5 / 13
5
しおりを挟む
翌日の昼休み、俺は裏庭にアルトの取り巻きたちを呼んだ。
「皆、今日は大事な話があるんだ。俺はもう、今後一切ノアさんに虐めはしません。もう二度と、馬鹿な真似はしません。この前は、本当に情けない姿を見せてしまいました。本当にごめんなさい!」
「あ、頭を上げて下さい!どうしたんですか、アルト様!?」
「そうですよ!アルト様はあの男の事を嫌ってたんじゃ──」
「……アルトが嫌いなのは、きっと自分自身だったんだ。どんなに頑張ってもノアさんに勝てない自分が、この世界で一番嫌いだった……ノアさん自身じゃない。」
「お、仰っている意味が、分かりかねますが……アルト様がそれでいいならば……。」
「まぁ、そうですね……。俺たちはアルト様のお言葉に従うと決めてますので──。」
※※※
「よし!これで、ノアへの虐めフラグはへし折った!俺も俺の取り巻きも、もう二度と過ちは犯さない。後は……俺の婚約問題だ。どうやってサリュー様との婚約を破棄に持ち込むか──。」
これまでの言動からして、サリュー様はかなりプライドが高い。
ゲームの中でも、結構な俺様気質だったもんなぁ……。
下手な言い方すると、かえって面倒な事になりそうだな……。
いっそ、向こうから婚約破棄を言ってきてくれないかな──。
「アルト、お前こんな所に居たのか!」
おぉっと、このタイミングでサリュー様ご登場……俺、また何かやらかした──?
「やはりお前は、最低な奴だ!お前が、ノアの教科書を捨てた犯人だったんだな?俺の親衛隊が、わざわざ報告に来てくれたぞ。」
「ええ、まぁ……そうなります。ですが俺は、それを彼に謝罪しました。結果、彼も分かってくれました。そして俺は、二度と過ちを犯さないと誓ったばかりです。」
「お前が無理やりノアを脅し、そう言わせたんじゃないのか!?彼が大人しいのを良い事に、上手く言い包めたんだろう!」
「……彼が、そう言ったんですか?」
「いいや、全て俺の独断だ。こんな場に、彼を連れて来られるか。そんな事をしてお前に逆恨みをされたら、ノアが可哀そうだからな!」
「はぁ~……。あなたって人は、本当にどうしようもないですね。確かに、虐めをしたアルトは悪いです。でもね、あなたが今やってる事は虐めじゃないんですか?こっちの言い分も聞かず一方的に決めつけて、お前は最低だの脅しただの言うなんて……。アルトはね、本当にあなたが好きだったんです……!これじゃあ、彼があまりに報われないじゃないか──。」
「婚約者である俺に対し、その言い方は何だ!しかしお前……昨日からどうも妙な言い方をするな?。まさか……俺を好きすぎて、ついに頭でもおかしくなったか?」
「好き……?俺が、あなたを……?」
「だが、生憎だな。俺はお前の事など、ちっとも好きではなかった。俺たちが婚約したのは、親同士の意思……俺の気持ちなど、考慮されていない。だから、今日をもってお前との婚約は無かった事にさせて貰う。今ここに、お前との婚約破棄を言い渡す──!」
「皆、今日は大事な話があるんだ。俺はもう、今後一切ノアさんに虐めはしません。もう二度と、馬鹿な真似はしません。この前は、本当に情けない姿を見せてしまいました。本当にごめんなさい!」
「あ、頭を上げて下さい!どうしたんですか、アルト様!?」
「そうですよ!アルト様はあの男の事を嫌ってたんじゃ──」
「……アルトが嫌いなのは、きっと自分自身だったんだ。どんなに頑張ってもノアさんに勝てない自分が、この世界で一番嫌いだった……ノアさん自身じゃない。」
「お、仰っている意味が、分かりかねますが……アルト様がそれでいいならば……。」
「まぁ、そうですね……。俺たちはアルト様のお言葉に従うと決めてますので──。」
※※※
「よし!これで、ノアへの虐めフラグはへし折った!俺も俺の取り巻きも、もう二度と過ちは犯さない。後は……俺の婚約問題だ。どうやってサリュー様との婚約を破棄に持ち込むか──。」
これまでの言動からして、サリュー様はかなりプライドが高い。
ゲームの中でも、結構な俺様気質だったもんなぁ……。
下手な言い方すると、かえって面倒な事になりそうだな……。
いっそ、向こうから婚約破棄を言ってきてくれないかな──。
「アルト、お前こんな所に居たのか!」
おぉっと、このタイミングでサリュー様ご登場……俺、また何かやらかした──?
「やはりお前は、最低な奴だ!お前が、ノアの教科書を捨てた犯人だったんだな?俺の親衛隊が、わざわざ報告に来てくれたぞ。」
「ええ、まぁ……そうなります。ですが俺は、それを彼に謝罪しました。結果、彼も分かってくれました。そして俺は、二度と過ちを犯さないと誓ったばかりです。」
「お前が無理やりノアを脅し、そう言わせたんじゃないのか!?彼が大人しいのを良い事に、上手く言い包めたんだろう!」
「……彼が、そう言ったんですか?」
「いいや、全て俺の独断だ。こんな場に、彼を連れて来られるか。そんな事をしてお前に逆恨みをされたら、ノアが可哀そうだからな!」
「はぁ~……。あなたって人は、本当にどうしようもないですね。確かに、虐めをしたアルトは悪いです。でもね、あなたが今やってる事は虐めじゃないんですか?こっちの言い分も聞かず一方的に決めつけて、お前は最低だの脅しただの言うなんて……。アルトはね、本当にあなたが好きだったんです……!これじゃあ、彼があまりに報われないじゃないか──。」
「婚約者である俺に対し、その言い方は何だ!しかしお前……昨日からどうも妙な言い方をするな?。まさか……俺を好きすぎて、ついに頭でもおかしくなったか?」
「好き……?俺が、あなたを……?」
「だが、生憎だな。俺はお前の事など、ちっとも好きではなかった。俺たちが婚約したのは、親同士の意思……俺の気持ちなど、考慮されていない。だから、今日をもってお前との婚約は無かった事にさせて貰う。今ここに、お前との婚約破棄を言い渡す──!」
53
お気に入りに追加
646
あなたにおすすめの小説

ある意味王道ですが何か?
ひまり
BL
どこかにある王道学園にやってきたこれまた王道的な転校生に気に入られてしまった、庶民クラスの少年。
さまざまな敵意を向けられるのだが、彼は動じなかった。
だって庶民は逞しいので。


異世界帰りの男は知っていた、何事も力で解決した方が手っ取り早い~容赦しない事を覚えて来た男の蹂躙伝~
こまの ととと
BL
かつて異世界に飛ばされた男は、無敵の能力を身に着けて帰還する。
久しぶりに帰って来た現代日本で再び始まる学生生活。しかし、形は違えどロクデナシというものはそこら中に転がっている現状を確認。
平穏な学生生活を送る為、トラブルを一捻りにしながら己の道を突き進むのであった。
……美人に囲まれる物語でもある。果たして新しい愛の形は発生するのか?

失恋して崖から落ちたら、山の主の熊さんの嫁になった
無月陸兎
BL
ホタル祭で夜にホタルを見ながら友達に告白しようと企んでいた俺は、浮かれてムードの欠片もない山道で告白してフラれた。更には足を踏み外して崖から落ちてしまった。
そこで出会った山の主の熊さんと会い俺は熊さんの嫁になった──。
チョロくてちょっぴりおつむが弱い主人公が、ひたすら自分の旦那になった熊さん好き好きしてます。

婚約破棄したら隊長(♂)に愛をささやかれました
ヒンメル
BL
フロナディア王国デルヴィーニュ公爵家嫡男ライオネル・デルヴィーニュ。
愛しの恋人(♀)と婚約するため、親に決められた婚約を破棄しようとしたら、荒くれ者の集まる北の砦へ一年間行かされることに……。そこで人生を変える出会いが訪れる。
*****************
「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく(https://www.alphapolis.co.jp/novel/221439569/703283996)」の番外編です。ライオネルと北の砦の隊長の後日談ですが、BL色が強くなる予定のため独立させてます。単体でも分かるように書いたつもりですが、本編を読んでいただいた方がわかりやすいと思います。
※「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく」の他の番外編よりBL色が強い話になりました(特に第八話)ので、苦手な方は回避してください。
※完結済にした後も読んでいただいてありがとうございます。
評価やブックマーク登録をして頂けて嬉しいです。
※小説家になろう様でも公開中です。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる