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第7章:新春、急展開
第30話:増えたのに楽
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前回よりもさらに多い、三五二人のエルフを連れて、レイたちはクラストンに向かいます。さすがにこれだけの集団が移動すれば、魔物だって簡単には近寄ろうとしません。うっかり現れてしまったラインベアーの群れも逃げ出します。ほら。
「どうなることかと思ったら、楽だな」
「上がしっかりしてるからね~」
三〇〇人以上を連れて帰るのは大変だろうとレイは思っていましたが、今回はきちんとグループごとに固まって移動しています。たまに集団から離れようとする人もいますが、すぐに近くにいる仲間に引きずり戻されています。エルフたちの平均年齢が上がったからです。
最初にクラストンに来たエルフは、エリを除けばドロシーとフィルシーの二人でした。この二人がホームステイのことを楽しく語ったおかげで、興味を持つ若い世代が増えました。
前回の一番年上は、クリステルの五七歳でした。一番下のタバサとタビサの双子が二二歳。五七歳でも二二歳でも大きな違いはなく、ちゃんとしているときはちゃんとしていますが、急に子供のように落ち着きがなくなることがあります。
今回、一〇〇歳以上のエルフが三分の二ほどいて、彼女たちが若いエルフたちの世話を焼いています。三〇〇歳というと、人間でいうところの二〇代前半くらいになります。
「私にしてみればぁ、見た感じはみんな同じなんですけどねぇ」
「それもエルフの謎だよね」
サラの目には、タバサとタビサ、ドロシーとフィルシーは中学生くらい、頑張って高校生、クリステルで高校生くらいです。そして、レイの隣にいるレノファで大学生くらいに見えます。並べると違いが分かりますが、単体で見るとまったく何歳なのかわかりません。
◆◆◆
「何かができたらご褒美をあげるというやり方を教えるといいですよ」
「勝手なことをしたらおやつ抜きとは言ったんですけどね」
「何度もそれを言うと、そのうちに爆発しますよ」
今回の最年長のレノファ(二九八歳)がレイにアドバイスをしています。門のところで衛兵をしていることが多かったレノファですが、今回は指導係としてクラストンに来ることになりました。
彼女が説明するところでは、「おやつ抜き」と言うのでも効き目がありますが、それを何度も繰り返してしまうと、そのうちに我慢できなくなって暴れるということです。それよりも、用事が終わるまで大人しくしていたらおやつをあげるようにすると、その間は大人しくしようと頑張ると。
「最初からそれがわかってたらなあ」
「レイさんがどれだけわかっているか、我々も知りませんでしたので。エリン様もいらっしゃいましたし」
「わたしもそこまでは詳しくないよ~」
エリには日本人としての記憶と知識もありますが、エルフの生態が詳しくわかるほどは生きていません。彼女もまだ成人したばかりだからです。
「しかし、前回とは雲泥の差だ」
「大変だったでしょうね」
「勝手にどこかに行くからな。でも、魔物が出てくると、真っ先に狩ってたから、その点は安心できた」
「普段の生活は大人でも子供でも同じです。違うのは、集中力ですね」
ちょうど今、向こうに見えたホーンラビットを追いかけようと、三人ほどエルフが走っていきました。その後ろを、おそらく年長のエルフたちが追いかけます。
「気になるものがあると、意識がそっちに行ってしまいます」
「やっぱりレノファさんも同じだったんですか?」
「そうだったと思います。よく言われるように、一〇〇歳になるかどうかというあたりで、急に頭がすーっと冷めるんですよ。それまで気になっていた動植物の動きなどに惑わされなくなります」
レイはレノファからエルフの暮らしについて教わります。横ではドロシーとフィルシーもふんふんと話を聞いています。彼女たちも若いのですが、クラストンでの生活が長くなったので、同世代よりも落ち着きが出てきました。いつの間にか、かなりお姉さんになったんですね。
◆◆◆
⦅⦅⦅⦅⦅どよどよどよどよっ⦆⦆⦆⦆⦆
これだけの集団となると、なかなかないでしょう。それこそ、村一つが丸ごと引っ越してくるのでもない限りは。
レイを先頭にして、大集団が通りを進みます。今日のところはギルドへは行かず、そのまま家へ向かいます。北門から家までは近いですからね。でも、その間にも住民や冒険者たちに見られています。見られるということは、噂もされます。
「さすがはエルフのハーレム王」
もはやひそひそ話ではなく、堂々とレイのことをハーレム王と呼んでいます。でも、レイはエルフたちには手を出していません。出したのはエリくらいのものです。若いエルフたちはレイにベタベタとくっついてくるので、レイもおかしな気分にならないように気をつけています。
