15 / 273
第二部:勇者と呼ばれて
勇者と聖女の食事風景
しおりを挟む
あれからエミリアが落ち着くのを待って風呂に向かった。「私の体は全てシュウジ様のものです」なんて可愛く言われたから、危うく風呂場で第二ラウンドを始めそうになったけど、時間が時間だったから何とか我慢した。全てを頂くのは後日だ。
風呂を出ると二人とも用意されていた普通の服に着替えた。エミリアはさっきのエロ修道服じゃなくなった。少し残念だけど、いつもあれではアレがアレになりすぎる。
「さっきの修道服はもう終わりか?」
意地悪というわけでもなく、念のために聞いてみる。
「あれは召喚の際に聖女が身に着ける正装になります」
「あれを普段から着ていたのかと思った」
「いえ、あれはかなり恥ずかしいです。ですが神に祈りを捧げて勇者様にお越しいただくには、全てを晒け出して行うというのが一番いいとされています。それでも全裸は問題があるということで、あの修道服が使われるようになりました」
どういう問題かは分からないけど、召喚されたら全裸の美女がいたとか、まあビックリするよな。まさか魔術師が暴れたってのは興奮しすぎたとかじゃないよな? 三〇まで童貞だったら魔法使いになれるってやつだ。興奮しすぎて暴発したとかだったらいい迷惑だ。その魔術師がどうなったかは聞いてない。
「そうか。他の男の前ではあれは着るな。いいな?」
「シュウジ様、ひょっとしてそれは……独占欲ですか?」
「もちろんだ。お前は俺のものだろ? 他の男に肌を見せるなよ?」
「はいっ、もちろんです♪」
いい返事だ。少し口調が柔らなくなったな。
「二人きりならまたあれを着てくれるか?」
「シュウジ様がお望みでしたら♪」
「ああ、もちろんだ。それと予備を何枚も用意しておいてくれ」
「ありったけ集めておきます!」
よし。あれはいいものだ。あれを使ってやりたいことが増えた。もちろん公衆の面前じゃないぞ。エミリアの肌を見ていいのは俺だけだ。
独占欲があればいいわけじゃない。そこにはお互いの愛情が必要だ。愛情のない独占欲や一方的な独占欲って傍迷惑なだけだからな。愛しているから独り占めしたい。それなら他人に渡さないために最大限の努力が必要だと俺は思う。単に奪われたくないと口にするだけで何もしなければ意味がない。
そんな話をしていると、五人の使用人が部屋にカートを押して入ってきた。料理の乗ったカートが二つ、そしてもう一つはデザートと酒か。とりあえず量が多そうだな。
「これは二人分か?」
「はい、エミリア殿が勇者様の饗応役だと伺っておりますので、お二人分を用意いたしました。足りないようでしたらいくらでも追加いたしますのでお申しつけください」
「いやいや、これだけあれば十分だ。料理長によろしく伝えてほしい」
作ったのはおそらく料理長だろう。そうでなくても指示はしたはずだ。
「はい、間違いなく。食事が終わりましたら、カートを外に出していただけますでしょうか?」
「ああ、分かった。気遣いに感謝する」
カートを出せば片付けるというのは、俺とエミリアが中で何をするかが想像できるからだろう。食事が終わったと思って片付けに部屋に入ったら真っ最中だったとなれば、お互いに気まずい気まずい。この使用人たちがもし不敬罪で首を落とされることになったらシャレにならない。
食事を運んできた使用人たちはそのまま下がり、俺とエミリアだけが残された。
「ほら、あ~ん」
食事を始めて一五分ほど、二人とも酒が入っていい気分になり、俺はエミリアをイジって楽しんでいた。フォークに刺した肉を口の前に持っていくとエミリアが困った顔をする。まさか勇者に食べさせてもらうとは思わなかったんだろう。もしかしたら「あ~ん」は伝わってないのか?
「ほらほら、あ~ん」
「あ、あ~ん」
エミリアがおずおずと口を開けると、そこにフォークの先を入れる。口を閉じたのでフォークを抜いた。
「エミリア~、肉汁をたっぷり垂らした肉の棒の先端が、お前の中に吸い込まれたぞ~。よ~っぽど欲しかったんだな~」
そんなことを耳元で囁く。
「ああん、そんな言い方をしないでくださいぃぃ」
恥ずかしそうにイヤイヤをする。スレてないところが素晴らしい。
トークはギリギリを見極めるのが大切だ。やりすぎて引かれれば問題になり、しなければしないで面白みのない男だと思われる。
若い客の場合は勢いだけで盛り上げることもできたけど、百戦錬磨の敵に勝つためには己を鍛えるしかない。ただ勉強あるのみ。そう教えられた。
それからもイチャイチャしながら食事を終えた。さあ、腹が満たされれば別のものを満たす時間だ。
◆◆◆
夜が明けた。昨日の夜も素晴らしい体験をしたと言っておこう。エミリアは朝食が終わるとベッドで仮眠を取ることになった。体力は魔法で回復できるけど、眠気ばかりはどうしようもない。耳元で「今夜は寝かさないぞ」と囁いて文字通り寝かさなかったからな。【四十八手】と【九十六手】と【性技】を試させてもらった。鬼畜と呼びたければ呼べ。
風呂を出ると二人とも用意されていた普通の服に着替えた。エミリアはさっきのエロ修道服じゃなくなった。少し残念だけど、いつもあれではアレがアレになりすぎる。
「さっきの修道服はもう終わりか?」
意地悪というわけでもなく、念のために聞いてみる。
「あれは召喚の際に聖女が身に着ける正装になります」
「あれを普段から着ていたのかと思った」
「いえ、あれはかなり恥ずかしいです。ですが神に祈りを捧げて勇者様にお越しいただくには、全てを晒け出して行うというのが一番いいとされています。それでも全裸は問題があるということで、あの修道服が使われるようになりました」
どういう問題かは分からないけど、召喚されたら全裸の美女がいたとか、まあビックリするよな。まさか魔術師が暴れたってのは興奮しすぎたとかじゃないよな? 三〇まで童貞だったら魔法使いになれるってやつだ。興奮しすぎて暴発したとかだったらいい迷惑だ。その魔術師がどうなったかは聞いてない。
「そうか。他の男の前ではあれは着るな。いいな?」
「シュウジ様、ひょっとしてそれは……独占欲ですか?」
「もちろんだ。お前は俺のものだろ? 他の男に肌を見せるなよ?」
「はいっ、もちろんです♪」
いい返事だ。少し口調が柔らなくなったな。
「二人きりならまたあれを着てくれるか?」
「シュウジ様がお望みでしたら♪」
「ああ、もちろんだ。それと予備を何枚も用意しておいてくれ」
「ありったけ集めておきます!」
よし。あれはいいものだ。あれを使ってやりたいことが増えた。もちろん公衆の面前じゃないぞ。エミリアの肌を見ていいのは俺だけだ。
独占欲があればいいわけじゃない。そこにはお互いの愛情が必要だ。愛情のない独占欲や一方的な独占欲って傍迷惑なだけだからな。愛しているから独り占めしたい。それなら他人に渡さないために最大限の努力が必要だと俺は思う。単に奪われたくないと口にするだけで何もしなければ意味がない。
そんな話をしていると、五人の使用人が部屋にカートを押して入ってきた。料理の乗ったカートが二つ、そしてもう一つはデザートと酒か。とりあえず量が多そうだな。
「これは二人分か?」
「はい、エミリア殿が勇者様の饗応役だと伺っておりますので、お二人分を用意いたしました。足りないようでしたらいくらでも追加いたしますのでお申しつけください」
「いやいや、これだけあれば十分だ。料理長によろしく伝えてほしい」
作ったのはおそらく料理長だろう。そうでなくても指示はしたはずだ。
「はい、間違いなく。食事が終わりましたら、カートを外に出していただけますでしょうか?」
「ああ、分かった。気遣いに感謝する」
カートを出せば片付けるというのは、俺とエミリアが中で何をするかが想像できるからだろう。食事が終わったと思って片付けに部屋に入ったら真っ最中だったとなれば、お互いに気まずい気まずい。この使用人たちがもし不敬罪で首を落とされることになったらシャレにならない。
食事を運んできた使用人たちはそのまま下がり、俺とエミリアだけが残された。
「ほら、あ~ん」
食事を始めて一五分ほど、二人とも酒が入っていい気分になり、俺はエミリアをイジって楽しんでいた。フォークに刺した肉を口の前に持っていくとエミリアが困った顔をする。まさか勇者に食べさせてもらうとは思わなかったんだろう。もしかしたら「あ~ん」は伝わってないのか?
「ほらほら、あ~ん」
「あ、あ~ん」
エミリアがおずおずと口を開けると、そこにフォークの先を入れる。口を閉じたのでフォークを抜いた。
「エミリア~、肉汁をたっぷり垂らした肉の棒の先端が、お前の中に吸い込まれたぞ~。よ~っぽど欲しかったんだな~」
そんなことを耳元で囁く。
「ああん、そんな言い方をしないでくださいぃぃ」
恥ずかしそうにイヤイヤをする。スレてないところが素晴らしい。
トークはギリギリを見極めるのが大切だ。やりすぎて引かれれば問題になり、しなければしないで面白みのない男だと思われる。
若い客の場合は勢いだけで盛り上げることもできたけど、百戦錬磨の敵に勝つためには己を鍛えるしかない。ただ勉強あるのみ。そう教えられた。
それからもイチャイチャしながら食事を終えた。さあ、腹が満たされれば別のものを満たす時間だ。
◆◆◆
夜が明けた。昨日の夜も素晴らしい体験をしたと言っておこう。エミリアは朝食が終わるとベッドで仮眠を取ることになった。体力は魔法で回復できるけど、眠気ばかりはどうしようもない。耳元で「今夜は寝かさないぞ」と囁いて文字通り寝かさなかったからな。【四十八手】と【九十六手】と【性技】を試させてもらった。鬼畜と呼びたければ呼べ。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる