそれは変わりません。
「いつになりそうです?」
「……そうだなあ。俺は三年真面目に働いてようやく一人前だと思うんだ。社会的な信用を得るにはそれくらいは必要じゃないか? たとえ能力があったとしても、成人して一年の若造が王都で大臣なんてできないだろう」
それは日本で働いていたころから考えていたことです。実際には社風が合うか合わないかなど、就職してからでないとわからないこともあります。何人か入社して一週間で退職した新人がいましたが、それにどんな意味があるのかとレイは考えてしまいます。就活に費やした時間と努力が無駄になるわけです。
もちろんブラックすぎれば辞めるのは当然ですが、そうでないのに何度も短期で辞めた職歴ばかりの履歴書では、「どうせうちもすぐに辞めるだろう」と思われかねないのです。
レイは日本人時代を振り返ります。やりたい仕事ができないと文句を言う後輩がたしかにいました。だから、レイは相談に乗りながら自分の考えを伝えていたのです。「自分がやりたい仕事を任せてもらうには、まず信用を勝ち取る必要がある」「実力がわからない新人に、いきなり重要なプロジェクトを任せる会社はない」「言いたいことを言う前に、まずは会社から信用されるように努力しろ」「権利を主張する前に義務を果たせ」などと。
レイの考えは少し古いかもしれませんが、レイよりも上は、世代的にみんなそう考えることが多いのです。新人に重要な仕事が回ってこないのは、大手ならどこでも同じでしょう。
「それなら、あと二年ということです?」
「絶対とは言えないけど、無駄に延ばすつもりはない。だから最長で二年と思って待ってくれ。それは状況によって変わってくる」
「わかりましたです」
レイがそう言うとラケルは引き下がりました。彼女は聞き分けがないわけではありませんが、たまに確認しないと心配になるんです。
犬人は忠誠心が高い種族です。その代わりにぞんざいな扱いをされていると感じると不安を覚えることがあります。先ほどベッドで十分構ったはずなのに足りなかったのかとレイは思いましたが、それとこれとは話が別です。
「では、私もいずれは旦那様の子供を授かるということですね? できにくいとは思いますが」
「もちろんだ。そのときになったら子供を作る」
「お待ちしております」
このやり取りを聞いていたディオナは、レイの肩の上で胸を張りました。「私とレイにはディオニージアがいる」と自慢するかのように。
レイからするとどちらも大きな蜂なので、遠目には区別がつきません。近づくとサイズでわかりますが、そう言うとディオナがすねるので口にはしません。
「ディオナは今年も蜂蜜を頼む。必要なものがあればいつでも言ってくれ」
ぶっ
モリハナバチの集めた蜂蜜で作ったミードは、領主のローランドから注文が入るようになっています。
「それではみなさん、準備はよろしいでしょうか」
今度はシーヴが前に立ちました。女性陣の目が怪しく光りました。
◆◆◆
レイは朝食が終わってもダラダラしていました。
「できればもう少しダラダラしたいな」
いつもならそろそろ準備して出かけようかという時間ですが、今はその気分にならなかったのです。
「さっきは激しく動いてたじゃん。主に腰が」
「いや、そうじゃなくてな」
「いししっ」
昨日、つまり大晦日の夕食のあと、サラが「今年最後の夜だからね」と言い始め、レイはみんなに寝室に連れ込まれました。それが終わって新年の乾杯をすると、今度はシーヴが「それでは姫始めとまいりましょう」とノリノリで宣言して第二ラウンドに突入しました。
レイは第二ラウンドに突入する前にも終わってからもポーションを飲みましたが、体力は回復しても気力は戻りきらず、ソファーでだらっとしているのです。
「レイ、そろそろマルタを送る時間では?」
「ああ、そうだな。よっこらせ」
レイは体を起こします。サラに「おじいちゃんみたいだよ」と言われながらも準備をします。みんなで教会に行く必要はありません。レイはくじ引きで決まったサラと一緒に家を出ました。
◆◆◆
