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【第1鈴・クズだと思ったことはない】
エッチがしたいだけ
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園田くんとそういう関係になって、それを知った時の池内くんはどんな反応をするんだろう。
どんな気持ちになるんだろう。
どんな顔をするんだろう。
彼女に裏切られた悲しみで泣く?
怒る?殴る?殺す?
それとも呆れちゃうかな?
絶望で何も言えなくなっちゃうかな?
それを想像しただけでもゾクゾクして、園田くんと今こうしてイケナイことをしていることに興奮を覚える。
「園田くんは、いいの?池内くんと友達なんでしょ?」
「良くないよ。でもこれは、池内くんからハルカちゃんを盗ろうとか、そーゆう気持ちでやってるわけじゃないんだ」
「じゃあ、どういう気持ち?」
「僕はただ、ハルカちゃんとエッチがしたいだけ。それだけだよ」
わかりやすくていいじゃん。
好きよ。そーゆうハッキリしてるとこ。
……………でも、この時点であたしは気づいていた。
園田くんの言うセッ●スがしたいだけが、建前だってことに。
セッ●スがしたいだけじゃない顔。
自分のものにしたい独占欲の顔。
あたしが池内くんの彼女であることに不満がある顔。
自分の気持ちを押し殺した顔。
18歳が大人ぶって、落ち着いてるふりをして、そんな複雑な顔に笑顔を貼り付けて、心の中グシャグシャに掻き乱しながら、園田くんはあたしとイケナイ事をしている。
「園田くんって、オモシロイ人…」
ほんの少しの間だけでもあたしを自分のものにしたくて必死な園田くんが滑稽すぎて、あたしは溢れ出そうになる笑みを必死に堪えながら園田くんを貪る。
想いは違えど、互いが互いを求めてることに満足したのか、嬉しそうに笑う園田くん。
あたしはその笑みを見て、鼻で笑った。
浮気とか二股のつもりはない。
園田くんに略奪されるつもりもない。
この行為であたしが池内くんから園田くんに好意が移ることもない。
あたしからすればチ●コが一本から二本に増えただけ。
あたしはセッ●スがしたいだけ。
でも、ただやりたいだけのセッ●スでは満たされない。
普通よりも、違うもの。
異常なもの、異色なもの、異端なもの。
そのセッ●スにドロドロした気持ちや、ギスギスした感情が入り乱れると、とても興奮する。
何も知らない池内くんと、
気持ちを押し殺す園田くん。
その二人を天秤に掛けるあたし。
でもこの天秤はどちらにも傾むくことを許されない。
並行を保ったまま、両端の皿を吊るす鎖をいつ切り落とすかを選ぶのがあたし。
皿の上に乗る者の気持ちが溢れ、その重さで天秤が傾いたとき。
並行を保てない皿はあたしの手で切り落とされる。
切り落とされた皿は落ちて粉々に割れ、その残骸をあたしは見下しながら光悦とした表情を浮かべたい。
……………しかし、この時、
この場で園田くんを否定しなかったことを後々あたしは後悔する。
どんな気持ちになるんだろう。
どんな顔をするんだろう。
彼女に裏切られた悲しみで泣く?
怒る?殴る?殺す?
それとも呆れちゃうかな?
絶望で何も言えなくなっちゃうかな?
それを想像しただけでもゾクゾクして、園田くんと今こうしてイケナイことをしていることに興奮を覚える。
「園田くんは、いいの?池内くんと友達なんでしょ?」
「良くないよ。でもこれは、池内くんからハルカちゃんを盗ろうとか、そーゆう気持ちでやってるわけじゃないんだ」
「じゃあ、どういう気持ち?」
「僕はただ、ハルカちゃんとエッチがしたいだけ。それだけだよ」
わかりやすくていいじゃん。
好きよ。そーゆうハッキリしてるとこ。
……………でも、この時点であたしは気づいていた。
園田くんの言うセッ●スがしたいだけが、建前だってことに。
セッ●スがしたいだけじゃない顔。
自分のものにしたい独占欲の顔。
あたしが池内くんの彼女であることに不満がある顔。
自分の気持ちを押し殺した顔。
18歳が大人ぶって、落ち着いてるふりをして、そんな複雑な顔に笑顔を貼り付けて、心の中グシャグシャに掻き乱しながら、園田くんはあたしとイケナイ事をしている。
「園田くんって、オモシロイ人…」
ほんの少しの間だけでもあたしを自分のものにしたくて必死な園田くんが滑稽すぎて、あたしは溢れ出そうになる笑みを必死に堪えながら園田くんを貪る。
想いは違えど、互いが互いを求めてることに満足したのか、嬉しそうに笑う園田くん。
あたしはその笑みを見て、鼻で笑った。
浮気とか二股のつもりはない。
園田くんに略奪されるつもりもない。
この行為であたしが池内くんから園田くんに好意が移ることもない。
あたしからすればチ●コが一本から二本に増えただけ。
あたしはセッ●スがしたいだけ。
でも、ただやりたいだけのセッ●スでは満たされない。
普通よりも、違うもの。
異常なもの、異色なもの、異端なもの。
そのセッ●スにドロドロした気持ちや、ギスギスした感情が入り乱れると、とても興奮する。
何も知らない池内くんと、
気持ちを押し殺す園田くん。
その二人を天秤に掛けるあたし。
でもこの天秤はどちらにも傾むくことを許されない。
並行を保ったまま、両端の皿を吊るす鎖をいつ切り落とすかを選ぶのがあたし。
皿の上に乗る者の気持ちが溢れ、その重さで天秤が傾いたとき。
並行を保てない皿はあたしの手で切り落とされる。
切り落とされた皿は落ちて粉々に割れ、その残骸をあたしは見下しながら光悦とした表情を浮かべたい。
……………しかし、この時、
この場で園田くんを否定しなかったことを後々あたしは後悔する。
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