上 下
24 / 31
好きな人のセフレでしかなかった僕は、異世界転移で獣の王様に愛される身となりました。

【余談】

しおりを挟む
※クロの秘密、愛する春には絶対に言えない・言いたくない事──。
(ざまぁ要素があるので、見たくない方はスルーして下さい)




『黒狼様。

あなた様が異世界から連れ帰った、人間でありながら獣の耳と尻尾を持つ男二人──。

見世物小屋に商品として売った所、大層好評と主人から報告を受けました。

恐らくあなた様も、新婚旅行の途中に田舎町で派手なテントを見かけたと思います。



で、大きな男の方……確か大輝と言う名でしたか?

我らを見ると、犬の分際で命令するなと少々反抗的でしたので……黒狼様に言われた通り、それはそれは厳しく躾ておきました。



もう一人の小さな男の方は、そんな我らにすっかり怯え……余りに恐ろしかったのか、最近では気がふれおかしくなって来たようです。


 
これまで十分稼がせて貰ったし、見世物として役に立たなくなったらどちらも捨てるつもりだったので構わないと見世物小屋の主人は申しておりましたが……そうなると商品が不足しますので、またい何か良い品がありましたら是非私にご連絡を下さい──。


商人 ブルド』


 ……そうか、俺の合成魔法も中々上手くなったものだな。

 春をこの世界に連れて来るそのついでに、春を傷付けたあいつらに俺は罰を与える事にした。



 特に、春だけでなく獣の王である俺をもいたぶった大輝……あいつは絶対許せなかった。



 俺はあの二人に対し、身体が犬になる魔法を敢えて中途半端にかけてやった。

 その結果、あの二人は人間の身体に犬耳や尻尾があると言う何とも中途半端な姿になり……その状態で、春と共にこちらの世界に連れて来られた。

 

 そして俺は、その二人を暫らく城の牢屋に押し込めた後……あくどい商売をする事でも有名な商人ブルドに引き渡してやった。

 奴隷でも、見世物小屋の商品にでも好きにしてくれと言って──。



 と言うのも、この犬狼国は犬か狼……もしくはその混血の獣姿のままか、俺のような人の姿と、どちらかにしっかり分離し暮らすのが当たり前だった。

 あんな中途半端の者は、この国には存在しない。


 
 だから、大層良い見世物になるのは間違いなかったが……見た目に自信がありプライドの高かったあの二人の事──。

 見下して居る獣達からその姿を嘲笑われ馬鹿にされ、少しでも反抗的な態度を取れば徹底的に痛めつけられる環境はさぞや屈辱、苦痛だったろう。



 でもそれもこれも、俺の愛する春の心を傷付けたのだから仕方ない。



 お前達は耐え切れない程の辱めを受け……使い物にならなくなったら、ボロ雑巾ように惨めに捨てられるのさ。
 
 そうなる事で、春にした事を心の底から後悔すると良いんだ──。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】別れ……ますよね?

325号室の住人
BL
☆全3話、完結済 僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。 ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。

姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王

ミクリ21
BL
姫が拐われた! ……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。 しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。 誰が拐われたのかを調べる皆。 一方魔王は? 「姫じゃなくて勇者なんだが」 「え?」 姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】

彩華
BL
とある平和な国。「ある日」を境に、この国を守る騎士団へ入団することを夢見ていたトーマは、無事にその夢を叶えた。それもこれも、あの日の初恋。騎士団長・アランに一目惚れしたため。年若いトーマの恋心は、日々募っていくばかり。自身の気持ちを、アランに伝えるべきか? そんな悶々とする騎士団員の話。 「好きだって言えるなら、言いたい。いや、でもやっぱ、言わなくても良いな……。ああ゛―!でも、アラン様が好きだって言いてぇよー!!」

別れの夜に

大島Q太
BL
不義理な恋人を待つことに疲れた青年が、その恋人との別れを決意する。しかし、その別れは思わぬ方向へ。

神獣様の森にて。

しゅ
BL
どこ、ここ.......? 俺は橋本 俊。 残業終わり、会社のエレベーターに乗ったはずだった。 そう。そのはずである。 いつもの日常から、急に非日常になり、日常に変わる、そんなお話。 7話完結。完結後、別のペアの話を更新致します。

【完結】浮薄な文官は嘘をつく

七咲陸
BL
『薄幸文官志望は嘘をつく』 続編。 イヴ=スタームは王立騎士団の経理部の文官であった。 父に「スターム家再興のため、カシミール=グランティーノに近づき、篭絡し、金を引き出せ」と命令を受ける。 イヴはスターム家特有の治癒の力を使って、頭痛に悩んでいたカシミールに近づくことに成功してしまう。 カシミールに、「どうして俺の治癒をするのか教えてくれ」と言われ、焦ったイヴは『カシミールを好きだから』と嘘をついてしまった。 そう、これは─── 浮薄で、浅はかな文官が、嘘をついたせいで全てを失った物語。 □『薄幸文官志望は嘘をつく』を読まなくても出来る限り大丈夫なようにしています。 □全17話

隠れヤンデレは自制しながら、鈍感幼なじみを溺愛する

知世
BL
大輝は悩んでいた。 完璧な幼なじみ―聖にとって、自分の存在は負担なんじゃないか。 自分に優しい…むしろ甘い聖は、俺のせいで、色んなことを我慢しているのでは? 自分は聖の邪魔なのでは? ネガティブな思考に陥った大輝は、ある日、決断する。 幼なじみ離れをしよう、と。 一方で、聖もまた、悩んでいた。 彼は狂おしいまでの愛情を抑え込み、大輝の隣にいる。 自制しがたい恋情を、暴走してしまいそうな心身を、理性でひたすら耐えていた。 心から愛する人を、大切にしたい、慈しみたい、その一心で。 大輝が望むなら、ずっと親友でいるよ。頼りになって、甘えられる、そんな幼なじみのままでいい。 だから、せめて、隣にいたい。一生。死ぬまで共にいよう、大輝。 それが叶わないなら、俺は…。俺は、大輝の望む、幼なじみで親友の聖、ではいられなくなるかもしれない。 小説未満、小ネタ以上、な短編です(スランプの時、思い付いたので書きました) 受けと攻め、交互に視点が変わります。 受けは現在、攻めは過去から現在の話です。 拙い文章ですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。 宜しくお願い致します。

処理中です...