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その夜、俺は不思議な夢を見た。
前とは打って変わって、明るくてとても気持ちのいい場所に、俺は佇んでいた。
そして、眩い光を放つ何かが現れ……一人の美しい青年の姿になると、俺に話しかけて来たのだ。
『私は、この世界の神と呼ばれる存在だ。お前はかつて、私に願った。次に生まれるなら、どうかもっと幸せな人生を恵んで欲しいと──。』
「あなたが、神様……?神様、俺の願いを叶えて下さって、ありがとうございます。神様のおかげで、俺は大好きな人がいる世界で、大好きな人に愛される事になりました。でも……そこには、予想外の人物が居て──。」
『前の生で、お前を虐め抜いたあの者だな。あれは、お前が死んだ後に自ら命を絶ち、その際悪魔と契約をしたのだ。そして、お前を追いかけ転生した。』
「な、何で俺を……?」
『……直に分かる。あの者は歪んだ思考の持ち主だ。本来なら生まれ変わる事など出来ぬ魂だった。そしてあの者のせいで……本来あそこに在るはずの魂が、こうして私の元に在る。』
よく見れば、神様に寄り添うように光り輝く、一つの美しい球体があった。
「シオン……?」
俺は、何故かその名を口にした。
するとその球体は俺の方へフワフワと飛んできて、人の形を取った。
それは確かに、ゲーム画面で何度も見て来たあのシオンだが……その顔は悲しみに満ちていた。
『僕の事、分かるの……?』
「うん。俺、君に憧れてたから。君が恋する姿がとても魅力的で……俺もそんな恋がしたいって、憧れてたから。」
『僕ね、ある時急に体の外に追い出されちゃって……そこからもう戻れないんだ。その間に、別の知らない子が入っちゃってて、僕の身体を好き勝手使って悪い事をしてるの。僕はそれが苦しくて……!』
そう言って、シオンは泣き崩れた。
『この者は、予定外の転生に巻き込まれ、魂を追い出され体を奪われたのだ。元に戻そうにも、あの体は今の持ち主の悪事により穢れ切ってしまっていてな……。私はそれを憐れに思い、新しい身体を与え、どこか別の世界に転生させようと考えたのだが……。』
『神様のお気持ちは嬉しいのですが、自身の……あの体の行く末を見届けるまで、それは出来ません。それに何より、僕はあなたの傍を──!いえ……とにかく僕は、まずはあの自分をどうにかしたいのです!』
シオンは責任感が強い子だったから、他人の魂が入った身体とはいえ、このままにしておく事が出来ないんだろうな。
まぁ、理由はそれだけじゃないみたいだけど……。
「大丈夫だよ、シオン。俺、きっとあのシオンを止めて見せるから。だからここで、神様と見守ってて?」
『……ッ、本当にごめんね……ありがとう……!』
「謝らないで。俺と……そしてジュリアスが何とかするから、もう泣かないでよ。」
俺がシオンの手を取りニコッと笑うと、彼は漸く泣き止み、優しい笑みを浮かべてくれた。
『よいか……お前を転生させたのは、神であるこの私だ。だから、お前は闇魔法の使い手だが……その清らかな魂には、聖なる力が宿っているのだ。』
「聖なる力……じゃあ、ジュリアスが言ってくれた事は本当だったんだ……。」
『私はあの世界に……お前にこれ以上の介入は出来ないが……大丈夫、何も恐れるな。お前が諦めなければ、幸せは逃げては行かない。お前は……今度こそあの世界で幸せになれ。』
「はい、神様。お約束します。シオンも、安心してこの世界から見ていてね。」
『うん。ロイス……ううん。君なら、きっと大丈夫だよ──!』
そこで、俺は目が覚めた。
ただの夢……何かじゃない。
シオンの温かく柔らかな手の感覚が、ハッキリと自身の手に残ってる──。
俺には、神様とシオンが見守ってくれてる。
アンブラや、マルスさんも協力してくれてる。
そして……愛するジュリアスがいるから、何が起こってもきっと大丈夫──。
前とは打って変わって、明るくてとても気持ちのいい場所に、俺は佇んでいた。
そして、眩い光を放つ何かが現れ……一人の美しい青年の姿になると、俺に話しかけて来たのだ。
『私は、この世界の神と呼ばれる存在だ。お前はかつて、私に願った。次に生まれるなら、どうかもっと幸せな人生を恵んで欲しいと──。』
「あなたが、神様……?神様、俺の願いを叶えて下さって、ありがとうございます。神様のおかげで、俺は大好きな人がいる世界で、大好きな人に愛される事になりました。でも……そこには、予想外の人物が居て──。」
『前の生で、お前を虐め抜いたあの者だな。あれは、お前が死んだ後に自ら命を絶ち、その際悪魔と契約をしたのだ。そして、お前を追いかけ転生した。』
「な、何で俺を……?」
『……直に分かる。あの者は歪んだ思考の持ち主だ。本来なら生まれ変わる事など出来ぬ魂だった。そしてあの者のせいで……本来あそこに在るはずの魂が、こうして私の元に在る。』
よく見れば、神様に寄り添うように光り輝く、一つの美しい球体があった。
「シオン……?」
俺は、何故かその名を口にした。
するとその球体は俺の方へフワフワと飛んできて、人の形を取った。
それは確かに、ゲーム画面で何度も見て来たあのシオンだが……その顔は悲しみに満ちていた。
『僕の事、分かるの……?』
「うん。俺、君に憧れてたから。君が恋する姿がとても魅力的で……俺もそんな恋がしたいって、憧れてたから。」
『僕ね、ある時急に体の外に追い出されちゃって……そこからもう戻れないんだ。その間に、別の知らない子が入っちゃってて、僕の身体を好き勝手使って悪い事をしてるの。僕はそれが苦しくて……!』
そう言って、シオンは泣き崩れた。
『この者は、予定外の転生に巻き込まれ、魂を追い出され体を奪われたのだ。元に戻そうにも、あの体は今の持ち主の悪事により穢れ切ってしまっていてな……。私はそれを憐れに思い、新しい身体を与え、どこか別の世界に転生させようと考えたのだが……。』
『神様のお気持ちは嬉しいのですが、自身の……あの体の行く末を見届けるまで、それは出来ません。それに何より、僕はあなたの傍を──!いえ……とにかく僕は、まずはあの自分をどうにかしたいのです!』
シオンは責任感が強い子だったから、他人の魂が入った身体とはいえ、このままにしておく事が出来ないんだろうな。
まぁ、理由はそれだけじゃないみたいだけど……。
「大丈夫だよ、シオン。俺、きっとあのシオンを止めて見せるから。だからここで、神様と見守ってて?」
『……ッ、本当にごめんね……ありがとう……!』
「謝らないで。俺と……そしてジュリアスが何とかするから、もう泣かないでよ。」
俺がシオンの手を取りニコッと笑うと、彼は漸く泣き止み、優しい笑みを浮かべてくれた。
『よいか……お前を転生させたのは、神であるこの私だ。だから、お前は闇魔法の使い手だが……その清らかな魂には、聖なる力が宿っているのだ。』
「聖なる力……じゃあ、ジュリアスが言ってくれた事は本当だったんだ……。」
『私はあの世界に……お前にこれ以上の介入は出来ないが……大丈夫、何も恐れるな。お前が諦めなければ、幸せは逃げては行かない。お前は……今度こそあの世界で幸せになれ。』
「はい、神様。お約束します。シオンも、安心してこの世界から見ていてね。」
『うん。ロイス……ううん。君なら、きっと大丈夫だよ──!』
そこで、俺は目が覚めた。
ただの夢……何かじゃない。
シオンの温かく柔らかな手の感覚が、ハッキリと自身の手に残ってる──。
俺には、神様とシオンが見守ってくれてる。
アンブラや、マルスさんも協力してくれてる。
そして……愛するジュリアスがいるから、何が起こってもきっと大丈夫──。
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