10 / 11
番外編④ ※
しおりを挟む
あの後俺は、まっすぐ家に戻って来て……ベッドに突っ伏して涙を流した。
「どうしよう……この痕、消えないよ……!イグニス様に見られたら嫌われちゃう……!もし、離縁なんて事になったら……俺、どうしたらいいの──?」
俺は掴んでいたシーツで、ゴシゴシと首筋を拭いた。
シーツには、いつの間にか血が滲んでいたが……それでも、俺は構わず拭き続けた。
その時、バタバタと階段を駆け上がって来る足音がして、部屋のドアが開いた。
「シエル!」
「イ、イグニス様……!」
イグニス様は、涙を零す俺の元へとゆっくりと近づいて来る。
俺は思わずシーツを被り、その身を隠した。
「イ、イグニス様……ごめんなさい。俺、今すごく穢れてるの…!だから、見ないでぇ…。」
するとイグニス様は、シーツごと俺を抱きしめ、頭を撫でてくれた。
「シエルは、どこも穢れてなどいないよ。いつもの綺麗なままだ。シエル……君は俺に操を立ててくれたんだね。」
「な、何で、知って……?」
「実は、君がどうしても心配で……使役している蛇に護衛を頼んだんだ。そしたら、あの元婚約者の男が君に不埒な真似を──。シエル、怖かったね。そして、よくその身体を守ってくれた。」
その言葉に俺は涙を流し、彼の温かい胸に顔をうずめた。
イグニス様はそんな俺を優しく抱きしめると、唇にチュッとキスをくれた──。
※※※
その夜、俺は中々寝付けないでいた。
「シエル、眠れないかい?」
「ご、ごめんなさい、起こしてしまいましたか?」
「いや、良いんだ。……いつものように、もっとこっちへおいで?」
俺は、おずおずとイグニス様に手を伸ばした。
「俺、ナイルに襲われた時に思ったんです。こんな事になってしまうなら、あなたに初めてを捧げたかった。誕生日などと言わず、もっと早くあなたに抱いてと言えば良かったって──!」
「シエル……。」
「お願いです、イグニス様……あの男の事、忘れさせて下さい。どうか、俺をあなたのもに──ッ!」
俺が全てを言いきる前に、イグニス様は俺に深い口づけを与えた。
「ン、ンンッ……ハァ──」
「シエル……俺はずっと、君にこうして触れたかった。そして、一度触れたらもう止まらない。」
「いい、止めなくていいから……イグニス様の全てを俺に下さい。」
イグニス様は再度俺にキスをすると……その唇は、あの男が辿ったあとを消すかのように首筋から胸元へと降りて行く。
首の傷は、イグニス様が手当してくれたから、もう痛みはほとんど感じない。
その代わり……甘い痺れの様なものが俺の体を包んで行く。
「アッ……ンァッ──!」
イグニス様が、俺の乳首をペロリと舐めた。
そして、舌でネットリと優しく押し潰してくる。
「アァ……ン……やぁッ……!」
何だか俺の乳首、プックリと膨れて来て……まさか、胸がこんなに気持ちいいだなんて……。
「シエル……君は何て可愛いんだ。さぁ……もっと気持ち良くなろう。」
イグニス様は、俺の緩く勃ち上がったソレを、大きな手でグチュリと優しく握り込んだ。
そして、ユルユルと刺激を与える。
「ア……ハァッ……アッ…!」
凄い……こんな気持ち良さ、俺は知らない。
熱い息を吐く俺に、その手の動きはだんだん早くなり……そして俺は、ビクリと体を震わせ達してしまった。
「どうしよう……この痕、消えないよ……!イグニス様に見られたら嫌われちゃう……!もし、離縁なんて事になったら……俺、どうしたらいいの──?」
俺は掴んでいたシーツで、ゴシゴシと首筋を拭いた。
シーツには、いつの間にか血が滲んでいたが……それでも、俺は構わず拭き続けた。
その時、バタバタと階段を駆け上がって来る足音がして、部屋のドアが開いた。
「シエル!」
「イ、イグニス様……!」
イグニス様は、涙を零す俺の元へとゆっくりと近づいて来る。
俺は思わずシーツを被り、その身を隠した。
「イ、イグニス様……ごめんなさい。俺、今すごく穢れてるの…!だから、見ないでぇ…。」
するとイグニス様は、シーツごと俺を抱きしめ、頭を撫でてくれた。
「シエルは、どこも穢れてなどいないよ。いつもの綺麗なままだ。シエル……君は俺に操を立ててくれたんだね。」
「な、何で、知って……?」
「実は、君がどうしても心配で……使役している蛇に護衛を頼んだんだ。そしたら、あの元婚約者の男が君に不埒な真似を──。シエル、怖かったね。そして、よくその身体を守ってくれた。」
その言葉に俺は涙を流し、彼の温かい胸に顔をうずめた。
イグニス様はそんな俺を優しく抱きしめると、唇にチュッとキスをくれた──。
※※※
その夜、俺は中々寝付けないでいた。
「シエル、眠れないかい?」
「ご、ごめんなさい、起こしてしまいましたか?」
「いや、良いんだ。……いつものように、もっとこっちへおいで?」
俺は、おずおずとイグニス様に手を伸ばした。
「俺、ナイルに襲われた時に思ったんです。こんな事になってしまうなら、あなたに初めてを捧げたかった。誕生日などと言わず、もっと早くあなたに抱いてと言えば良かったって──!」