「私もレイさんのハーレム要員ということになるのですか? 孕まされるのですか?」
「いえ、真面目に受け取らないでください」
「私ももう少しで三〇〇になります。子供がいてもおかしくない年齢なのですが」
レノファは流し目でレイを見ますが、レイは騙されません。彼女が狙っているのは、レイが染めた布だからです。彼女はレイたちが初めてジンマに行ったとき、あの場所で取り引きされたチュニックの色の虜になりました。だから、若者たちの指導係をするという名目でレイに付いてきたのです。
「染め方なら教えますよ」
「私が物に釣られるとお思いで?」
「違うんですか?」
「違いません」
冗談を言いながら、一行は家に入りました。
◆◆◆
家のほうをみんなに任せ、レイはスーザンの店に寝具などを買いに出かけます。
「スーザンさん、この前と同じ寝具一式、在庫はありますか?」
「そろえておいたよ。二〇〇? 三〇〇? 五〇〇までは大丈夫」
娘のキャルから聞いたのか、スーザンの口から普通は出ない数字が出てきました。
「三〇〇になりました。最初は三〇〇〇って言われましたけど、なんとか三〇〇に抑えてもらいました」
「三〇〇〇って、町一つじゃない?」
「みんなが楽しかったと言ったから、どんどんと増えているみたいですね」
「楽しいで住民が増えたら領主は楽だろうねえ」
領民の移動は禁止されていません。ただ、自分にできることが増えない限り、どこへ行っても同じ仕事しかできません。だから、よほど今の場所が嫌でなければ、引っ越す意味がないんです。
「キャル。奥へ案内して」
「はーい。レイさん、どうぞ」
「お邪魔します」
レイは店の中を通って、奥の倉庫へと向かいました。
「前に買ってもらったのと同じものをセットにしたから。こっちのは五〇ずつ。こっちが一〇ずつ」
「ああ、助かります」
「まだ必要そう?」
「う~ん、うちで寝泊まりできる人数に限度があるから、どうだろう……」
三棟すべてを和室として使えば七、八〇〇人は入ります。詰め込めば一五〇〇人くらい入りそうですが、そこまで詰め込んでどうするのかという話です。
今回で半分ほどが埋まることになりました。次回は今回よりもさらに多くが来ると思えば、何かしら対策を立てなければなりません。
「余っても買い取るので、あと五〇〇ほど確保してください」
「は~い、五〇〇ね。あと二〇〇ほど必要かな」
レイは次から次へとマジックバッグに入れていきます。エリが大型のを作ってくれたので、運搬が楽になりました。彼女は魔道具の基盤を調整することで、同じ魔力消費量でもよりたくさん入るようにしたのです。
「またギルドに登録に行くかと思うと頭が痛い」
「ああ、あれすごかったね。みんなあちこち好き勝手に動いて。今回はもっと大変なんじゃないの?」
先月のことです。店の前でわいわいと声がしたのでキャルが店先に出てみると、エルフたちがウロウロして、その間をレイが走り回っていたのを見たのです。
「今回は年長のエルフたちが来てくれたし、前の五〇人が案内役になってくれるから、かなりマシだと思うけどね」
クラストンで一か月を過ごしたエルフたちは、かなり成長しました。たまに子供のようになりますが、ジンマに戻る際に勝手にどこかに行くことはなく、クラストンに戻るときも、若いエルフたちをきちんと誘導していました。
「ものすごく成長する人たち?」
「成長というか、これまで周りになかったものを吸収してるんだろうね」
クラストンにあってジンマにないものはいくらでもあります。彼女たちはそれらを経験し、吸収し、その過程が楽しいのだろうとレイは考えています。
◆◆◆
「でさあ、次からどうするの? あふれない?」
「あふれないとは思うけど、限度があるからな」
次にジンマに行ったとき、さらに多くを押し付けられるのではないかとサラが気にしています。レイも同感ですが、もう少しは余裕があります。ただ、このままでは確実にあふれるでしょう。
「レイ兄、余ってる家はダメ?」
「ダメってことはないけど、あれは普通に一家族が暮らす家だから、そんなに入らないぞ」
「建て替えをするわけにもいきませんしね。あれはあれで借り手をどうするか、考えないといけませんね」
「そうだな。でも、あまり知り合いが増えないんだよな」
マイやシーヴが言うように、レイにはあと二軒の家があります。実際には独占使用権の権利を二家族に与えられるだけで、建物も土地も領主であるローランドのものです。勝手に建て替えるわけにはいきませんし、そもそも住宅街です。一つの建物に何百人も入れば、かなり騒々しくなるでしょう。エルフたちの入っている寮がそうなっていないのは、最初から住宅兼店舗として丈夫に作られているからです。
「まあ、なるようになるさ」
「旦那様、投げても事態はよくならないと思いますが」
