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第四部:貴族になること
女性使用人たちとの面接
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男性使用人たちとの面接は終わった。とりあえず大きな問題はなし。問題があるのは人数が少なすぎることだけだ。安全面からも何とかした方がいいだろう。
次は女性使用人たち。侍女のオレリー・サヴァール、家政婦長のシュザンヌ、そしてアネット、ベレニス、セリーヌ、ドミニク、エリーヌ、フラヴィ、ジゼルのメイド七人組。メイドは七人と少ないので、細かな仕事は決まっていない。しばらくは何でもしてもらう形になる。
「侍女の仕事を賜りましたオレリー・サヴァールと申します」
「家政婦長させて頂きますシュザンヌと申します」
オレリーはソバカスがチャーミングな日本人顔で、下級貴族の出身だから貴族の女性としての生活を知っている。そして侍女はミレーヌの世話役ということになるけど……。
「シュウジさん、私はいたりいなかったりしますから、侍女はエミリアさんに」
「え? わ、私にですかあ?」
ミレーヌの提案にエミリアは驚く。たしかにミレーヌは二、三日に一度くらいしか来ない。
「そうだなあ……」
侍女という使用人は本当ならミレーヌが選んで雇うらしい。でもルブラン侯爵は最初から一人用意してくれた。でも今さら侍女は必要ないとは言えない。しばらくの間は仕事内容は少し変えてもらうか。
「オレリー、本来の仕事とは違うかもしれないが、エミリアに貴族の妻としての振るまい方などを教えてやってほしい。その間は追加で支払おう」
「ええっ⁉」
エミリアが「マジで⁉」って顔をして声を上げたけど、オレリーの仕事をなくすわけにもいかない。
「畏まりました。私でよろしければ精一杯務めます」
「よ、よろしくお願いします」
「エミリア様、貴族の妻は簡単に頭を下げるものではございません」
「は、はいっ」
いきなりオレリーの指導が始まった。まずは頭を下げる癖をなくすことからだな。
俺も貴族としての振る舞い方なんて知らないけど、そこは家庭教師に任せることにする。しばらくしたらやって来るだろう。
エミリアは平民生まれの教会育ちでいきなり公爵の妻だから、色々と追いついていない。俺の場合はある程度ふんぞり返ろうと割り切ったけど、エミリアはまだその境地には至ってなさそうだ。オレリーに鍛えてもらおう。
その点ミレーヌは女神の力で上手くやりそうだから心配はない。
「シュザンヌはメイドたちの監督を頼む。追加があれば仕事の割り振りもしやすいと思うが、しばらくはみんなでできることをするような形でやってもらいたい」
「承知いたしました。ここにいる七人は王宮にいましたので、基本的に仕事はよくできます。仕事は」
シュザンヌが顰めっ面をしながら仕事はと二度も口にしたのには理由がある。七人のうち、一人だけが異質だった。それはとりあえず忘れよう。今は面接だ。
ちなみにメイドも俺が選んだんじゃない。選んだのはルブラン侯爵だ。みんな俺よりも若い。名前はアネット、ベレニス、セリーヌ、ドミニク、エリーヌ、フラヴィ、ジゼル。頭文字がABCDEFGだ。あの爺さん、絶対に選ぶのが面倒になったんだろう。
「集められた時にみんなが『あっ……』と声を出しました」
「次はネタとしてHIJKLMNで始まる人をお願いします」
「Kはなかなか見つからないかもしれませんので、見つけたら絶対確保でお願いします」
「仕事内容そのものには問題ありません」
「ですがずっとこの広さを七人で担当するのは無理だと思います」
「最低でもあと一〇人、できれば二〇人は欲しいかと」
「私は旦那様の子供が欲しいのですが」
「最後に余計なことを言ったのはジゼルか?」
ルブラン侯爵は追加の使用人を用意してくれると言っている。ここに来た二四人は半数が王宮、残りの半数が侯爵の知り合いの屋敷で働いていたそうだ。
