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第1章:目覚めと始まりの日々
第4話:目が覚めれば、そこには元中二病の幼馴染
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「そうか、酒が原因か」
レイはサラから自分が倒れた経緯を聞きました。たしかにあのブランデーを口にしたあとから記憶が途切れています。
「そうかもしれないし違うかもしれない。とりあえず一口飲んだと思ったらパッタリと倒れたんだよ。あのときの旦那様の慌てっぷりがすごかったんだから」
~~~
パシャーンと甲高い音がして、ショットグラスが床で砕け散りました。
「お、おい! レイ! しっかりしろ!」
モーガンの目の前でレイが崩れるように倒れ、成人祝いの場が一転して大騒ぎになります。その場で一番慌てていたのが父親のモーガンでした。
「誰か、誰でもいい、早く医者を呼べッ!」
「旦那様、私が様子を見ます」
ブライアンには応急処置に使えるスキルがあります。上着を脱ぐとその上にレイを仰向けに寝かせ、脈をとり始めました。
「レイ、死ぬな、死ぬなよッ!」
モーガンはそう叫びながらレイの肩を大きく揺さぶります。
「旦那様、あまり揺さぶりますとレイ様が首を痛めてしまいます。今のところ呼吸には問題ございません。原因がお酒かどうかまではわかりませんが、今はお部屋で休んでいただくのがよろしいでしょう」
「おお、そ、そうだな。すまん、任せた」
自室に運ばれていくレイを見ながらモーガンは真っ青な顔で立ち尽くしていました。アグネスはその手に自分の手を重ねます。
モーガンは最初のうち、一時間ごとにレイの部屋に様子を見に来ていましたが、さすがに翌日になると心身ともに疲れきってしまい、午後には部屋で寝込んでしまったのです。
~~~
「父上が慌てたって初めて聞いたな」
「私もあんな旦那様は見たことなかったよ。でも内心は心配性だって奥様が言ってた。ブランデーを勧めたせいだって自分を責めてたみたい。それで心配になって一時間ごとに部屋に来てたけど、それで疲れて寝込んじゃってるらしいよ」
執事のブライアンが治療を行っても効き目がなく、レイはそのまま部屋に運び込まれました。
それからレイは体温が上がったり下がったりを繰り返しました。サラや他のメイドたちが交代で様子を見ていましたが、それ以外には何も変化がありません。熱がないときは静かに寝ているようにしか見えませんでした。
そしてようやく熱が出なくなったのが今日の朝です。レイはそのような説明を受けました。
「酒のせいでもない気がするんだけどな」
「たまたま記憶が戻るタイミングだったのかもね」
「そんなベタなことはないだろう……」
そう言いながら、サラの記憶がすでに戻っていることをレイは思い出しました。
「そういやサラはもっと前から記憶が戻ってたんだよな? いつだったんだ?」
「三年ちょっと前だよ。微熱と軽い頭痛くらいだったかな。風邪かなってくらい。その日は仕事を休ませてもらったよ」
「ああ、そういえばそんなことがあったな。年末近くに」
「そうそう。レイが無理するなって休ませてくれたから一日寝てたけど、実は急に記憶が戻ってどうしよって感じだったからね」
三年少々前の年末近く、サラは目が覚めると軽い頭痛と熱と寒気を感じました。レイが休んでいいと言ったので、その日はずっとベッドで寝ていましたが、実はそのときに記憶が戻ったのでした。今の自分と過去の自分の記憶がごちゃ混ぜになり、軽いパニックを起こしかけていたんですね。
サラはなんとか心を落ち着かせると、自分が置かれている状況をよく考えました。すると、仕える相手の愛称がレイで、日本人時代の幼馴染と同じ名前でした。見た目は違いますが、性格は似ている部分も多く、同一人物ならいいのにと思い始めたのです。
