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第2章:冬、活動開始と旅立ち
第17話:宿屋と騒音の関係
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「向こうに見えてきたのがライルです」
「ねえ、あれって見張り塔だっけ?」
「そうですよ。元々はアシュトン子爵領との領境を見張るためのものです」
「そういや、こんな感じだった気がするなあ」
デューラント王国ではここ何十年も貴族同士の争いは起きていませんが、かつては一〇〇〇人単位の兵を出して衝突したこともあります。
領主が率いるのは領地を守って給料を受け取る兵士たちです。彼らは普段から訓練を行い、領軍の中心となります。そこに駆けつけるのが、町や村を任されている騎士たちです。
騎士は領主から騎士号を授かり、普段は領主の代官として町や村を治め、非常時には指揮官として兵を率います。騎士たちが率いるのは、任されている土地の農民たちです。彼らは普段は畑を耕していますが、いざ戦争になれば、家族と家と畑を守るために武器を手にします。
最初は戦争に備えて建てられた見張り塔ですが、今では魔物の大規模な襲撃や不審者が近づかないかを監視のために使われています。さすがにドラゴンは滅多に来ませんが、ワイバーンならたまに町を襲うことがあります。ねぐらのある山を見張るのも塔にいる兵士の仕事です。
そして、町の南に空白地帯が広がっているということは魔物が増えやすいということも表しています。だから冒険者も多くなります。
そのような町なので、普段から兵士も冒険者も多くなります。領境にある町の常として、ガヤガヤした雰囲気になるのは仕方のないことです。
◆◆◆
「宿屋はここでいいですか?」
「どこでも似たようなもんだよな?」
「そうですね。ごくごく一般的な酒場のある宿屋だと思いますよ」
明らかに高級な店は見た目でわかります。住宅地の片隅にぽつんとあり、暖簾も看板も出さずに一日一組しか客を取らないような、知る人ぞ知る高級店はこの国には存在しません。高級店は見ただけで高級店だとわかるようになっているんです。
三人は手続きを済ませると、明日以降のことを話し合うために、一度レイとサラの部屋に入ることにしました。
「ちょっと臭うね」
三人がまず気づいたのは、部屋に漂うカビの臭いでした。
「私は慣れていますが」
「私にはちょっとキツいかな」
「俺はまあ我慢できる範囲だな。でも【浄化】をかけるか。ꇠꈜꆽꀂꀑꌒꆽ」
レイが【浄化】を使うと臭いが消えました。すべての宿屋が清潔ではないことはサラも理解しています。衛生管理がきちんとしていない国なので、ゴミさえ落ちていなければいいというところも多いんです。
レイもサラも宿屋に泊まったのはハドソンが初めてでしたが、あの宿屋はアタリだったわけです。
「レイの【浄化】があるからほとんどは問題ないでしょう。あとは隣室の声が聞こえたりとか、虫が入ってくるとか、そのあたりですね」
「声も虫も大丈夫かな」
サラは虫は苦手ではありません。むしろ子供のころは野生児に近かったので、カブトムシやセミを手づかみで捕っていました。
仕事でビジネスホテルに泊まったこともあります。その際に廊下や隣室から声が聞こえたことがありましたが、すぐにまた寝ることができたので、音に悩まされることはありませんでした。
「サラ、宿屋は連れ込み宿を兼ねていることが多いですから、男女のいろいろな声が聞こえますよ。場合によっては一晩中」
サラが想像している声とは違っていたようですね。
「……レイ、【沈黙】はない?」
「【沈黙】は意味がないぞ。使うとしたら【静寂】か【遮音結界】だな。まだないけど」
音を止める魔法にはいくつかあります。サラが言った【沈黙】は、かけた相手が声を出せなくなる魔法です。
レイの口にした【静寂】は、その空間内で一切の音がなくなる魔法です。【遮音結界】は、その空間に外部の音が入らなくなり、その空間から内部の音が出なくなる魔法です。その空間の中では音は聞こえます。
「綿で耳栓でもするしかないだろうな」
「だね」
近所の部屋からギシギシと音が聞こえてきたら、とりあえず耳栓をすることにしました。
「とりあえず明日からのことだけど、野営をするんだよな?」
「ええ。明日と明後日の夜は野営になります。明明後日の午後にはコクランに到着できます」
このライルと南にあるコクランの間に領境があります。お互いに百数十キロ離れていますので、普通なら二晩ほど野営が必要になるでしょう。
領地と領地の間には何もなく、ただ街道が続いているだけでのことがほとんどです。
