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第五章:領主二年目第四部
ローサ
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「エルマー、そういうことでローサを頼む」
「これからよろしくね」
俺に向かってクラースが真面目くさった顔で頭を下げた。ローサが俺の首に抱きつく。言葉の意味は分かるが、頭が理解し切れていない。
「なあ、俺はどういう反応をしたらいいんだ?」
「別に何もしなくてもいいわよ」
正直なところ反応に困っている。俺の目の前にいるのはクラースとローサ。この二人は夫婦だった。
「私はローサと一緒にいて気楽だと思ったが、ローサの方はそれでは物足りなかったそうだ。ローサを抱いたことはないから問題ないだろう」
「いや、抱くとか抱かないとかそういう問題ではないと思うんだが?」
「私は初物だからね」
「いや、だからそれが問題なんじゃない。こんなところで仲良くはぐらかさないでくれ」
先ほどクラースがローサを連れてきて、真面目な表情で俺に聞いた。「ローサを妻にしないか?」と。ローサが横にいるのにだ。酔ってそう言ったのなら殴って目を覚ましてやったかもしれない。だがクラースは素面だった。最初は耳がおかしくなったのかと思った。
ローサはクラースの妻ということだったが、法的に結婚したのではないらしい。人ではないからだ。今の姿はあくまで仮の姿だ。竜にとっては「一緒にいよう」「分かりました」というのが結婚というものだそうだ。
そもそも寿命があってないようなものだから、抱くとか抱かれるとか子供を作るとか、そういうことには興味が薄いらしい。カレンは積極的だが、あれは若いからか?
結婚については以前聞いたように、求婚して受け入れてもらえればそれでよし。断られた場合は断った相手を殴り倒して角を触って自分のものにするいう方法もあるそうだが、クラースたちは穏便に夫婦になったそうだ。
ただローサがクラースと知り合った時にはすでにパウラが彼の側にいたようで、それなら第二夫人として気楽にやろうと思ったそうだ。そうしているうちにパウラに子供ができ、その間はクラースはパウラに付きっきりになった。ローサは元々気楽な性格だから、あまり気にせずにフラフラしていたらしい。
そして先日帰省して、そこで久しぶりに祖父に会った。俺と性格がよく似ているという人物だ。見た目は全く似ていないが心の持ちようが似ているらしい。それをクラースとローサとカサンドラから言われた。カサンドラが俺に惚れたのはその祖父に似ていたからだそうだ。そのカサンドラに子供ができた。そのような状況の変化があり、ローサも心境に変化があったようだ。
まあローサは前からいつでもこの城にいた。いつの間にか部屋があったからな。そしてゴール王国に行く際にも付いてきた。普段から親しげというか馴れ馴れしいというか、姉弟のように気軽に接してくるのは嫌な気はしなかったが、好意を持たれるとは思ってもみなかった。
俺としてはローサはパウラに遠慮してクラースの側にいないのかと思っていたら、俺と一緒にいる方が楽しいからという理由でくっついていただけだった。
ただ立場的に今のままでは微妙だから、パウラも入れて三人で話し合ったそうだ。その結果、クラースとローサはお互いに必ずしも必要なかったという結論を出したようだ。仲違いでなければいい……と言っていいのか?
「ローサとは仲良くやっていたが、こうなるとは思わなかったぞ」
「私としても他人に渡すならエルマーにという考えだ。それも結局はローサの心次第ということだが」
「そういうことよ。私はクラースは嫌いじゃないわ。そうじゃなければ妻を名乗らなかったし。でもこっちに来てからはエルマーの方が気になったのは間違いないわね。どこか楽しいことを求めてるみたいなの」
「だそうだ。私はどうしても堅実で無難な方に進んでしまう。それがパウラと一緒になった理由だが、どうもローサとは合わなかったようだ」
「……一応カレンたちに話をしてからな」
「ああ、急ぐものでもない。よろしく頼む」
「そうそう。いつでもいいわよ」
簡単に言ってくれるなあ。ここのところバタバタと人がやって来て、気がつけば妻が増えていた。これ以上増えたらどうなるのかと自分でも心配になる。俺の体は一つしかないんだが。
それにしても……オデットを見た時、「ライバル出現ね、カサンドラ」とカサンドラに向かって言っていたはずだが、あの時ローサ自身はどう思っていたんだ?