しばらく生活するうちに、「あのレイだったらいいな」が「あのレイに違いない」と確信に変わっていきました。ところが、持ち前の「ここぞというところで怖がりになる」性格のため、今まで確認することもできなかったのです。
「ところで、今は何日なんだ?」
「一月四日の午後。もう数時間したら丸三日になるところだよ。交代で様子見をしてたから、遅めの昼食が終わって戻ってきたとこ」
「三日もよく寝てられたなあ」
ただ単に寝ていただけでないことはわかったものの、よくそれだけ続けて寝られたものだとレイは自分で感心しました。
「でもサラが軽い風邪みたいな症状だったんなら、どうして俺はこんなに寝込んだんだろうな?」
二人は日本でもこちらでも同い年です。サラの記憶が戻ったのは三年前で、軽い風邪のような症状があっただけ。一方で、レイは丸三日近く寝込みました。
「普段の行いとか前世の長さとかも関係あるかも」
「行いは悪くないだろ。前世は……たぶんサラと半年も変わらないはずだ」
日本人のレイがいつまで生きていたのか、それはレイ本人にもわかりません。年末にサラの家で線香をあげたことは覚えています。それから実家に戻って父親と一緒に飲んだことも記憶にありますが、それからのことはまったく出てきません。
「え? 死んじゃったの?」
「死んだかもしれない。年末に帰省した際にお前ん家で線香をあげて、うちに帰ってから父さんと飲んで、それ以降の記憶がまったくない」
~~~
レイとサラは学力が違ったので、二人は高校からは進学先が別になりました。レイは大学入学を機に地元を離れて東京で暮らし始め、就職先も同じく東京でした。
一方のサラは、親の意向もあって地元の大学に進学して地元で就職しました。社会人になるとお互いにそれなりに忙しく、盆と正月に帰省した際に予定が合えば会うこともあるという程度の付き合いになっていったのです。
さらに何年も経って三〇もそう遠くなくなってきたころ、レイは海外転勤でシアトルにいました。二〇代で海外支店の課長というのは破格の待遇でしょう。実際に社内の意識改革を含めてそれだけのことはしていましたが、上層部との折り合いが悪くて飛ばされた部分も少なからずあります。
そのレイのもとに、サラが病気で亡くなったと連絡が入りました。レイはクリスマス休暇を使って少し早めに帰国すると、実家に荷物を置いてから線香をあげるためにサラの実家に向かいました。
ピンポ~~ン♪
『……はい。ああ、レイ君、ちょっと待ってね』
レイを出迎えたのはサラの母親のミカでした。
「ご無沙汰してます」
「ありがとうね。サラも喜ぶわ」
「サラは『なんですぐに来ないかなあ』なんて向こうでぶつくさ言ってそうですが」
レイは線香をあげてから久しぶりにミカと話をしました。そこでサラが病気のことを隠していたことをミカから聞きます。
「あの子は変なところばっかり頑張って、ここぞという瞬間にはいつも臆病になって失敗するのよ」
「そんなところはありましたね」
普段はガンガンと向かってくるのに、たまにどうでもいいことでクヨクヨすることがあったことをレイは覚えています。
——ねえ、レイ。赤点だったらどうしたらいい?
——どこに赤点になる要素があったんだ?
レイは問題を思い返しましたが、どの科目もテスト期間の直前に渡された復習プリントにあった問題でした。もちろん少しは応用問題もありましたが、それを全部間違ったとしても赤点はありえません。真面目にやっていればまず問題ないはずです。
——解答欄がずれてないかなって
——見直しはしたか?
——うん、した。五回も
——それでどうやったらずれるんだ?