続いているといっても、大草原の中を道が伸びているわけではありません。あちこちに山や森や川がありますので、それを迂回したり、場合によっては突っ切って街道が伸びています。
稀に町から逃げ出した人たちが自分たちの力だけで暮らそうと集落を作ることがありますが、魔物や盗賊に襲われることがほとんどです。町や村を離れて生きていけるほど、この世界は優しくありません。
町が城壁で囲まれているのは貴族同士が争っていた時代の名残ですが、今でも盗賊団や魔物の襲来を防ぐ役目は十分に果たしているんです。
「旅の醍醐味だね」
「野営がか?」
「レイはあるみたいだけど、私は経験がないからね」
「俺だってかなり前だけどな。それに自分で何かをした覚えもないし」
レイは昔の記憶を掘り返します。ギルモア男爵領の外に出たのはサラがやってくる前のことです。さすがに領主とその息子の移動なので、それなりの人数の護衛がいました。メイドも料理人もいたことを覚えています。
領地内では代官の屋敷に泊まり、野営をしたのはやはり領地と領地の境目でした。その際に自分が何かをした記憶はありません。そう考えると今回の旅にはあまり役立ちそうな記憶はなさそうですね。
「普段街中で暮らしていますと、たまの野営は面白いものですけどね。安全だと分かっていれば、ですが」
「やっぱり盗賊とか魔物とかが出るのか?」
「どちらも出ますが……どちらが多いかはわかりません」
魔物は盗賊だろうが商人だろうが関係なく襲いかかります。商隊を襲おうとした盗賊団が魔物の群れに襲われて全滅するというのもないわけではありません。
ただし、盗賊と魔物のどちらと遭遇する可能性が高いかを考えれば、まず魔物でしょう。昼よりも夜、特に空に雲がかかっていると、魔物がいるかどうかが音でしか判断できないからです。
「野営地を三つか四つほどの焚き火で囲います。それだけでもずいぶんと魔物除けの効果がありますよ」
「魔物でも火が苦手なんだね」
「どれだけ強い魔物でも、火が当たれば焦げますからね」
人であれ魔物であれ、どれだけ体を鍛えても痛いものは痛いですし、火が当たれば火傷くらいはします。レベルが高いからって髪の毛がチリチリにならない理由はありません。
「焚き火用の薪はたっぷり入れてあるから大丈夫だな」
「だね。もう火をつけてるし」
昼間に調理のために使った薪を、穴のあいた古鍋に突っ込んでマジックバッグに保管してあります。それを使えば、一から火をおこさなくても焚き火が用意できるということです。
「それなら夜番はどうします? 私も入っていいですか?」
「でもシーヴはお客さんだからね、立場的には」
夜は交代で見張りをすることになります。立場的にはシーヴが二人を雇っていますので、夜番はレイとサラが交互に行って、雇い主のシーヴはテントの中で寝ていればいいんです。本来は。
ただ、シーヴには二人に任せてのんびり寝るのが申し訳なく思ってしまう理由がありました。
「今さらかもしれませんが、なし崩し的に昼食やお風呂を用意してもらっていますからね。私も夜番に参加して、コツを教えるということでチャラにしませんか?」
「シーヴがそれでいいならいいのかな、レイ?」
「そうだなあ。気をつけることとか教えてほしいのは間違いないな。頼めるか?」
庭で野営の練習として交互に睡眠をとりながら一晩過ごしたことがありますが、安全だとわかっているので、単なるお遊びにしかなりませんでした。
「ではそうしましょう。細かく分けると大変ですので、三つに分けるくらいでいいでしょう」
レイたちの場合は馬車を止めればちょっとした準備で食事ができます。だからできるだけ進んでおいて、暗くなったら街道を外れて馬車を止めればいいんです。
テントも敷きマットもありますので、ある程度の睡眠の質は確保できます。時間帯は夜、未明、明け方のように時間を三つに分けます。少々不規則な睡眠になるでしょうが、二晩なのでそれくらいは大丈夫だろうということになりました。
「それなら極意を教えてもらおう!」
「普通の夜番ですよ。地味で退屈です」
一人で夜番を担当するときには退屈なものです。ところが、二人になっても話し込んでいては魔物が近づいたときに気づきません。結局は何人でやろうとも、ある程度は静かにしないといけないんです。寝ている人の邪魔になりますしね。
明日の野営初日の夜番は、まず夜がサラとシーヴ、未明がレイとサラ、明け方がレイという組み合わせになりました。
「レイが起きっぱなしになりますが」
「このメンバーなら俺だろう」
実際に体力も三人の中でダントツです。それに、昼間に馬車の中で仮眠をとることもできるでしょう。
「それならそろそろ下に行きましょうか」
「そうだな。その前にシーヴの部屋に【浄化】をかけてからだな」