◆ ◆ ◆
ローサを連れてみんなのところに向かって説明すると、概ね想像通りの反応が返ってきた。
「まあいいんじゃない?」
「カレンならそう言うとは思ったが、本当にいいのか?」
「これまでお父さんの二番目の妻というややこしい関係の人だったけど、これであなたの妻だから本当の家族でしょ? 分かりやすくていいじゃない」
カレンはあっさりと受け入れた。カレンから見ると分かりやすいのは分かりやすい。でも俺からすると義父の妻が俺の妻になるわけだ。微妙なんだが?
一方で拒否はしていないけどカサンドラも微妙な表情になった。
「嫌ではありませんけど……嫌ではありませんけど……何と言えばいいのか……」
「まあ俺もそういう気分だからな」
「カサンドラ、あなたと私の仲じゃない。再従姉妹同士で竿姉妹って楽しくない? お祖父様の周りにもいっぱいいたでしょ?」
「竿姉妹って……」
カサンドラが顔を顰めて額に手をやった。
「あなたはそれでいいかもしれませんけどね。……はあ、疲れるのでもうそれでいいです」
カサンドラは諦めた。
「一緒に帰省していたのに、そういう話はしなかったのか?」
「今この瞬間に初めて聞きました」
「驚かそうと思って」
「ローサは昔からそうです。人を驚かせたり揶揄ったりするのが好きで」
「カサンドラだって昔はわりとヤンチャして——」
「そこから先は言わない」
「はいはい」
カランドラも若い頃はヤンチャだったようだ。機会を見てローサに聞いてみるか。
妻と愛人を全員集めて報告したところ、反対ゼロでローサを妻として迎え入れることになった。前からみんなと仲良くしていたから、今さら拒否する理由もないだろう。
とりあえずローサを迎えるにあたって、これまでのやり方に一つ変更を加えようと思った。
「これまで妻と愛人を分けていた。愛人の子供には爵位は継がせられないというのはこの国の制度だ」
俺がそう口にするとカレンがこっちを見た。
「アウグスティン以外に継がせるの?」
「いや、そうじゃない。継がせるのは今のところは長男のアウグスティンだ。だが妻の子供と愛人の子供を、生まれた段階で区別したくない。だから愛人は全員側室にして、愛人というのをなくそうと思う」
何となく最初からいたカレンとエルザとアルマは妻、後から一緒になったアンゲリカ、カサンドラ、アメリア、ヘルガは愛人をということになってしまった。あの時点では妻も愛人もこんなに増えるとは思わなかったからだ。だがその後にやって来たナターリエは王女だったから妻になった。ジョゼとコジマとオデットも妻だ。
結果的に王族や貴族なら妻で平民なら愛人という分け方になってしまったが、意図してそうしたわけではない。何となくその時の雰囲気だ。だが血筋が関係するならカサンドラとローサは王族だから妻になるし、いずれは男爵家令嬢のシビラも妻になるだろう。みんな大切な家族ということは同じで、今さら分ける必要がないと思うようになった。
「私は我が君の考えを尊重いたします」
オデットは重々しくそう言った。
「閣下、私もオデット殿と考えは同じです。妻であれば夫に従うのは当然のこと」
「ただ従えと言っているわけじゃないぞ」
オデットとコジマは少々頑固だ。考えが古いというべきか。
「あなた、みんなで仲良くというのがこの領地の考えでしたら、生まれに関係なく爵位の継承権があるというのは筋が通っていると思いますわ」
ナターリエも賛成してくれたことで、正妻、側室、愛人という分け方はやめ、全て妻とすることにした。それによって何が違うかと考えれば、実はほとんど変わらない。アウグスティンに継がせることは変わらないからだ。
だが爵位の継承の話はどちらかと言えばおまけであって、俺としては妻たちを差別したくないという考えがあったからだった。みんな仲良しだから揉めることはないと思いたいが、絶対に起きないとは言い切れない。そういう点では俺は国の制度に否定したがる我儘な男のようだ。
「これからよろしくね」
俺に向かってクラースが真面目くさった顔で頭を下げた。ローサが俺の首に抱きつく。言葉の意味は分かるが、頭が理解し切れていない。