テスト用紙が返却されるまで、こんなやり取りを何度もしたことをレイは覚えていました。サラとは違い、レイはそのあたりは割り切っています。寝ようが騒ごうが結果は変わらないので、それなら悩むだけ無駄だと。
「違うわよ。レイ君に対してよ。あの子からすると幼馴染以上だったんでしょうね。好きだとか、彼女になりたいとか、結婚したいとか、そういうのは聞いたことがなかったけど。高校受験のときには同じところに行きたかったって泣いてたのよ、あれでもね。絶対に言わないでって頼まれたから言わなかったけど。意地っ張りで強気なのに急に弱気になるのは誰に似たのかしらね?」
ミカは懐かしむようにそう口にしました。それを見たレイは、今さらサラのことを考えます。
彼女が自分に対して幼馴染以上の好意を持っていたことはわかっています。それでも恋人になるイメージは持てませんでした。ちらっとくらいは頭の端をかすめたこともあったかもしれませんが、数々の痛い発言にかき消されてしまったのです。
「どうなんでしょうね。自分でもよくわかりません。困らせられることもありましたが、嫌いではありませんでした。好き嫌いで考えれば好きだったでしょう。ただ……どう言ったらいいのか……手のかかる妹か弟みたいでした。今でもそうですね」
それはレイの偽らざる本心です。彼はドライであると同時に慎重でした。相手が自分のことを好きだとしても、自分が相手を好きでもないのに付き合うのは逆に失礼だと、義理で付き合うのはお互いのためにならないと考えてしまうんです。やや理屈っぽくて硬苦しいという言い方もできるでしょう。
そもそもレイは年上好きで、かつキリッとした女性が好きでした。そのことはサラも知っていました。結局そのような女性はただ一人、レイが入った会社の上司しかいませんでした。
その上司はレイよりも一回り以上も年上だったためか、言葉の端々から子供扱いされているようにレイは感じていました。自分はまだまだ一人前ではないと思っているうちに、レイは三〇近くになってしまいました。そして海外転勤です。
「私たちもそうだろうと思ってたけどね。ま、レイ君に気持ちをわかってもらえなかった時点であの子の負けね。ちなみに最後の言葉は『我が生涯にちょっとだけ悔いあり』だったのよ。たぶんレイ君のことね」
「最後の最後までサラはサラだったわけですね」
しばらく話をしていると廊下から足音が聞こえて障子が開きました。隙間から顔を出したのは、サラの妹のマイでした。
「ただいま。それと、レイ兄、おかえり」
「ああ、ただいま。マイもおかえり。元気だったか?」
「うん。姉さんのこともあったから人間ドックに入った。血管も内臓も脳みそもピカピカ。問題なし」
マイはそう言いながらサムズアップしました。それを見てレイは安心しました。サラの妹なのに常にテンションが低めなので、気落ちして地面に潜っていないかと心配していていたんです。妙にドライなので、レイは自分の妹のようだとも感じています。
レイは一時間ほど話をすると、それから隣にある実家に戻りました。家では父親と一緒にサラに対して献杯し、それからお風呂に入って、それほど遅くない時間に布団に入りました。
~~~
どう思い返してもそこでプッツリと記憶が途切れていますが、そこで悩んでも仕方がありません。答えは出ないに決まっているからです。過ぎたことは悩まないというのはこちらのレイでも同じです。
「俺が日本で死んだかどうかはどうでもいいとして、どうして俺の記憶が戻ったとわかったんだ?」
レイが目を覚ましたとき、サラは目を皿のようにして驚いていました。
「口調がね。こっちじゃ自分のことを『俺』って言わなかったでしょ?」
「……そういやそうだな」
これまでレイは「僕」と言っていたのに、急に「俺」と言ったのでサラはおかしいと思ったのです。それを除いても、口調が彼女の記憶にあるレイに似ていて、さらにぼそっと地名を口にしたのも大きかったでしょう。
レイは倒れる前のことをサラに確認しましたが、記憶がないのは寝込んでいた期間だけで、それ以外は問題なさそうでした。家族と話す際の言葉遣いにだけ気をつければいいでしょう。
「どう? 起き上がれそう?」
「ああ、寝過ぎて少しだるいけど、それ以外は問題なさそうだ」
レイはベッドから出ると、屈伸をしたり腕を上げたりして確認しました。インフルエンザなどで熱を出して寝込むと、次の日に体がこわばって動かしにくい、あの感じです。
「もう熱はないと思うけど、もう一回くらい体を拭いとこうか?」
「拭くって……そういや着替えてるな」
言われて初めて気がつきましたが、レイはパジャマを着ています。そして、下着は着けていません。
「三日も経ってるからね。すぐに汗だくになったから、何度も着替えさせたんだよ。それでもまったく起きる気配がなかったけどね。それにしても……」
「それにしても?」
サラが変なところで言葉を止めたので、レイはその先が気になって聞き返しました。
「立派になったよね~」
サラの目線が彼の股間に向きました。
「どこを見てるんだ?」
「レイのレイを。でも、こっちじゃお風呂で毎日見てたから、今さらでしょ? 見るというか触るというか握るというか扱くというか」
「……そうだったな」
レイは記憶がこんがらがっていますが、今のサラにとっては風呂場でレイの体を洗うのは仕事の一部です。レイの体を洗ってから自分の体を洗い、それから二人で湯船にゆっくりと浸かり、最後にレイと自分の体を拭いて風呂場を出ます。部屋に戻るとサラの仕事は終わりになります。
日本でも一緒に風呂に入った記憶がありますが、それは小学校の低学年まででした。それがこちらではこの年まで一緒です。
使用人たちが風呂に入るのは、仕事が終わって寝る前になります。本来ならサラの仕事はレイの体を洗うことなので、自分の入浴は夜になってからです。ところがレイは、サラに自分の体を洗わせてから湯船の外で待たせておくのは気が引けたので、最初から一緒に入るように言ったのです。
着替えを手伝わせる。体を洗わせて拭かせる。レイは貴族の息子として、そういうことも専属メイドの仕事だと考えていました。それは必ずしも間違ってはいません。ところが、記憶が戻った今の状態でこれまでの生活を考えると、同い年の少女にそんなことをさせるのはちょっとどうだろうと思ってしまいました。
「それじゃ旦那様にレイが起きたことを言ってくるね。おっと言葉遣い言葉遣い」
サラは自分の頬を手のひらで叩くと、いつもの無表情に戻って部屋を出ていきました。扉が閉まるのを見てから、レイはぼそりとつぶやきます。
「まさか違う世界で会うとはなあ。でもどうして俺はこっちに来たんだ? まさかお酒が原因じゃないんだろうけど」
ラノベやマンガのように、神の世界とやらで神様に会った記憶はありません。何かがあって記憶が消された可能性もゼロではありませんが、そこまでは彼にもわかりません。
そもそもレイは、アニメやゲーム、マンガなどは最低限しか知りません。グルメ系のマンガは好きでしたが、ファンタジーとなると一部の超有名どころしか知らないのです。それもサラたちに押し付けられて読んだものでした。
悩んだところで誰かが教えてくれるわけでもありません。レイはそれ以上は考えないようにすると、気だるそうにパジャマを脱ぎ始めました。動けないほどではありませんが、丸三日近く寝ていたので体の節々が痛くなっています。
「そうだ。【治療】を使ってみるか。ꇜꌺꀂꀑꆅꀑꆽ」
自分に【治療】を使ってみると少し痛みが和らぎました。これは軽い怪我を治す魔法です。腰痛にも効き目がありました。
魔法はある程度は頭の中のイメージだけで発動します。詠唱は必ずしも必要ありませんが、イメージを口にすると効果を高められるので、慣れないうちは詠唱することを勧められます。
「これで動けるな」
クローゼットを開けるとそこには普段の服がかけられていました。その中から一組を取り出します。貴族の服はスリーピースのスーツに近いので、着るのは難しくありません。
レイが社会人時代に着ていたスーツはツーピースでしたが、ベストがあるかないかの違いです。貴族服とスーツとの間に違いがあるとすれば、ネクタイではなくスカーフを巻いて襟元に押し込む形になっていることです。胸元が華やかになりますね。
