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初恋を捨てられない俺は、もう恋などできないと思ってた。
12 ※
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「そう……それであの二人は、部屋を探してるのか。」
「秀一郎様はお前を信頼してるし、礼音様はお前を慕っている。力になってくれるか?」
「分かったよ。手持ちの物件の中で、いくつか見繕ってみる。」
互いの気持ちを告げてからというもの、俺の経営する喫茶店に、龍之介はこうして遊びに来るようになった。
この店でいつか彼に会えないか、ドキドキしその日を待っていたが……いざこうして会えるようになると、また違ったドキドキというか……喜びと幸せが、心を一杯にしてくれる。
「貴博、調理師の資格も取ったんだな。」
「うん。いつかお前に、また手料理食べさせてやりたいなって思ってさ。どうせならちゃんと資格を取って、うんと美味しいもの食べさせたい……そう思ったら、自然と、な。」
「……そうか。」
見れば、龍之介の耳が少し赤くなっている。
こういう時の彼は、本当は凄く嬉しいんだけど……気恥ずかしくて、それを必死に隠してるんだ。
再会してから、そんなに時間は経ってないけど……俺は、彼のちょっとした表情や仕草で、彼の気持ちが何となく分かるようになって居た。
「ねぇ、龍之介……。また今度、俺の家に夕ご飯食べに来ない?昔みたいにさ……お前と、二人で過ごしたい。駄目か……?」
「駄目な訳ないだろう。」
彼は、俺の目をじっと見て即答し……俺も、そんな彼をじっと見返した。
互いの視線が、カチリと交わる。
あぁ……彼は、視線まで熱いんだなぁ。
彼の熱で、この身も心も焼き尽くされそうだ──。
※※※
そして約束の日、俺は龍之介の大好きな和食を用意した。
彼に初めて出したのが和食だったからか……彼は、よく俺に和食をリクエストした。
「やっぱり、お前の味噌汁が一番美味いな。」
「フフッ、ありがとう。」
「お前のおかげで秀一郎様たちの部屋も決まり、無事鍵も預かって……今頃は、荷物を部屋に入れているだろう。」
「そうか、今日だったね。じゃあ龍之介、今日はお休みを貰ったのか。」
「あぁ。明日も……昼までは自由に過ごせと言われている。」
「昼、まで……?」
俺は、食べ終わったお皿を食洗器に入れた所で、ピタリと体の動きを止めた。
そしてそんな俺を、龍之介が後ろからギュッと抱きしめて来た。
「だから今夜は、お前の傍でゆっくりさせてくれ。そしてこの十三年の時を……この一晩で埋めさせてくれないか?」
その言葉に、俺は振り返ると……彼の唇に、チュッとキスをした。
「……いいよ、龍之介。俺も、お前が欲しいから。俺の心を……お前の愛で満たして?」
龍之介はその逞しい腕で俺を軽く抱き上げると、俺が指差す寝室へと向かった──。
※※※
「んんッ……ふッ、んん……。」
龍之介から与えられる激しいキスに、俺はうっとりとこの身を任せていた。
「ハアッ……俺、龍之介のキス好き。」
「どうしてだ?」
「だって……俺の中にあるもの全てを奪い去って、愛にして返してくれるんだもの。」
「そうか。」
龍之介は微笑み、俺の唇にもう一度キスを落とすと……その唇は、首筋から胸元へと降りて行く。
そして時折、チュウッという音を立て……俺の肌に、所々愛の証を刻み付けて行く。
今まで……こうしてそれを刻まれても、何の感情も持たなかったのに──。
でも彼には、もっと付けて欲しい、その愛を刻んで欲しいと思ってしまう自分が居る。
そして龍之介の唇は、俺の胸の飾に辿り着き……彼はプクリと膨れた俺のソレを、ペロリと舐めると口に含んだ。
「あッ……ん、ンッ……あぁッ、胸……押しつぶさないでぇ……。」
龍之介の舌が、俺の乳首をグニグニと刺激してくる。
そのあまりの気持ち良さに、俺の身体はビクビクと震え……俺のソレは、緩く立ち上がっていた。
それに気づいた龍之介は、俺からズボンと下着を取り払い……ソレを優しく手で包み込んだ。
「んンッ……あッ、あぁッ……!」
龍之介はユルユルと俺のソレに刺激を与えて来て……俺の腰は自然と揺れた。
そんな俺を見た龍之介の手の動きは次第に早く、そして大胆なものへと変わっていく。
「あッ、りゅ、龍之介……そこ、あんまり弄んないで……もう、イッちゃう──!」
「いいよ、イケよ。」
「アッ……!?やぁッ──!」
耳元でボソリと呟かれ、更に耳たぶをガジリと甘噛みされ、俺は彼の手の中に熱い熱を吐き出した。
そういえば俺……彼に初めて抱かれた時も、耳を齧られて……それでこうしてイッた気が──。
