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第二章:領主二年目第一部
提携(五):相談
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「二人とも、もう寝る時間だ。そろそろ部屋にお入り。ニコラも一緒にどうだい?」
欠伸が出始めたシビラとリーヌスの二人に、デニス殿はそろそろ寝に行くようにと優しく言った。父親だな。
「それなら私も先に戻りますね、あなた」
「ではお休みなさい。明日もよろしくお願いします」
「お休みなさい」
三人は女中に案内されて部屋に向かった。
さて、ニコラ殿まで促したのであれば、デニス殿には俺に何か言いたいことがあるに違いない。
「もうここはいいから、みんな下がってくれていい」
そう言うと部屋の端に控えていたアンネリースとエミーリアの二人が一礼して下がった。誰もいなくなったのを確認してからデニス殿に話しかける。回りくどい言い方は必要ないだろう。
「しかしデニス殿、以前は私にシビラを押すというのはなかったと思いますが、何かあったのですか?」
「ふうっ」
デニス殿はひと息入れると俺の目を正面から見た。やはり当たりだったか。分かりやすいといえば分かりやすい。前からそうだったのならともかく、あまりにも急だったからな。
「まず最初に謝らせてもらいます」
デニス殿は頭を深々と下げてそう言った。
「理由はいくつかありますが、最初の頃はエルマー殿の様子を見ていたというのが一つ。そして今後おかしな貴族にシビラが目を付けられないようにするというのがもう一つです」
「様子見は、まあ理解できます。このような場所の領主になったばかりでしたからね。成功するか失敗するか、そこですね?」
「ええ、カレン殿のことは分かっていましたが、だからと言って領地として成功するとは限らないでしょう」
当時の人口は三五〇もいなかった。今で九〇〇を超えたところだ。男爵領の町一つとしては十分かもしれないが、この町しかないから、その点は微妙だな。
鱗や爪を売って一時的に潤っても、長期的にはどうなるかは分からない。金があるのと領地が豊かになるのは関係がない。金というのは正しく使えば非常に役に立つが、持っているだけでは何の役にも立たない不思議な存在だ。
仮に金が腐るほどあっても領民が三〇〇人のままなら、それ以上は発展しようがない。領民がいてこその領地だからだ。それに他の場所から領民を連れてきたとしても、小麦も芋もできないとなればみんな去っしまうことは分かっている。
最後に、もし竜の力を借りて無理やり何かをしようとしたら、それはそれで危険人物だと思えるだろう。そのような相手とは距離を取りたいはずだ。
「おかしな貴族とは……ひょっとしてフロッシュゲロー伯爵のような人ですか?」
「ええ、実は彼はシビラを狙っていたことがありました。王都に連れていったことがありましたから」
いくら中央に興味のない貴族でも、ずっと領地に引っ込んでいることはできない。国の公的な行事が行われるとなると、貴族としては登城することが求められるからだ。
もちろん一年に何度もある訳ではないが、例えば王子や王女が成人したときのパーティーや、陛下の即位を祝って五年ごとに行われる式典など、できる限り出席した方がいい行事は多い。
そのような時は通常は家族同伴で行くものだ。独身の場合は親戚の中で年齢の釣り合う女性に頼む。同伴者がいないのは恥になる。その女性が既婚か未婚かは関係ない。
俺がかつて参加したレオナルト殿下の誕生パーティーはそこまで大きな行事ではなかったので、参加を避けた貴族は多かったはず。あれは大半が大公派だった。
幸いなことにここしばらくはそのような行事はなかった。次に大きな行事は殿下の結婚あたりだろうか。
「大公派の貴族がいなくなっても、フロッシュゲロー伯爵のような貴族がいなくなった訳ではありません。妻から魔法馬鹿と言われる私が口にするのもおかしいですが、貴族には風変わりな性格の人が多いですからね」
「性格はどうしようもありませんね。だからと言って許されるものでもないでしょうが」
