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第六部:公爵邸披露パーティー
先達を訪ねる
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今日はピトル伯爵の屋敷へ来ている。彼は俺と同じようにこの世界に召喚された、この世界での先輩のような存在だ。王宮でのパーティーの時に会いにいく約束をしたので、手紙を送って今日の訪問を伝えていた。
玄関前に立ってこの屋敷を見ると……うちがおかしいんだよなあ。ここの敷地がうちの屋敷くらいだ。うちはこの一〇倍くらいある。これくらいでよかったなあ。言い方はおかしいけど、こぢんまりとした大邸宅って感じだ。
「ピトル伯爵、今日は世話になる」
「ラヴァル公爵、よくお越しいただけました。小さな屋敷ですが、どうぞゆっくりしていってください」
その言い方が日本人だな。
「妻のコレットです。ようこそおいでくださいました」
妻のコレットさんは前のパーティーには来ていなかった。慎ましい人のようだ。平民出身だということだから、控えめにしてるんだろう。
応接室に案内され、俺の前に紅茶が出され……いや、緑茶か。あるんだな。どこで買えるか後で聞こうか。
「いやー、こうやって同郷の人と話ができる機会なんてないですからね。楽しみで楽しみで——」
「あなたっ」
「っ⁉ た、大変失礼な話し方をしてしまいました。申し訳ございません」
夫人に声をかけられ、うっかりと俺に友達気分で話しかけたことに気づいたらしい。俺は気にしない。畏まられる方が気になる。
「いやいや、意図せずにこちらに来た者同士だろう。お互いに話しやすい喋り方でいいと思うぞ」
「そ、そうですか?」
ピトル伯爵は妻と俺の顔を交互に見ながら、恐る恐る俺に確認した。
「ああ。俺は元の世界にいた時から、誰と話す時でもこんな感じだった。奥方も細かいことは気にしなくていい。これからは親しみを込めてケントさん、コレットさんと呼ばせてもらおう。俺のことはシュウジさんくらい気軽に呼んでくれたら嬉しい」
「私もシュウジさんでよろしいのですか?」
コレットさんも恐る恐る聞いてくる。
「ああ。ケントさんもそうだったと思うけど、なかなか貴族という立場に慣れないんだよ。あまりにも畏まられすぎると疲れてね。貴族も平民もなかった国だったから」
しばらく挨拶がてら雑談すると、コレットさんは下がっていった。ここからは俺からケントさんへの相談になる。
「こちらで何をするべきかということでしたね?」
「そう、この国の役に立つために何をすべきか。今は自分ができることを探している段階だ」
屋敷の披露パーティーが終わるまではあまり動けない。だから先のことを考えたりしてるけど、何から始めたらいいのかもよく分からない。
「聞くべきではないかもしれませんが、スキルもかなりお持ちですね?」
「【鑑定】で見えるわけだから聞かれて困るものじゃないだろう。俺の持ってるスキルはレベルが〇のものが多いけど、大抵のものは訓練すればどれでも使えると聞いている。よく使うのはレベルを一か二にしている」
「なるほど。訓練次第で今後の方針がいくらでも変わるってことですね」
そうなんだよなあ。選択肢が多すぎるのが問題でもあるんだよなあ。どれでも選べるというのはどれも選べないということにもなりかねない。
「ケントさんはこっちに来てから、最初はどうしようと思ったんだ?」
「私は魔法と魔道具の知識を貰ってやって来ましたので、生きていくならそれだろうと思いましたね。それで……他言無用でお願いできますか?」
「もちろん言っちゃいけないことは言わない」
誰にだって秘密はある。言いたくないことだってあるだろう。俺は暴露話ってあまり好きじゃない。言っていいと言われたことは話すけど、勝手にペラペラ喋るようなヤツを誰が信用するのかって話だ。