それから三人はシーヴの部屋に寄ってから酒場に向かいました。飲みすぎない程度に飲んだら部屋に戻ってまた樽風呂に入り、それから解散しました。
「ねえ、あれって見張り塔だっけ?」
「そうですよ。元々はアシュトン子爵領との領境を見張るためのものです」
「そういや、こんな感じだった気がするなあ」
デューラント王国ではここ何十年も貴族同士の争いは起きていませんが、かつては一〇〇〇人単位の兵を出して衝突したこともあります。
領主が率いるのは領地を守って給料を受け取る兵士たちです。彼らは普段から訓練を行い、領軍の中心となります。そこに駆けつけるのが、町や村を任されている騎士たちです。
騎士は領主から騎士号を授かり、普段は領主の代官として町や村を治め、非常時には指揮官として兵を率います。騎士たちが率いるのは、任されている土地の農民たちです。彼らは普段は畑を耕していますが、いざ戦争になれば、家族と家と畑を守るために武器を手にします。
最初は戦争に備えて建てられた見張り塔ですが、今では魔物の大規模な襲撃や不審者が近づかないかを監視のために使われています。さすがにドラゴンは滅多に来ませんが、ワイバーンならたまに町を襲うことがあります。ねぐらのある山を見張るのも塔にいる兵士の仕事です。
そして、町の南に空白地帯が広がっているということは魔物が増えやすいということも表しています。だから冒険者も多くなります。
そのような町なので、普段から兵士も冒険者も多くなります。領境にある町の常として、ガヤガヤした雰囲気になるのは仕方のないことです。
◆◆◆
「宿屋はここでいいですか?」
「どこでも似たようなもんだよな?」
「そうですね。ごくごく一般的な酒場のある宿屋だと思いますよ」
明らかに高級な店は見た目でわかります。住宅地の片隅にぽつんとあり、暖簾も看板も出さずに一日一組しか客を取らないような、知る人ぞ知る高級店はこの国には存在しません。高級店は見ただけで高級店だとわかるようになっているんです。
三人は手続きを済ませると、明日以降のことを話し合うために、一度レイとサラの部屋に入ることにしました。
「ちょっと臭うね」
三人がまず気づいたのは、部屋に漂うカビの臭いでした。
「私は慣れていますが」
「私にはちょっとキツいかな」
「俺はまあ我慢できる範囲だな。でも【浄化】をかけるか。ꇠꈜꆽꀂꀑꌒꆽ」
レイが【浄化】を使うと臭いが消えました。すべての宿屋が清潔ではないことはサラも理解しています。衛生管理がきちんとしていない国なので、ゴミさえ落ちていなければいいというところも多いんです。
レイもサラも宿屋に泊まったのはハドソンが初めてでしたが、あの宿屋はアタリだったわけです。
「レイの【浄化】があるからほとんどは問題ないでしょう。あとは隣室の声が聞こえたりとか、虫が入ってくるとか、そのあたりですね」
「声も虫も大丈夫かな」
サラは虫は苦手ではありません。むしろ子供のころは野生児に近かったので、カブトムシやセミを手づかみで捕っていました。
仕事でビジネスホテルに泊まったこともあります。その際に廊下や隣室から声が聞こえたことがありましたが、すぐにまた寝ることができたので、音に悩まされることはありませんでした。
「サラ、宿屋は連れ込み宿を兼ねていることが多いですから、男女のいろいろな声が聞こえますよ。場合によっては一晩中」
サラが想像している声とは違っていたようですね。
「……レイ、【沈黙】はない?」
「【沈黙】は意味がないぞ。使うとしたら【静寂】か【遮音結界】だな。まだないけど」
音を止める魔法にはいくつかあります。サラが言った【沈黙】は、かけた相手が声を出せなくなる魔法です。
レイの口にした【静寂】は、その空間内で一切の音がなくなる魔法です。【遮音結界】は、その空間に外部の音が入らなくなり、その空間から内部の音が出なくなる魔法です。その空間の中では音は聞こえます。
「綿で耳栓でもするしかないだろうな」
「だね」
近所の部屋からギシギシと音が聞こえてきたら、とりあえず耳栓をすることにしました。
「とりあえず明日からのことだけど、野営をするんだよな?」
「ええ。明日と明後日の夜は野営になります。明明後日の午後にはコクランに到着できます」
このライルと南にあるコクランの間に領境があります。お互いに百数十キロ離れていますので、普通なら二晩ほど野営が必要になるでしょう。
領地と領地の間には何もなく、ただ街道が続いているだけでのことがほとんどです。
続いているといっても、大草原の中を道が伸びているわけではありません。あちこちに山や森や川がありますので、それを迂回したり、場合によっては突っ切って街道が伸びています。