俺には貴族の知り合いがほとんどいなかったから貴族同士の関係や評判にはさほど詳しくはなかったが、ニコラ殿にはデニス殿との結婚前は求婚が多かったらしい。
デニス殿は魔法馬鹿と言える部分はあるが、人としては信頼できる。ニコラ殿を射止めたのは彼だった。
ニコラ殿は子爵家の生まれらしい。今でも十分美しいと思えるので、独身時代はさぞ男性の視線を集めただろう。彼女は多くの求婚をすべて断ってデニス殿と結婚したそうだ。
「妻はあまり王都は好きではなかったのです。あそこは面倒が多いですから。エクセンの雰囲気は一目で気に入ってくれましたね」
だから自分に向けられる視線は嫉妬でさらに刺々しくなったとデニス殿は苦笑いしながら説明してくれた。
その二人の血を引いたシビラも美少女と言っていい。リーヌスも美少年と言っていいだろう。普通にしていれば求婚の話は引っ切りなしに来るはずだ。
「親馬鹿と言われても仕方ありませんが、中央から離れていた私には妻と子どもたちの幸せが一番大切です。いずれ好きな相手と結婚すればいいと思っていますが、貴族はそのあたりがままならないこともあります。特にシビラは跡取りではありませんからね」
「求婚されれば断る理由がないことも理由ですね」
「ええ。父の代から中央を離れていると、詳しい情報があまり入りません」
例えば伯爵家の跡取り息子から令嬢をぜひ妻にと言われたら、正妻であれ側室であれ、断る理由はない。むしろ貴族としては喜ばしい。女性が自分の実家よりも爵位が低い方に嫁ぐと問題になることもあるが。
だが一番の問題は、それで当人が幸せになれるとは限らないことだ。正妻と側室の間に衝突があるかもしれない。さらに相手がおかしな性格だったとしたらどうなるか。情報が不足するのは地方では仕方がないことだ。
「そして、実は私も原因の一つになるかもしれませんが、もう少ししたら中央に出ることになりました」
「ああ、それはおめでとうございます」
「ありがとうございます。実力を認められたと言うよりは、魔法省が欠員の補充を急いでいるだけのようでしたが」
デニス殿の父親である先代のマーロー男爵は中央の貴族に目を付けられ、それで領地を奪われるような形になり、その代わりとして今の領地を与えられた。その原因となったのが後に大公派の主流になった貴族たちだ。
マーロー男爵領は最初はもっと小さかったそうだが、一代半であそこまで大きくできたのなら、二人ともやり手だったということだろう。
「それで、どうしても役職を持って王都にいると縁談などが持ち込まれるでしょう。娘が望まない結婚を断る理由があればいいのですが……」
俺は王城で仕事をしている訳ではないから他の貴族からの接触は少ない。王城内に長くいることになれば他からの接触はどうしても多くなる。
しかし、シビラの相手は別に俺でなくてもいいと思うんだが。まあデニス殿も俺と同じでけっして知り合いは多くないのだろうな。
「それならあれしかないでしょう。仮の婚約で」
「お願いできますか?」
「仮ですからね」
それほど大層なものではない。婚約と言っても必ずしもそのまま結婚する訳ではない。それこそ貴族は派閥を強化するために、生まれたばかりの子供にすら、場合によっては生まれる前の子供にすら婚約者を作る。婚約の予約と言えるかもしれない。結婚の約束の予約とはおかしな風に聞こえるが。
大貴族の子供なら一歳になる前に五人も一〇人も婚約者がいる場合もあるそうだが、もちろん全員と結婚することはない。あくまで口約束なのでほとんどが不履行になるが、お互いにそれは織り込み済みだ。
だがそれでも約束は約束で、相手がいれば他からの申し出を断る口実になる。「うちの娘は〇〇伯爵のご子息と婚約しておりまして」「ああ、それでは仕方ないですな」などのやり取りがあるようだ。駆け引きとも騙し合いとも言う。
「それならそうと、最初からそう言ってくれればよかったと思うのですが」
「それはそうですが、エルマー殿がシビラをぜひ妻にと口にする可能性も否定できなかったので」
「……私は良くてフロッシュゲロー伯爵は駄目だったのですか?」
