痴漢に触られて

ユタエンシス

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本編(不定期更新中)

29.遅刻させちゃった

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 少年が下車するはずだった駅から離れ、少し寂れたそこに2人は降り立った。
 手を繋いだまま男に引っ張られる少年の姿は少々異様だったがチラホラいる数人は少し視線を寄越しただけで、忙しい朝の通勤で他人をそこまで意識することはなかった。
 
 男に連れられて出勤ピークを過ぎたガラン…としたトイレに入り込む。そのまま個室に押し込まれた。
 膨らむ股間を隠していた少年の鞄を、男はそっと取り上げてフックに掛けてしまう。
 隠すものがなくなった期待に膨らむ少年のソコを男は熱い視線でじっくりと見つめた。
 いやらしい男のその視線に羞恥心が湧いてきて、少年は両手で股間を隠した。

(…もう、学校はじまる時間なのに…おれ…なにして…)

 少しだけ残った理性が、こんな事よくない…と囁くが男の体温と香りを間近に感じるとそんな思考も溶けてしまった。
 少年の顔は赤く染まりうるうると涙目で、期待から息が荒くなっていく。
 自分がつけた男のシャツの染みを見て、視線が揺れながら徐々に上がり、何も言わない男の顔を視界に入れた。

「っ…!…あっ…あっ…」

 その瞳はドロリと濁り、深く暗く深淵が見えない。
 男はそのに欲望に負けた少年の痴態を取り込んで楽しんでいた。

「うたくん」
「…ふぅっ…んっ…」

 ただ優しく名前を呼ばれるだけでゾクゾクとしたものが身体をめぐった。

「舌、出して」
「………んっ…」

 何をされるのか分からないまま幾許いくばくかの逡巡しゅんじの後、男の指示通りに、ソロソロと舌を出した。

「ふふ…。もっとお口開けて…。上を向いて…、もっと真っ直ぐ突き出すんだよ…」
「………あぇ…」

 男の顔に向けて舌を突き出すのはとても恥ずかしかった。
 間抜けで面白い顔なんだろうなと少年は思った。
 少年の限界まで突き出した舌が疲れからプルプル震えて自然と何か求めるように蠢いて余計に恥ずかしさが込み上げた。
 そのまま続けていると、舌が空気にふれて乾いてきてしまった。
 少年は助けを求めるように男を見つめる。

「はぁ…はぁ…」
「あはっ…。可愛いねー…。宇多君…」

 じっくり少年の痴態を眺めていた男も同じように舌を突き出してゆっくりと少年に近づいてきた。
 やけに遅く感じる接近にドキドキしながらその時を待つ。

「はぁ!…ぁ……」
「んふふ…」

 チョンっ、と舌先が触れ合った。

 乾燥していた少年の舌に男の唾液がじわじわ染みていく。さらに潤いを与える様に男が少年の舌に触れる面積を増やしていった。

「は、あ…。…あっ…ぇ…」

 男は少年の舌先から中程まで舐めて裏側のツルツルした部分をなぞった。何度もそれを繰り返し、時々表面同士を合わせる様にする。器用に動く男の舌は絡んだり、舐めたり、擦ったりしながら少年の舌を味わっていた。
 
「んあっ…あ…ん…ぇ…」
「んふ…ぇ…ん…ふふ…」

 その動きに合わせて少年もぎこちなく舌を動かして男に絡んだ。
 クチュクチュと唾液を擦り付け合いながら2人は舌だけの交合に夢中になった。
 ヌルヌルと絡み合うソレらはまるで別の生き物の様に蠢き、軟体動物の交尾を思わせた。

「はぁ…ん…えぅ…」
「んー…うはくぅん…んっ」

 敏感な粘膜での触れ合いを充分に楽しんだ男は両手をヌゥッと伸ばして腕の中に少年を閉じ込めた。

 力一杯だきしめられる。身体は密着し隙間がなくなった。
 男は少年の後頭部を大きな手で包み、優しく、しかし逃げられないぐらい力が強く込められて動けなくなった。

「…!?…んぐっ」

 口の外で絡めあっていた舌が押し込まれ、男の舌は喉奥まで入ってきた。息苦しさから身悶えたが、絡む腕はほどいてもらえない。そしてそのまま舌の動きが止まった。
 少年の口内は男の舌でいっぱいになる。それは少年の舌にピッタリ貼りついた。

 上を向いている少年の口の中に大量の唾液が流し込まれる。一生懸命に飲み込んだが、追いつかず、ダラダラと口をつたい唾液が溢れた。
 首元がびしょびしょになってしまった。

「…おゔぉ、…おぇ…」

 少年が苦しそうな声を出しても男は楽しそうに眼を歪めるだけであった。
 なんとか苦しさを紛らわそうとちゅうちゅうと舌を吸ってしまう。

 鼻からふぅ!と息を吐くが、苦しい。

 舌を追い出そうと必死に舌を動かしたが、少年が喜んで舌を絡めにいってる様にしか男は感じなかった。
 ふがふがと苦しさに悶えて、少年が男の背中を割と強めに叩くとようやく男が動き出した。

 喉奥から上顎、柔らかいっぺたの内側。歯の裏舌の裏まで縦横無尽に舐め回る。
 その動きについて行こうと必死に少年も舌を動かしたが未熟な技巧では到底ついていけなかった。
 口の中を貪られる快感で少年の脚はガクガクと揺れた。とどめにジュルっと思い切り舌を吸われてしまい、ガクンと少年の腰が砕けた。

(ひ、ひぇ…)

 ほどけた唇から粘ついた唾液が銀色の糸になり、2人の間で消えた。

「おっと」
「はぁはぁはぁはぁ……」

 息を荒げてぐんにゃり溶けてしまった少年に男は上機嫌に微笑む。
 ちゅっと軽く口付け、少年の身体をくるりと回転させ便器に向けた。
 カチャカチャとベルトを外しボタンとジッパーを下げる。ストンッとズボンが落ちた。

「夢中になっちゃったね。そろそろ学校に行かないと。…遅刻確定だけどね」
「んあぁ」

 男は手早く先走りでパンツ濡らしている少年のペニスを取り出すと優しく擦り上げた。

「ふあっ…!…んっ…んっ」

 男に寄りかかりながら気持ち良さそうに見上げてくる少年の口に再びキスをする。
 先程よりも軽く舌が絡んできて、男の手が優しくゆっくり少年を射精へと導く。

(き、きもちいい…)

 腰を揺らしながら少年は上と下の快感に浸った。やがて頭の中が真っ白になり快感が湧き上がった。
 ビクビクと身体が痙攣し可愛らしい性器から白い液を便器の中に滴らせた。
 
「んっ…んっ…んっ…」
「んー…。…気持ち良かったぁ?……そう」

 脱力した少年の後始末を手早く行い、整える。濡れてしまった首元もハンカチで拭ってくれた。
 とろりと溶けた思考が徐々に正気に戻って、ふと少年は男の股間を見つめた。

「……アンタは?」
「ん?…僕の見たかった?」

 そう言いながら男はテントを張った自分の股間に少年の手を導いた。
 恐々触ったその大きさと温度にゴクリと息を飲んだ。その存在を確かめる様に指先を動かそうとした瞬間に、遠ざけられてしまった。

「……あ…」
「あは。…楽しみはもうちょっと取っとこうねー」

 にこやかに笑い少年の背を押すと「さ、早く学校に行かなくちゃね」と少年を急かした。



 もちろんとっくに始業時間は終わり、少年は初めて遅刻した。

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