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あれから俺と亮は、変わらず仲の良い幼馴染兼恋人として学園生活を送っていた。
俺たちのクラスメートも、ドラマ同様、生温く俺たちを見守ってくれている。
こうして俺たちが揃いの弁当を食べていても、変に揶揄われる事もない。
「あ、唐揚げが入ってる!」
「亮は本当に唐揚げ好きだな。週一でも文句言わないし。」
「お前が作ってくれるのに、文句なんかいう訳ないだろ、むしろ感謝してる。いつも美味しいご飯をありがとうってさ。」
う、嬉しい……。
こうして俺がお弁当を作る様になって思い出したのは……一度俺が、手作りのお菓子をリョウに渡した時の事だ。
確か番組の収録で作りすぎて、それでリョウにあげたんだけど……ユキが拗ねるから、手作りはちょっとって断られたんだよな。
俺はその時の自分が凄く無神経で、おまけに惨めで……お菓子だけじゃなく、何だか自分そのものを拒否されたみたいでさ。
結局お菓子は、自分の胃の中に消えたけど……いっそ自分が丸ごとこの世界から消えてしまいたくなった。
その願いは思わぬ形で叶って……俺はこうしてここに居るんだけども──。
「……ん、しーん。早く食べないとお昼休みが終わるぞ?」
「あ、うん!」
「慎さ……たまに遠い目って言うか、心ここに在らずみたいな時があるな。」
「そ、そう?」
「そういう時の慎、すごく悲しい顔って言うか……そんな目をしてる。俺、お前にそういう顔をさせてる奴が許せない。お前……そいつに嫌な思いをさせられてるのか?どこのクラスの奴だ、俺の知ってる奴か?」
「違う、そういうんじゃないから。大丈夫……心配しないでよ。」
俺が笑って見せれば、亮は半分納得してないような顔を見せたが、それ以上は何も言わなかった──。
※※※
俺があの世界の事を考えれば、亮を心配させる事になる。
目の前の亮は、俺をこんなに大切に想ってくれてるのに、そんな事させたくない。
だから考えない様に、思い出さない様にはしてるんだけど……あの世界と余りにギャップがありすぎてさ。
些細な事でも、こうして考えを巡らせてしまうというか──。
この世界では、亮が俺を愛するのは何もおかしな事ではない!っていう感じなんだよな……。
俺の母さんも、俺が亮と仲良くするのをただ微笑ましそうに見てるし、亮の両親に至っては、亮の事は慎君に任せたわ、よろしくねって感じで、何かもうお嫁さん状態だし。
好きな人に愛されるのって、嬉しいけど……不安になる事もある。
幸せな分、それを無くすのが死ぬ程怖いよ……。
これって、あの世界に居た時は、味わう事の無かった感情だ──。
俺たちのクラスメートも、ドラマ同様、生温く俺たちを見守ってくれている。
こうして俺たちが揃いの弁当を食べていても、変に揶揄われる事もない。
「あ、唐揚げが入ってる!」
「亮は本当に唐揚げ好きだな。週一でも文句言わないし。」
「お前が作ってくれるのに、文句なんかいう訳ないだろ、むしろ感謝してる。いつも美味しいご飯をありがとうってさ。」
う、嬉しい……。
こうして俺がお弁当を作る様になって思い出したのは……一度俺が、手作りのお菓子をリョウに渡した時の事だ。
確か番組の収録で作りすぎて、それでリョウにあげたんだけど……ユキが拗ねるから、手作りはちょっとって断られたんだよな。
俺はその時の自分が凄く無神経で、おまけに惨めで……お菓子だけじゃなく、何だか自分そのものを拒否されたみたいでさ。
結局お菓子は、自分の胃の中に消えたけど……いっそ自分が丸ごとこの世界から消えてしまいたくなった。
その願いは思わぬ形で叶って……俺はこうしてここに居るんだけども──。
「……ん、しーん。早く食べないとお昼休みが終わるぞ?」
「あ、うん!」
「慎さ……たまに遠い目って言うか、心ここに在らずみたいな時があるな。」
「そ、そう?」
「そういう時の慎、すごく悲しい顔って言うか……そんな目をしてる。俺、お前にそういう顔をさせてる奴が許せない。お前……そいつに嫌な思いをさせられてるのか?どこのクラスの奴だ、俺の知ってる奴か?」
「違う、そういうんじゃないから。大丈夫……心配しないでよ。」
俺が笑って見せれば、亮は半分納得してないような顔を見せたが、それ以上は何も言わなかった──。
※※※
俺があの世界の事を考えれば、亮を心配させる事になる。
目の前の亮は、俺をこんなに大切に想ってくれてるのに、そんな事させたくない。
だから考えない様に、思い出さない様にはしてるんだけど……あの世界と余りにギャップがありすぎてさ。
些細な事でも、こうして考えを巡らせてしまうというか──。
この世界では、亮が俺を愛するのは何もおかしな事ではない!っていう感じなんだよな……。
俺の母さんも、俺が亮と仲良くするのをただ微笑ましそうに見てるし、亮の両親に至っては、亮の事は慎君に任せたわ、よろしくねって感じで、何かもうお嫁さん状態だし。
好きな人に愛されるのって、嬉しいけど……不安になる事もある。
幸せな分、それを無くすのが死ぬ程怖いよ……。
これって、あの世界に居た時は、味わう事の無かった感情だ──。
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