「なあ、俺はどういう反応をしたらいいんだ?」
「別に何もしなくてもいいわよ」
正直なところ反応に困っている。俺の目の前にいるのはクラースとローサ。この二人は夫婦だった。
「私はローサと一緒にいて気楽だと思ったが、ローサの方はそれでは物足りなかったそうだ。ローサを抱いたことはないから問題ないだろう」
「いや、抱くとか抱かないとかそういう問題ではないと思うんだが?」
「私は初物だからね」
「いや、だからそれが問題なんじゃない。こんなところで仲良くはぐらかさないでくれ」
先ほどクラースがローサを連れてきて、真面目な表情で俺に聞いた。「ローサを妻にしないか?」と。ローサが横にいるのにだ。酔ってそう言ったのなら殴って目を覚ましてやったかもしれない。だがクラースは素面だった。最初は耳がおかしくなったのかと思った。
ローサはクラースの妻ということだったが、法的に結婚したのではないらしい。人ではないからだ。今の姿はあくまで仮の姿だ。竜にとっては「一緒にいよう」「分かりました」というのが結婚というものだそうだ。
そもそも寿命があってないようなものだから、抱くとか抱かれるとか子供を作るとか、そういうことには興味が薄いらしい。カレンは積極的だが、あれは若いからか?
結婚については以前聞いたように、求婚して受け入れてもらえればそれでよし。断られた場合は断った相手を殴り倒して角を触って自分のものにするいう方法もあるそうだが、クラースたちは穏便に夫婦になったそうだ。
ただローサがクラースと知り合った時にはすでにパウラが彼の側にいたようで、それなら第二夫人として気楽にやろうと思ったそうだ。そうしているうちにパウラに子供ができ、その間はクラースはパウラに付きっきりになった。ローサは元々気楽な性格だから、あまり気にせずにフラフラしていたらしい。
そして先日帰省して、そこで久しぶりに祖父に会った。俺と性格がよく似ているという人物だ。見た目は全く似ていないが心の持ちようが似ているらしい。それをクラースとローサとカサンドラから言われた。カサンドラが俺に惚れたのはその祖父に似ていたからだそうだ。そのカサンドラに子供ができた。そのような状況の変化があり、ローサも心境に変化があったようだ。
まあローサは前からいつでもこの城にいた。いつの間にか部屋があったからな。そしてゴール王国に行く際にも付いてきた。普段から親しげというか馴れ馴れしいというか、姉弟のように気軽に接してくるのは嫌な気はしなかったが、好意を持たれるとは思ってもみなかった。
俺としてはローサはパウラに遠慮してクラースの側にいないのかと思っていたら、俺と一緒にいる方が楽しいからという理由でくっついていただけだった。
ただ立場的に今のままでは微妙だから、パウラも入れて三人で話し合ったそうだ。その結果、クラースとローサはお互いに必ずしも必要なかったという結論を出したようだ。仲違いでなければいい……と言っていいのか?
「ローサとは仲良くやっていたが、こうなるとは思わなかったぞ」
「私としても他人に渡すならエルマーにという考えだ。それも結局はローサの心次第ということだが」
「そういうことよ。私はクラースは嫌いじゃないわ。そうじゃなければ妻を名乗らなかったし。でもこっちに来てからはエルマーの方が気になったのは間違いないわね。どこか楽しいことを求めてるみたいなの」
「だそうだ。私はどうしても堅実で無難な方に進んでしまう。それがパウラと一緒になった理由だが、どうもローサとは合わなかったようだ」
「……一応カレンたちに話をしてからな」
「ああ、急ぐものでもない。よろしく頼む」
「そうそう。いつでもいいわよ」
簡単に言ってくれるなあ。ここのところバタバタと人がやって来て、気がつけば妻が増えていた。これ以上増えたらどうなるのかと自分でも心配になる。俺の体は一つしかないんだが。
それにしても……オデットを見た時、「ライバル出現ね、カサンドラ」とカサンドラに向かって言っていたはずだが、あの時ローサ自身はどう思っていたんだ?
