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【第1鈴・クズだと思ったことはない】
変態だ
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「……………え」
ある日、学校の後に毎日たむろしていた友達宅に園田くんがいた。
あたしはいつもの流れで学校終わって、友達宅に行って、いつものメンツでだべって、ゲームして、ダラダラして、晩飯食って、終電で帰る。そのつもりだった。
そこに新メンツの園田くん。
転入生だったこともあり、他の皆は園田くんの登場に興味津々。
男も女も園田くんにあれやこれやと話しかけて、和気あいあいとする空気。
だが、そこの輪に入っていけないあたしがここにひとり。
…いや、正確には彼氏とふたり。
池内くんがいる前では園田くんと仲良くするのは良くないな。と、他の機会をうかがうも、その日、その瞬間は訪れなかった。
しかし、その日以来、園田くんも友達宅に来るようになった。
いつしか仲良くなる機会があるかもしれないと心待ちにしたが、常に池内くんの視野内にいる状況でそんな機会があるはずもなかった。
そんな、ある日。
「家にばっかいるのダリィ~。外で野球しよーぜ」
と、アウトドアな池内くんが言い出した。
家でゲームしたり、だべってばかりで、遊ぶネタが尽きはじめた皆は、近くの公園で野球をすることになった。
あたしは野球に興味がない。ルールすら知らない。
だから、家にいていい?と言うと、池内くんは「そばにいろ」と彼氏面全開で強引にあたしを連れ出す。
他の友達も「池内くんのスポーツ姿見れるよ~。ハルカちゃんも行こう!」と、元々長身で細身というルックスの池内くんに、黄色い歓声を飛ばす女の子は少なくなかった。
彼氏からの強引なお誘いと、女友達のキラキラしたお誘いのダブルサンドを押し返して断るほど、そんな冷たい心はあたしにはなかった。
「さっっむぅ………」
時期は冬。
あたしに冷たい心はないと言ったが、外の風は冷たく、気温は1桁。
無理にでも冷たい心で断っておけばよかったと後悔した。
「キャーー!池内くーーん!」
バッドでボールを打つたびに上がる歓声。
隣でアドレナリン全開で応援する女友達を横目に、あたしは野球のルールを知らないから観戦していて全く面白くない。
それに、寒い。
「ごめん………、あたし、部屋、戻る…寒い」
アドレナリン全開で応援してる女友達にそう告げて、寒さに限界を感じたあたしは部屋に戻った。
皆、外で野球をやっているから、部屋には誰もいない。
と、思っていた。
「あ、ハルカちゃん」
部屋にひとり、園田くんがいた。
「来たら誰もいないから、待ってたら誰か来るだろうと思って」
いろんな友達が入り浸るせいで、ここの家の家主はいつも部屋に鍵をかけない。
だから、皆自由にこの家を出入りできる。
でも今日はめずらしく皆が外に出たせいで、後々来た園田くんがひとりぼっちにされていたようだ。
だが、これは、あたしへの絶好の機会!
「園田くん、ひとり?」
「うん、そうだよ。ハルカちゃんはひとり?」
「そうだよ。皆、外で野球してる」
「池内くんも?」
「そうだよ。野球好きだからね」
「そうなんだ。ハルカちゃんおいで。外、寒かったでしょ」
と、園田くんが自分の入っているコタツをぽんぽんと叩いて手招きする。
「うん、寒かった~。コタツコタツ~」
と、温まったコタツにあたしが潜りこんだと同時に園田くんは立ち上がって、あたしを後ろからソッと抱きしめた。
「ほんとだ。体冷えちゃってるね。あったまれ~、あったまれ~」
「~っがッ」
予想外の展開に変な声があたしの喉で鳴ったが、その今池内くんがここにいたら大変な事になるこの状況に、すぐにあたしは園田くんから距離を置いた。
「うっ、う、後から抱きしめるのは良くないぞ園田くんよ」
「なんで?」
「あたしが池内くんと付き合ってるの知ってるよね?」
「知ってるよ。でも、ここに池内くんはいないよ」
「いないからしていいとか、そーゆうこと言っているのではなくてな…!」
「テンパってるの?可愛い」
そういって園田くんは手慣れた手つきであたしにキスをする。
しかも、フレンチじゃない。
「~~~っふ、あっ」
自分でも意としてない不意に零れる吐息。
園田くんがあたしの腰に手を回して引き寄せるのがわかった。
その手は次第にあたしの身体を撫で回すように、腰、胸、と…。
こいつ、女慣れしてやがる。と瞬時に察した。
しかし、この状況はとてもイケナイ状況で、今ここに池内くんが帰ってきたら大惨事が起きてしまうと、霞む脳裏にブチ切れた池内くんの顔がよぎって焦る。
しかし、あたしの焦りは園田くんのこの一言で一瞬にして覆された。
「今、僕がしてること、池内くんが知ったらどうなるかな?」
その言葉であたしは池内くんが人より嫉妬深いことを思い出す。
男友達と仲よくするだけで、妬いて、貪るようにセッ●スをする池内くん。
お前は俺のものだと、思い知らしめるような、激しいセッ●ス。
それに対してあたしは、普通にセッ●スをするよりも興奮を感じた。
優しく愛されるよりも、
激しく狂ったようなものに惹かれる。
磨かれた、あたしの性癖。
今、あたしが園田くんとこんなことして、それを知った池内くんはどうなるんだろう。
あたしのことを怒る?園田くんを殴る?
彼女が他の男とセッ●スしてるのを知った池内くんはどんな気持ちになるんだろう。どんな顔をするんだろう。
絶望する?怒る?泣く?呆れる?