稀に町から逃げ出した人たちが自分たちの力だけで暮らそうと集落を作ることがありますが、魔物や盗賊に襲われることがほとんどです。町や村を離れて生きていけるほど、この世界は優しくありません。
町が城壁で囲まれているのは貴族同士が争っていた時代の名残ですが、今でも盗賊団や魔物の襲来を防ぐ役目は十分に果たしているんです。
「旅の醍醐味だね」
「野営がか?」
「レイはあるみたいだけど、私は経験がないからね」
「俺だってかなり前だけどな。それに自分で何かをした覚えもないし」
レイは昔の記憶を掘り返します。ギルモア男爵領の外に出たのはサラがやってくる前のことです。さすがに領主とその息子の移動なので、それなりの人数の護衛がいました。メイドも料理人もいたことを覚えています。
領地内では代官の屋敷に泊まり、野営をしたのはやはり領地と領地の境目でした。その際に自分が何かをした記憶はありません。そう考えると今回の旅にはあまり役立ちそうな記憶はなさそうですね。
「普段街中で暮らしていますと、たまの野営は面白いものですけどね。安全だと分かっていれば、ですが」
「やっぱり盗賊とか魔物とかが出るのか?」
「どちらも出ますが……どちらが多いかはわかりません」
魔物は盗賊だろうが商人だろうが関係なく襲いかかります。商隊を襲おうとした盗賊団が魔物の群れに襲われて全滅するというのもないわけではありません。
ただし、盗賊と魔物のどちらと遭遇する可能性が高いかを考えれば、まず魔物でしょう。昼よりも夜、特に空に雲がかかっていると、魔物がいるかどうかが音でしか判断できないからです。
「野営地を三つか四つほどの焚き火で囲います。それだけでもずいぶんと魔物除けの効果がありますよ」
「魔物でも火が苦手なんだね」
「どれだけ強い魔物でも、火が当たれば焦げますからね」
人であれ魔物であれ、どれだけ体を鍛えても痛いものは痛いですし、火が当たれば火傷くらいはします。レベルが高いからって髪の毛がチリチリにならない理由はありません。
「焚き火用の薪はたっぷり入れてあるから大丈夫だな」
「だね。もう火をつけてるし」
昼間に調理のために使った薪を、穴のあいた古鍋に突っ込んでマジックバッグに保管してあります。それを使えば、一から火をおこさなくても焚き火が用意できるということです。
「それなら夜番はどうします? 私も入っていいですか?」
「でもシーヴはお客さんだからね、立場的には」
夜は交代で見張りをすることになります。立場的にはシーヴが二人を雇っていますので、夜番はレイとサラが交互に行って、雇い主のシーヴはテントの中で寝ていればいいんです。本来は。
ただ、シーヴには二人に任せてのんびり寝るのが申し訳なく思ってしまう理由がありました。
「今さらかもしれませんが、なし崩し的に昼食やお風呂を用意してもらっていますからね。私も夜番に参加して、コツを教えるということでチャラにしませんか?」
「シーヴがそれでいいならいいのかな、レイ?」
「そうだなあ。気をつけることとか教えてほしいのは間違いないな。頼めるか?」
庭で野営の練習として交互に睡眠をとりながら一晩過ごしたことがありますが、安全だとわかっているので、単なるお遊びにしかなりませんでした。
「ではそうしましょう。細かく分けると大変ですので、三つに分けるくらいでいいでしょう」
レイたちの場合は馬車を止めればちょっとした準備で食事ができます。だからできるだけ進んでおいて、暗くなったら街道を外れて馬車を止めればいいんです。
テントも敷きマットもありますので、ある程度の睡眠の質は確保できます。時間帯は夜、未明、明け方のように時間を三つに分けます。少々不規則な睡眠になるでしょうが、二晩なのでそれくらいは大丈夫だろうということになりました。
「それなら極意を教えてもらおう!」
「普通の夜番ですよ。地味で退屈です」
一人で夜番を担当するときには退屈なものです。ところが、二人になっても話し込んでいては魔物が近づいたときに気づきません。結局は何人でやろうとも、ある程度は静かにしないといけないんです。寝ている人の邪魔になりますしね。
明日の野営初日の夜番は、まず夜がサラとシーヴ、未明がレイとサラ、明け方がレイという組み合わせになりました。
「レイが起きっぱなしになりますが」
「このメンバーなら俺だろう」
実際に体力も三人の中でダントツです。それに、昼間に馬車の中で仮眠をとることもできるでしょう。
「それならそろそろ下に行きましょうか」
「そうだな。その前にシーヴの部屋に【浄化】をかけてからだな」
それから三人はシーヴの部屋に寄ってから酒場に向かいました。飲みすぎない程度に飲んだら部屋に戻ってまた樽風呂に入り、それから解散しました。
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