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第十三部:勇者とダンジョンと魔物(二)
アネット(一)
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王都に戻って仕事を再開する。再開とは言うものの、大臣として俺にできることは少ない。まだ貴族の多くは領地にいるからだ。それなら自分の身の回りのことを順に片付けていくことになる。
「もう一度聞くと、年内の仕事は今までと同じでいいんだな?」
「はい、お仕事は好きですので」
「それならこれが新しい契約だ」
「やりました~~~!」
日が変わる直前、俺はアネットに新しい契約書を見せた。年内の仕事内容はこれまでと同じくメイドになる。違うのは一点。身体的な接触を伴ってもいいということだ。
これまでは主人と使用人は肉体関係を持ってはいけないという契約だった。お互いに同意の上でもダメなのはもちろん、露骨に誘うようなことをするのもナシだ。掃除をしていたら下着が見えてしまったというのはアリだった。これは俺がどんな性格か分からないから宰相のルブラン侯爵が予防線として作成した契約書の内容だ。
ただ貴族が雇う使用人は大体こういう契約になっている。俺が女好きだから別格というわけじゃない。人手が足りないのに俺がメイドたちに好き勝手して使用人として使いものにならなくしてしまうと俺が困るからだ。だから不必要に手を出さないようにとルブラン侯爵が配慮したからだった。実際にはあってないような契約だけど、勇者として公爵として、ここまで契約は守ってきた。
女性使用人の中で唯一の例外はジゼルだった。彼女だけは俺が何をしてもいいということだった。それは彼女の実家が他と比べて家柄が劣ったからで、まあ要するに生け贄に近い形だった。
結局俺はメイドたちに無茶をさせることもなかったから問題もなく、希望者は少しずつ契約を変更しておこうと思っていた。あくまで希望者だけな。その最初がアネットだ。
彼女は一番最初に俺にスカートの中を見せたメイドで、しばらくすると下着を穿かなくなくなった。それでは腹を壊すだろうと思ったら、「旦那様の吐息で暖かいので大丈夫です」ということだったから、ギリギリ近くまで寄って彼女が腹を壊さないように気を使っていた。変態だな、お互いに。
ここまで俺のことを気にしてくれるメイドはアネットだけだった。他のメイドたちも俺の気を引こうとしていたけど、アネットだけは少し様子が違った。俺と一緒にじゃれ合うのが楽しいらしい。それを聞いた時、もしかしたら前世の知り合いかと疑ったけど、ステータスにはそれっぽいものは見えなかった。今は分からなくてもオリエのようなパターンがあるから、もしかしたら抱いたら分かるかもしれない。そのために抱くわけでもないけどな。
「日が変わったら新しい契約になる。今まで待たせたけど、何をしてほしい? リクエストがあればある程度は聞くぞ」
俺はアネットがスカートの中を見せてくれたから契約を変えることにしたわけじゃない。ただ裸を見せるだけなら誰にでもできる。彼女はハウスメイドとして人並み以上の仕事をこなしつつ、さらに俺の相手をしてくれていたからだ。そこが残る五人とは少し違った。みんな悪い子じゃないけど、アネットについては真面目さと不真面目さが絶妙なバランスになっていた。
「それなら一つお願いがあります」
「言ってみろ」
「最初はそこでお願いします」
「……そこ?」
「はい、そこです」
アネットが指したのはこの寝室から見えるベランダだった。俺の部屋には一番日当たりがよく、外に出られるベランダもある。アネットは夕方くらいになると俺の寝室の外にあるベランダの掃除を始めることが多かった。
「いきなり最初がベランダか?」
「最近は暖かくなりましたから、着ていなくても問題ないかと」
「気温が高ければいいわけでもないぞ」
昼間はそれなりに暑いけど、夜はそれなりに下がる。日本の夏のように昼は猛暑日で夜は熱帯夜ってことはない。
「最近はここで旦那様の吐息を感じていましたので、初めてはここかなと」
「そうだな。最近はここばかりだったな」