「貴族なら一〇や二〇くらいの年の差は普通ですが、六〇以上差があるのではさすがに可哀想です。それにあの人を息子と呼びたいですか?」
「何がどうあっても無理ですね」
欠伸が出始めたシビラとリーヌスの二人に、デニス殿はそろそろ寝に行くようにと優しく言った。父親だな。
「それなら私も先に戻りますね、あなた」
「ではお休みなさい。明日もよろしくお願いします」
「お休みなさい」
三人は女中に案内されて部屋に向かった。
さて、ニコラ殿まで促したのであれば、デニス殿には俺に何か言いたいことがあるに違いない。
「もうここはいいから、みんな下がってくれていい」
そう言うと部屋の端に控えていたアンネリースとエミーリアの二人が一礼して下がった。誰もいなくなったのを確認してからデニス殿に話しかける。回りくどい言い方は必要ないだろう。
「しかしデニス殿、以前は私にシビラを押すというのはなかったと思いますが、何かあったのですか?」
「ふうっ」
デニス殿はひと息入れると俺の目を正面から見た。やはり当たりだったか。分かりやすいといえば分かりやすい。前からそうだったのならともかく、あまりにも急だったからな。
「まず最初に謝らせてもらいます」
デニス殿は頭を深々と下げてそう言った。
「理由はいくつかありますが、最初の頃はエルマー殿の様子を見ていたというのが一つ。そして今後おかしな貴族にシビラが目を付けられないようにするというのがもう一つです」
「様子見は、まあ理解できます。このような場所の領主になったばかりでしたからね。成功するか失敗するか、そこですね?」
「ええ、カレン殿のことは分かっていましたが、だからと言って領地として成功するとは限らないでしょう」
当時の人口は三五〇もいなかった。今で九〇〇を超えたところだ。男爵領の町一つとしては十分かもしれないが、この町しかないから、その点は微妙だな。
鱗や爪を売って一時的に潤っても、長期的にはどうなるかは分からない。金があるのと領地が豊かになるのは関係がない。金というのは正しく使えば非常に役に立つが、持っているだけでは何の役にも立たない不思議な存在だ。
仮に金が腐るほどあっても領民が三〇〇人のままなら、それ以上は発展しようがない。領民がいてこその領地だからだ。それに他の場所から領民を連れてきたとしても、小麦も芋もできないとなればみんな去っしまうことは分かっている。
最後に、もし竜の力を借りて無理やり何かをしようとしたら、それはそれで危険人物だと思えるだろう。そのような相手とは距離を取りたいはずだ。
「おかしな貴族とは……ひょっとしてフロッシュゲロー伯爵のような人ですか?」
「ええ、実は彼はシビラを狙っていたことがありました。王都に連れていったことがありましたから」
いくら中央に興味のない貴族でも、ずっと領地に引っ込んでいることはできない。国の公的な行事が行われるとなると、貴族としては登城することが求められるからだ。
もちろん一年に何度もある訳ではないが、例えば王子や王女が成人したときのパーティーや、陛下の即位を祝って五年ごとに行われる式典など、できる限り出席した方がいい行事は多い。
そのような時は通常は家族同伴で行くものだ。独身の場合は親戚の中で年齢の釣り合う女性に頼む。同伴者がいないのは恥になる。その女性が既婚か未婚かは関係ない。
俺がかつて参加したレオナルト殿下の誕生パーティーはそこまで大きな行事ではなかったので、参加を避けた貴族は多かったはず。あれは大半が大公派だった。
幸いなことにここしばらくはそのような行事はなかった。次に大きな行事は殿下の結婚あたりだろうか。
「大公派の貴族がいなくなっても、フロッシュゲロー伯爵のような貴族がいなくなった訳ではありません。妻から魔法馬鹿と言われる私が口にするのもおかしいですが、貴族には風変わりな性格の人が多いですからね」
「性格はどうしようもありませんね。だからと言って許されるものでもないでしょうが」
俺には貴族の知り合いがほとんどいなかったから貴族同士の関係や評判にはさほど詳しくはなかったが、ニコラ殿にはデニス殿との結婚前は求婚が多かったらしい。
