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第二章:領主二年目第一部
提携(六):仮の婚約
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「シビラ、エルマー殿とお前の婚約が決まったよ」
「はい、分かりました。精一杯尽くします」
一夜明けてデニス殿がシビラに説明しているが、分かっているのかどうか怪しい。妙に気合が入っている。だがあくまで仮の婚約だ。デニス殿が王都で仕事を始め、しばらくすればいい相手を見つけてくれるだろう。
「旦那様、シビラ様のお部屋はどのあたりにご用意すればよろしいですか?」
「いや、シビラは引っ越すわけではないぞ」
「えっ?」
ヨアヒムの質問に答えると、ヨアヒムではなくシビラが小さく声を上げた。
ひょっとしてこっちに来るつもりだったのか? そもそも別に本当に結婚する訳ではない。あくまでおかしな貴族に狙われないようにするための仮の婚約だ。
デニス殿が気にするようなおかしな貴族がそれほど多くいるとは思わないが……去年から今年にかけて、新しく貴族や準貴族になった者たちについては情報もないだろう。
「シビラ、あくまで仮の婚約ですよ。あなたがおかしな貴族に目を付けられないようにするための」
ニコラ殿はそのまま続けて説明するが、シビラは表情を曇らせたままだ。好かれるようなことをした覚えはないが。馬車に乗せたくらいだろう。
「シビラ、何かあったの?」
どうも反応がおかしいからだろう、ニコラ殿がシビラに心配そうに声をかけていた。
「以前、櫛をいただいたのですが……」
「櫛? ああ、あの時にいただいた物ですね」
以前に櫛……ん? ああ、作ったな。
「ひょっとして、前にエックハルトに渡した小物のあった物か?」
「はい、櫛をいただきましたが、違ったのですか?」
「誰に何をと考えた訳ではなく、使用人の分も含めて一緒に渡したのだが」
あの時はペンやナイフなどの実用品以外に、ボタンや櫛、プローチなどを渡した。畑に撒く鱗の粉末を作るついでに、擦り合わせて形を整えたり穴を開けたり、硬い鱗を扱う練習をしていたはずだ。
櫛は一つしか作らなかった。あれは非常に面倒だった。細くしても簡単に折れるような素材ではないが、あまり尖らせると頭に傷ができたり髪が切れたりする。そこそこ先端を丸くするのは骨が折れた。
「ひょっとして自分のために用意されたと思ったのか?」
「はい……エックハルトから渡されましたので、そうなのかと……」
櫛には意味はいくつもあるが、その中には絡まった髪を梳かすということから、厄介な問題を解決してくれるお守りという意味もあれば、歯が欠けたり折れたりすることもあるので縁起が悪い物と思われることもある。
櫛を贈ることについては「その美しい髪をこれで梳かしてほしい」という好意を示す意味もあれば、「もう少し身だしなみに気を遣った方がいい」という相手を嗜める意味もある。
エックハルトが気を利かせたか? いや、そこまではしないか。
「なあ、シビラ。エックハルトから渡されたのは櫛だけだったのか?」
「いえ、『エルマー様からの贈り物です』と渡された中には他にもいくつかありました。櫛を手に取りましたので、『あとはみんなでどうぞ』と、残りは彼に渡しました」
「なるほど」
これは勘違いだ。エックハルトが少し言葉足らずだったのかもしれないが、シビラは俺が彼女個人にあれを全てを渡したと思った。その中に櫛が入っていたので、そのことを好意的に、つまり俺が彼女に気があるかのように受け取ってしまった。
これまできちんと育てられているだけはある。シビラは自分が欲しい櫛だけを貰って、残った物は使用人で分けるようにとエックハルトに言ったつもりだったのだろう。
新しい物が手に入れば古い物は使用人に贈る、たくさん貰えば欲しい物を貰って他は使用人に配る、それは貴族の家に生まれた者として相応しい態度だ。
「ニコラ殿も言ったが、これは中央に戻るデニス殿がおかしな貴族から結婚話を持ち込まれないようにするための仮の婚約だ。すでに相手が決まっていれば断る理由ができる。こう言うのはつらいが、仮でしかない」
完全にしょぼんとしたシビラに説明するのも辛いが、俺には彼女を妻にするつもりはない。好き嫌い以前に、そう考えたことはない。そもそもまだ一〇歳にもなっていない。
デニス殿に恩を売るつもりでもない。隣の領主が娘のことを気にしているなら少し手を貸そうと思っただけだ。だから仮の婚約にした。
「だが領地は隣同士だ。たまに気晴らしに遊びに来たらいい」
「いいのですか?」
「ああ、来るのを断る理由はない」
俺がそう言うと彼女は顔をパッと上げた。
「ではエルマー様に認めてもらえるように頑張ります」
「ん?」
だから仮の婚約でしかないと言ったが。俺は妻にするつもりはないぞ。
「今はあくまで仮でしかないかもしれません。ですが頑張ってエルマー様に認めてもらい、いずれ正式な婚約者としてここに住めるように頑張ります」
立ち上がって拳を握りしめるシビラ。その隣りに座っているニコラ殿は目をパチパチして彼女を見た。
「エルマー殿、私はどうもニコラのことを勘違いしていたようです。思った以上にあなたを気に入っていたようですね」
「ここでそう言われても扱いは変えませんよ?」
あのまま帰すのも可哀想だから言っただけだが、思った以上に効果があった。余計なことを言ったかもしれない。だが子供が悄気ていたら気になるだろう。それなりの言葉をかけるのは普通じゃないか?
◆ ◆ ◆
「ではこれより運河を通ってトンネルに向かいやす。みなさん、馬車の中では立ち上がらないようにお願いしやす」
船頭のザシャが船を操って運河を走らせる。人口のわりには町が広いため、十分なゆとりを持って運河を掘らせた。
積み下ろしの場所は城の近くにもある。そこから馬車ごと船に乗り、そのまま町の外へ。トンネルに一番近い積み下ろし場で船を地面と同じ高さまで上げたら固定して馬車を下ろす。
「エルマー殿、お世話になりました」
「デニス殿、こちらこそ今後は木材のことでお世話になります。隣ですので気軽に遊びに来て下さい」
「はい、ぜひ近いうちにまた遊びに来ます! 待っていてください」
少し前までの落ち込みようは何だったのかと思えるほど、晴れ晴れとした表情でシビラが答えた。
「はい、分かりました。精一杯尽くします」
一夜明けてデニス殿がシビラに説明しているが、分かっているのかどうか怪しい。妙に気合が入っている。だがあくまで仮の婚約だ。デニス殿が王都で仕事を始め、しばらくすればいい相手を見つけてくれるだろう。
「旦那様、シビラ様のお部屋はどのあたりにご用意すればよろしいですか?」
「いや、シビラは引っ越すわけではないぞ」
「えっ?」
ヨアヒムの質問に答えると、ヨアヒムではなくシビラが小さく声を上げた。
ひょっとしてこっちに来るつもりだったのか? そもそも別に本当に結婚する訳ではない。あくまでおかしな貴族に狙われないようにするための仮の婚約だ。
デニス殿が気にするようなおかしな貴族がそれほど多くいるとは思わないが……去年から今年にかけて、新しく貴族や準貴族になった者たちについては情報もないだろう。
「シビラ、あくまで仮の婚約ですよ。あなたがおかしな貴族に目を付けられないようにするための」
ニコラ殿はそのまま続けて説明するが、シビラは表情を曇らせたままだ。好かれるようなことをした覚えはないが。馬車に乗せたくらいだろう。
「シビラ、何かあったの?」
どうも反応がおかしいからだろう、ニコラ殿がシビラに心配そうに声をかけていた。
「以前、櫛をいただいたのですが……」
「櫛? ああ、あの時にいただいた物ですね」
以前に櫛……ん? ああ、作ったな。
「ひょっとして、前にエックハルトに渡した小物のあった物か?」
「はい、櫛をいただきましたが、違ったのですか?」
「誰に何をと考えた訳ではなく、使用人の分も含めて一緒に渡したのだが」
あの時はペンやナイフなどの実用品以外に、ボタンや櫛、プローチなどを渡した。畑に撒く鱗の粉末を作るついでに、擦り合わせて形を整えたり穴を開けたり、硬い鱗を扱う練習をしていたはずだ。
櫛は一つしか作らなかった。あれは非常に面倒だった。細くしても簡単に折れるような素材ではないが、あまり尖らせると頭に傷ができたり髪が切れたりする。そこそこ先端を丸くするのは骨が折れた。
