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本編(不定期更新中)
2.君の名前をしりたいな
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痴漢被害に会ってから数日、少年はまたも駅の階段を駆け上がっていた。
遅刻ギリギリに教室に駆け込んだあれから「もう2度と夜更かししまい」と心に誓っていた少年だったが、たったの数日でその決意は崩れてしまった。
今度はアニメだ。いままでそういった娯楽に縁遠かった少年が我慢できるはずもない。
それまでスポーツの試合などしか録画再生してこなかった部屋のプレーヤーは怪我以来活用されることなく、薄っすらホコリをかぶっていた。ソレがまさかアニメを映す事になるなどプレーヤーも驚いた事だろう。
(ラブラブラブラブラブガッツ~♪私はできるさ~♪)
またもぎゅうぎゅうに押し潰されながら少年は心の中で歌う。アニメ主人公はオタクの気弱な少年で、竹馬に乗って全国で1位を目指すのだ。ピンチが訪れる時、主人公が必ず歌う歌が頭から離れない。
(ラブファイト~♪……ひょあ!?)
そんなご機嫌な少年の心が一気に現実に戻る。またお尻に手が触れてきたのだった。
(やばっ…ここもしかしてこないだと一緒の車両じゃ…!乗ってる場所も同じって…俺のばか!)
急いでいたのと昨日の余韻であまり意識していなかった。痴漢された事は誰にも話していない。恥ずかしかったし、はやく忘れたかった。しかし危機感まで忘れてしまっていた。
(まぁ俺は男だし…っ!こんなの全然大した事ないしっ…!)
そうは思うものの緊張と暑さでまた全身から汗が吹き出しびしょびしょになってしまう。
男の手はこないだと同じように手の甲で触れてから掌で包むようお尻に触ってきた。
「…ひぅっ…!?」
ただこないだと違って男の手は嬉しそうに少年の尻をぎゅっと掴んできた。思わず声が漏れる。全ての指が喜びながら少年の柔らかい尻を揉んでいるのが伝わってきた。
(コイツこないだより調子に乗ってないかっ!…っどうしよう…)
カッと怒りで一瞬攻撃的な気持ちが湧いたがすぐにしぼむ。この状況から逃れるより恥ずかしさが勝ってしまった。
男の大きな手は中指を尻の割れ目に沿わせるように置き、ゆっくりと上下する。その際尾てい骨のへっこみを中指で押し込む。骨の硬さと尻たぶの柔らかさの違いを楽しんでるようだった。
(うぐぐっ…!コレは男の尻だぞ…楽しむなっ…!ケツ硬くしちゃる!)
元スポーツ少年なめるな!とばかりにお尻に力を入れた。一瞬割れ目に沿っていた男の中指を挟んでしまった。が気にしない事にした。お尻に力を入れてカチカチにする事で守られる気がしたのだった。
男の手は思わぬ少年の行動に戸惑ったようだが、離れない。引き締められた尻の硬さとピクピクと時々痙攣する振動を楽しむ事にしたらしい。またもや包み込むように少年の尻に指を沿わせて動かなくなった。
(しぶといなっコイツ!男の尻だって気付け!…ずっと力入れてるのつらい…)
ピクンっピクンっと動いてしまう筋肉が、少年はそんなつもりは無いのにまるで男に触られて喜んでるようだった。
そのうちその感触にも飽きたのか男の手は背骨をたどるように上へ上がってくる。またもやシャツは汗でびしょびしょだ。少年は濡れたシャツを触られる事に恥ずかしさを覚えたが、少しほっとして尻の力を抜いた。限界だった。明日は筋肉痛かもしれない。
「……ゎぁっ…!?」
男の手が脇腹に触れた。小さく声がもれ、ビクリッと身体が動く。
少年は脇腹に触られるのが弱かった。
(ら、ラブガッツ~♪ラブガッツ~♪私は負けない~♪…っ!)
くすぐったさを堪えるように心の中で歌う。卑劣な痴漢に負けてたまるか!という心地だった。何をすれば勝ちで、何をすれば負けなのかは少年にも分からない。
(ひいゅっ…ら、らぶらぶがっつ~っらぶがっつ~っ♪ぜったいくじけにゃい~っ♪)
必死で歌いくすぐったさに堪える。しかしヒクヒク揺れる身体と吹き出す汗が止まらない。
そうこうしてるうちに電車がスピードを落としていく。やっと最寄駅に到着したのだった。
(やった…!耐えきったぞ!やっと解放される…!)
喜び油断した瞬間だった。
後ろから押し出されるように電車を降りるとき強くカバンが引っ張られた。
「あっ!おれのカバンっ!あっ…かばんっ…!」
くすぐったさに緩んでいた手から簡単にカバンは離れていった。必死に探そうとするが、人の波は止まらない。
やっと落ち着いた頃には電車は出発してしまった後だし、周辺にもカバンは見当たらない。
「俺の、カバンっ…!」
涙目で呟くがどうしようもない。痴漢にも会うし、カバンは無くすし、踏んだり蹴ったりだった。
駅員さんに事情を話し、特別に出してもらった。定期も財布も全てカバンの中だ。とにかくここまできたら、遅刻だけはどうにか回避したかった。
その日は隣の席のオタ友に教科書含めすべて借りて事なきを得た。やはり痴漢にあったことは話せなかったが、オタ友とアニメの感想で盛り上がると今日あった嫌なことがどうでも良くなる。
帰りがけ駅の紛失物の所によると無事カバンは帰ってきた。やはり電車の中に巻き込まれて落としてしまったようだった。
ほっと胸を撫で下ろしたが、駅員さんと中身を確認したところ、どうしても生徒手帳だけは見つからなかった…。
遅刻ギリギリに教室に駆け込んだあれから「もう2度と夜更かししまい」と心に誓っていた少年だったが、たったの数日でその決意は崩れてしまった。
今度はアニメだ。いままでそういった娯楽に縁遠かった少年が我慢できるはずもない。
それまでスポーツの試合などしか録画再生してこなかった部屋のプレーヤーは怪我以来活用されることなく、薄っすらホコリをかぶっていた。ソレがまさかアニメを映す事になるなどプレーヤーも驚いた事だろう。
(ラブラブラブラブラブガッツ~♪私はできるさ~♪)
またもぎゅうぎゅうに押し潰されながら少年は心の中で歌う。アニメ主人公はオタクの気弱な少年で、竹馬に乗って全国で1位を目指すのだ。ピンチが訪れる時、主人公が必ず歌う歌が頭から離れない。
(ラブファイト~♪……ひょあ!?)
そんなご機嫌な少年の心が一気に現実に戻る。またお尻に手が触れてきたのだった。
(やばっ…ここもしかしてこないだと一緒の車両じゃ…!乗ってる場所も同じって…俺のばか!)
急いでいたのと昨日の余韻であまり意識していなかった。痴漢された事は誰にも話していない。恥ずかしかったし、はやく忘れたかった。しかし危機感まで忘れてしまっていた。
(まぁ俺は男だし…っ!こんなの全然大した事ないしっ…!)
そうは思うものの緊張と暑さでまた全身から汗が吹き出しびしょびしょになってしまう。
男の手はこないだと同じように手の甲で触れてから掌で包むようお尻に触ってきた。
「…ひぅっ…!?」
ただこないだと違って男の手は嬉しそうに少年の尻をぎゅっと掴んできた。思わず声が漏れる。全ての指が喜びながら少年の柔らかい尻を揉んでいるのが伝わってきた。
(コイツこないだより調子に乗ってないかっ!…っどうしよう…)
カッと怒りで一瞬攻撃的な気持ちが湧いたがすぐにしぼむ。この状況から逃れるより恥ずかしさが勝ってしまった。
男の大きな手は中指を尻の割れ目に沿わせるように置き、ゆっくりと上下する。その際尾てい骨のへっこみを中指で押し込む。骨の硬さと尻たぶの柔らかさの違いを楽しんでるようだった。
(うぐぐっ…!コレは男の尻だぞ…楽しむなっ…!ケツ硬くしちゃる!)
元スポーツ少年なめるな!とばかりにお尻に力を入れた。一瞬割れ目に沿っていた男の中指を挟んでしまった。が気にしない事にした。お尻に力を入れてカチカチにする事で守られる気がしたのだった。
男の手は思わぬ少年の行動に戸惑ったようだが、離れない。引き締められた尻の硬さとピクピクと時々痙攣する振動を楽しむ事にしたらしい。またもや包み込むように少年の尻に指を沿わせて動かなくなった。
(しぶといなっコイツ!男の尻だって気付け!…ずっと力入れてるのつらい…)
ピクンっピクンっと動いてしまう筋肉が、少年はそんなつもりは無いのにまるで男に触られて喜んでるようだった。
そのうちその感触にも飽きたのか男の手は背骨をたどるように上へ上がってくる。またもやシャツは汗でびしょびしょだ。少年は濡れたシャツを触られる事に恥ずかしさを覚えたが、少しほっとして尻の力を抜いた。限界だった。明日は筋肉痛かもしれない。
「……ゎぁっ…!?」
男の手が脇腹に触れた。小さく声がもれ、ビクリッと身体が動く。
少年は脇腹に触られるのが弱かった。
(ら、ラブガッツ~♪ラブガッツ~♪私は負けない~♪…っ!)
くすぐったさを堪えるように心の中で歌う。卑劣な痴漢に負けてたまるか!という心地だった。何をすれば勝ちで、何をすれば負けなのかは少年にも分からない。
(ひいゅっ…ら、らぶらぶがっつ~っらぶがっつ~っ♪ぜったいくじけにゃい~っ♪)
必死で歌いくすぐったさに堪える。しかしヒクヒク揺れる身体と吹き出す汗が止まらない。
そうこうしてるうちに電車がスピードを落としていく。やっと最寄駅に到着したのだった。
(やった…!耐えきったぞ!やっと解放される…!)
喜び油断した瞬間だった。
後ろから押し出されるように電車を降りるとき強くカバンが引っ張られた。
「あっ!おれのカバンっ!あっ…かばんっ…!」
くすぐったさに緩んでいた手から簡単にカバンは離れていった。必死に探そうとするが、人の波は止まらない。
やっと落ち着いた頃には電車は出発してしまった後だし、周辺にもカバンは見当たらない。
「俺の、カバンっ…!」
涙目で呟くがどうしようもない。痴漢にも会うし、カバンは無くすし、踏んだり蹴ったりだった。
駅員さんに事情を話し、特別に出してもらった。定期も財布も全てカバンの中だ。とにかくここまできたら、遅刻だけはどうにか回避したかった。
その日は隣の席のオタ友に教科書含めすべて借りて事なきを得た。やはり痴漢にあったことは話せなかったが、オタ友とアニメの感想で盛り上がると今日あった嫌なことがどうでも良くなる。
帰りがけ駅の紛失物の所によると無事カバンは帰ってきた。やはり電車の中に巻き込まれて落としてしまったようだった。
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