デニス殿は魔法馬鹿と言える部分はあるが、人としては信頼できる。ニコラ殿を射止めたのは彼だった。
ニコラ殿は子爵家の生まれらしい。今でも十分美しいと思えるので、独身時代はさぞ男性の視線を集めただろう。彼女は多くの求婚をすべて断ってデニス殿と結婚したそうだ。
「妻はあまり王都は好きではなかったのです。あそこは面倒が多いですから。エクセンの雰囲気は一目で気に入ってくれましたね」
だから自分に向けられる視線は嫉妬でさらに刺々しくなったとデニス殿は苦笑いしながら説明してくれた。
その二人の血を引いたシビラも美少女と言っていい。リーヌスも美少年と言っていいだろう。普通にしていれば求婚の話は引っ切りなしに来るはずだ。
「親馬鹿と言われても仕方ありませんが、中央から離れていた私には妻と子どもたちの幸せが一番大切です。いずれ好きな相手と結婚すればいいと思っていますが、貴族はそのあたりがままならないこともあります。特にシビラは跡取りではありませんからね」
「求婚されれば断る理由がないことも理由ですね」
「ええ。父の代から中央を離れていると、詳しい情報があまり入りません」
例えば伯爵家の跡取り息子から令嬢をぜひ妻にと言われたら、正妻であれ側室であれ、断る理由はない。むしろ貴族としては喜ばしい。女性が自分の実家よりも爵位が低い方に嫁ぐと問題になることもあるが。
だが一番の問題は、それで当人が幸せになれるとは限らないことだ。正妻と側室の間に衝突があるかもしれない。さらに相手がおかしな性格だったとしたらどうなるか。情報が不足するのは地方では仕方がないことだ。
「そして、実は私も原因の一つになるかもしれませんが、もう少ししたら中央に出ることになりました」
「ああ、それはおめでとうございます」
「ありがとうございます。実力を認められたと言うよりは、魔法省が欠員の補充を急いでいるだけのようでしたが」
デニス殿の父親である先代のマーロー男爵は中央の貴族に目を付けられ、それで領地を奪われるような形になり、その代わりとして今の領地を与えられた。その原因となったのが後に大公派の主流になった貴族たちだ。
マーロー男爵領は最初はもっと小さかったそうだが、一代半であそこまで大きくできたのなら、二人ともやり手だったということだろう。
「それで、どうしても役職を持って王都にいると縁談などが持ち込まれるでしょう。娘が望まない結婚を断る理由があればいいのですが……」
俺は王城で仕事をしている訳ではないから他の貴族からの接触は少ない。王城内に長くいることになれば他からの接触はどうしても多くなる。
しかし、シビラの相手は別に俺でなくてもいいと思うんだが。まあデニス殿も俺と同じでけっして知り合いは多くないのだろうな。
「それならあれしかないでしょう。仮の婚約で」
「お願いできますか?」
「仮ですからね」
それほど大層なものではない。婚約と言っても必ずしもそのまま結婚する訳ではない。それこそ貴族は派閥を強化するために、生まれたばかりの子供にすら、場合によっては生まれる前の子供にすら婚約者を作る。婚約の予約と言えるかもしれない。結婚の約束の予約とはおかしな風に聞こえるが。
大貴族の子供なら一歳になる前に五人も一〇人も婚約者がいる場合もあるそうだが、もちろん全員と結婚することはない。あくまで口約束なのでほとんどが不履行になるが、お互いにそれは織り込み済みだ。
だがそれでも約束は約束で、相手がいれば他からの申し出を断る口実になる。「うちの娘は〇〇伯爵のご子息と婚約しておりまして」「ああ、それでは仕方ないですな」などのやり取りがあるようだ。駆け引きとも騙し合いとも言う。
「それならそうと、最初からそう言ってくれればよかったと思うのですが」
「それはそうですが、エルマー殿がシビラをぜひ妻にと口にする可能性も否定できなかったので」
「……私は良くてフロッシュゲロー伯爵は駄目だったのですか?」
「貴族なら一〇や二〇くらいの年の差は普通ですが、六〇以上差があるのではさすがに可哀想です。それにあの人を息子と呼びたいですか?」
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