玄関を出ると、白鷺亭の玄関にマルタがいるのが見えました。普段とは違う、ちょっといい服を着ているマルタが、レイにはどう見ても年下には思えません。
聖別式は必ず元日に受けなければならないわけではありません。さらには、受けなかったからといって死ぬわけでもありません。ジョブを授からないだけです。だから、成人してから数年経ってから聖別式を受ける人もいないわけではありません。
そんなことを考えても、マルタを教会まで送ることは決まっています。レイは道を渡って白鷺亭に向かいました。
「おはよう、マルタ」
「おはよ」
「おはようございますぅ」
挨拶しながら抱きつこうとするマルタをレイは避けます。
「よそ見していると危ないぞ」
「大丈夫ですよぉ」
のんびりした話し方からは想像できませんが、マルタの動きは軽快です。そうでなければ、給仕の途中に客にぶつかったり皿を落としたり、大変なことになるでしょう。
教会に到着すると、マルタは前のほうに向かいました。レイとサラは保護者席というわけではありませんが、後ろのほうに座り、新成人たちが聖別式を終えるのを待ちます。
「いや~、初々しいね~」
「俺たちだって、たった一年前だろ?」
「それはそうなんだけどさあ、その間にマリオンを出たり盗賊団を倒したりクラストンで家を買ったり、いろいろあったじゃん」
ちょうど一年前、レイはまだ記憶が戻っていませんでした。去年の元日の夕方、父から勧められたアップルブランデーを飲んで倒れ、四日に目が覚めたのです。
話をしていると、司教が説教を始めました。それが終わると儀式が始まります。
最初に儀式を受けたのは子爵の娘のシェリルです。帰り際にちらっとレイに目をやって頭を下げ、レイも会釈を返しました。
「もっとアピールしてくるかと思ったけどね」
「さすがに公の場ではないだろ」
しばらく待っていると、レイの見慣れた牛耳が近づいてきました。
「お待たせしましたぁ」
そう言いながら抱きつこうとするマルタを、レイは華麗に避けました。
「行きもそうでしたけどぉ、どうして避けるんですかぁ?」
「どうして抱きつかれる必要があるんだ?」
本気なのか冗談なのかわからないような言葉のやり取りが行われます。
「レイ、一度抱きつかれたら避けなくてもいいんじゃない?」
「サラさんの言うとおりですよぉ」
「いや、一度成功したら『一度も二度も同じですよぉ』とか言いかねない」
「どうしてわかるんですかぁ?」
三人はじゃれ合いながら教会をあとにしました。
「「「乾杯!」」」
レイたちの家では、大晦日から新年に日が変わった瞬間に乾杯が行われました。これは新年祝いではなく、奴隷から解放されたラケルとシャロンの契約満了祝いです。
デューラント王国では、新年祝いは一月一日の夜に行われるものです。特に成人を迎えた子供がいる場合は、成人祝いも兼ねて大きなパーティーをします。村なら村全体で新成人を祝うことがほとんどです。
ラケルは上級ジョブに転職できれば去年の年末まで、それが無理でも今年いっぱいまでという契約でした。シャロンは元々が三年少々の契約で、去年の年末で契約満了ということになっていました。二人ともステータスカードからレイの奴隷であるという情報が消えています。
「ラケルとシャロンは前へ」
レイにそう言われて、二人が前に出ます。
「それじゃ、みんなで拍手」
レイ、サラ、シーヴ、ケイト、ディオナが拍手をします。モリハナバチの羽音が場を盛り上げます。
「ありがとうございます」
「あらためてそう言われると恥ずかしいですが」
ラケルは素直に返事をしましたたが、シャロンは少し照れました。彼女は他人をイジることは好きですが、イジられることに慣れていません。周りから拍手されて顔を赤くしています。
「ラケル、俺のことを『ご主人さま』と呼ばなくてもいいぞ」
「いえ。ご主人さまはご主人さまです。他の呼び方は考えられませんです」
「それならまあ……今のままでいいか」
「はい!」
どこまでも真面目な元奴隷です。
「シャロンも同じだけど、どうする?」
「旦那様は旦那様です。ですが、奥様方は『さん』を付けるのでよろしいですか?」
シャロンはケイトの指示で、サラ奥様、シーヴ奥様と、「奥様」を付けて呼んでいました。
「家族なんだから呼びやすいほうでいいだろう」
「家族……になったんですね」
「元から家族みたいなもんだけどな」
シャロンがレイの胸に飛び込みます。レイは小柄な彼女の頭を撫でました。レイは奴隷だからとラケルとシャロンを差別した記憶はありません。そもそも、二人を奴隷にしておく必要を感じませんでした。ただ、この世界は日本とは違い、契約には神々が関わっています。適当には扱えないと考え、今日まで解放するのを待ったのです。
「ご主人さま、落ち着く場所ができましたです」
「できたな」
「はい。それならご主人さまの子供が欲しいです」
「子供か……」
いずれ子供を作るとレイは約束しました。ですが、今すぐではないとも伝えています。冒険者になってまだ一年です。自分はまだまだ未熟者。冒険者としても人としてもこれからだと考えています。
「ラケルは俺の護衛ができないのは嫌だろ?」
「もちろんです」
「俺としても、子供がお腹の中にいるラケルに盾役はさせられない。何かがあったら困る。いずれ必ず作るけど、今はまだ無理だ」
種族によって、あるいは部族によって、子作りと子育ての考え方は違います。ほぼ脳筋に近い育てられ方をしたラケルにとって、自分自身が強くなった上で自分より強い相手を見つけて子供を作ることは、子供のころからすり込まれたテーゼです。簡単には考えを変えることはできませんが、レイの言葉は彼女にとっては絶対です。奴隷から解放されてもそれは変わりません。
「いつになりそうです?」
「……そうだなあ。俺は三年真面目に働いてようやく一人前だと思うんだ。社会的な信用を得るにはそれくらいは必要じゃないか? たとえ能力があったとしても、成人して一年の若造が王都で大臣なんてできないだろう」
それは日本で働いていたころから考えていたことです。実際には社風が合うか合わないかなど、就職してからでないとわからないこともあります。何人か入社して一週間で退職した新人がいましたが、それにどんな意味があるのかとレイは考えてしまいます。就活に費やした時間と努力が無駄になるわけです。
もちろんブラックすぎれば辞めるのは当然ですが、そうでないのに何度も短期で辞めた職歴ばかりの履歴書では、「どうせうちもすぐに辞めるだろう」と思われかねないのです。
レイは日本人時代を振り返ります。やりたい仕事ができないと文句を言う後輩がたしかにいました。だから、レイは相談に乗りながら自分の考えを伝えていたのです。「自分がやりたい仕事を任せてもらうには、まず信用を勝ち取る必要がある」「実力がわからない新人に、いきなり重要なプロジェクトを任せる会社はない」「言いたいことを言う前に、まずは会社から信用されるように努力しろ」「権利を主張する前に義務を果たせ」などと。
レイの考えは少し古いかもしれませんが、レイよりも上は、世代的にみんなそう考えることが多いのです。新人に重要な仕事が回ってこないのは、大手ならどこでも同じでしょう。
「それなら、あと二年ということです?」
「絶対とは言えないけど、無駄に延ばすつもりはない。だから最長で二年と思って待ってくれ。それは状況によって変わってくる」
「わかりましたです」
レイがそう言うとラケルは引き下がりました。彼女は聞き分けがないわけではありませんが、たまに確認しないと心配になるんです。
犬人は忠誠心が高い種族です。その代わりにぞんざいな扱いをされていると感じると不安を覚えることがあります。先ほどベッドで十分構ったはずなのに足りなかったのかとレイは思いましたが、それとこれとは話が別です。
「では、私もいずれは旦那様の子供を授かるということですね? できにくいとは思いますが」
「もちろんだ。そのときになったら子供を作る」
「お待ちしております」
このやり取りを聞いていたディオナは、レイの肩の上で胸を張りました。「私とレイにはディオニージアがいる」と自慢するかのように。