「シエル……。」
「お願いです、イグニス様……あの男の事、忘れさせて下さい。どうか、俺をあなたのもに──ッ!」
俺が全てを言いきる前に、イグニス様は俺に深い口づけを与えた。
「ン、ンンッ……ハァ──」
「シエル……俺はずっと、君にこうして触れたかった。そして、一度触れたらもう止まらない。」
「いい、止めなくていいから……イグニス様の全てを俺に下さい。」
イグニス様は再度俺にキスをすると……その唇は、あの男が辿ったあとを消すかのように首筋から胸元へと降りて行く。
首の傷は、イグニス様が手当してくれたから、もう痛みはほとんど感じない。
その代わり……甘い痺れの様なものが俺の体を包んで行く。
「アッ……ンァッ──!」
イグニス様が、俺の乳首をペロリと舐めた。
そして、舌でネットリと優しく押し潰してくる。
「アァ……ン……やぁッ……!」
何だか俺の乳首、プックリと膨れて来て……まさか、胸がこんなに気持ちいいだなんて……。
「シエル……君は何て可愛いんだ。さぁ……もっと気持ち良くなろう。」
イグニス様は、俺の緩く勃ち上がったソレを、大きな手でグチュリと優しく握り込んだ。
そして、ユルユルと刺激を与える。
「ア……ハァッ……アッ…!」
凄い……こんな気持ち良さ、俺は知らない。
熱い息を吐く俺に、その手の動きはだんだん早くなり……そして俺は、ビクリと体を震わせ達してしまった。
22
お気に入りに追加
196
あなたにおすすめの小説
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
【BL】こんな恋、したくなかった
のらねことすていぬ
BL
【貴族×貴族。明るい人気者×暗め引っ込み思案。】
人付き合いの苦手なルース(受け)は、貴族学校に居た頃からずっと人気者のギルバート(攻め)に恋をしていた。だけど彼はきらきらと輝く人気者で、この恋心はそっと己の中で葬り去るつもりだった。
ある日、彼が成り上がりの令嬢に恋をしていると聞く。苦しい気持ちを抑えつつ、二人の恋を応援しようとするルースだが……。
※ご都合主義、ハッピーエンド
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
【完結】オーロラ魔法士と第3王子
N2O
BL
全16話
※2022.2.18 完結しました。ありがとうございました。
※2023.11.18 文章を整えました。
辺境伯爵家次男のリーシュ・ギデオン(16)が、突然第3王子のラファド・ミファエル(18)の専属魔法士に任命された。
「なんで、僕?」
一人狼第3王子×黒髪美人魔法士
設定はふんわりです。
小説を書くのは初めてなので、何卒ご容赦ください。
嫌な人が出てこない、ふわふわハッピーエンドを書きたくて始めました。
感想聞かせていただけると大変嬉しいです。
表紙絵
⇨ キラクニ 様 X(@kirakunibl)

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた
マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。
主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。
しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。
平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。
タイトルを変えました。
前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。
急に変えてしまい、すみません。
シャルルは死んだ
ふじの
BL
地方都市で理髪店を営むジルには、秘密がある。実はかつてはシャルルという名前で、傲慢な貴族だったのだ。しかし婚約者であった第二王子のファビアン殿下に嫌われていると知り、身を引いて王都を四年前に去っていた。そんなある日、店の買い出しで出かけた先でファビアン殿下と再会し──。
かくして王子様は彼の手を取った
亜桜黄身
BL
麗しい顔が近づく。それが挨拶の距離感ではないと気づいたのは唇同士が触れたあとだった。
「男を簡単に捨ててしまえるだなどと、ゆめゆめ思わないように」
──
目が覚めたら異世界転生してた外見美少女中身男前の受けが、計算高い腹黒婚約者の攻めに婚約破棄を申し出てすったもんだする話。
腹黒で策士で計算高い攻めなのに受けが鈍感越えて予想外の方面に突っ走るから受けの行動だけが読み切れず頭掻きむしるやつです。
受けが同性に性的な意味で襲われる描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる