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【第2鈴・懲りないクズ】
東京
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それから専門学校も卒業して、あたしは東京の声優事務所に所属するべく、仕事のため東京に上京することになった。
地方の人間からしたら東京は大都会で、余裕で20階超えの高い建物や、様々な人種で溢れて………………始めてきた東京は、
まさにゴミの掃き溜めのような場所だった。
日本中のゴミが東京という一ヶ所に集められたような、そんな場所だった。
品揃えはよくても物価が高い、車も人も蟻の群れのように多い。
道路は交通量が多いせいでまともに前に進まない。
車どころか人が多いせいで電車もゆっくり乗れない。
食べ物はマズイ。味が濃い。なのに値段だけ一人前。
食べ物もマズイけりゃ、空気すらマズイ。
建物ばっかあるせいで夜景は見れても、自然が見れない。
渋谷系とか原宿系とか、外国人だけじゃなく日本人の中だけでも人種が様々で、それを個性とかほざきやがる没個性の輩ばかり。
もうわかりやすくリア充か非リアかだけでいいじゃん。
そのせいか自意識過剰な奴らが多い。
無駄に仲間意識だけが強く、それ以外は敵とみなし冷たく当たる奴。
老人が困ってても声すら掛けない。
「急いでたから仕方ない」と言い訳。
電車や店で子供が泣けば「うるせーな」。
暴力と金と女と酒で社会貢献もせず群れる者。
俺たち私たちテンアゲ、ウェイ♪楽しければOKな頭がお花畑な者。
ゲームに漫画、画面の前の嫁さえいれば親の脛すらかじる者。
利己的な考えしかない他人の意見を聞かない頭の堅い者。
それらの輩は「自分」が一番だと思ってる故、それを邪魔する者、否定する者、拒絶する者を嫌い、排除したがる。
たとえそれが犯罪でも。
汚い空気と汚い人間と犯罪しか産まない、本当に掃き溜めのような場所だった。
それがあたしが抱いた東京への第一印象。
その掃き溜めにやってきたあたしもゴミだってこと。
このゴミから抜け出せる富や名誉もある人徳な人間なんてほんの一部だけ。
一気にあたしは自分が『ゴミ』から抜け出す自信がなくなった。
仕事のために東京に来たはずなのに、仕事をしても、恋をしても、何をしても、あたしはゴミのひとり。
ほんと……東京ってひどいところ。
夢や希望を抱いてやってくる者が、何故挫折するのかがわかった気がした。
どんなに頑張っても、どんなに努力しても、ゴミはゴミのままだから。
この東京という掃き溜めに集められたゴミだから。
ゴミが何をしようとゴミ。
その屈辱に耐えられなかった。
「被害妄想すぎ」
東京にきてまずお金のなかったあたしは、専門学校の頃の友達の松井マサトくんと一人暮らしの資金を貯めるまでルームシェアをしていた。
男女ひとつ屋根の下とか、いろいろ起きそうな展開だったが、園田ユウの土下座事件のせいか、後々ややこしくなりそうな奴には手を付けないことに決めた。
「まぁ、被害妄想だろーね」
「でも言ってることはわからんでもない」
「だろ?」
「俺は埋もれるつもりないけど」
「いいねぇ、希望に満ちてるねぇ」
「松岡は現実主義者だからな」
「…リスクの高いものには手を出さない主義でね」
園田の一件でそれを学んだから。
それなのに、…それなのに。
あたしはまたこの3ヶ月後、リスクの高い選択を選んでしまうのだった。
信用しきっていた、相手を信用しきっていたせいで、あたしがこんな目に……。
そして、丸2年後、あたしは産まれて初めて人生最大の後悔をすることになる。
地方の人間からしたら東京は大都会で、余裕で20階超えの高い建物や、様々な人種で溢れて………………始めてきた東京は、
まさにゴミの掃き溜めのような場所だった。
日本中のゴミが東京という一ヶ所に集められたような、そんな場所だった。
品揃えはよくても物価が高い、車も人も蟻の群れのように多い。
道路は交通量が多いせいでまともに前に進まない。
車どころか人が多いせいで電車もゆっくり乗れない。
食べ物はマズイ。味が濃い。なのに値段だけ一人前。
食べ物もマズイけりゃ、空気すらマズイ。
建物ばっかあるせいで夜景は見れても、自然が見れない。
渋谷系とか原宿系とか、外国人だけじゃなく日本人の中だけでも人種が様々で、それを個性とかほざきやがる没個性の輩ばかり。
もうわかりやすくリア充か非リアかだけでいいじゃん。
そのせいか自意識過剰な奴らが多い。
無駄に仲間意識だけが強く、それ以外は敵とみなし冷たく当たる奴。
老人が困ってても声すら掛けない。
「急いでたから仕方ない」と言い訳。
電車や店で子供が泣けば「うるせーな」。
暴力と金と女と酒で社会貢献もせず群れる者。
俺たち私たちテンアゲ、ウェイ♪楽しければOKな頭がお花畑な者。
ゲームに漫画、画面の前の嫁さえいれば親の脛すらかじる者。
利己的な考えしかない他人の意見を聞かない頭の堅い者。
それらの輩は「自分」が一番だと思ってる故、それを邪魔する者、否定する者、拒絶する者を嫌い、排除したがる。
たとえそれが犯罪でも。
汚い空気と汚い人間と犯罪しか産まない、本当に掃き溜めのような場所だった。
それがあたしが抱いた東京への第一印象。
その掃き溜めにやってきたあたしもゴミだってこと。
このゴミから抜け出せる富や名誉もある人徳な人間なんてほんの一部だけ。
一気にあたしは自分が『ゴミ』から抜け出す自信がなくなった。
仕事のために東京に来たはずなのに、仕事をしても、恋をしても、何をしても、あたしはゴミのひとり。
ほんと……東京ってひどいところ。
夢や希望を抱いてやってくる者が、何故挫折するのかがわかった気がした。
どんなに頑張っても、どんなに努力しても、ゴミはゴミのままだから。
この東京という掃き溜めに集められたゴミだから。
ゴミが何をしようとゴミ。
その屈辱に耐えられなかった。
「被害妄想すぎ」
東京にきてまずお金のなかったあたしは、専門学校の頃の友達の松井マサトくんと一人暮らしの資金を貯めるまでルームシェアをしていた。
男女ひとつ屋根の下とか、いろいろ起きそうな展開だったが、園田ユウの土下座事件のせいか、後々ややこしくなりそうな奴には手を付けないことに決めた。
「まぁ、被害妄想だろーね」
「でも言ってることはわからんでもない」
「だろ?」
「俺は埋もれるつもりないけど」
「いいねぇ、希望に満ちてるねぇ」
「松岡は現実主義者だからな」
「…リスクの高いものには手を出さない主義でね」
園田の一件でそれを学んだから。
それなのに、…それなのに。
あたしはまたこの3ヶ月後、リスクの高い選択を選んでしまうのだった。
信用しきっていた、相手を信用しきっていたせいで、あたしがこんな目に……。
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