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 ゆっくりと輝の様子を観察していた肉塊は、絶頂感に喜び震え続ける輝の姿に"興味"を持った。



 ソレには感覚と言うものは無い。
 もしかしたらハッキリとした思考も存在していなかも知れなかった。
 ただ『ずっとここにいたい』と願った生き物の望みを叶える為に身体を作り替えた。
 この世界に存在する物を取り込んだ生物に介入するのは肉塊にとって簡単な事だ。
 この世界の物は肉塊の溢れた力を吸い、作出された物だからだ。
 更に肉塊から溢れ出る恵みからいつの間にか産み出された「眷属」を助けてくれた御礼に、少しだけ可愛がってやった。
 散々弄り回して人間の構造を"理解"した肉塊は褒美として快楽を与えた。そうして喜びに悶える生き物に肉塊はもしかしたら初めて"興味"、"好奇心"と言う"感覚"を抱いた。




 ソレは一瞬でも触手を介して輝の脳内と『繋がった』弊害だったのかも知れない。




 "快楽"とはどんな物なのか。"理解"するのではなく、"体感"してみたいと"興味"を持ったのだ。
 輝の口内から触手が抜ける。シュルル…と伸びたしなやかで硬い触手が輝の耳に近付いて中に入り込んだ。鼓膜を突き破り、脳内に侵入する。

「ぎ、ぃっ!?!?!…………っー……♡」

 ソレはより深く輝と繋がる為の、わば視神経のような物だった。元々はそんな物は存在して無かったが、人間の構造を"理解"した時に肉塊の全身に張り巡った物だった。
 視神経は輝の脳内の触手と絡まり、溶け合って、肉塊と接続された。


 輝の感覚が肉塊に流れ込む。

 より深く"理解""体感"する為に。

 神経を伝わって輝の"悦楽"が肉塊に広がった。


 肉塊の瞳孔が瞬間的に縮まり輝と一体化された感覚が全身を小刻みに震わせた。
 初めての"快感"に肉塊は夢中になる。
 無数の黒眼の絞り切った瞳孔が元に戻ると、次に激しく明滅した。
 興奮にブルブル肉体を揺すりながら、トロトロの輝の瞳と肉塊は見つめ合った。
 深く結び付いた2人は互いから目を離す事が出来なくなった。

「あ…ぁあ……ぁっ♡」
『グジゅる…』

 輝の全身に絡む触手の動きがねちっこく、より激しくなる。体内の粘膜を掻き回す度に身悶える輝に合わせて肉塊も身を捩った。

「うわんっ♡はんっ♡あんッ♡」
『グチチ、グチチ…!』
 
 肉塊の瞳の明滅が更に激しくなっていく。
 流れ込んでくる"快感"だけでなく、まったく同じ"体感"を得ようと肉塊は1番快楽神経が集中している生殖器を今まで以上に熱心に解析する。
 形を確かめる為に複数の触手が張り付いてペニスを這い回った。先程までの激しい交接を覚えている陰茎はしくも焦らされているように感じていた。
 そうやって快楽を得る為の器官の構造を理解した肉塊はヌラヌラ触手を揺らしながら胴体部分を開き、赤黒く脈打つグロテスクな器官を新しく創造した。

 縦に割れた切れ目からゆっくりと隆起する触手は見事にペニスを模倣した。カリ高で硬く勃起した偽物ペニスは、早く自身の性能を試したそうに、肉筒の中に入りたがって震えていた。

「は、あぁ…ふへ…へ…大っきい、な……見栄っ張り♡」
『ぐちゅ』

 生まれたばかりの肉棒を輝はうっとりと眺めた。
 自分と同じ感覚を共有したいと、生殖器を創り出した肉塊を可愛らしく思い、愛̸̸し̶さ̴が募った。
 指先でツツ…と軽くなぞる。それだけで怒張はピクピク震え、きちんと感覚神経が通っているのがわかった。

「あへぇ……♡すげぇなぁ………こーび、しよっか…♡」
『グチュちゅ…グチュ!』

 触手は輝を持ち上げ、太腿と腹部をくっつけると巻き付いた。脚を畳まれてしまったので自然と臀部が開き、触手が深く入り込んだ肉穴が晒された。
 その触手が勢い良く抜け、輝はビクビク震える。穴を埋めていた質量が急に無くなって寂しそうに収縮を繰り返す穴の内側から、内臓を下りてきた触手が二股に分かれて、くぱっ…と尻穴を開かせた。
 真っ赤に染まった内壁を覗かせて、涎のような腸液を滴らせる。

「はぁ…はぁ…はぁ…っ♡」
『グチュ!』

 期待感に息を荒げて輝は肉塊ペニスに釘付けになる。ヒタリッ…と当てられた巨大な肉芯は内側の触手の助けも借りてミシミシと食い込んで行った。
 熱心棒が肉穴を広げて輝の中を犯していく。1番太い傘の部分が括約筋を超えるとバチュん!っと一気に根元まで入り込んだ。

「お♡!?!…ごぉ……ッ♡」
『グチュぅぅ…っ』

 輝は疼いていた肉穴が満たされ、肉塊はペニスをキツく、熱く、柔らかく纏わりつく感触に、また、輝の感じている快感も流れ込んできて、あまりの気持ち良さに、互いに身を固くし、しばらくその快感を味わった。

「はっはっはっひっ♡」
『グチチっ!グチチッ!』

 愛おしそうに肉塊は輝を撫で回しながら、盛り狂った童貞少年のように乱暴に輝を使用しペニスをしごき上げる。

 それはまるでオナニーホールを使用するように。

 輝の尻穴はエラばったペニスが体内全体をゴリゴリ擦り上げる度に気持ち良さに身悶え、色々な穴から体液を垂らし、気狂いの様に喘いだ。


「お"ッあ"っ!ひっぎッ!ぎもぢぃぃ♡ぎもぢいぃィ♡」
『グチッ!グチュッ!グチッ!グチッ!』




 激しい交尾に建物全体がギシギシ揺れるー……。




 そうして、どれぐらい2匹は楽しんだだろうか。



 高め合った絶頂感覚が頂点に達し、それまでの激しい動きと反する様にピタリと動きが止まった。
 擬似生殖器だが、射精の構造までも正確に模倣した擬似ペニスは勢いよく輝の体内に白濁液を注いでいく。
 あまりの水圧に、遡ってきたドロリと粘着く白濁液が輝の口と鼻から溢れた。

「ごぇ………。…お"っ………へ…………………♡」
『ぐちゅ……………』

 性行為後の満足感と脱力感に2匹は床に溶け合った。
 肉塊の瞳もエクスタシーを味わって真っ黒く染まり動かなくなった。


 
 しばらく余韻に浸った後、肉塊は緩慢な動きで起き上がり気持ちがいい肉穴から名残惜しそうに、じっくりとペニスを引き抜いていった。
 カリの部分が軽く引っかかり、肉の内側が見えた。その後ぬぽっ…と抜け出た生殖器を模した触手から粘液が滴った。
 たっぷり愛し合った後孔は満足そうに震え、真っ赤に染まった内壁を余韻を感じさせる動きで閉じていく。
 未だ抱えられたままで、閉まり切らない穴から重力に従って注がれた白い液体が漏れ出ていった。

 ボタボタと、輝の精液溜まりに落ち、混ざり、床に広がっていく。

 もったいない、と輝は思った。





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