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第五部:勉強と試験
ある伯爵令嬢の解決策
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思い込みというものは人生を台無しにする可能性があることに気がつきました。私はどうも日本人時代の感覚で過ごしておりましたが、フレージュ王国では性に対して寛容なようです。
まず【避妊】の魔法がございます。そのおかげでうっかりと望まない妊娠をすることはありません。次に結婚するまで清らかな体でいるということに重きが置かれていないことも分かりました。そのようなことであればこれくらいの年齢で経験するのもおかしくはありません。
それであればこれから私はどうすべきでしょうか? 勉強ですね。まずは男女の営みについての資料を集めるべきです。帰る前に書店に寄りましょう。そこで一通り購入したら明日からは勉強の日々です。自信が出るまでは社交は控えましょう。
目の前には大量の本があります。少し変装して入りました。店主の挨拶を聞き流して中へ向かいます。艶本艶本……。このあたりですね。男女の交合、人と魔物との交合、なるほど。これは勉強になりますね。しかしこのまま本棚に並べるのは少々問題があるでしょう。
「お客様、当店では革の無難な表紙でしたら本日中に仕上げることができます」
本は中身と表紙は別になっています。好みの表紙を選んで付けるわけです。もちろんそれにもお金がかかるわけですが。
「ではこの列とこの列のものを全て同じ装丁で」
私は代金として小金貨を渡しました。
「はい。日数がそれなりにかかりますが、よろしいですか?」
「お釣りは職人を雇うのに使ってください。それならどれくらいでできますか?」
「これだけいただければ、明日から三日で仕上げます。四日後にお越しください」
「よろしくお願いします」
そうは答えましたが、うっかりと全てを置いてきたことが悔やまれます。せめて一冊くらいは持って帰るべきでした……。ああ、私の艶本たち……。
四日後に受け取りに出かけると、そこには無難ながらも立派な装丁の艶本が並んでおりました。
「お待ちしておりました」
「三か月後にまた来ます。新しいものを仕入れておいていただけますか?」
「承知いたしました。またのお越しをお待ちしております」
それから年に数回ほどその書店に行き、新しく入った本を購入いたしました。お小遣いはほぼ艶本に消えましたが、それでも十分な知識が付いたでしょう。
数年が過ぎました。それなりに自信を持てるようになった、ちょうどそのような時です。父から王宮に行くようにと言われましたのは。
「異世界からお越しの勇者様を歓迎するパーティーがある。お前も用意をしなさい」
「はい」
久しぶりの人前です。さすがに屋敷から出なかったわけではございませんが、それなりに緊張いたします。
勇者様を歓迎するパーティーの会場には、ほぼ全ての貴族とその家族が揃っているようです。私は父と母と一緒にかなり前寄りの席に座ることになりました。
勇者様が私のいるテーブルにいらっしゃいました。私は【無詠唱】と【鑑定】を持っておりますので、こっそりと勇者様のステータスを見ることにいたしました。
目に映ったものを見て、私はこのお方を求めていたのかもしれないと感じました。そこにあったのは【四十八手】【九十六手】【性技】という固有スキル、そして最後に【偽装】までありました。【偽装】があるにも関わらず、交合に関するスキルを一番上に出すというユーモアをお持ちのようです。
驚いてしまったからでしょうか、勇者様が私の顔をじっとご覧になりました。大変な美形でいらっしゃいます。ああ、ぜひ勇者様のモノで勇者様のものにされたい……。
パーティーが終わると、私たちは宰相のルブラン侯爵に勇者様のことで呼ばれました。勇者様はこの世界についての知識が少ないことを気にされているそうで、何か学ぶ方法がないかと仰ったそうです。勇者様はユーモアかあるだけではなく真面目な方なのですね。
そこで私がその家庭教師を務めることになりました。どうして私だったのかということですが、我が家はルブラン侯爵家の親戚筋だからでございます。若い私がここ数年社交に出ていなかったことを心配してくださったようです。言い換えれば「嫁にしてもらえ」と言われたわけでございます。はい、喜んで勇者様のものになりましょう。まだ膨らみきっておりませんが、肌艶に関しては他の方たちにもけっして引けを取らないでしょう。
勇者様、いえ、公爵様のお屋敷に伺った初日、公爵様は私の持つ下着や艶本を手に取っても何の反応も示されませんでした。それならともう少し攻めてみることにいたしました。
とりあえずお風呂に一緒に入ることになりました。素晴らしい経験でした。舌というのはあれほど動くものなのですね。自分でも何を口にしたのかよく覚えていないくらいでございます。
それからあれよあれよという間に私は公爵様、いえ、シュウジ様のものになりました。そして来年にも妻にしていただけると。今後はスッポンのようにシュウジ様に食いついて離れないつもりでおります。スッポンは強精剤。隅々まで美味しく召し上がっていただければと。
