皇帝の受難

復習1

…ルナが目を覚ました場所は地下一階の自分の部屋だった。
ルナ「ここは！！！」
ルナは、かつて自分が暮らしていた自室にいることに驚愕した。
ルナ(どうしよう！？これからこの国は乗っ取られるのにどう伝えればいいんだ！？)
ルナは、その時閃いた。
ルナはその晩荷物をまとめて、見張り番の眼を盗んで、地下一階の自分の部屋から逃げ出した。

数ヶ月後
教官「ではこれより!入隊の為の戦闘試験をしてもらう！」
ルナは、直様隊長の言われた通りに試験用の模造剣を鞘から取り出し、試験相手の前で構えてみせた。
教官「全員剣は構えたか！では戦闘開始！」
全員が一斉に剣と剣をぶつけ合う闘いを開始した。
キンッ！ガンッ！キュインッ！キインッ！ギィーン！
激しい戦闘が繰り返される中、ルナは、必死で士官学校での戦闘訓練を思い出し、何とかそれを頼りに相手の攻撃をかわし、時には受け流していた。
ルナ「うっ！はあっはあっ。」
ルナは、長年地下一階の自分の部屋から殆ど外に出た事も無く、殆ど重たい物を持った事がないルナは、力量差で相手を押し負けそうであった。
ルナ(確か、剣術書では…。)
ルナは、相手が攻撃を仕掛けてくるのを自身の剣で防御をしその間で一呼吸を置いてまた、相手に攻撃を仕掛ける。
ルナ(考えろ！まだ諦める事じゃない！)
ルナは、その時士官学校で学んだ剣術を思い出した。
ルナは咄嗟に相手の懐に潜り込んで掴み、頭から相手を投げた。
ドサアッ！
カランッ
ルナは、自身の剣を相手に向けた。
教官「ではそこで止め！全員勝負で勝ったものは待合室で待ち、負けた者はまた士官学校で学び直すように！」
負けた生徒達はぞろぞろと試験会場から立ち去っていった。
ルナ「勝った？」

待合室にて
ルナは、不安な面持ちで昼食のパンを食べていた。
ルナ(どうか試験に合格してますように。)
ルナは、自分の心臓をドクンドクンと鳴らしながら、不安に満ちた顔で昼食をとっていた。
その時、
カラーンッ！カラーンッ！カラーンッ！カラーンッ！カラーンッ！
呼び出しのチャイムが鳴り出した。

合格発表場
ルナの心臓は更に鳴り出し、焦りと不安がルナの顔に浮かんだ。
ルナ
ドクンッ！ドクンッ！ドクンッ！ドクンッ！ドクンッ！
教官「では！これより合格者を紹介する！」
教官が合格者を次々と読み上げた。


寄宿舎にて
ルナは、一気に身体の緊張が取れたのか直様自身のベッドの上に仰向けになった。
ルナ「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ。」
ルナは、全ての自分の力を出し切ったこの一日はこれまでないだろうと確信した。　
ルナは、この数カ月間死にもの狂いで勉学と剣術に力を注ぎ、そしてこの試験に挑み全力を果たした。

ルナ「受かった。」