鈴木さんとハルカ

【第2鈴・懲りないクズ】

バタフライ・エフェクト

　松井マサトくんとルームシェアをして3ヶ月後。

　あたしはここで選択をする。

　しかし、あたしの中でそんな大きな選択といった選択じゃなかった。

　しかし、これが後にあたしの人生最大の後悔へと繋がる選択だった。

　まさにバタフライ・エフェクト。

　バタフライ・エフェクトとは、わずかな変化を与えると、そのわずかな変化が無かった場合とは、その後の状態が大きく異なってしまうという現象のこと。

　選択は簡単だった。

　携帯を新しく替える際にやるデータ整理。

　そこで連絡先の整理をしていて、アドレス帳に溢れかえっている連絡先を、誰を残し、誰を消すか、それだけだった。

　園田ユウの連絡先はもちろん消した。

　その他の面倒くさそうな男性の連絡先も消した。

　小澤シン……高校の時の先輩彼氏。

　美容の専門学校に行って以来、会ってない。

　あたしの欲求を満たす何かに使えると思って消さなかった。

　池内ケイタ。あたしが専門学校の時の彼氏。
　
　自分が望んだ結末とは違ったものの、好きで別けれたわけじゃなかったので、隙あらば使おうと思って消さなかった。

　そんな感じて、消して、残して、消して、の繰り返し作業をしていた。

　そして、男性だけでも6割が残った。

　あまり整理した感じはしなかったが、この時すでにあたしのバタフライ・エフェクトは終わっていた。

　小澤シンと池内ケイタ。

　このふたりの連絡先を残したのが後に再び波乱を巻き起こす。

　土下座事件より遥かに修羅場な、今でも友達に語り継がれるハンマー事件を…。