そして、このスーツが単なるスーツと違うのは、胸のところにギルモア男爵家の紋章が入っていることからもわかります。もちろんレイは当主の息子なので、父親とは紋章の形が違っています。息子はあくまで息子でしかありません。
着替えが終わると、レイは全身を姿見に映してみました。
「……結婚式の新郎だな、これは」
どう見ても結婚式で華やかなモーニングを着ている新郎です。ラメが入っているわけではありませんが、キラキラしています。華やかなシーンに似合いそうですが、これは結婚式の衣装ではなく普段着です。レイは先日までは何の違和感もなく着ていましたが、少し恥ずかしいと感じてしまいました。それでも、これが今の彼にとっては普段着です。これ以上待たせるのは悪いと思い、着替えが終わったレイは部屋を出ると、急ぎ気味にリビングに向かいました。
レイはサラから自分が倒れた経緯を聞きました。たしかにあのブランデーを口にしたあとから記憶が途切れています。
「そうかもしれないし違うかもしれない。とりあえず一口飲んだと思ったらパッタリと倒れたんだよ。あのときの旦那様の慌てっぷりがすごかったんだから」
~~~
パシャーンと甲高い音がして、ショットグラスが床で砕け散りました。
「お、おい! レイ! しっかりしろ!」
モーガンの目の前でレイが崩れるように倒れ、成人祝いの場が一転して大騒ぎになります。その場で一番慌てていたのが父親のモーガンでした。
「誰か、誰でもいい、早く医者を呼べッ!」
「旦那様、私が様子を見ます」
ブライアンには応急処置に使えるスキルがあります。上着を脱ぐとその上にレイを仰向けに寝かせ、脈をとり始めました。
「レイ、死ぬな、死ぬなよッ!」
モーガンはそう叫びながらレイの肩を大きく揺さぶります。
「旦那様、あまり揺さぶりますとレイ様が首を痛めてしまいます。今のところ呼吸には問題ございません。原因がお酒かどうかまではわかりませんが、今はお部屋で休んでいただくのがよろしいでしょう」
「おお、そ、そうだな。すまん、任せた」
自室に運ばれていくレイを見ながらモーガンは真っ青な顔で立ち尽くしていました。アグネスはその手に自分の手を重ねます。
モーガンは最初のうち、一時間ごとにレイの部屋に様子を見に来ていましたが、さすがに翌日になると心身ともに疲れきってしまい、午後には部屋で寝込んでしまったのです。
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「父上が慌てたって初めて聞いたな」
「私もあんな旦那様は見たことなかったよ。でも内心は心配性だって奥様が言ってた。ブランデーを勧めたせいだって自分を責めてたみたい。それで心配になって一時間ごとに部屋に来てたけど、それで疲れて寝込んじゃってるらしいよ」
執事のブライアンが治療を行っても効き目がなく、レイはそのまま部屋に運び込まれました。
それからレイは体温が上がったり下がったりを繰り返しました。サラや他のメイドたちが交代で様子を見ていましたが、それ以外には何も変化がありません。熱がないときは静かに寝ているようにしか見えませんでした。
そしてようやく熱が出なくなったのが今日の朝です。レイはそのような説明を受けました。
「酒のせいでもない気がするんだけどな」
「たまたま記憶が戻るタイミングだったのかもね」
「そんなベタなことはないだろう……」
そう言いながら、サラの記憶がすでに戻っていることをレイは思い出しました。
「そういやサラはもっと前から記憶が戻ってたんだよな? いつだったんだ?」
「三年ちょっと前だよ。微熱と軽い頭痛くらいだったかな。風邪かなってくらい。その日は仕事を休ませてもらったよ」
「ああ、そういえばそんなことがあったな。年末近くに」
「そうそう。レイが無理するなって休ませてくれたから一日寝てたけど、実は急に記憶が戻ってどうしよって感じだったからね」