「ひょっとして自分のために用意されたと思ったのか?」
「はい……エックハルトから渡されましたので、そうなのかと……」
櫛には意味はいくつもあるが、その中には絡まった髪を梳かすということから、厄介な問題を解決してくれるお守りという意味もあれば、歯が欠けたり折れたりすることもあるので縁起が悪い物と思われることもある。
櫛を贈ることについては「その美しい髪をこれで梳かしてほしい」という好意を示す意味もあれば、「もう少し身だしなみに気を遣った方がいい」という相手を嗜める意味もある。
エックハルトが気を利かせたか? いや、そこまではしないか。
「なあ、シビラ。エックハルトから渡されたのは櫛だけだったのか?」
「いえ、『エルマー様からの贈り物です』と渡された中には他にもいくつかありました。櫛を手に取りましたので、『あとはみんなでどうぞ』と、残りは彼に渡しました」
「なるほど」
これは勘違いだ。エックハルトが少し言葉足らずだったのかもしれないが、シビラは俺が彼女個人にあれを全てを渡したと思った。その中に櫛が入っていたので、そのことを好意的に、つまり俺が彼女に気があるかのように受け取ってしまった。
これまできちんと育てられているだけはある。シビラは自分が欲しい櫛だけを貰って、残った物は使用人で分けるようにとエックハルトに言ったつもりだったのだろう。
新しい物が手に入れば古い物は使用人に贈る、たくさん貰えば欲しい物を貰って他は使用人に配る、それは貴族の家に生まれた者として相応しい態度だ。
「ニコラ殿も言ったが、これは中央に戻るデニス殿がおかしな貴族から結婚話を持ち込まれないようにするための仮の婚約だ。すでに相手が決まっていれば断る理由ができる。こう言うのはつらいが、仮でしかない」
完全にしょぼんとしたシビラに説明するのも辛いが、俺には彼女を妻にするつもりはない。好き嫌い以前に、そう考えたことはない。そもそもまだ一〇歳にもなっていない。
デニス殿に恩を売るつもりでもない。隣の領主が娘のことを気にしているなら少し手を貸そうと思っただけだ。だから仮の婚約にした。
「だが領地は隣同士だ。たまに気晴らしに遊びに来たらいい」
「いいのですか?」
「ああ、来るのを断る理由はない」
俺がそう言うと彼女は顔をパッと上げた。
「ではエルマー様に認めてもらえるように頑張ります」
「ん?」
だから仮の婚約でしかないと言ったが。俺は妻にするつもりはないぞ。
「今はあくまで仮でしかないかもしれません。ですが頑張ってエルマー様に認めてもらい、いずれ正式な婚約者としてここに住めるように頑張ります」
立ち上がって拳を握りしめるシビラ。その隣りに座っているニコラ殿は目をパチパチして彼女を見た。
「エルマー殿、私はどうもニコラのことを勘違いしていたようです。思った以上にあなたを気に入っていたようですね」
「ここでそう言われても扱いは変えませんよ?」
あのまま帰すのも可哀想だから言っただけだが、思った以上に効果があった。余計なことを言ったかもしれない。だが子供が悄気ていたら気になるだろう。それなりの言葉をかけるのは普通じゃないか?
◆ ◆ ◆
「ではこれより運河を通ってトンネルに向かいやす。みなさん、馬車の中では立ち上がらないようにお願いしやす」
船頭のザシャが船を操って運河を走らせる。人口のわりには町が広いため、十分なゆとりを持って運河を掘らせた。
積み下ろしの場所は城の近くにもある。そこから馬車ごと船に乗り、そのまま町の外へ。トンネルに一番近い積み下ろし場で船を地面と同じ高さまで上げたら固定して馬車を下ろす。
「エルマー殿、お世話になりました」
「デニス殿、こちらこそ今後は木材のことでお世話になります。隣ですので気軽に遊びに来て下さい」
「はい、ぜひ近いうちにまた遊びに来ます! 待っていてください」
少し前までの落ち込みようは何だったのかと思えるほど、晴れ晴れとした表情でシビラが答えた。
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