◆ ◆ ◆
ローサを連れてみんなのところに向かって説明すると、概ね想像通りの反応が返ってきた。
「まあいいんじゃない?」
「カレンならそう言うとは思ったが、本当にいいのか?」
「これまでお父さんの二番目の妻というややこしい関係の人だったけど、これであなたの妻だから本当の家族でしょ? 分かりやすくていいじゃない」
カレンはあっさりと受け入れた。カレンから見ると分かりやすいのは分かりやすい。でも俺からすると義父の妻が俺の妻になるわけだ。微妙なんだが?
一方で拒否はしていないけどカサンドラも微妙な表情になった。
「嫌ではありませんけど……嫌ではありませんけど……何と言えばいいのか……」
「まあ俺もそういう気分だからな」
「カサンドラ、あなたと私の仲じゃない。再従姉妹同士で竿姉妹って楽しくない? お祖父様の周りにもいっぱいいたでしょ?」
「竿姉妹って……」
カサンドラが顔を顰めて額に手をやった。
「あなたはそれでいいかもしれませんけどね。……はあ、疲れるのでもうそれでいいです」
カサンドラは諦めた。
「一緒に帰省していたのに、そういう話はしなかったのか?」
「今この瞬間に初めて聞きました」
「驚かそうと思って」
「ローサは昔からそうです。人を驚かせたり揶揄ったりするのが好きで」
「カサンドラだって昔はわりとヤンチャして——」
「そこから先は言わない」
「はいはい」
カランドラも若い頃はヤンチャだったようだ。機会を見てローサに聞いてみるか。
妻と愛人を全員集めて報告したところ、反対ゼロでローサを妻として迎え入れることになった。前からみんなと仲良くしていたから、今さら拒否する理由もないだろう。
とりあえずローサを迎えるにあたって、これまでのやり方に一つ変更を加えようと思った。
「これまで妻と愛人を分けていた。愛人の子供には爵位は継がせられないというのはこの国の制度だ」
俺がそう口にするとカレンがこっちを見た。
「アウグスティン以外に継がせるの?」
「いや、そうじゃない。継がせるのは今のところは長男のアウグスティンだ。だが妻の子供と愛人の子供を、生まれた段階で区別したくない。だから愛人は全員側室にして、愛人というのをなくそうと思う」
何となく最初からいたカレンとエルザとアルマは妻、後から一緒になったアンゲリカ、カサンドラ、アメリア、ヘルガは愛人をということになってしまった。あの時点では妻も愛人もこんなに増えるとは思わなかったからだ。だがその後にやって来たナターリエは王女だったから妻になった。ジョゼとコジマとオデットも妻だ。
結果的に王族や貴族なら妻で平民なら愛人という分け方になってしまったが、意図してそうしたわけではない。何となくその時の雰囲気だ。だが血筋が関係するならカサンドラとローサは王族だから妻になるし、いずれは男爵家令嬢のシビラも妻になるだろう。みんな大切な家族ということは同じで、今さら分ける必要がないと思うようになった。
「私は我が君の考えを尊重いたします」
オデットは重々しくそう言った。
「閣下、私もオデット殿と考えは同じです。妻であれば夫に従うのは当然のこと」
「ただ従えと言っているわけじゃないぞ」
オデットとコジマは少々頑固だ。考えが古いというべきか。
「あなた、みんなで仲良くというのがこの領地の考えでしたら、生まれに関係なく爵位の継承権があるというのは筋が通っていると思いますわ」
ナターリエも賛成してくれたことで、正妻、側室、愛人という分け方はやめ、全て妻とすることにした。それによって何が違うかと考えれば、実はほとんど変わらない。アウグスティンに継がせることは変わらないからだ。
だが爵位の継承の話はどちらかと言えばおまけであって、俺としては妻たちを差別したくないという考えがあったからだった。みんな仲良しだから揉めることはないと思いたいが、絶対に起きないとは言い切れない。そういう点では俺は国の制度に否定したがる我儘な男のようだ。
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