はい、よくはなりません。でも、別の事情でそのあたりを考えなくてもいいようになるんです。そんな事情がすぐそこまで来ていることが、レイにわかるはずはありません。今日は無事にクラストンに帰ってきたことを乾杯し、翌日の午後、派手に困惑することになるのです。
「どうなることかと思ったら、楽だな」
「上がしっかりしてるからね~」
三〇〇人以上を連れて帰るのは大変だろうとレイは思っていましたが、今回はきちんとグループごとに固まって移動しています。たまに集団から離れようとする人もいますが、すぐに近くにいる仲間に引きずり戻されています。エルフたちの平均年齢が上がったからです。
最初にクラストンに来たエルフは、エリを除けばドロシーとフィルシーの二人でした。この二人がホームステイのことを楽しく語ったおかげで、興味を持つ若い世代が増えました。
前回の一番年上は、クリステルの五七歳でした。一番下のタバサとタビサの双子が二二歳。五七歳でも二二歳でも大きな違いはなく、ちゃんとしているときはちゃんとしていますが、急に子供のように落ち着きがなくなることがあります。
今回、一〇〇歳以上のエルフが三分の二ほどいて、彼女たちが若いエルフたちの世話を焼いています。三〇〇歳というと、人間でいうところの二〇代前半くらいになります。
「私にしてみればぁ、見た感じはみんな同じなんですけどねぇ」
「それもエルフの謎だよね」
サラの目には、タバサとタビサ、ドロシーとフィルシーは中学生くらい、頑張って高校生、クリステルで高校生くらいです。そして、レイの隣にいるレノファで大学生くらいに見えます。並べると違いが分かりますが、単体で見るとまったく何歳なのかわかりません。
◆◆◆
「何かができたらご褒美をあげるというやり方を教えるといいですよ」
「勝手なことをしたらおやつ抜きとは言ったんですけどね」
「何度もそれを言うと、そのうちに爆発しますよ」
今回の最年長のレノファ(二九八歳)がレイにアドバイスをしています。門のところで衛兵をしていることが多かったレノファですが、今回は指導係としてクラストンに来ることになりました。
彼女が説明するところでは、「おやつ抜き」と言うのでも効き目がありますが、それを何度も繰り返してしまうと、そのうちに我慢できなくなって暴れるということです。それよりも、用事が終わるまで大人しくしていたらおやつをあげるようにすると、その間は大人しくしようと頑張ると。
「最初からそれがわかってたらなあ」
「レイさんがどれだけわかっているか、我々も知りませんでしたので。エリン様もいらっしゃいましたし」
「わたしもそこまでは詳しくないよ~」
エリには日本人としての記憶と知識もありますが、エルフの生態が詳しくわかるほどは生きていません。彼女もまだ成人したばかりだからです。
「しかし、前回とは雲泥の差だ」
「大変だったでしょうね」
「勝手にどこかに行くからな。でも、魔物が出てくると、真っ先に狩ってたから、その点は安心できた」
「普段の生活は大人でも子供でも同じです。違うのは、集中力ですね」
ちょうど今、向こうに見えたホーンラビットを追いかけようと、三人ほどエルフが走っていきました。その後ろを、おそらく年長のエルフたちが追いかけます。
「気になるものがあると、意識がそっちに行ってしまいます」
「やっぱりレノファさんも同じだったんですか?」
「そうだったと思います。よく言われるように、一〇〇歳になるかどうかというあたりで、急に頭がすーっと冷めるんですよ。それまで気になっていた動植物の動きなどに惑わされなくなります」
レイはレノファからエルフの暮らしについて教わります。横ではドロシーとフィルシーもふんふんと話を聞いています。彼女たちも若いのですが、クラストンでの生活が長くなったので、同世代よりも落ち着きが出てきました。いつの間にか、かなりお姉さんになったんですね。
◆◆◆
⦅⦅⦅⦅⦅どよどよどよどよっ⦆⦆⦆⦆⦆
これだけの集団となると、なかなかないでしょう。それこそ、村一つが丸ごと引っ越してくるのでもない限りは。
レイを先頭にして、大集団が通りを進みます。今日のところはギルドへは行かず、そのまま家へ向かいます。北門から家までは近いですからね。でも、その間にも住民や冒険者たちに見られています。見られるということは、噂もされます。
「さすがはエルフのハーレム王」
もはやひそひそ話ではなく、堂々とレイのことをハーレム王と呼んでいます。でも、レイはエルフたちには手を出していません。出したのはエリくらいのものです。若いエルフたちはレイにベタベタとくっついてくるので、レイもおかしな気分にならないように気をつけています。
「私もレイさんのハーレム要員ということになるのですか? 孕まされるのですか?」
「いえ、真面目に受け取らないでください」
「私ももう少しで三〇〇になります。子供がいてもおかしくない年齢なのですが」
