183 / 273
第十四部:それぞれの思惑
ベックができた理由(一)
しおりを挟む
ダンジョンの暴走騒ぎも落ち着いた頃、クノー子爵のパトリス殿から手紙が届いた。領地での滞在を早めに切り上げて王都に戻ってきたのは、ジゼルの実家のあるベックについて今後の対応が決まったからだそうだ。今年についてはベックの調査であちこちに人をやったり自分で出かけたり、まあ忙しく過ごしたらしいことが手紙で分かった。これに関しては俺も絡んだので、屋敷に伺うという返事を出した。
あの時は俺がたまたまベックに行ったから病気の大流行が阻止できた可能性が高い。黒パンのおかげでそう簡単に死なないとしても、もっと多くの村人が寝込むことになったはずだ。場合によっては看病の手が足りなくなって死者が出たかもしれない。少なくともそういう状態は防げた。どれもかもしれないという仮定だけど、その程度で済んだのなら行った甲斐があったということだ。
ベックは寒村というほど貧しくはなかった。でも収入源が少ない。だから病気が広まり始めても治癒師を呼べなかった。パトリス殿はベックをどうするかを考え、村長たちと話し合いを持つことにした。その際にどうしてカーラスから村人たちが離れて別の村を作ったのか、しかも税を減らすというのを領主が認めたのかを調べたそうだ。
◆◆◆
「まさかこういう結果になるとは思いませんでした」
「誰の身の上にも起こり得る話だろうが……ちょっと考えさせられる話だな」
パトリス殿も困り顔だけど、説明を受けた俺も微妙な表情になってしまった。ベックがカーラスから独立した経緯について、どう表現したらいいのか困るような微妙な出来事の積み重ねだったと判明したからだ。クノー子爵邸にある歴代当主が書き残した書類を漁ったら、厳重に封印された書類箱が出てきたらしい。それを元にしてここ何か月も各所を調べさせたそうだ。
「そうですね。あの厳重な封印の仕方を見れば、何か大きなことが起こるまでは秘密にしておきたかったのでしょう。ですが頃合いです」
「そうだろうな。きちんとカタを付けた方がスッキリするはずだ。疑問に思っている者がいるなら」
調査はベックとカーラス、領都アランス、そして王都の屋敷で行い、さらにラ=トゥール侯爵家にも調査を頼んでその頃の記録を掘り返したそうだ。
貴族は手紙や書類を書く際に控えを作っておく。これは書いた内容を忘れないようにするためだ。領収書と同じようにカーボンを使った複写をする場合と、執事や書記が同じ内容を写す場合とがある。この写しが残っていたようだ。
ラ=トゥール侯爵は最初はいい顔をしなかったそうだけど、俺が関わっていると知ってすぐに首を縦に振ったそうだ。すると経緯だけじゃなくて原因も発見された。その際にパトリス殿はラ=トゥール侯爵に謝られたそうだ。当時の侯爵家にも原因の一端があったから。
「当時の子爵は何があっても愛人と子供たちを守ろうとしたんだな」
「妻が完全な貴族至上主義者だったそうですね」
当時の子爵の正室対愛人というレベルですらなく、正室のワガママから始まった狂想曲なのか狂詩曲なのか、まあそういう騒ぎがあったことが分かった。
◆◆◆
当時の子爵はミキャエルという名前で、シドニーという名前のラ=トゥール侯爵家出身でガチガチの貴族至上主義者の妻がいた。侯爵家の四女だったそうで、子爵家当主の正室として嫁ぐなら許容範囲だと思うけど、場所が一番北だったのが彼女のプライド的には不満だったそうだ。常に王都はどうだったとか侯爵家ならこうだなどと言って子爵を困らせていたそうだ。
そしてこれは珍しいことだけど、ミキャエルはシドニーから側室や愛人を持つことを禁止されていた。自分以外に跡取りを産ませないためにだ。側室や愛人が男児を産めば、場合によっては正室を入れ替えられる可能性がある。望んで嫁いだ場所ではなかったけど、彼女にとってそのようなことはプライド的に許されることじゃなかった。だから厳格に夫を管理した。
ミキャエルとしては妻の実家との力関係から強く出ることができずに言いなり状態だった。まだ四か国の間で戦争もあった時代だ。中央から何を言われるか分かったものじゃない。だから妻に従わざるを得なかった。
シドニーは女児を三人産み、それから跡継ぎの男児トマを産むと、義務は果たしたとばかりに夫にも領地にも関心を持たなくなった。そして社交のために娘たちを連れて王都に行くと、そのまま領地へは戻らなくなった。
一方でミキャエルはほぼ王都に行かなくなった。面倒な妻がいる王都の屋敷で暮らす理由は彼にはなかったんだろう。そしてようやく抑圧から解放されて肩の力を抜くことができたのか、ミキャエルは使用人の一人に手を出した。それがマリーという名前のシドニーの侍女だった。いや、元侍女と呼ぶべきか。マリーも領地に置いていかれた身だった。
マリーは元々はシドニーの実家であるラ=トゥール侯爵家に仕えていた下級使用人で、結婚の際にシドニーが侍女として連れてきたらしい。見た目は醜女一歩手前だったと記録にはある。なぜそんな使用人を連れてきたのかは分かっていない。夫の近くに美女を置かないようにという考えがあった可能性もある。何にせよマリーを監視役として領地に残したところ、夫がマリーに手を出した形になった。