でも一気に連れてくると今度はそこの人手が足りなくなる。抜けた分を新人で補う必要があるけど、身辺調査が必要になるので、急には雇えない。だから人数に余裕がある貴族のところから少しずつ集めたそうだ。
結局は時間をかけて探してもらうことになる。その間は今のメンバーだけで乗り切ってもらいたい。例え少々おかしなのが混ざっていても。
「旦那様と二人っきりで休憩を取らせていただければ、一五年後には立派な使用人が出来上がります。一石二鳥ではありませんか」
「ジゼル、婉曲的に言えばいいわけじゃないぞ」
「突っ込んで出して孕ませてください」
「直接的に言えばいいわけでもない」
横でシュザンヌが苦虫をまとめて一〇匹くらい噛み潰した顔をしている。
さっそく手を出したわけじゃないぞ。そもそも使用人には迂闊に手を出しちゃいけない。貴族なら手を出すのが当たり前? いやいや、それは間違いだ。
たしかにセーフティーネットなんてあってないようなもので、あるのは教会附属の救貧院や孤児院くらいのものらしい。体を壊して働けなくなったり、子供ができて仕事をクビになったり、そういうのが救貧院に入る。
女性使用人は妊娠すればクビになる。失業保険なんかない。ひどいのになると、自分が孕ませた使用人を働けないからという理由で遠慮なくクビにすること主人さえいるそうだ。そういう場合は救貧院に行くしかなくなる。
そうやってクビにして新しい使用人を探すとしよう。でも使用人に手を出して捨てるような主人のところで働きたい女がどれだけいるか。噂を揉み消すのはなかなか難しく、想像以上に広がるもんだ。そうなればまともなルートからは雇えず、素性が怪しいのも入ってくるだろう。来客時に何かやらかせば貴族としての評判も落ちる。評判というのは一度落ちるとなかなか上がらない。
そういう状況を避けるためにはどうしたらいいのか。雇う際にはあらかじめ細かな部分まで含めて契約書を作成すればいい。意外にそのあたりはきちんとしているそうだ。お互いに意思疎通をしておきましょうということらしく、昔に比べればかなりマシになったそうだ。昔はそれこそ当主が好き勝手してた時代もあったらしい。
今は手出しOKかNGかで契約内容や賃金が変わるのが普通だ。手出しOKの場合、いきなり主人の相手をすることが多くなるので、他の使用人の仕事に影響が出ないような仕事内容になるからだ。手出しNGの場合、主人側が手を出せば契約違反になる。もし女の側から迫ったりすれば、それも契約違反で即解雇になる。どうしてもという場合は契約を見直してからということになる。意外に現実的だ。
ちなみに、うちのメイドたちは……。
「私ジゼルのみ、旦那様のお相手をすることが可能です。メイド服もこのようになっておりますので」
一番若いジゼルだけ他のメイドたちと契約が違った。これはルブラン侯爵から聞いていた。一人だけ違うと。
他のメイドたちは誰の前に出ても恥ずかしくないようなクラシカルなロングのメイド服を着ている。でもジゼルの場合は腰から下は同じだけど、首回りがローブ・デコルテのように大きく開いていた。胸は谷間がよく見え、背中は腰の上あたりまで見えている。その上に腰まである襟の付いたケープかマントのようなものを着け、普段は肌が見えないようになっていた。
さっきからジゼルはそのケープを着けたり外したり、後ろを向いたり前に向き直ったりして、俺に胸元や背中をアピールしていた。一番若くて小さいのが背伸びしてやってる感が伝わってくる。シュザンヌが顔を顰めっぱなしなのはそのせいだ。それでもシュザンヌの言葉を信じれば仕事はできるんだろう。
ジゼルだけなのには理由がある。もし一斉に悪阻になって仕事に支障が出ては困ることになる。手を出すのは一人だけにし、他のメイドは屋敷の仕事に専念させる。それがルブラン侯爵の考えだ。
ホントに余計な気の回し方だ。まるで俺が使用人に手を出しまくるような性格だと——いや、俺のことだからうっかり手を出す可能性があるよな。これはルブラン侯爵が正しい。
ということで、手を出していいのはジゼルだけということのなる。ちなみにジゼルの場合は手を出しても出さなくても賃金は変わらない。立場は愛妾とかじゃなくてメイドのままだ。手を出したとしても使用人に過ぎない。でも全く食指が動かない。実は男だったとかそういうことでもない。顔が悪いわけでもないのに本能が拒否してるようだ。若すぎるからな。
「下の毛の手入れも済ませています」
「俺が毛が好きだと言ったら?」
「気合いで生やします!」
「そのエネルギーは仕事に使え」
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「侍女の仕事を賜りましたオレリー・サヴァールと申します」
「家政婦長させて頂きますシュザンヌと申します」
オレリーはソバカスがチャーミングな日本人顔で、下級貴族の出身だから貴族の女性としての生活を知っている。そして侍女はミレーヌの世話役ということになるけど……。
「シュウジさん、私はいたりいなかったりしますから、侍女はエミリアさんに」
「え? わ、私にですかあ?」
ミレーヌの提案にエミリアは驚く。たしかにミレーヌは二、三日に一度くらいしか来ない。
「そうだなあ……」
侍女という使用人は本当ならミレーヌが選んで雇うらしい。でもルブラン侯爵は最初から一人用意してくれた。でも今さら侍女は必要ないとは言えない。しばらくの間は仕事内容は少し変えてもらうか。
「オレリー、本来の仕事とは違うかもしれないが、エミリアに貴族の妻としての振るまい方などを教えてやってほしい。その間は追加で支払おう」
「ええっ⁉」
エミリアが「マジで⁉」って顔をして声を上げたけど、オレリーの仕事をなくすわけにもいかない。
「畏まりました。私でよろしければ精一杯務めます」
「よ、よろしくお願いします」
「エミリア様、貴族の妻は簡単に頭を下げるものではございません」
「は、はいっ」
いきなりオレリーの指導が始まった。まずは頭を下げる癖をなくすことからだな。
俺も貴族としての振る舞い方なんて知らないけど、そこは家庭教師に任せることにする。しばらくしたらやって来るだろう。
エミリアは平民生まれの教会育ちでいきなり公爵の妻だから、色々と追いついていない。俺の場合はある程度ふんぞり返ろうと割り切ったけど、エミリアはまだその境地には至ってなさそうだ。オレリーに鍛えてもらおう。
その点ミレーヌは女神の力で上手くやりそうだから心配はない。
「シュザンヌはメイドたちの監督を頼む。追加があれば仕事の割り振りもしやすいと思うが、しばらくはみんなでできることをするような形でやってもらいたい」
「承知いたしました。ここにいる七人は王宮にいましたので、基本的に仕事はよくできます。仕事は」
シュザンヌが顰めっ面をしながら仕事はと二度も口にしたのには理由がある。七人のうち、一人だけが異質だった。それはとりあえず忘れよう。今は面接だ。
ちなみにメイドも俺が選んだんじゃない。選んだのはルブラン侯爵だ。みんな俺よりも若い。名前はアネット、ベレニス、セリーヌ、ドミニク、エリーヌ、フラヴィ、ジゼル。頭文字がABCDEFGだ。あの爺さん、絶対に選ぶのが面倒になったんだろう。
「集められた時にみんなが『あっ……』と声を出しました」
「次はネタとしてHIJKLMNで始まる人をお願いします」
「Kはなかなか見つからないかもしれませんので、見つけたら絶対確保でお願いします」
「仕事内容そのものには問題ありません」
「ですがずっとこの広さを七人で担当するのは無理だと思います」
「最低でもあと一〇人、できれば二〇人は欲しいかと」
「私は旦那様の子供が欲しいのですが」
「最後に余計なことを言ったのはジゼルか?」
ルブラン侯爵は追加の使用人を用意してくれると言っている。ここに来た二四人は半数が王宮、残りの半数が侯爵の知り合いの屋敷で働いていたそうだ。
でも一気に連れてくると今度はそこの人手が足りなくなる。抜けた分を新人で補う必要があるけど、身辺調査が必要になるので、急には雇えない。だから人数に余裕がある貴族のところから少しずつ集めたそうだ。
結局は時間をかけて探してもらうことになる。その間は今のメンバーだけで乗り切ってもらいたい。例え少々おかしなのが混ざっていても。
