隷属王子

6.

ナズナはセルウスを連れて、自身の家の地下の倉庫へと移動していた。
ナズナ「まずは、私の仕事を手伝ってもらおうかしら？」
ナズナは上機嫌でセルウスの手を引きながら、土を耕すための農機具が閉まっている倉庫にセルウスを案内した。
倉庫の中には
ジョウロ、
剣先スコップ、
園芸シャベル、
平鍬（ひらぐわ）、
備中鍬（びっちゅうぐわ）、
万能（まんのう）、
助廉（じょれん）、
三角ホー、
片手草掻き、
ネジリ鎌、
菜園用鋸鎌、
鋸鎌、
信州鎌、
三日月鎌、
芽切鋏、
枝切鋏、
ガーデンレーキ、
ガーデンクリーナー、
マルチカッター、
草刈り機、
小型管理機、
カラー鋼管、
トンネルパイプ、
パイプバンド、
ワンタッチパッカー、
ダンポール、
５列穴マルチ、
マルチアンカー、
不織布、
防虫サンサンネット、
遮光ネット、
遮光・遮熱ネット、
苗帽子、
ぼかし、
じゃがいもシリカ、
等が沢山倉庫に入っている。ナズナはまず剣先スコップを2つ持って、剣先スコップの使い方をセルウスに教えた。
ナズナ「まず、これは剣先スコップと言って角スコップと違い、硬い土を掘り起こし、持ち上げることに特化している道具で。先ずは固くなった地面をこのスコップで掘り起こそう。」
ナズナはセルウスに剣先スコップを持たせて他の農具と一緒にセルウスを農場に案内した。

ナズナの農場にて
農場はとても大きくドーム一個分の広さもあって、
その上から紫外線ライトが地面を照りつけている。
ナズナ「どう？広いでしょ？父さんと母さんが私に残してくれたのよ。結構広いから最初の内は管理するのが結構大変だったのよ。」
セルウス「…この農場を君一人で？」
セルウスはナズナに向けて眼をキョトンと丸くした。
ナズナ「でも、私昔からよく父さんと母さんの農業を手伝っていたから、このくらいの事は大した事じゃ無いから安心して。」
ナズナは早速剣先スコップの使い方をセルウスに教えた。
ナズナ「まず、このスコップはできるだけ勢い良く土の中に入れて、このスコップの平らな所に足を掛けて体重をかけることで深く掘り進めることが出来るの。それを何度も繰り返し行ってこの土を完全に柔らかく耕してね。」
ナズナはセルウスにそう説明をした。
セルウス「…うん。」

数分後
ザック、ザック、ザック、ザック、ザック。
セルウスは懸命に硬い土を剣先スコップで深く突き立て、地中から掘り起こし、土の塊を自身の剣先スコップの先でバラバラに崩してどんどんと地面を柔らかく耕していった。
セルウス(だいぶ、進んだな。)
セルウスはナズナの言われた通りに土を耕し終わった。
セルウス「もう土を耕し終わった。後は何をすればいい？」
ナズナ「あら、もうこんなに耕したの？じゃあ後はこの苦土石灰をこの土に混ぜて耕して。」
ナズナはセルウスに苦土石灰の袋を渡した。
パラ、パラ、パラ、パラ、パラ。
セルウスは苦土石灰と言われる原料は「ドロマイド」という岩石で、苦土石灰はドロマイドを粉砕した石灰で、
苦土石灰は土壌のpHを調整するために必要です。
pHは土壌の酸性やアルカリ性を示す数値で、野菜の育成には欠かせない基準になります。
野菜によって適したpHは異なりますが、基本的には5.5～6.5までの範囲が適正になります。
pHは全部で14段階あり、0に近いほど酸性、14に近いほどアルカリ性です。
苦土石灰の成分は苦土と石灰に分けられます。
苦土がマグネシウムで石灰は炭酸カルシウムになっています。
何とか、苦土石灰を土に撒き終わったセルウスは土を苦土石灰と一緒に混ぜ耕した。
セルウス「…これで何とか混ぜ終わった。」
セルウスはナズナと一緒に耕した土の間に溝を作り、土の上に黒マルチを張った。
ナズナ「まあ、やっぱり月来香はとても頼りになるわね。じゃあ次はこの苗をこの土の中に植えて。」
セルウス「この苗は？」
ナズナ「じゃがいもの苗よ。」
セルウスはナズナと一緒にせっせとじゃがいもの苗を耕した土の中に植えていった。