ブランシュが来てからはさすがのアネットも以前ほどあからさまに俺にアピールしなくなった。さすがに鼻に唐辛子を擦り込まれるのは嫌なんだろう。だから彼女がそうしたい時は俺の寝室のベランダに来た。
ここは三階だ。しかも大きめの屋敷だから天井も高い。もしそんなベランダで掃除をしていて落ちたりしないように、俺は彼女が掃除を終えるまでしっかりと見守っていた。
あまりにも凝視しすぎて、危うく息を吹きかけるだけじゃなくて舐めそうになったこともあった。舐めたところで何か悪いことがあるわけじゃないけど、ここまで頑張ったのなら初志を貫徹しようということで頑張った。
ちなみに契約を変更したから全員を抱くわけじゃない。何かあってもお互いに困らないというだけだ。
「アネット、こっちを見てくれ」
「はい」
俺の顔を見たアネットに一つキスをするとしっかりと両手で抱きしめた。
「旦那様だ……」
アネットがウットリとした表情で俺の胸に顔を埋めた。
「ああ、お前の旦那様だ。今日からしっかりと可愛がるぞ」
「はい、可愛がってください」
アネットは俺から離れると後ろに下がって背中をベランダの手すりに触れさせた。
「では旦那様、どうぞご覧ください」
そう言いながらアネットはスカートを摘まんで俺にその中を見せた。そこには見慣れた彼女の下半身があった。
「いかがですか?」
「ああ、綺麗だな。しっかり手入れがされている」
「ありがとうございます。このためにしっかりとお風呂場で洗ってきました」
ほのかに石けんの香りがしていた。俺はもう少し顔を近づけ、そこにある二枚の扉と、そこに取り付けられた真珠を優しく舌で舐め上げた。そのまま真珠を丹念に舌で転がし、扉をこじ開けるかのように舌を差し込む。
ふと暗闇が降りた。アネットが耐えきれずにスカートを離したのだろう。俺は嵐の中を灯台を目指して進む船のように、輝く真珠をこの舌で求め続けた。
そうするうちに頭が押さえつけられた。アネットが頭に抱きついたんだろう。スカートから頭を抜くと、そこにか潤んだ目で俺を求めるアネットの目があった。
「ミレーヌ様やジゼルにも見られてます」
「見せてやったらいい、お前が俺の女になる瞬間を」
ベランダから寝室を見ると、そこにはミレーヌとジゼルが話をしているのが見えた。たまにこっちを見ている。
「アネット、そろそろいいか?」
「はい。奪ってください」
俺はアネットの右足を抱えると少し腰を落とした。
「もう一度聞くと、年内の仕事は今までと同じでいいんだな?」
「はい、お仕事は好きですので」
「それならこれが新しい契約だ」
「やりました~~~!」
日が変わる直前、俺はアネットに新しい契約書を見せた。年内の仕事内容はこれまでと同じくメイドになる。違うのは一点。身体的な接触を伴ってもいいということだ。
これまでは主人と使用人は肉体関係を持ってはいけないという契約だった。お互いに同意の上でもダメなのはもちろん、露骨に誘うようなことをするのもナシだ。掃除をしていたら下着が見えてしまったというのはアリだった。これは俺がどんな性格か分からないから宰相のルブラン侯爵が予防線として作成した契約書の内容だ。
ただ貴族が雇う使用人は大体こういう契約になっている。俺が女好きだから別格というわけじゃない。人手が足りないのに俺がメイドたちに好き勝手して使用人として使いものにならなくしてしまうと俺が困るからだ。だから不必要に手を出さないようにとルブラン侯爵が配慮したからだった。実際にはあってないような契約だけど、勇者として公爵として、ここまで契約は守ってきた。
女性使用人の中で唯一の例外はジゼルだった。彼女だけは俺が何をしてもいいということだった。それは彼女の実家が他と比べて家柄が劣ったからで、まあ要するに生け贄に近い形だった。
結局俺はメイドたちに無茶をさせることもなかったから問題もなく、希望者は少しずつ契約を変更しておこうと思っていた。あくまで希望者だけな。その最初がアネットだ。
彼女は一番最初に俺にスカートの中を見せたメイドで、しばらくすると下着を穿かなくなくなった。それでは腹を壊すだろうと思ったら、「旦那様の吐息で暖かいので大丈夫です」ということだったから、ギリギリ近くまで寄って彼女が腹を壊さないように気を使っていた。変態だな、お互いに。
ここまで俺のことを気にしてくれるメイドはアネットだけだった。他のメイドたちも俺の気を引こうとしていたけど、アネットだけは少し様子が違った。俺と一緒にじゃれ合うのが楽しいらしい。それを聞いた時、もしかしたら前世の知り合いかと疑ったけど、ステータスにはそれっぽいものは見えなかった。今は分からなくてもオリエのようなパターンがあるから、もしかしたら抱いたら分かるかもしれない。そのために抱くわけでもないけどな。
「日が変わったら新しい契約になる。今まで待たせたけど、何をしてほしい? リクエストがあればある程度は聞くぞ」
俺はアネットがスカートの中を見せてくれたから契約を変えることにしたわけじゃない。ただ裸を見せるだけなら誰にでもできる。彼女はハウスメイドとして人並み以上の仕事をこなしつつ、さらに俺の相手をしてくれていたからだ。そこが残る五人とは少し違った。みんな悪い子じゃないけど、アネットについては真面目さと不真面目さが絶妙なバランスになっていた。
「それなら一つお願いがあります」
「言ってみろ」
「最初はそこでお願いします」
「……そこ?」
「はい、そこです」
アネットが指したのはこの寝室から見えるベランダだった。俺の部屋には一番日当たりがよく、外に出られるベランダもある。アネットは夕方くらいになると俺の寝室の外にあるベランダの掃除を始めることが多かった。
「いきなり最初がベランダか?」
「最近は暖かくなりましたから、着ていなくても問題ないかと」
「気温が高ければいいわけでもないぞ」
昼間はそれなりに暑いけど、夜はそれなりに下がる。日本の夏のように昼は猛暑日で夜は熱帯夜ってことはない。
「最近はここで旦那様の吐息を感じていましたので、初めてはここかなと」
「そうだな。最近はここばかりだったな」
ブランシュが来てからはさすがのアネットも以前ほどあからさまに俺にアピールしなくなった。さすがに鼻に唐辛子を擦り込まれるのは嫌なんだろう。だから彼女がそうしたい時は俺の寝室のベランダに来た。
ここは三階だ。しかも大きめの屋敷だから天井も高い。もしそんなベランダで掃除をしていて落ちたりしないように、俺は彼女が掃除を終えるまでしっかりと見守っていた。
あまりにも凝視しすぎて、危うく息を吹きかけるだけじゃなくて舐めそうになったこともあった。舐めたところで何か悪いことがあるわけじゃないけど、ここまで頑張ったのなら初志を貫徹しようということで頑張った。
ちなみに契約を変更したから全員を抱くわけじゃない。何かあってもお互いに困らないというだけだ。
「アネット、こっちを見てくれ」
「はい」
俺の顔を見たアネットに一つキスをするとしっかりと両手で抱きしめた。
「旦那様だ……」
アネットがウットリとした表情で俺の胸に顔を埋めた。
「ああ、お前の旦那様だ。今日からしっかりと可愛がるぞ」
「はい、可愛がってください」
アネットは俺から離れると後ろに下がって背中をベランダの手すりに触れさせた。
「では旦那様、どうぞご覧ください」
そう言いながらアネットはスカートを摘まんで俺にその中を見せた。そこには見慣れた彼女の下半身があった。
「いかがですか?」
「ああ、綺麗だな。しっかり手入れがされている」
「ありがとうございます。このためにしっかりとお風呂場で洗ってきました」
ほのかに石けんの香りがしていた。俺はもう少し顔を近づけ、そこにある二枚の扉と、そこに取り付けられた真珠を優しく舌で舐め上げた。そのまま真珠を丹念に舌で転がし、扉をこじ開けるかのように舌を差し込む。
ふと暗闇が降りた。アネットが耐えきれずにスカートを離したのだろう。俺は嵐の中を灯台を目指して進む船のように、輝く真珠をこの舌で求め続けた。
そうするうちに頭が押さえつけられた。アネットが頭に抱きついたんだろう。スカートから頭を抜くと、そこにか潤んだ目で俺を求めるアネットの目があった。
「ミレーヌ様やジゼルにも見られてます」
「見せてやったらいい、お前が俺の女になる瞬間を」
ベランダから寝室を見ると、そこにはミレーヌとジゼルが話をしているのが見えた。たまにこっちを見ている。
「アネット、そろそろいいか?」
「はい。奪ってください」
俺はアネットの右足を抱えると少し腰を落とした。
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