「旦那様と二人っきりで休憩を取らせていただければ、一五年後には立派な使用人が出来上がります。一石二鳥ではありませんか」
「ジゼル、婉曲的に言えばいいわけじゃないぞ」
「突っ込んで出して孕ませてください」
「直接的に言えばいいわけでもない」
横でシュザンヌが苦虫をまとめて一〇匹くらい噛み潰した顔をしている。
さっそく手を出したわけじゃないぞ。そもそも使用人には迂闊に手を出しちゃいけない。貴族なら手を出すのが当たり前? いやいや、それは間違いだ。
たしかにセーフティーネットなんてあってないようなもので、あるのは教会附属の救貧院や孤児院くらいのものらしい。体を壊して働けなくなったり、子供ができて仕事をクビになったり、そういうのが救貧院に入る。
女性使用人は妊娠すればクビになる。失業保険なんかない。ひどいのになると、自分が孕ませた使用人を働けないからという理由で遠慮なくクビにすること主人さえいるそうだ。そういう場合は救貧院に行くしかなくなる。
そうやってクビにして新しい使用人を探すとしよう。でも使用人に手を出して捨てるような主人のところで働きたい女がどれだけいるか。噂を揉み消すのはなかなか難しく、想像以上に広がるもんだ。そうなればまともなルートからは雇えず、素性が怪しいのも入ってくるだろう。来客時に何かやらかせば貴族としての評判も落ちる。評判というのは一度落ちるとなかなか上がらない。
そういう状況を避けるためにはどうしたらいいのか。雇う際にはあらかじめ細かな部分まで含めて契約書を作成すればいい。意外にそのあたりはきちんとしているそうだ。お互いに意思疎通をしておきましょうということらしく、昔に比べればかなりマシになったそうだ。昔はそれこそ当主が好き勝手してた時代もあったらしい。
今は手出しOKかNGかで契約内容や賃金が変わるのが普通だ。手出しOKの場合、いきなり主人の相手をすることが多くなるので、他の使用人の仕事に影響が出ないような仕事内容になるからだ。手出しNGの場合、主人側が手を出せば契約違反になる。もし女の側から迫ったりすれば、それも契約違反で即解雇になる。どうしてもという場合は契約を見直してからということになる。意外に現実的だ。
ちなみに、うちのメイドたちは……。
「私ジゼルのみ、旦那様のお相手をすることが可能です。メイド服もこのようになっておりますので」
一番若いジゼルだけ他のメイドたちと契約が違った。これはルブラン侯爵から聞いていた。一人だけ違うと。
他のメイドたちは誰の前に出ても恥ずかしくないようなクラシカルなロングのメイド服を着ている。でもジゼルの場合は腰から下は同じだけど、首回りがローブ・デコルテのように大きく開いていた。胸は谷間がよく見え、背中は腰の上あたりまで見えている。その上に腰まである襟の付いたケープかマントのようなものを着け、普段は肌が見えないようになっていた。
さっきからジゼルはそのケープを着けたり外したり、後ろを向いたり前に向き直ったりして、俺に胸元や背中をアピールしていた。一番若くて小さいのが背伸びしてやってる感が伝わってくる。シュザンヌが顔を顰めっぱなしなのはそのせいだ。それでもシュザンヌの言葉を信じれば仕事はできるんだろう。
ジゼルだけなのには理由がある。もし一斉に悪阻になって仕事に支障が出ては困ることになる。手を出すのは一人だけにし、他のメイドは屋敷の仕事に専念させる。それがルブラン侯爵の考えだ。
ホントに余計な気の回し方だ。まるで俺が使用人に手を出しまくるような性格だと——いや、俺のことだからうっかり手を出す可能性があるよな。これはルブラン侯爵が正しい。
ということで、手を出していいのはジゼルだけということのなる。ちなみにジゼルの場合は手を出しても出さなくても賃金は変わらない。立場は愛妾とかじゃなくてメイドのままだ。手を出したとしても使用人に過ぎない。でも全く食指が動かない。実は男だったとかそういうことでもない。顔が悪いわけでもないのに本能が拒否してるようだ。若すぎるからな。
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