レイからするとどちらも大きな蜂なので、遠目には区別がつきません。近づくとサイズでわかりますが、そう言うとディオナがすねるので口にはしません。
「ディオナは今年も蜂蜜を頼む。必要なものがあればいつでも言ってくれ」
ぶっ
モリハナバチの集めた蜂蜜で作ったミードは、領主のローランドから注文が入るようになっています。
「それではみなさん、準備はよろしいでしょうか」
今度はシーヴが前に立ちました。女性陣の目が怪しく光りました。
◆◆◆
レイは朝食が終わってもダラダラしていました。
「できればもう少しダラダラしたいな」
いつもならそろそろ準備して出かけようかという時間ですが、今はその気分にならなかったのです。
「さっきは激しく動いてたじゃん。主に腰が」
「いや、そうじゃなくてな」
「いししっ」
昨日、つまり大晦日の夕食のあと、サラが「今年最後の夜だからね」と言い始め、レイはみんなに寝室に連れ込まれました。それが終わって新年の乾杯をすると、今度はシーヴが「それでは姫始めとまいりましょう」とノリノリで宣言して第二ラウンドに突入しました。
レイは第二ラウンドに突入する前にも終わってからもポーションを飲みましたが、体力は回復しても気力は戻りきらず、ソファーでだらっとしているのです。
「レイ、そろそろマルタを送る時間では?」
「ああ、そうだな。よっこらせ」
レイは体を起こします。サラに「おじいちゃんみたいだよ」と言われながらも準備をします。みんなで教会に行く必要はありません。レイはくじ引きで決まったサラと一緒に家を出ました。
◆◆◆
玄関を出ると、白鷺亭の玄関にマルタがいるのが見えました。普段とは違う、ちょっといい服を着ているマルタが、レイにはどう見ても年下には思えません。
聖別式は必ず元日に受けなければならないわけではありません。さらには、受けなかったからといって死ぬわけでもありません。ジョブを授からないだけです。だから、成人してから数年経ってから聖別式を受ける人もいないわけではありません。
そんなことを考えても、マルタを教会まで送ることは決まっています。レイは道を渡って白鷺亭に向かいました。
「おはよう、マルタ」
「おはよ」
「おはようございますぅ」
挨拶しながら抱きつこうとするマルタをレイは避けます。
「よそ見していると危ないぞ」
「大丈夫ですよぉ」
のんびりした話し方からは想像できませんが、マルタの動きは軽快です。そうでなければ、給仕の途中に客にぶつかったり皿を落としたり、大変なことになるでしょう。
教会に到着すると、マルタは前のほうに向かいました。レイとサラは保護者席というわけではありませんが、後ろのほうに座り、新成人たちが聖別式を終えるのを待ちます。
「いや~、初々しいね~」
「俺たちだって、たった一年前だろ?」
「それはそうなんだけどさあ、その間にマリオンを出たり盗賊団を倒したりクラストンで家を買ったり、いろいろあったじゃん」
ちょうど一年前、レイはまだ記憶が戻っていませんでした。去年の元日の夕方、父から勧められたアップルブランデーを飲んで倒れ、四日に目が覚めたのです。
話をしていると、司教が説教を始めました。それが終わると儀式が始まります。
最初に儀式を受けたのは子爵の娘のシェリルです。帰り際にちらっとレイに目をやって頭を下げ、レイも会釈を返しました。
「もっとアピールしてくるかと思ったけどね」
「さすがに公の場ではないだろ」
しばらく待っていると、レイの見慣れた牛耳が近づいてきました。
「お待たせしましたぁ」
そう言いながら抱きつこうとするマルタを、レイは華麗に避けました。
「行きもそうでしたけどぉ、どうして避けるんですかぁ?」
「どうして抱きつかれる必要があるんだ?」
本気なのか冗談なのかわからないような言葉のやり取りが行われます。
「レイ、一度抱きつかれたら避けなくてもいいんじゃない?」
「サラさんの言うとおりですよぉ」
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