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二限目が終わると、次の授業は科学で移動教室だった。
確かこの時はもう、俺たちと幸は一緒に居たよな?
でも実際は……亮は手早く荷物をまとめると俺の荷物まで持ってくれ、俺の手を引きさっさと教室を出て行った。
結果、科学の実験班は先着順で決まるから……本来なら一緒になるはずの幸は、別の班に──。
そして四限は体育で……一応念の為に見学にした俺を気にし、亮が時折俺の様子を見に来てくれ……それもあってか、幸は亮を気にする様子を見せても話しかける事が出来ずにいた。
もうお昼になったけど……幸、どうするんだろう。
こんな状態でも、一緒にお昼を食べようって、誘うのだろうか?
俺は、ちらりと幸を見た。
すると幸もこちらを見ていて……俺と目が合うとニコッと微笑み、お弁当を手にすると俺を無視し亮に話しかけた。
※※※
「俺、今日転校してきた蓮見幸です。俺もお昼、一緒に食べてもいい?」
『俺もお昼、一緒に食べてもいい?』
このセリフ……ドラマと一緒だ。
やっぱりこの時が来たかと、俺の心臓がバクバク音を立てた。
確か……亮は……亮のセリフは──。
『勿論!幸も弁当なんだな……自分で作ってるのか?』
『そうだよ。中も、ほら。』
『うわ……お洒落だな!』
『亮のは……何か茶色いね。美味しそうだけど、昔ながらのおかずって感じ。』
幸は悪気があって言ったんじゃなく、冗談で言うセリフ何だけど……慎は自分のせいで亮が揶揄われたって落ち込むんだよな──。
「……悪いけど、今日は他の子と食べてくれるか?俺たち、ちょっと出るから。」
亮は俺の手を取ると、二人分のお弁当を持ち教室を出た。
連れて行かれたのは……亮と俺の秘密の場所だった。
といっても、裏庭のベンチだけど……。
ふと空を見れば、雨はすっかりやみ青空が広がっている。
「亮、さっきの──」
「お前がさ、怖がってるような気がしたから。それに俺も、そういう気分じゃなかったし。名前だけで毛嫌いするのは悪いとは思うけど……俺の一番はお前だから、特に好かれなくても構わないかなと思って。」
その言葉に俺は体の力が抜け、ストンとベンチに座り込んだ。
「さぁ、今日もお前の作った弁当食べるか。俺、学校行ってる中でこの時間が一番好きだな。」
「えぇ、勉強を差し置いて?」
「おう。やった、俺の好きなきんぴらごぼうがある!」
「……亮。俺の作った弁当、茶色いとか思わない?昔ながらとか……。」
「いや、ちゃんと緑とか赤い野菜入ってるし。っていうか、そうなるのは俺が茶色いおかずばっかリクエストしてるからじゃん。ハンバーグにから揚げにミートボールに、それからウインナーにきんぴらに肉じゃが…あぁ、昔ながらって煮物の事?俺はさ、お前が俺好みに作ってくれたこの弁当、個人的に世界一だと思ってるよ。」
「そっか……じゃあいい。」
「どうしたんだよ、慎?まさか……弁当作りに不満が!?」
心配そうに見てくる亮に、俺はそんな事ないよと笑って返した。
ドラマの中で、慎は途中でお弁当作りを辞めちゃったけど……この俺は、この先もずっと亮にお弁当を作ってあげたい、そう思うんだ──。
確かこの時はもう、俺たちと幸は一緒に居たよな?
でも実際は……亮は手早く荷物をまとめると俺の荷物まで持ってくれ、俺の手を引きさっさと教室を出て行った。
結果、科学の実験班は先着順で決まるから……本来なら一緒になるはずの幸は、別の班に──。
そして四限は体育で……一応念の為に見学にした俺を気にし、亮が時折俺の様子を見に来てくれ……それもあってか、幸は亮を気にする様子を見せても話しかける事が出来ずにいた。
もうお昼になったけど……幸、どうするんだろう。
こんな状態でも、一緒にお昼を食べようって、誘うのだろうか?
俺は、ちらりと幸を見た。
すると幸もこちらを見ていて……俺と目が合うとニコッと微笑み、お弁当を手にすると俺を無視し亮に話しかけた。
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「俺、今日転校してきた蓮見幸です。俺もお昼、一緒に食べてもいい?」
『俺もお昼、一緒に食べてもいい?』
このセリフ……ドラマと一緒だ。
やっぱりこの時が来たかと、俺の心臓がバクバク音を立てた。
確か……亮は……亮のセリフは──。
『勿論!幸も弁当なんだな……自分で作ってるのか?』
『そうだよ。中も、ほら。』
『うわ……お洒落だな!』
『亮のは……何か茶色いね。美味しそうだけど、昔ながらのおかずって感じ。』
幸は悪気があって言ったんじゃなく、冗談で言うセリフ何だけど……慎は自分のせいで亮が揶揄われたって落ち込むんだよな──。
「……悪いけど、今日は他の子と食べてくれるか?俺たち、ちょっと出るから。」
亮は俺の手を取ると、二人分のお弁当を持ち教室を出た。
連れて行かれたのは……亮と俺の秘密の場所だった。
といっても、裏庭のベンチだけど……。
ふと空を見れば、雨はすっかりやみ青空が広がっている。
「亮、さっきの──」
「お前がさ、怖がってるような気がしたから。それに俺も、そういう気分じゃなかったし。名前だけで毛嫌いするのは悪いとは思うけど……俺の一番はお前だから、特に好かれなくても構わないかなと思って。」
その言葉に俺は体の力が抜け、ストンとベンチに座り込んだ。
「さぁ、今日もお前の作った弁当食べるか。俺、学校行ってる中でこの時間が一番好きだな。」
「えぇ、勉強を差し置いて?」
「おう。やった、俺の好きなきんぴらごぼうがある!」
「……亮。俺の作った弁当、茶色いとか思わない?昔ながらとか……。」
「いや、ちゃんと緑とか赤い野菜入ってるし。っていうか、そうなるのは俺が茶色いおかずばっかリクエストしてるからじゃん。ハンバーグにから揚げにミートボールに、それからウインナーにきんぴらに肉じゃが…あぁ、昔ながらって煮物の事?俺はさ、お前が俺好みに作ってくれたこの弁当、個人的に世界一だと思ってるよ。」
「そっか……じゃあいい。」
「どうしたんだよ、慎?まさか……弁当作りに不満が!?」
心配そうに見てくる亮に、俺はそんな事ないよと笑って返した。
ドラマの中で、慎は途中でお弁当作りを辞めちゃったけど……この俺は、この先もずっと亮にお弁当を作ってあげたい、そう思うんだ──。
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