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「無理……このままじゃ、数学と化学は追試だ。」
「亮、まだ試験まで期間があるから頑張ろう?俺もこうして一緒に勉強するし。」
五月に入れば、試験が待って居るが…亮は今から弱気な発言をしていた。
確か亮は、その二教科が苦手だったな。
「お前は凄いよな、どの教科も平均的で。」
「まぁね、特に優秀って訳でもないけど。」
慎の方は、特にこれが苦手っていう事もなく……。
っていうか、ほとんど高校に行けなかった俺が、高校生の授業……しかも三年生からスタートって、付いて行けるか心配だったけど……何故か普通に授業が理解できたし、問題も解けた。
元々の身体が慎だから?
今まで積み重ねて来た学力のおかげって事かな。
よく分からないけど、とにかく助かったよ──。
「これは、この公式を使えばいい。それを理解した上で、この練習問題を解いて……亮?」
気づけば、亮が俺をじっと見ていた。
「慎、教えるの上手くなったな。何か、年上の家庭教師に教えて貰ってるみたいで……少し興奮する。」
亮は俺の身体を引き寄せた。
こ、れ……ドラマでのシーンと似てる。
確か、あの時も亮の家で勉強してて……それで、亮に押し倒されて──。
「……また何か考えてる。なぁ……お前の心に居るのは、誰なんだよ。」
「お、俺の心の中に居るのは、リョ、亮だよ?俺が好きなのは──」
俺が最後まで言いきらない内に、亮は俺の唇を奪った。
「……んッ。」
嘘……亮と俺が、キスしてる─!
ビクリと反応する俺を亮はじっと見つめ、唇を放した。
「俺さ……お前が本当は、別の誰かを好きなんじゃないかって思える時がある。でも勿論、お前が浮気をしてるとは思わない。何でだろうな?よく分からないけど……もやもやして。」
寂しそうに俺から眼を反らす亮に、俺は思わずギュッと抱き着いた。
「俺は、ずっとお前が好きで……でも、その好きは一度捨てた。それでもう一度……もう一回、俺はお前を好きになった。俺はお前のジャムトーストが好物で、お前の真っすぐな愛情表現が嬉しくて……でもそれが幸せすぎて、怖くて。」
俺の意味不明とも思える言葉を、亮はじっと聞いている。
「俺は幸せが壊れるのが辛いんだ。だって、六月になったら……。」
「どうなるって言うんだ?」
「転校生が来る。分かるんだ、俺には……。」
「……何で分かるかは……今は聞かない方が良い?」
俺は、コクリと頷いた。
すると亮は俺を抱き締め返し、そのままゴロリと横になった。
「その転校生が何者かは知らないけど……俺はお前を手放すつもりはない。だから……怖がらなくて大丈夫だ。」
耳元で響く優しく甘い声に、俺の身体は幸せと安心に包まれた。
信じよう、亮の言葉を。
俺には、それしか出来ない───。
「亮、まだ試験まで期間があるから頑張ろう?俺もこうして一緒に勉強するし。」
五月に入れば、試験が待って居るが…亮は今から弱気な発言をしていた。
確か亮は、その二教科が苦手だったな。
「お前は凄いよな、どの教科も平均的で。」
「まぁね、特に優秀って訳でもないけど。」
慎の方は、特にこれが苦手っていう事もなく……。
っていうか、ほとんど高校に行けなかった俺が、高校生の授業……しかも三年生からスタートって、付いて行けるか心配だったけど……何故か普通に授業が理解できたし、問題も解けた。
元々の身体が慎だから?
今まで積み重ねて来た学力のおかげって事かな。
よく分からないけど、とにかく助かったよ──。
「これは、この公式を使えばいい。それを理解した上で、この練習問題を解いて……亮?」
気づけば、亮が俺をじっと見ていた。
「慎、教えるの上手くなったな。何か、年上の家庭教師に教えて貰ってるみたいで……少し興奮する。」
亮は俺の身体を引き寄せた。
こ、れ……ドラマでのシーンと似てる。
確か、あの時も亮の家で勉強してて……それで、亮に押し倒されて──。
「……また何か考えてる。なぁ……お前の心に居るのは、誰なんだよ。」
「お、俺の心の中に居るのは、リョ、亮だよ?俺が好きなのは──」
俺が最後まで言いきらない内に、亮は俺の唇を奪った。
「……んッ。」
嘘……亮と俺が、キスしてる─!
ビクリと反応する俺を亮はじっと見つめ、唇を放した。
「俺さ……お前が本当は、別の誰かを好きなんじゃないかって思える時がある。でも勿論、お前が浮気をしてるとは思わない。何でだろうな?よく分からないけど……もやもやして。」
寂しそうに俺から眼を反らす亮に、俺は思わずギュッと抱き着いた。
「俺は、ずっとお前が好きで……でも、その好きは一度捨てた。それでもう一度……もう一回、俺はお前を好きになった。俺はお前のジャムトーストが好物で、お前の真っすぐな愛情表現が嬉しくて……でもそれが幸せすぎて、怖くて。」
俺の意味不明とも思える言葉を、亮はじっと聞いている。
「俺は幸せが壊れるのが辛いんだ。だって、六月になったら……。」
「どうなるって言うんだ?」
「転校生が来る。分かるんだ、俺には……。」
「……何で分かるかは……今は聞かない方が良い?」
俺は、コクリと頷いた。
すると亮は俺を抱き締め返し、そのままゴロリと横になった。
「その転校生が何者かは知らないけど……俺はお前を手放すつもりはない。だから……怖がらなくて大丈夫だ。」
耳元で響く優しく甘い声に、俺の身体は幸せと安心に包まれた。
信じよう、亮の言葉を。
俺には、それしか出来ない───。
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