「実は魔道具に関しての話ですが、あまりにも便利にしすぎると、それはそれで使用人が仕事をなくしてしまうので、ある程度は抑えています」
「そうか、雇用の問題もあるんだなあ」
何でもかんでも便利にはできない。ケントさんは大きすぎる変化は危険だと考えて、ネタは小出しにしているらしい。それは誰にも言ってないそうだ。
誰でも生活が便利になる方がいい。誰でも楽をしたい。もしケントさんが王都の単なる一市民ならそれでいいだろう。でも貴族、しかも伯爵というかなり上の方だ。そのケントさんが庶民の仕事を奪うようなことはできないと。
「私にもどこまで影響が出るかは分かりません。でも聞かれたら無茶はしない方がいいと私なら言います」
「そうだな。やはりケントさんに相談してよかった」
◆◆◆
しばらく話をして、途中から酒が入った。
「大学には入りましたが、特に何かに打ち込んだわけでもなかったです。もっと色々と知識をつけておけばよかったと、こっちに来てから思いましたね。シュウジさんみたいに得難い経験ってのがないですね」
「時代もあったんじゃないか? 俺の場合は生まれてからずっと不況で、家庭環境もあって仕事を選ぶ余地がなかった。学校の勉強も適当にしかしてなかったから、辛うじてあったのが肉体労働か夜の仕事だったんだよなあ」
ケントさんはバブル世代だそうだ。とりあえず大学に入って勉強もせずに遊んで卒業。就職して何年かしたらバブルが弾けて大騒ぎになった頃に普通に召喚されたらしい。
ああ、普通というのは、俺のようにわざわざ殺されて勇者にしやすくしてから生まれ変わって転移させられたわけじゃないって意味だ。
その際に魔法や魔道具に特化した才能を貰い、たまたまこの世界にやって来たそうだ。とりあえずミレーヌとは別ルートらしい。こっちでのキャリアは違うけど、召喚された時の年齢は二〇代半ばで俺と同じくらいだそうだ。一〇歳ほど若返ってこっちに来て、現在三〇歳。現在二児の父親。
「そう言われると、勉強もせずに遊びまくったことが多少は役に立ちましたか」
「これを見たらなあ」
俺はケントさんが作った魔道具を手に取って苦笑する。目の前にあるのはピンクローターを始めとしたアダルトグッズだった。
「必須でしょう」
「必須だな」
男同士の固い握手。
ケントさんは普通の魔道具だけじゃなく、アダルトグッズも作ってるそうだ。他にも目隠しや拘束具など、夜を楽しむためのグッズが山積みさだ。
昔から木などでできた張形はあったそうだけど、それを魔道具にしたものはなかったそうだ。だから作れば売れるだろうと。とりあえず動く、回る、振動する。裕福な家にはよく売れるらしい。
でも伯爵本人が作ってるのがバレないように、アダルトグッズはコレットさんの実家の商会を隠れ蓑にしてるらしい。ケントさん自身は工房兼商会を所有して、生活用の魔道具を販売しつつ弟子の教育も行ってるそうだ。
「女性に使うものは妻に協力してもらっています」
「まあ知識だけでは難しいだろうなあ。使用感とかな」
男がバイブを作っても試しようがないからな。協力者があってのことだ。メイドに使えばそれはそれで問題になりそうだな。
「はい。それで私がこのようなものを作っていることがもしバレてしまうと、妻がそれを使っていると思われるかもしれませんので、それが恥ずかしいようです」
「それはコレットさんも大変だな」
俺を紹介するパーティーではケントさんは一人だった。バレてないはずだけど、実家の商会が扱ってる商品だからもしかしたらバレてるかも、と思うと恥ずかしいらしい。
「でも妻自身はわりとノリノリで協力してくれるんですけどね」
「ノリノリでね……」
「ええ、ノリノリです」
コレットさんは大人しいので目立たないものの、実はクラスの男子の間で人気がある女の子って感じだ。言葉が具体的? 当時気にかけてた子がいたんだよ。狙ってたとかそういうのじゃない。気になるんじゃなくて気にかけてただけだ。
うちは子供の頃からとっくに家庭がボロボロだったから、彼女を作って仲良く手を繋いでって感じの真面目な恋愛は無理だった。中学の時にはすでにチャラかったしな。彼女はいなかったけどヤる相手は何人もいたなあ。
「妻はあの見た目でも夜が積極的で」
「ほうほう、それは充実して何よりだなあ」
酒が入ればそういう話題になるよな。
玄関前に立ってこの屋敷を見ると……うちがおかしいんだよなあ。ここの敷地がうちの屋敷くらいだ。うちはこの一〇倍くらいある。これくらいでよかったなあ。言い方はおかしいけど、こぢんまりとした大邸宅って感じだ。
「ピトル伯爵、今日は世話になる」
「ラヴァル公爵、よくお越しいただけました。小さな屋敷ですが、どうぞゆっくりしていってください」
その言い方が日本人だな。
「妻のコレットです。ようこそおいでくださいました」
妻のコレットさんは前のパーティーには来ていなかった。慎ましい人のようだ。平民出身だということだから、控えめにしてるんだろう。
応接室に案内され、俺の前に紅茶が出され……いや、緑茶か。あるんだな。どこで買えるか後で聞こうか。
「いやー、こうやって同郷の人と話ができる機会なんてないですからね。楽しみで楽しみで——」
「あなたっ」
「っ⁉ た、大変失礼な話し方をしてしまいました。申し訳ございません」
夫人に声をかけられ、うっかりと俺に友達気分で話しかけたことに気づいたらしい。俺は気にしない。畏まられる方が気になる。
「いやいや、意図せずにこちらに来た者同士だろう。お互いに話しやすい喋り方でいいと思うぞ」
「そ、そうですか?」
ピトル伯爵は妻と俺の顔を交互に見ながら、恐る恐る俺に確認した。
「ああ。俺は元の世界にいた時から、誰と話す時でもこんな感じだった。奥方も細かいことは気にしなくていい。これからは親しみを込めてケントさん、コレットさんと呼ばせてもらおう。俺のことはシュウジさんくらい気軽に呼んでくれたら嬉しい」
「私もシュウジさんでよろしいのですか?」
コレットさんも恐る恐る聞いてくる。
「ああ。ケントさんもそうだったと思うけど、なかなか貴族という立場に慣れないんだよ。あまりにも畏まられすぎると疲れてね。貴族も平民もなかった国だったから」
しばらく挨拶がてら雑談すると、コレットさんは下がっていった。ここからは俺からケントさんへの相談になる。
「こちらで何をするべきかということでしたね?」
「そう、この国の役に立つために何をすべきか。今は自分ができることを探している段階だ」
屋敷の披露パーティーが終わるまではあまり動けない。だから先のことを考えたりしてるけど、何から始めたらいいのかもよく分からない。
「聞くべきではないかもしれませんが、スキルもかなりお持ちですね?」
「【鑑定】で見えるわけだから聞かれて困るものじゃないだろう。俺の持ってるスキルはレベルが〇のものが多いけど、大抵のものは訓練すればどれでも使えると聞いている。よく使うのはレベルを一か二にしている」
「なるほど。訓練次第で今後の方針がいくらでも変わるってことですね」
そうなんだよなあ。選択肢が多すぎるのが問題でもあるんだよなあ。どれでも選べるというのはどれも選べないということにもなりかねない。
「ケントさんはこっちに来てから、最初はどうしようと思ったんだ?」
「私は魔法と魔道具の知識を貰ってやって来ましたので、生きていくならそれだろうと思いましたね。それで……他言無用でお願いできますか?」
「もちろん言っちゃいけないことは言わない」
誰にだって秘密はある。言いたくないことだってあるだろう。俺は暴露話ってあまり好きじゃない。言っていいと言われたことは話すけど、勝手にペラペラ喋るようなヤツを誰が信用するのかって話だ。
「実は魔道具に関しての話ですが、あまりにも便利にしすぎると、それはそれで使用人が仕事をなくしてしまうので、ある程度は抑えています」
「そうか、雇用の問題もあるんだなあ」
何でもかんでも便利にはできない。ケントさんは大きすぎる変化は危険だと考えて、ネタは小出しにしているらしい。それは誰にも言ってないそうだ。