三年少々前の年末近く、サラは目が覚めると軽い頭痛と熱と寒気を感じました。レイが休んでいいと言ったので、その日はずっとベッドで寝ていましたが、実はそのときに記憶が戻ったのでした。今の自分と過去の自分の記憶がごちゃ混ぜになり、軽いパニックを起こしかけていたんですね。
サラはなんとか心を落ち着かせると、自分が置かれている状況をよく考えました。すると、仕える相手の愛称がレイで、日本人時代の幼馴染と同じ名前でした。見た目は違いますが、性格は似ている部分も多く、同一人物ならいいのにと思い始めたのです。
しばらく生活するうちに、「あのレイだったらいいな」が「あのレイに違いない」と確信に変わっていきました。ところが、持ち前の「ここぞというところで怖がりになる」性格のため、今まで確認することもできなかったのです。
「ところで、今は何日なんだ?」
「一月四日の午後。もう数時間したら丸三日になるところだよ。交代で様子見をしてたから、遅めの昼食が終わって戻ってきたとこ」
「三日もよく寝てられたなあ」
ただ単に寝ていただけでないことはわかったものの、よくそれだけ続けて寝られたものだとレイは自分で感心しました。
「でもサラが軽い風邪みたいな症状だったんなら、どうして俺はこんなに寝込んだんだろうな?」
二人は日本でもこちらでも同い年です。サラの記憶が戻ったのは三年前で、軽い風邪のような症状があっただけ。一方で、レイは丸三日近く寝込みました。
「普段の行いとか前世の長さとかも関係あるかも」
「行いは悪くないだろ。前世は……たぶんサラと半年も変わらないはずだ」
日本人のレイがいつまで生きていたのか、それはレイ本人にもわかりません。年末にサラの家で線香をあげたことは覚えています。それから実家に戻って父親と一緒に飲んだことも記憶にありますが、それからのことはまったく出てきません。
「え? 死んじゃったの?」
「死んだかもしれない。年末に帰省した際にお前ん家で線香をあげて、うちに帰ってから父さんと飲んで、それ以降の記憶がまったくない」
~~~
レイとサラは学力が違ったので、二人は高校からは進学先が別になりました。レイは大学入学を機に地元を離れて東京で暮らし始め、就職先も同じく東京でした。
一方のサラは、親の意向もあって地元の大学に進学して地元で就職しました。社会人になるとお互いにそれなりに忙しく、盆と正月に帰省した際に予定が合えば会うこともあるという程度の付き合いになっていったのです。
さらに何年も経って三〇もそう遠くなくなってきたころ、レイは海外転勤でシアトルにいました。二〇代で海外支店の課長というのは破格の待遇でしょう。実際に社内の意識改革を含めてそれだけのことはしていましたが、上層部との折り合いが悪くて飛ばされた部分も少なからずあります。
そのレイのもとに、サラが病気で亡くなったと連絡が入りました。レイはクリスマス休暇を使って少し早めに帰国すると、実家に荷物を置いてから線香をあげるためにサラの実家に向かいました。
ピンポ~~ン♪
『……はい。ああ、レイ君、ちょっと待ってね』
レイを出迎えたのはサラの母親のミカでした。
「ご無沙汰してます」
「ありがとうね。サラも喜ぶわ」
「サラは『なんですぐに来ないかなあ』なんて向こうでぶつくさ言ってそうですが」
レイは線香をあげてから久しぶりにミカと話をしました。そこでサラが病気のことを隠していたことをミカから聞きます。
「あの子は変なところばっかり頑張って、ここぞという瞬間にはいつも臆病になって失敗するのよ」
「そんなところはありましたね」
普段はガンガンと向かってくるのに、たまにどうでもいいことでクヨクヨすることがあったことをレイは覚えています。
——ねえ、レイ。赤点だったらどうしたらいい?
——どこに赤点になる要素があったんだ?
レイは問題を思い返しましたが、どの科目もテスト期間の直前に渡された復習プリントにあった問題でした。もちろん少しは応用問題もありましたが、それを全部間違ったとしても赤点はありえません。真面目にやっていればまず問題ないはずです。
——解答欄がずれてないかなって
——見直しはしたか?
——うん、した。五回も
——それでどうやったらずれるんだ?
