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ついてる

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声がする細い路地へ目をやると
「お嬢ちゃん…占い受けて行かんかね?」と年老いたおばあちゃんが私を見つめている。
「結構です。」私は即座にそう言いサーカス団の方へ早く行こうと足を進めた時、「……あの城のことを知りたくはないかい?」(え?) 私の足は止まり、視線は路地の方へと戻った。「おばあちゃん、あの城について何か知ってるの?」「あぁ、この街の誰よりも知っているさ。」嘘かもしれないと思いながらも私の体は路地へと向かっていった。
おばぁちゃんの前まで来るとおばあちゃんはニヤッとし「お前さん…ついとるのぉ?(ニヤ)」
「……ついてる?」(突然なに…?)「あんた名前は?」おばあちゃんが私に聞く。こんな怪しい人に名前を教えるのはダメだとわかってはいるけど…(話を聞くためなら…)「……テラ、私の名前はテラ・シオン。亡くなったお母さんが付けてくれた名前よ。」「ほぉ、テラ・シオン…ねぇ…いい名前じゃないか。」とおばあちゃんは少し複雑そうな、悲しそうな表情をしながら言う。
(亡くなったなんて言ったから重く感じちゃったかな?)余計な事を言ったと少し罪悪感を感じたが、そんな事よりも…
「早く話を聞かせてください。」私は早く話が聞きたくてうずうずしていた。
「あぁ、そうだったね。」おばあちゃんは静かに目を閉じ覚悟を決めるように息を吸い、吐いた。「これは遥か昔、まだこの町ができる前のお話さ……」
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