これは無理やりではなくて双方合意の上だったそうだ。マリーはシドニーに逆らうことはできなかったけど、ミキャエルのことをずっと心配していた節があった。そしてミキャエルの愛人となって以降、さすがに関係は隠していたけど、雰囲気で他の使用人たちは気づいていた。でも誰もそのことは口にしなかった。ミキャエルには頼りない部分もあったそうだけど、使用人たちに愛された主人だったんだろう。でもその翌年にマリーが男児を産んだのが問題の始まりだった。
シドニーが領都アランスに帰らない間にマリー長男アンリはスクスクと育った。そして幼いながらも天才と言われるほどの物覚えの良さを発揮した。さらに三つ下にギヨームという次男も生まれた。一方でシドニーが産んだ跡取りのトマは、遠回しに言っても出来が良くなかったそうだ。
マリーはミキャエルの寵愛を一身に受けていたけど、自分の息子たちをトマの代わりとして跡取りにしたいなどとは考えなかった。アンリとギヨームはミキャエルとマリーの間にできた子供だけど、もちろんミキャエルの息子だとは公表されていない。マリーはあくまでシングルマザーの使用人という立場だった。
屋敷の使用人たちはアンリとギヨームの父親が誰なのかということには気づいていた。でもそれは誰も口にしなかった。漏れれば揉め事になるのが理解できたからだ。二人はあくまでマリーの息子というだけだった。そのあたりをミキャエルがどう考えていたのかは分かっていない。密かにマリーを抱くのであれば子供は作らないはずだ。【避妊】を使うか使わせればいいだけだ。なのに子供ができたということは、もしかしたら最初は何か考えていた可能性があるとパトリス殿は考えた。俺もそれには賛成だ。もしかしたらシドニーと別れて跡取りをアンリにしようと思ったけど、マリーがそれを断ったという可能性もなくはないだろう。そのあたりの真相は不明だ。
それからさらに数年経って王都にいた娘たちが三人とも嫁いだ後、それまで領地に全く興味のなかったシドニーが思い出したかのように屋敷に目を向けた。するといつの間にかマリーが子供を産んでいた。シドニーにとってマリーの扱いはその程度でしかなかったわけだ。それでも勝手に子供を産んだということにシドニーは腹を立てた。そして罰を与えようと久しぶりに領地に向かうことになった。
あの時は俺がたまたまベックに行ったから病気の大流行が阻止できた可能性が高い。黒パンのおかげでそう簡単に死なないとしても、もっと多くの村人が寝込むことになったはずだ。場合によっては看病の手が足りなくなって死者が出たかもしれない。少なくともそういう状態は防げた。どれもかもしれないという仮定だけど、その程度で済んだのなら行った甲斐があったということだ。
ベックは寒村というほど貧しくはなかった。でも収入源が少ない。だから病気が広まり始めても治癒師を呼べなかった。パトリス殿はベックをどうするかを考え、村長たちと話し合いを持つことにした。その際にどうしてカーラスから村人たちが離れて別の村を作ったのか、しかも税を減らすというのを領主が認めたのかを調べたそうだ。
◆◆◆
「まさかこういう結果になるとは思いませんでした」
「誰の身の上にも起こり得る話だろうが……ちょっと考えさせられる話だな」
パトリス殿も困り顔だけど、説明を受けた俺も微妙な表情になってしまった。ベックがカーラスから独立した経緯について、どう表現したらいいのか困るような微妙な出来事の積み重ねだったと判明したからだ。クノー子爵邸にある歴代当主が書き残した書類を漁ったら、厳重に封印された書類箱が出てきたらしい。それを元にしてここ何か月も各所を調べさせたそうだ。
「そうですね。あの厳重な封印の仕方を見れば、何か大きなことが起こるまでは秘密にしておきたかったのでしょう。ですが頃合いです」
「そうだろうな。きちんとカタを付けた方がスッキリするはずだ。疑問に思っている者がいるなら」
調査はベックとカーラス、領都アランス、そして王都の屋敷で行い、さらにラ=トゥール侯爵家にも調査を頼んでその頃の記録を掘り返したそうだ。
貴族は手紙や書類を書く際に控えを作っておく。これは書いた内容を忘れないようにするためだ。領収書と同じようにカーボンを使った複写をする場合と、執事や書記が同じ内容を写す場合とがある。この写しが残っていたようだ。
ラ=トゥール侯爵は最初はいい顔をしなかったそうだけど、俺が関わっていると知ってすぐに首を縦に振ったそうだ。すると経緯だけじゃなくて原因も発見された。その際にパトリス殿はラ=トゥール侯爵に謝られたそうだ。当時の侯爵家にも原因の一端があったから。
「当時の子爵は何があっても愛人と子供たちを守ろうとしたんだな」
「妻が完全な貴族至上主義者だったそうですね」
当時の子爵の正室対愛人というレベルですらなく、正室のワガママから始まった狂想曲なのか狂詩曲なのか、まあそういう騒ぎがあったことが分かった。
◆◆◆