テスト用紙が返却されるまで、こんなやり取りを何度もしたことをレイは覚えていました。サラとは違い、レイはそのあたりは割り切っています。寝ようが騒ごうが結果は変わらないので、それなら悩むだけ無駄だと。
「違うわよ。レイ君に対してよ。あの子からすると幼馴染以上だったんでしょうね。好きだとか、彼女になりたいとか、結婚したいとか、そういうのは聞いたことがなかったけど。高校受験のときには同じところに行きたかったって泣いてたのよ、あれでもね。絶対に言わないでって頼まれたから言わなかったけど。意地っ張りで強気なのに急に弱気になるのは誰に似たのかしらね?」
ミカは懐かしむようにそう口にしました。それを見たレイは、今さらサラのことを考えます。
彼女が自分に対して幼馴染以上の好意を持っていたことはわかっています。それでも恋人になるイメージは持てませんでした。ちらっとくらいは頭の端をかすめたこともあったかもしれませんが、数々の痛い発言にかき消されてしまったのです。
「どうなんでしょうね。自分でもよくわかりません。困らせられることもありましたが、嫌いではありませんでした。好き嫌いで考えれば好きだったでしょう。ただ……どう言ったらいいのか……手のかかる妹か弟みたいでした。今でもそうですね」
それはレイの偽らざる本心です。彼はドライであると同時に慎重でした。相手が自分のことを好きだとしても、自分が相手を好きでもないのに付き合うのは逆に失礼だと、義理で付き合うのはお互いのためにならないと考えてしまうんです。やや理屈っぽくて硬苦しいという言い方もできるでしょう。
そもそもレイは年上好きで、かつキリッとした女性が好きでした。そのことはサラも知っていました。結局そのような女性はただ一人、レイが入った会社の上司しかいませんでした。
その上司はレイよりも一回り以上も年上だったためか、言葉の端々から子供扱いされているようにレイは感じていました。自分はまだまだ一人前ではないと思っているうちに、レイは三〇近くになってしまいました。そして海外転勤です。
「私たちもそうだろうと思ってたけどね。ま、レイ君に気持ちをわかってもらえなかった時点であの子の負けね。ちなみに最後の言葉は『我が生涯にちょっとだけ悔いあり』だったのよ。たぶんレイ君のことね」
「最後の最後までサラはサラだったわけですね」
しばらく話をしていると廊下から足音が聞こえて障子が開きました。隙間から顔を出したのは、サラの妹のマイでした。
「ただいま。それと、レイ兄、おかえり」
「ああ、ただいま。マイもおかえり。元気だったか?」
「うん。姉さんのこともあったから人間ドックに入った。血管も内臓も脳みそもピカピカ。問題なし」
マイはそう言いながらサムズアップしました。それを見てレイは安心しました。サラの妹なのに常にテンションが低めなので、気落ちして地面に潜っていないかと心配していていたんです。妙にドライなので、レイは自分の妹のようだとも感じています。
レイは一時間ほど話をすると、それから隣にある実家に戻りました。家では父親と一緒にサラに対して献杯し、それからお風呂に入って、それほど遅くない時間に布団に入りました。
~~~
どう思い返してもそこでプッツリと記憶が途切れていますが、そこで悩んでも仕方がありません。答えは出ないに決まっているからです。過ぎたことは悩まないというのはこちらのレイでも同じです。
「俺が日本で死んだかどうかはどうでもいいとして、どうして俺の記憶が戻ったとわかったんだ?」
レイが目を覚ましたとき、サラは目を皿のようにして驚いていました。
「口調がね。こっちじゃ自分のことを『俺』って言わなかったでしょ?」
「……そういやそうだな」
これまでレイは「僕」と言っていたのに、急に「俺」と言ったのでサラはおかしいと思ったのです。それを除いても、口調が彼女の記憶にあるレイに似ていて、さらにぼそっと地名を口にしたのも大きかったでしょう。
レイは倒れる前のことをサラに確認しましたが、記憶がないのは寝込んでいた期間だけで、それ以外は問題なさそうでした。家族と話す際の言葉遣いにだけ気をつければいいでしょう。
「どう? 起き上がれそう?」
「ああ、寝過ぎて少しだるいけど、それ以外は問題なさそうだ」
レイはベッドから出ると、屈伸をしたり腕を上げたりして確認しました。インフルエンザなどで熱を出して寝込むと、次の日に体がこわばって動かしにくい、あの感じです。
「もう熱はないと思うけど、もう一回くらい体を拭いとこうか?」
「拭くって……そういや着替えてるな」
言われて初めて気がつきましたが、レイはパジャマを着ています。そして、下着は着けていません。
「三日も経ってるからね。すぐに汗だくになったから、何度も着替えさせたんだよ。それでもまったく起きる気配がなかったけどね。それにしても……」
「それにしても?」
サラが変なところで言葉を止めたので、レイはその先が気になって聞き返しました。
「立派になったよね~」
サラの目線が彼の股間に向きました。
「どこを見てるんだ?」
「レイのレイを。でも、こっちじゃお風呂で毎日見てたから、今さらでしょ? 見るというか触るというか握るというか扱くというか」
「……そうだったな」
レイは記憶がこんがらがっていますが、今のサラにとっては風呂場でレイの体を洗うのは仕事の一部です。レイの体を洗ってから自分の体を洗い、それから二人で湯船にゆっくりと浸かり、最後にレイと自分の体を拭いて風呂場を出ます。部屋に戻るとサラの仕事は終わりになります。
日本でも一緒に風呂に入った記憶がありますが、それは小学校の低学年まででした。それがこちらではこの年まで一緒です。
