加虐の奴隷

誘拐

鼻歌交じりに青年は自身の爪と皮膚の間から覗いているささくれや甘皮を甘皮ニッパーで抜いてゆく。
ささくれや甘皮を全て取り除いたら、爪の形を整える為に初めに、目が粗めのネイルファイルでおおよその長さに削り、
ざっくりと長さが決まったら次は目の細かいネイルファイルでなめらかな形に仕上げる。
爪の両端から中央に向けて、ファイルを往復させながら整え終わったら爪先を保湿しながら
ネイルボックスから今日の色を決める。
ネイルの色はコバルトブルーで良く整え、形の良い手や足の爪の上に深い青色を塗ってゆく。
日の光に照らされて輝く瞳はまるで、エメラルドのような宝石のように透き通り、手足は子鹿のように華奢で細長くむだ毛が一切なく白く静脈が浮き出ている。
青年は今年の春から同居し始めた彼氏の為に良く家事をし、彼はとても喜んでくれて来月には旅行を約束していた。
青年(秋さん、褒めてくれるかな？)
青年の彼氏の名前は秋といい、彼は青年を自身の屋敷に住まわせ度々青年とデートをしたり、青年の作った手料理を食べてくれる。
青年は旅行の準備として新しいコスメを買いに街に繰り出した。


子鹿のように細くて軽やかな足取りは、見るものを魅了させる。
青年(今日は最新のネイルが入荷したって聞いたから、早速買ってみよう。)
青年はうきうきと楽しげに行きつけの化粧品店のすぐ近くで路地裏に連れ込まれた。
青年「うぐっ！」
クロロホルムをかがされ、そのまま青年は意識を失った。