誰でも生活が便利になる方がいい。誰でも楽をしたい。もしケントさんが王都の単なる一市民ならそれでいいだろう。でも貴族、しかも伯爵というかなり上の方だ。そのケントさんが庶民の仕事を奪うようなことはできないと。
「私にもどこまで影響が出るかは分かりません。でも聞かれたら無茶はしない方がいいと私なら言います」
「そうだな。やはりケントさんに相談してよかった」
◆◆◆
しばらく話をして、途中から酒が入った。
「大学には入りましたが、特に何かに打ち込んだわけでもなかったです。もっと色々と知識をつけておけばよかったと、こっちに来てから思いましたね。シュウジさんみたいに得難い経験ってのがないですね」
「時代もあったんじゃないか? 俺の場合は生まれてからずっと不況で、家庭環境もあって仕事を選ぶ余地がなかった。学校の勉強も適当にしかしてなかったから、辛うじてあったのが肉体労働か夜の仕事だったんだよなあ」
ケントさんはバブル世代だそうだ。とりあえず大学に入って勉強もせずに遊んで卒業。就職して何年かしたらバブルが弾けて大騒ぎになった頃に普通に召喚されたらしい。
ああ、普通というのは、俺のようにわざわざ殺されて勇者にしやすくしてから生まれ変わって転移させられたわけじゃないって意味だ。
その際に魔法や魔道具に特化した才能を貰い、たまたまこの世界にやって来たそうだ。とりあえずミレーヌとは別ルートらしい。こっちでのキャリアは違うけど、召喚された時の年齢は二〇代半ばで俺と同じくらいだそうだ。一〇歳ほど若返ってこっちに来て、現在三〇歳。現在二児の父親。
「そう言われると、勉強もせずに遊びまくったことが多少は役に立ちましたか」
「これを見たらなあ」
俺はケントさんが作った魔道具を手に取って苦笑する。目の前にあるのはピンクローターを始めとしたアダルトグッズだった。
「必須でしょう」
「必須だな」
男同士の固い握手。
ケントさんは普通の魔道具だけじゃなく、アダルトグッズも作ってるそうだ。他にも目隠しや拘束具など、夜を楽しむためのグッズが山積みさだ。
昔から木などでできた張形はあったそうだけど、それを魔道具にしたものはなかったそうだ。だから作れば売れるだろうと。とりあえず動く、回る、振動する。裕福な家にはよく売れるらしい。
でも伯爵本人が作ってるのがバレないように、アダルトグッズはコレットさんの実家の商会を隠れ蓑にしてるらしい。ケントさん自身は工房兼商会を所有して、生活用の魔道具を販売しつつ弟子の教育も行ってるそうだ。
「女性に使うものは妻に協力してもらっています」
「まあ知識だけでは難しいだろうなあ。使用感とかな」
男がバイブを作っても試しようがないからな。協力者があってのことだ。メイドに使えばそれはそれで問題になりそうだな。
「はい。それで私がこのようなものを作っていることがもしバレてしまうと、妻がそれを使っていると思われるかもしれませんので、それが恥ずかしいようです」
「それはコレットさんも大変だな」
俺を紹介するパーティーではケントさんは一人だった。バレてないはずだけど、実家の商会が扱ってる商品だからもしかしたらバレてるかも、と思うと恥ずかしいらしい。
「でも妻自身はわりとノリノリで協力してくれるんですけどね」
「ノリノリでね……」
「ええ、ノリノリです」
コレットさんは大人しいので目立たないものの、実はクラスの男子の間で人気がある女の子って感じだ。言葉が具体的? 当時気にかけてた子がいたんだよ。狙ってたとかそういうのじゃない。気になるんじゃなくて気にかけてただけだ。
うちは子供の頃からとっくに家庭がボロボロだったから、彼女を作って仲良く手を繋いでって感じの真面目な恋愛は無理だった。中学の時にはすでにチャラかったしな。彼女はいなかったけどヤる相手は何人もいたなあ。
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