どこに転んでも待っているのは刺激的で面白い展開。
想像するだけでも、あたしのマ●コはぬるぬるに濡れた。
その時、改めて気づいた。
あたし、変態だ。
ある日、学校の後に毎日たむろしていた友達宅に園田くんがいた。
あたしはいつもの流れで学校終わって、友達宅に行って、いつものメンツでだべって、ゲームして、ダラダラして、晩飯食って、終電で帰る。そのつもりだった。
そこに新メンツの園田くん。
転入生だったこともあり、他の皆は園田くんの登場に興味津々。
男も女も園田くんにあれやこれやと話しかけて、和気あいあいとする空気。
だが、そこの輪に入っていけないあたしがここにひとり。
…いや、正確には彼氏とふたり。
池内くんがいる前では園田くんと仲良くするのは良くないな。と、他の機会をうかがうも、その日、その瞬間は訪れなかった。
しかし、その日以来、園田くんも友達宅に来るようになった。
いつしか仲良くなる機会があるかもしれないと心待ちにしたが、常に池内くんの視野内にいる状況でそんな機会があるはずもなかった。
そんな、ある日。
「家にばっかいるのダリィ~。外で野球しよーぜ」
と、アウトドアな池内くんが言い出した。
家でゲームしたり、だべってばかりで、遊ぶネタが尽きはじめた皆は、近くの公園で野球をすることになった。
あたしは野球に興味がない。ルールすら知らない。
だから、家にいていい?と言うと、池内くんは「そばにいろ」と彼氏面全開で強引にあたしを連れ出す。
他の友達も「池内くんのスポーツ姿見れるよ~。ハルカちゃんも行こう!」と、元々長身で細身というルックスの池内くんに、黄色い歓声を飛ばす女の子は少なくなかった。
彼氏からの強引なお誘いと、女友達のキラキラしたお誘いのダブルサンドを押し返して断るほど、そんな冷たい心はあたしにはなかった。
「さっっむぅ………」
時期は冬。
あたしに冷たい心はないと言ったが、外の風は冷たく、気温は1桁。
無理にでも冷たい心で断っておけばよかったと後悔した。
「キャーー!池内くーーん!」
バッドでボールを打つたびに上がる歓声。
隣でアドレナリン全開で応援する女友達を横目に、あたしは野球のルールを知らないから観戦していて全く面白くない。
それに、寒い。
「ごめん………、あたし、部屋、戻る…寒い」
アドレナリン全開で応援してる女友達にそう告げて、寒さに限界を感じたあたしは部屋に戻った。
皆、外で野球をやっているから、部屋には誰もいない。
と、思っていた。
「あ、ハルカちゃん」
部屋にひとり、園田くんがいた。
「来たら誰もいないから、待ってたら誰か来るだろうと思って」
いろんな友達が入り浸るせいで、ここの家の家主はいつも部屋に鍵をかけない。
だから、皆自由にこの家を出入りできる。
でも今日はめずらしく皆が外に出たせいで、後々来た園田くんがひとりぼっちにされていたようだ。
だが、これは、あたしへの絶好の機会!
「園田くん、ひとり?」
「うん、そうだよ。ハルカちゃんはひとり?」
「そうだよ。皆、外で野球してる」
「池内くんも?」
「そうだよ。野球好きだからね」
「そうなんだ。ハルカちゃんおいで。外、寒かったでしょ」
と、園田くんが自分の入っているコタツをぽんぽんと叩いて手招きする。
「うん、寒かった~。コタツコタツ~」
と、温まったコタツにあたしが潜りこんだと同時に園田くんは立ち上がって、あたしを後ろからソッと抱きしめた。
「ほんとだ。体冷えちゃってるね。あったまれ~、あったまれ~」
「~っがッ」
予想外の展開に変な声があたしの喉で鳴ったが、その今池内くんがここにいたら大変な事になるこの状況に、すぐにあたしは園田くんから距離を置いた。
「うっ、う、後から抱きしめるのは良くないぞ園田くんよ」
「なんで?」
「あたしが池内くんと付き合ってるの知ってるよね?」
「知ってるよ。でも、ここに池内くんはいないよ」
「いないからしていいとか、そーゆうこと言っているのではなくてな…!」
「テンパってるの?可愛い」
そういって園田くんは手慣れた手つきであたしにキスをする。
しかも、フレンチじゃない。
「~~~っふ、あっ」
自分でも意としてない不意に零れる吐息。
園田くんがあたしの腰に手を回して引き寄せるのがわかった。
その手は次第にあたしの身体を撫で回すように、腰、胸、と…。
こいつ、女慣れしてやがる。と瞬時に察した。
しかし、この状況はとてもイケナイ状況で、今ここに池内くんが帰ってきたら大惨事が起きてしまうと、霞む脳裏にブチ切れた池内くんの顔がよぎって焦る。
しかし、あたしの焦りは園田くんのこの一言で一瞬にして覆された。
「今、僕がしてること、池内くんが知ったらどうなるかな?」
その言葉であたしは池内くんが人より嫉妬深いことを思い出す。
男友達と仲よくするだけで、妬いて、貪るようにセッ●スをする池内くん。
お前は俺のものだと、思い知らしめるような、激しいセッ●ス。
それに対してあたしは、普通にセッ●スをするよりも興奮を感じた。
優しく愛されるよりも、
激しく狂ったようなものに惹かれる。
磨かれた、あたしの性癖。
今、あたしが園田くんとこんなことして、それを知った池内くんはどうなるんだろう。
あたしのことを怒る?園田くんを殴る?
彼女が他の男とセッ●スしてるのを知った池内くんはどんな気持ちになるんだろう。どんな顔をするんだろう。
絶望する?怒る?泣く?呆れる?
どこに転んでも待っているのは刺激的で面白い展開。
想像するだけでも、あたしのマ●コはぬるぬるに濡れた。
その時、改めて気づいた。
あたし、変態だ。
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