痴漢に触られて

本編(不定期更新中)

32.もっともーと仲良くなりたい

〈家うちに遊びにおいでよ！〉
「………」
　
　就寝前の布団の中。相変わらずの差出人不明メッセージがピロンッと届いた。
　スパム紛いのソレを無視してしまおうかと一瞬思ったが、その内容が頭から離れない。

(家に遊びに行く…………あいつの、家に、いったら……………どうなっちゃうんだろう) 

　ドクドクと心臓が脈打ち血流が上がる。期待からか股間が疼いて寝巻きのジャージを押し上げた。暗闇の中なんとなくスマホごと薄掛けを被り見開いた目で光る画面を見つめる。顔は真っ赤に染まっているだろう。

(どうしよう、どうしよう、どうしよう)

　はぁ…と熱い息が漏れ出た。残暑の夜なのに湿度の高いその溜息で少しだけ画面が曇ってしまった。

　男のテリトリーに踏み込み過ぎるのは…危ない気がする。
　今までの行為は野外で人がいる事が多く、少年が本気で嫌がり助けを呼べばなんとかなる範囲だった。そう、最終的な主導権は少年の手元に残されていた。

　しかし、男の部屋で密室。室内に2人っきり…ーーー。

　例え何が起きても簡単には逃げられない。

『大好だぁいすきだよ』
『大好だぁいすきだよ』
『だぁいすきだよ』


「………」

　少年は悩んだ末、〈いいよ〉と返信していた。

　スマホを投げ出しちょっとした後悔に浸る。不安だ。でも。

　少年はゆっくりとパンツの中に手を差し入れた。勃起したペニスを握って自身の興奮を確かめる。
　完全に芯を通した少年の性器はすでに先走りが溢れて下着に小さなシミをつくっていた。
　ただ家に誘われただけなのに…頭の中は男から与えられる快楽でいっぱいで、とても我慢出来なかった。
　握りしめた両手を小刻みに動かす。気持ち良さに痺れた。唇を何度も舐めてしまう。布を被った塊がモソモソと揺れる。
　
　赤い、舌だ。
　少年の口に、舌に、乳首に、そしてペニスに快感を教え込む背徳的な器官。柔らかくて力強い。熱く、ぬめり、敏感な場所に絡みついていく。
　パクンっと少年の生殖器を食べて、美味しそうに舐めまわした男の口。
　器用に動く舌は少年のペニスを這い回り舐めまわした。優しく吸い出されて熱いヌメッた口腔内に射精した快感が忘れられない。
　美味しいはずがないのに一滴残らず吸い出して「美味しいよ」と微笑むその顔が脳裏に焼き付いていた。

　ーーー喉仏が動いて、少年の精製した、白い液体を、ごくりと、飲み込んでくれた、あの時の、熱い、喜び。

(…ほんとに、おいしい、のかな……)

「ふ、…んっ……んっ……」

　震える指を伸ばして唇を何度も指でなぞる。ほんの少し先走りで濡れた指先を舐めてみた。ちょっとしょっぱいだけで美味しいとは特に感じない。
　そうしてチロチロ指を舐めているうちにどうしても口の中が寂しくて指を咥えてしまった。
　生殖器に感じた動きを思い出すように舐めて、吸って、舌をいじったーーーー