使用人たちが風呂に入るのは、仕事が終わって寝る前になります。本来ならサラの仕事はレイの体を洗うことなので、自分の入浴は夜になってからです。ところがレイは、サラに自分の体を洗わせてから湯船の外で待たせておくのは気が引けたので、最初から一緒に入るように言ったのです。
着替えを手伝わせる。体を洗わせて拭かせる。レイは貴族の息子として、そういうことも専属メイドの仕事だと考えていました。それは必ずしも間違ってはいません。ところが、記憶が戻った今の状態でこれまでの生活を考えると、同い年の少女にそんなことをさせるのはちょっとどうだろうと思ってしまいました。
「それじゃ旦那様にレイが起きたことを言ってくるね。おっと言葉遣い言葉遣い」
サラは自分の頬を手のひらで叩くと、いつもの無表情に戻って部屋を出ていきました。扉が閉まるのを見てから、レイはぼそりとつぶやきます。
「まさか違う世界で会うとはなあ。でもどうして俺はこっちに来たんだ? まさかお酒が原因じゃないんだろうけど」
ラノベやマンガのように、神の世界とやらで神様に会った記憶はありません。何かがあって記憶が消された可能性もゼロではありませんが、そこまでは彼にもわかりません。
そもそもレイは、アニメやゲーム、マンガなどは最低限しか知りません。グルメ系のマンガは好きでしたが、ファンタジーとなると一部の超有名どころしか知らないのです。それもサラたちに押し付けられて読んだものでした。
悩んだところで誰かが教えてくれるわけでもありません。レイはそれ以上は考えないようにすると、気だるそうにパジャマを脱ぎ始めました。動けないほどではありませんが、丸三日近く寝ていたので体の節々が痛くなっています。
「そうだ。【治療】を使ってみるか。ꇜꌺꀂꀑꆅꀑꆽ」
自分に【治療】を使ってみると少し痛みが和らぎました。これは軽い怪我を治す魔法です。腰痛にも効き目がありました。
魔法はある程度は頭の中のイメージだけで発動します。詠唱は必ずしも必要ありませんが、イメージを口にすると効果を高められるので、慣れないうちは詠唱することを勧められます。
「これで動けるな」
クローゼットを開けるとそこには普段の服がかけられていました。その中から一組を取り出します。貴族の服はスリーピースのスーツに近いので、着るのは難しくありません。
レイが社会人時代に着ていたスーツはツーピースでしたが、ベストがあるかないかの違いです。貴族服とスーツとの間に違いがあるとすれば、ネクタイではなくスカーフを巻いて襟元に押し込む形になっていることです。胸元が華やかになりますね。
そして、このスーツが単なるスーツと違うのは、胸のところにギルモア男爵家の紋章が入っていることからもわかります。もちろんレイは当主の息子なので、父親とは紋章の形が違っています。息子はあくまで息子でしかありません。
着替えが終わると、レイは全身を姿見に映してみました。
「……結婚式の新郎だな、これは」
どう見ても結婚式で華やかなモーニングを着ている新郎です。ラメが入っているわけではありませんが、キラキラしています。華やかなシーンに似合いそうですが、これは結婚式の衣装ではなく普段着です。レイは先日までは何の違和感もなく着ていましたが、少し恥ずかしいと感じてしまいました。それでも、これが今の彼にとっては普段着です。これ以上待たせるのは悪いと思い、着替えが終わったレイは部屋を出ると、急ぎ気味にリビングに向かいました。
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主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
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フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
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25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
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初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。
誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。
1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。
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お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
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注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
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カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
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