ちなみにシュウジ様のモノはスッポンどころの話ではなく、海に出現する巨大亀の魔物アーケロンのごとくご立派だったと申し上げておきます。
まず【避妊】の魔法がございます。そのおかげでうっかりと望まない妊娠をすることはありません。次に結婚するまで清らかな体でいるということに重きが置かれていないことも分かりました。そのようなことであればこれくらいの年齢で経験するのもおかしくはありません。
それであればこれから私はどうすべきでしょうか? 勉強ですね。まずは男女の営みについての資料を集めるべきです。帰る前に書店に寄りましょう。そこで一通り購入したら明日からは勉強の日々です。自信が出るまでは社交は控えましょう。
目の前には大量の本があります。少し変装して入りました。店主の挨拶を聞き流して中へ向かいます。艶本艶本……。このあたりですね。男女の交合、人と魔物との交合、なるほど。これは勉強になりますね。しかしこのまま本棚に並べるのは少々問題があるでしょう。
「お客様、当店では革の無難な表紙でしたら本日中に仕上げることができます」
本は中身と表紙は別になっています。好みの表紙を選んで付けるわけです。もちろんそれにもお金がかかるわけですが。
「ではこの列とこの列のものを全て同じ装丁で」
私は代金として小金貨を渡しました。
「はい。日数がそれなりにかかりますが、よろしいですか?」
「お釣りは職人を雇うのに使ってください。それならどれくらいでできますか?」
「これだけいただければ、明日から三日で仕上げます。四日後にお越しください」
「よろしくお願いします」
そうは答えましたが、うっかりと全てを置いてきたことが悔やまれます。せめて一冊くらいは持って帰るべきでした……。ああ、私の艶本たち……。
四日後に受け取りに出かけると、そこには無難ながらも立派な装丁の艶本が並んでおりました。
「お待ちしておりました」
「三か月後にまた来ます。新しいものを仕入れておいていただけますか?」
「承知いたしました。またのお越しをお待ちしております」
それから年に数回ほどその書店に行き、新しく入った本を購入いたしました。お小遣いはほぼ艶本に消えましたが、それでも十分な知識が付いたでしょう。
数年が過ぎました。それなりに自信を持てるようになった、ちょうどそのような時です。父から王宮に行くようにと言われましたのは。
「異世界からお越しの勇者様を歓迎するパーティーがある。お前も用意をしなさい」
「はい」
久しぶりの人前です。さすがに屋敷から出なかったわけではございませんが、それなりに緊張いたします。
勇者様を歓迎するパーティーの会場には、ほぼ全ての貴族とその家族が揃っているようです。私は父と母と一緒にかなり前寄りの席に座ることになりました。
勇者様が私のいるテーブルにいらっしゃいました。私は【無詠唱】と【鑑定】を持っておりますので、こっそりと勇者様のステータスを見ることにいたしました。
目に映ったものを見て、私はこのお方を求めていたのかもしれないと感じました。そこにあったのは【四十八手】【九十六手】【性技】という固有スキル、そして最後に【偽装】までありました。【偽装】があるにも関わらず、交合に関するスキルを一番上に出すというユーモアをお持ちのようです。
驚いてしまったからでしょうか、勇者様が私の顔をじっとご覧になりました。大変な美形でいらっしゃいます。ああ、ぜひ勇者様のモノで勇者様のものにされたい……。
パーティーが終わると、私たちは宰相のルブラン侯爵に勇者様のことで呼ばれました。勇者様はこの世界についての知識が少ないことを気にされているそうで、何か学ぶ方法がないかと仰ったそうです。勇者様はユーモアかあるだけではなく真面目な方なのですね。
そこで私がその家庭教師を務めることになりました。どうして私だったのかということですが、我が家はルブラン侯爵家の親戚筋だからでございます。若い私がここ数年社交に出ていなかったことを心配してくださったようです。言い換えれば「嫁にしてもらえ」と言われたわけでございます。はい、喜んで勇者様のものになりましょう。まだ膨らみきっておりませんが、肌艶に関しては他の方たちにもけっして引けを取らないでしょう。
勇者様、いえ、公爵様のお屋敷に伺った初日、公爵様は私の持つ下着や艶本を手に取っても何の反応も示されませんでした。それならともう少し攻めてみることにいたしました。
とりあえずお風呂に一緒に入ることになりました。素晴らしい経験でした。舌というのはあれほど動くものなのですね。自分でも何を口にしたのかよく覚えていないくらいでございます。
それからあれよあれよという間に私は公爵様、いえ、シュウジ様のものになりました。そして来年にも妻にしていただけると。今後はスッポンのようにシュウジ様に食いついて離れないつもりでおります。スッポンは強精剤。隅々まで美味しく召し上がっていただければと。
ちなみにシュウジ様のモノはスッポンどころの話ではなく、海に出現する巨大亀の魔物アーケロンのごとくご立派だったと申し上げておきます。
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