レノファは流し目でレイを見ますが、レイは騙されません。彼女が狙っているのは、レイが染めた布だからです。彼女はレイたちが初めてジンマに行ったとき、あの場所で取り引きされたチュニックの色の虜になりました。だから、若者たちの指導係をするという名目でレイに付いてきたのです。
「染め方なら教えますよ」
「私が物に釣られるとお思いで?」
「違うんですか?」
「違いません」
冗談を言いながら、一行は家に入りました。
◆◆◆
家のほうをみんなに任せ、レイはスーザンの店に寝具などを買いに出かけます。
「スーザンさん、この前と同じ寝具一式、在庫はありますか?」
「そろえておいたよ。二〇〇? 三〇〇? 五〇〇までは大丈夫」
娘のキャルから聞いたのか、スーザンの口から普通は出ない数字が出てきました。
「三〇〇になりました。最初は三〇〇〇って言われましたけど、なんとか三〇〇に抑えてもらいました」
「三〇〇〇って、町一つじゃない?」
「みんなが楽しかったと言ったから、どんどんと増えているみたいですね」
「楽しいで住民が増えたら領主は楽だろうねえ」
領民の移動は禁止されていません。ただ、自分にできることが増えない限り、どこへ行っても同じ仕事しかできません。だから、よほど今の場所が嫌でなければ、引っ越す意味がないんです。
「キャル。奥へ案内して」
「はーい。レイさん、どうぞ」
「お邪魔します」
レイは店の中を通って、奥の倉庫へと向かいました。
「前に買ってもらったのと同じものをセットにしたから。こっちのは五〇ずつ。こっちが一〇ずつ」
「ああ、助かります」
「まだ必要そう?」
「う~ん、うちで寝泊まりできる人数に限度があるから、どうだろう……」
三棟すべてを和室として使えば七、八〇〇人は入ります。詰め込めば一五〇〇人くらい入りそうですが、そこまで詰め込んでどうするのかという話です。
今回で半分ほどが埋まることになりました。次回は今回よりもさらに多くが来ると思えば、何かしら対策を立てなければなりません。
「余っても買い取るので、あと五〇〇ほど確保してください」
「は~い、五〇〇ね。あと二〇〇ほど必要かな」
レイは次から次へとマジックバッグに入れていきます。エリが大型のを作ってくれたので、運搬が楽になりました。彼女は魔道具の基盤を調整することで、同じ魔力消費量でもよりたくさん入るようにしたのです。
「またギルドに登録に行くかと思うと頭が痛い」
「ああ、あれすごかったね。みんなあちこち好き勝手に動いて。今回はもっと大変なんじゃないの?」
先月のことです。店の前でわいわいと声がしたのでキャルが店先に出てみると、エルフたちがウロウロして、その間をレイが走り回っていたのを見たのです。
「今回は年長のエルフたちが来てくれたし、前の五〇人が案内役になってくれるから、かなりマシだと思うけどね」
クラストンで一か月を過ごしたエルフたちは、かなり成長しました。たまに子供のようになりますが、ジンマに戻る際に勝手にどこかに行くことはなく、クラストンに戻るときも、若いエルフたちをきちんと誘導していました。
「ものすごく成長する人たち?」
「成長というか、これまで周りになかったものを吸収してるんだろうね」
クラストンにあってジンマにないものはいくらでもあります。彼女たちはそれらを経験し、吸収し、その過程が楽しいのだろうとレイは考えています。
◆◆◆
「でさあ、次からどうするの? あふれない?」
「あふれないとは思うけど、限度があるからな」
次にジンマに行ったとき、さらに多くを押し付けられるのではないかとサラが気にしています。レイも同感ですが、もう少しは余裕があります。ただ、このままでは確実にあふれるでしょう。
「レイ兄、余ってる家はダメ?」
「ダメってことはないけど、あれは普通に一家族が暮らす家だから、そんなに入らないぞ」
「建て替えをするわけにもいきませんしね。あれはあれで借り手をどうするか、考えないといけませんね」
「そうだな。でも、あまり知り合いが増えないんだよな」
マイやシーヴが言うように、レイにはあと二軒の家があります。実際には独占使用権の権利を二家族に与えられるだけで、建物も土地も領主であるローランドのものです。勝手に建て替えるわけにはいきませんし、そもそも住宅街です。一つの建物に何百人も入れば、かなり騒々しくなるでしょう。エルフたちの入っている寮がそうなっていないのは、最初から住宅兼店舗として丈夫に作られているからです。
「まあ、なるようになるさ」
「旦那様、投げても事態はよくならないと思いますが」
はい、よくはなりません。でも、別の事情でそのあたりを考えなくてもいいようになるんです。そんな事情がすぐそこまで来ていることが、レイにわかるはずはありません。今日は無事にクラストンに帰ってきたことを乾杯し、翌日の午後、派手に困惑することになるのです。
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