当時の子爵はミキャエルという名前で、シドニーという名前のラ=トゥール侯爵家出身でガチガチの貴族至上主義者の妻がいた。侯爵家の四女だったそうで、子爵家当主の正室として嫁ぐなら許容範囲だと思うけど、場所が一番北だったのが彼女のプライド的には不満だったそうだ。常に王都はどうだったとか侯爵家ならこうだなどと言って子爵を困らせていたそうだ。
そしてこれは珍しいことだけど、ミキャエルはシドニーから側室や愛人を持つことを禁止されていた。自分以外に跡取りを産ませないためにだ。側室や愛人が男児を産めば、場合によっては正室を入れ替えられる可能性がある。望んで嫁いだ場所ではなかったけど、彼女にとってそのようなことはプライド的に許されることじゃなかった。だから厳格に夫を管理した。
ミキャエルとしては妻の実家との力関係から強く出ることができずに言いなり状態だった。まだ四か国の間で戦争もあった時代だ。中央から何を言われるか分かったものじゃない。だから妻に従わざるを得なかった。
シドニーは女児を三人産み、それから跡継ぎの男児トマを産むと、義務は果たしたとばかりに夫にも領地にも関心を持たなくなった。そして社交のために娘たちを連れて王都に行くと、そのまま領地へは戻らなくなった。
一方でミキャエルはほぼ王都に行かなくなった。面倒な妻がいる王都の屋敷で暮らす理由は彼にはなかったんだろう。そしてようやく抑圧から解放されて肩の力を抜くことができたのか、ミキャエルは使用人の一人に手を出した。それがマリーという名前のシドニーの侍女だった。いや、元侍女と呼ぶべきか。マリーも領地に置いていかれた身だった。
マリーは元々はシドニーの実家であるラ=トゥール侯爵家に仕えていた下級使用人で、結婚の際にシドニーが侍女として連れてきたらしい。見た目は醜女一歩手前だったと記録にはある。なぜそんな使用人を連れてきたのかは分かっていない。夫の近くに美女を置かないようにという考えがあった可能性もある。何にせよマリーを監視役として領地に残したところ、夫がマリーに手を出した形になった。
これは無理やりではなくて双方合意の上だったそうだ。マリーはシドニーに逆らうことはできなかったけど、ミキャエルのことをずっと心配していた節があった。そしてミキャエルの愛人となって以降、さすがに関係は隠していたけど、雰囲気で他の使用人たちは気づいていた。でも誰もそのことは口にしなかった。ミキャエルには頼りない部分もあったそうだけど、使用人たちに愛された主人だったんだろう。でもその翌年にマリーが男児を産んだのが問題の始まりだった。
シドニーが領都アランスに帰らない間にマリー長男アンリはスクスクと育った。そして幼いながらも天才と言われるほどの物覚えの良さを発揮した。さらに三つ下にギヨームという次男も生まれた。一方でシドニーが産んだ跡取りのトマは、遠回しに言っても出来が良くなかったそうだ。
マリーはミキャエルの寵愛を一身に受けていたけど、自分の息子たちをトマの代わりとして跡取りにしたいなどとは考えなかった。アンリとギヨームはミキャエルとマリーの間にできた子供だけど、もちろんミキャエルの息子だとは公表されていない。マリーはあくまでシングルマザーの使用人という立場だった。
屋敷の使用人たちはアンリとギヨームの父親が誰なのかということには気づいていた。でもそれは誰も口にしなかった。漏れれば揉め事になるのが理解できたからだ。二人はあくまでマリーの息子というだけだった。そのあたりをミキャエルがどう考えていたのかは分かっていない。密かにマリーを抱くのであれば子供は作らないはずだ。【避妊】を使うか使わせればいいだけだ。なのに子供ができたということは、もしかしたら最初は何か考えていた可能性があるとパトリス殿は考えた。俺もそれには賛成だ。もしかしたらシドニーと別れて跡取りをアンリにしようと思ったけど、マリーがそれを断ったという可能性もなくはないだろう。そのあたりの真相は不明だ。
それからさらに数年経って王都にいた娘たちが三人とも嫁いだ後、それまで領地に全く興味のなかったシドニーが思い出したかのように屋敷に目を向けた。するといつの間にかマリーが子供を産んでいた。シドニーにとってマリーの扱いはその程度でしかなかったわけだ。それでも勝手に子供を産んだということにシドニーは腹を立てた。そして罰を与えようと久しぶりに領地に向かうことになった。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説

文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~
カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。
気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。
だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう――
――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる