ビロードの天使

お粥定食

文字の大きさ
上 下
3 / 5

3.

しおりを挟む
パチパチと火の粉が弾ける音を聞きながら、国重はモーロと名乗る中年の男性に話しかける。
国重「さっきはどうもありがとうございます。僕の名前は国重といいます。所であなたは?」
モーロ「俺はあの邪悪な少女を倒すために遥々この地へやってきた。」
国重「その邪悪な少女とは一体何者何ですか?」
モーロ「俺も詳しくは知らないがどうやらこの世界とは違う別の世界からやってきたらしいんだ。」
モーロは串に差した小動物の焼き肉を食べながら、国重に話した。
モーロ「とにかく、その少女は不思議な絵筆を使い、さっきの魔獣を作り出し、俺達に攻撃をしてくる。」
国重「何故人々を襲うんですか?」
モーロ「俺にも分からない。しかし、分かっている事はその邪悪な少女を倒せばこの世界が平和になる事だけだ。」
国重はしばらく複雑な表情で燃え盛る炎を見つめている。

翌朝
山から開けた場所に出たモーロと国重はそのまま徒歩で道を歩いていたが、城が段々と近くなってきた事に安堵感と不安を覚えた国重はモーロにこんな質問をした。
国重「あの、モーロさん?聞いても良いですか?」
国重はモーロに質問をした。
モーロ「ああっなんだ?」
国重「そのモーロさんには大切な人がいるんですか?」
モーロ「俺には8歳になる娘と妻と3人暮らしだったが、あの邪悪な少女が魔獣を産み出し、俺達故郷の村を襲ってきて、住めなくなって妻と娘は安全な場所で暮らさせている。」
国重「旅に出て、大丈夫だったんですか?」
モーロ「妻は大反対してきた、それで俺はこうやって妻には無断で家を飛び出してきた。」 
国重「奥さんの事を大事にしてるんですね。」 
モーロ「そうか?」
国重「僕には分かります。モーロさんが奥さんとお子さんをこの世で一番大切に思っている事を。」
その時、国重の視界で何かが見えた。
国重「!?モーロさん!!」
モーロはすかさず剣を抜き、音のする方へ剣を構える。
木陰から出てきたのは、大柄な体躯の魔獣であり、モーロと国重を交互に見やる。
モーロ「国重用心しろ!」
魔獣はモーロに向かって鉤爪の切っ先を向けて襲ってきた。
キインッ!
金属音がその場で木霊する。
魔獣は唸り声を上げながら、モーロに再び襲い掛かる。
林から続々と魔獣が出てくる。
モーロ「国重お前は先にあの城に向え!俺はコイツを倒してから向かう!」
国重「でも、モーロさんが。」
モーロ「良いから、行け!」
モーロは魔獣の攻撃を交わしながら、国重に促す。 
国重「モーロさん、どうかご無事で!」
国重はそのまま振り返らず城に向かって林を走り抜けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》

小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です ◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ ◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます! ◆クレジット表記は任意です ※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください 【ご利用にあたっての注意事項】  ⭕️OK ・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用 ※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可 ✖️禁止事項 ・二次配布 ・自作発言 ・大幅なセリフ改変 ・こちらの台本を使用したボイスデータの販売

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

遅れてきた先生

kitamitio
現代文学
中学校の卒業が義務教育を終えるということにはどんな意味があるのだろう。 大学を卒業したが教員採用試験に合格できないまま、何年もの間臨時採用教師として中学校に勤務する北田道生。「正規」の先生たち以上にいろんな学校のいろんな先生達や、いろんな生徒達に接することで見えてきた「中学校のあるべき姿」に思いを深めていく主人公の生き方を描いています。

一人用声劇台本

ふゎ
恋愛
一人用声劇台本です。 男性向け女性用シチュエーションです。 私自身声の仕事をしており、 自分の好きな台本を書いてみようという気持ちで書いたものなので自己満のものになります。 ご使用したい方がいましたらお気軽にどうぞ

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

処理中です...