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「俺ね、お前が死んであの世界から居なくなっちゃった後……つまらなくてさぁ。そのせいで、自ら死を選んだの。そしたらね、その死の瞬間にある悪魔が声をかけて来たんだ。」
「あ、くま……!」
「そう。自分と契約するなら、お前の愛する人の元へ連れてってやろうって……そう言うんだよ。」
「愛……それって、ジュリアス!?辞めて、彼には手を──」
「あ、アハハハハッ……!俺がジュリアスを?冗談きっついよぉ。俺はね、あの男も会長たちも……ぜーんぜん興味ないの。偶々入り込んだ器が、この世界のシオンって奴の身体だったからこういう状況にあるだけで、俺の心はあいつらに何の好意も持ってない。あいつらはただの駒……それも、捨て駒だよ!」
す、捨て駒って……酷い。
皆、ちゃんとこの世界で生きてる、命を持った一人の人間なのに……!
「俺が欲しいのは、憂……お前だけだよ。なのにお前ってば、俺の前に現れた時、あいつの腕に抱かれて……ムカつくんだよ。」
「意味、分かんないよ!さっきも、俺が死んでつまらないとか……でもお前は、俺を虐めて──」
「馬鹿だなぁ、好きだから虐めたくなるんじゃない。お前はね、俺にあの世界で虐めて虐めて虐め抜かれ……俺の愛に心を壊され死んでかなきゃ行かなきゃダメだったの。なのに、交通事故でって……そんな悪い子には、俺がたっぷりお仕置きしてあげるよ。今度は、この世界で──。」
「い、や……こ、わい……来ないで!」
おかしいよ、こいつ。
頭が、心が、狂ってる……!
「……けて、ジュリアス……たすけてッ──!」
「あいつなら来ないよ。今頃は会長たち相手に──」
「兄上に……俺の愛する人に、近づくな──!」
※※※
ジュリアスの叫ぶ声がして……鋭い光の刃が、シオンの腕を掠めた。
「ッ、お前!?会長たちが、足止めしてたんじゃ──」
「彼らなら……確かに寄ってたかって俺を取り押さえ、寮の一室に監禁しようとしましたが……目覚めたこの聖剣に悪魔の力を全て吸い取られた上に、マルスさんの持って来た解毒剤によって今は医務室で療養中です。」
「聖剣…?ど、どうしてお前がそんな物……普段、剣なんて持ち歩いてなかったのに!?」
「これは、今まで俺の中で眠っていたんです…自身と、そして兄上を守る為の切り札として。そしてついに、この剣を振るう時が来た──。」
「ッ~!たかがゲームのキャラクタ-の分際で、生意気なんだよ!俺はこの世界で、お前が一番目障りだった……。お前さえ居なきゃ、こいつは、憂の心は、俺の──」
「あなたの兄上を見る目には、どこか違和感を感じていた。それは……この存在により、確かなものとなりました。」
ジュリアスの手には、一冊の……日記?
「あなたの部屋を探らせて貰った。そして、悪魔や黒魔術や魔法薬に関する本、そして作りかけの薬と……この日記を発見したんです。」
「や、めろ……それに触るな──ッ!」
「この日記には、あなたの兄上への愛の言葉がびっしりと綴られていた。そしてそのどれもが、歪んだものでした……。あなたは、会長たち生徒会執行部の全員を虜にし、いずれ兄上をこの学園から孤立させ、苦しめるつもりだった。更にはこの俺……ジュリアスという、兄上の最も愛する存在すら奪う予定だった。そうした上で……傷付き絶望した兄上を、自分の物にしようと計画していたのです──。」
「あ、くま……!」
「そう。自分と契約するなら、お前の愛する人の元へ連れてってやろうって……そう言うんだよ。」
「愛……それって、ジュリアス!?辞めて、彼には手を──」
「あ、アハハハハッ……!俺がジュリアスを?冗談きっついよぉ。俺はね、あの男も会長たちも……ぜーんぜん興味ないの。偶々入り込んだ器が、この世界のシオンって奴の身体だったからこういう状況にあるだけで、俺の心はあいつらに何の好意も持ってない。あいつらはただの駒……それも、捨て駒だよ!」
す、捨て駒って……酷い。
皆、ちゃんとこの世界で生きてる、命を持った一人の人間なのに……!
「俺が欲しいのは、憂……お前だけだよ。なのにお前ってば、俺の前に現れた時、あいつの腕に抱かれて……ムカつくんだよ。」
「意味、分かんないよ!さっきも、俺が死んでつまらないとか……でもお前は、俺を虐めて──」
「馬鹿だなぁ、好きだから虐めたくなるんじゃない。お前はね、俺にあの世界で虐めて虐めて虐め抜かれ……俺の愛に心を壊され死んでかなきゃ行かなきゃダメだったの。なのに、交通事故でって……そんな悪い子には、俺がたっぷりお仕置きしてあげるよ。今度は、この世界で──。」
「い、や……こ、わい……来ないで!」
おかしいよ、こいつ。
頭が、心が、狂ってる……!
「……けて、ジュリアス……たすけてッ──!」
「あいつなら来ないよ。今頃は会長たち相手に──」
「兄上に……俺の愛する人に、近づくな──!」
※※※
ジュリアスの叫ぶ声がして……鋭い光の刃が、シオンの腕を掠めた。
「ッ、お前!?会長たちが、足止めしてたんじゃ──」
「彼らなら……確かに寄ってたかって俺を取り押さえ、寮の一室に監禁しようとしましたが……目覚めたこの聖剣に悪魔の力を全て吸い取られた上に、マルスさんの持って来た解毒剤によって今は医務室で療養中です。」
「聖剣…?ど、どうしてお前がそんな物……普段、剣なんて持ち歩いてなかったのに!?」
「これは、今まで俺の中で眠っていたんです…自身と、そして兄上を守る為の切り札として。そしてついに、この剣を振るう時が来た──。」
「ッ~!たかがゲームのキャラクタ-の分際で、生意気なんだよ!俺はこの世界で、お前が一番目障りだった……。お前さえ居なきゃ、こいつは、憂の心は、俺の──」
「あなたの兄上を見る目には、どこか違和感を感じていた。それは……この存在により、確かなものとなりました。」
ジュリアスの手には、一冊の……日記?
「あなたの部屋を探らせて貰った。そして、悪魔や黒魔術や魔法薬に関する本、そして作りかけの薬と……この日記を発見したんです。」
「や、めろ……それに触るな──ッ!」
「この日記には、あなたの兄上への愛の言葉がびっしりと綴られていた。そしてそのどれもが、歪んだものでした……。あなたは、会長たち生徒会執行部の全員を虜にし、いずれ兄上をこの学園から孤立させ、苦しめるつもりだった。更にはこの俺……ジュリアスという、兄上の最も愛する存在すら奪う予定だった。そうした上で……傷付き絶望した兄上を、自分の物にしようと計画していたのです──。」
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