「貴博は、相変わらず耳が弱いんだな。」
「ッ──!」
やっぱり……しかも、龍之介も覚えてたんだ。
「……よく、覚えてるね。」
「秀一郎様はお前を信頼してるし、礼音様はお前を慕っている。力になってくれるか?」
「分かったよ。手持ちの物件の中で、いくつか見繕ってみる。」
互いの気持ちを告げてからというもの、俺の経営する喫茶店に、龍之介はこうして遊びに来るようになった。
この店でいつか彼に会えないか、ドキドキしその日を待っていたが……いざこうして会えるようになると、また違ったドキドキというか……喜びと幸せが、心を一杯にしてくれる。
「貴博、調理師の資格も取ったんだな。」
「うん。いつかお前に、また手料理食べさせてやりたいなって思ってさ。どうせならちゃんと資格を取って、うんと美味しいもの食べさせたい……そう思ったら、自然と、な。」
「……そうか。」
見れば、龍之介の耳が少し赤くなっている。
こういう時の彼は、本当は凄く嬉しいんだけど……気恥ずかしくて、それを必死に隠してるんだ。
再会してから、そんなに時間は経ってないけど……俺は、彼のちょっとした表情や仕草で、彼の気持ちが何となく分かるようになって居た。
「ねぇ、龍之介……。また今度、俺の家に夕ご飯食べに来ない?昔みたいにさ……お前と、二人で過ごしたい。駄目か……?」
「駄目な訳ないだろう。」
彼は、俺の目をじっと見て即答し……俺も、そんな彼をじっと見返した。
互いの視線が、カチリと交わる。
あぁ……彼は、視線まで熱いんだなぁ。
彼の熱で、この身も心も焼き尽くされそうだ──。
※※※
そして約束の日、俺は龍之介の大好きな和食を用意した。
彼に初めて出したのが和食だったからか……彼は、よく俺に和食をリクエストした。
「やっぱり、お前の味噌汁が一番美味いな。」
「フフッ、ありがとう。」
「お前のおかげで秀一郎様たちの部屋も決まり、無事鍵も預かって……今頃は、荷物を部屋に入れているだろう。」
「そうか、今日だったね。じゃあ龍之介、今日はお休みを貰ったのか。」
「あぁ。明日も……昼までは自由に過ごせと言われている。」
「昼、まで……?」
俺は、食べ終わったお皿を食洗器に入れた所で、ピタリと体の動きを止めた。
そしてそんな俺を、龍之介が後ろからギュッと抱きしめて来た。
「だから今夜は、お前の傍でゆっくりさせてくれ。そしてこの十三年の時を……この一晩で埋めさせてくれないか?」
その言葉に、俺は振り返ると……彼の唇に、チュッとキスをした。
「……いいよ、龍之介。俺も、お前が欲しいから。俺の心を……お前の愛で満たして?」
龍之介はその逞しい腕で俺を軽く抱き上げると、俺が指差す寝室へと向かった──。
※※※
「んんッ……ふッ、んん……。」
龍之介から与えられる激しいキスに、俺はうっとりとこの身を任せていた。
「ハアッ……俺、龍之介のキス好き。」
「どうしてだ?」
「だって……俺の中にあるもの全てを奪い去って、愛にして返してくれるんだもの。」
「そうか。」
龍之介は微笑み、俺の唇にもう一度キスを落とすと……その唇は、首筋から胸元へと降りて行く。
そして時折、チュウッという音を立て……俺の肌に、所々愛の証を刻み付けて行く。
今まで……こうしてそれを刻まれても、何の感情も持たなかったのに──。
でも彼には、もっと付けて欲しい、その愛を刻んで欲しいと思ってしまう自分が居る。
そして龍之介の唇は、俺の胸の飾に辿り着き……彼はプクリと膨れた俺のソレを、ペロリと舐めると口に含んだ。
「あッ……ん、ンッ……あぁッ、胸……押しつぶさないでぇ……。」
龍之介の舌が、俺の乳首をグニグニと刺激してくる。
そのあまりの気持ち良さに、俺の身体はビクビクと震え……俺のソレは、緩く立ち上がっていた。
それに気づいた龍之介は、俺からズボンと下着を取り払い……ソレを優しく手で包み込んだ。
「んンッ……あッ、あぁッ……!」
龍之介はユルユルと俺のソレに刺激を与えて来て……俺の腰は自然と揺れた。
そんな俺を見た龍之介の手の動きは次第に早く、そして大胆なものへと変わっていく。
「あッ、りゅ、龍之介……そこ、あんまり弄んないで……もう、イッちゃう──!」
「いいよ、イケよ。」
「アッ……!?やぁッ──!」
耳元でボソリと呟かれ、更に耳たぶをガジリと甘噛みされ、俺は彼の手の中に熱い熱を吐き出した。
そういえば俺……彼に初めて抱かれた時も、耳を齧られて……それでこうしてイッた気が──。
「貴博は、相変わらず耳が弱いんだな。」
「ッ──!」
やっぱり……しかも、龍之介も覚えてたんだ。
「……よく、覚えてるね。」
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