27 / 31
王子に婚約破棄され故郷に帰った僕は、成長した美形の愛弟子に愛される事になりました。
3
しおりを挟む
「あぁ、それはね……カノンに拾われた時の僕は訳あって魔力を一時的に封じられて居てね、それであんな子供の姿になってたんだ。でもカノンが居ない間に……少し前だけど、その効力が切れて本来の姿に戻る事が出来たんだ。今の大きい僕は嫌い?可愛かったルキの方がカノンは良かった?」
「えッ、いや、そんな事は──!」
「だったら、前みたいにここで二人きり楽しく暮らそうよ?カノンはもうあのバカ王子の婚約者じゃないんでしょ?城には二度と戻らないんでしょう?」
「う、うん」
あれ……何でその事をルキが知ってるの?
まだ僕、何も言ってないんだけれど……って言うか、バカ王子って──。
僕は色々と思う所があったが……カノンが戻って来たお祝いをしようと浮かれるルキが可愛くて、その日はそれ以上追及できなかった。
そうして成長したルキとの暮らしが始まったけれど……以前は僕が甘やかして居た立場なのに、今は僕がルキに甘やかされ大事にされて居る。
ルキの作ってくれるご飯は全部美味しいし、ルキと一緒に眠るベッドは温かくて心地よくて……でも眠るルキが余りにカッコよくて耐えられなくて、これからはベッドは別にしようと言ったらルキは大反対──。
だから昔と同じように一緒に寝てるけれど、その時の僕は朝までずっとルキに抱きしめられて居る。
昔は、僕がルキを抱き枕にしてたのにな──。
しかしやってる事は前と一緒なのに、何だか空気が甘いんだよね。
カッコよく成長したルキに見つめられると、何故か胸のドキドキが止まらない──。
そんなある日、ルキが町に自作の魔道具や魔法薬を売りに行くと家を空ける事に──。
僕が居ない間も一人で暮らして行く為そのような商売を始め、今ではルキの作った品は色々な所で人気なのだと言う。
愛弟子何て言ってたけれど、この子はもう一人でも十分やって行けるんだな……。
それに比べ僕は出戻りの身で、大きくなった彼に甘えっぱなしで──。
「ねぇ、ルキ。僕もそれを手伝うよ。それだけ沢山商品があるんだし、荷物持ちくらいは任せてよ。」
「……ダメ、カノンはここに居て?すぐに帰って来るから」
「でも、いつまでもここに籠ってるのも──」
ここに帰って来てから、僕はまだこの家の周りの森を歩くだけでそれ以外はどこにも行っては居ない。
それでも生活できて居るはルキのおかげなんだけれど……いつまでもルキに頼って暮らして居るんじゃ、師匠失格だと思うんだ──。
でも、ルキは首を縦に振らなかった。
だから結局、家で大人しく帰りを待つ事にしたんだけれど……ルキ……早く帰るって言った割には、もう陽が落ちかけてるんだけど──。
心配になった僕は、家を出て森へと向かった。
すると森の出口に、空になった籠を持ったルキと……そんなルキを引き留める可愛い女の子が居た。
それに気づいた僕は、二人に気づかれないように咄嗟に大木の影に身を潜めた。
「……前からお話して居るように、あなたの気持ちには応えられません。あなたは、あくまでお客様の一人で──」
「でも、どうしても諦められないの!あなたほど有能で素敵な人が、何時までも森の奥に籠って居るなど勿体ないわ!ねぇ……ここでの暮らしを捨て、私の所にお婿さんに来てよ?私の家はお金持ちだし、ここに居るよりきっと派手で楽しい暮らしが出来るわよ──!」
「えッ、いや、そんな事は──!」
「だったら、前みたいにここで二人きり楽しく暮らそうよ?カノンはもうあのバカ王子の婚約者じゃないんでしょ?城には二度と戻らないんでしょう?」
「う、うん」
あれ……何でその事をルキが知ってるの?
まだ僕、何も言ってないんだけれど……って言うか、バカ王子って──。
僕は色々と思う所があったが……カノンが戻って来たお祝いをしようと浮かれるルキが可愛くて、その日はそれ以上追及できなかった。
そうして成長したルキとの暮らしが始まったけれど……以前は僕が甘やかして居た立場なのに、今は僕がルキに甘やかされ大事にされて居る。
ルキの作ってくれるご飯は全部美味しいし、ルキと一緒に眠るベッドは温かくて心地よくて……でも眠るルキが余りにカッコよくて耐えられなくて、これからはベッドは別にしようと言ったらルキは大反対──。
だから昔と同じように一緒に寝てるけれど、その時の僕は朝までずっとルキに抱きしめられて居る。
昔は、僕がルキを抱き枕にしてたのにな──。
しかしやってる事は前と一緒なのに、何だか空気が甘いんだよね。
カッコよく成長したルキに見つめられると、何故か胸のドキドキが止まらない──。
そんなある日、ルキが町に自作の魔道具や魔法薬を売りに行くと家を空ける事に──。
僕が居ない間も一人で暮らして行く為そのような商売を始め、今ではルキの作った品は色々な所で人気なのだと言う。
愛弟子何て言ってたけれど、この子はもう一人でも十分やって行けるんだな……。
それに比べ僕は出戻りの身で、大きくなった彼に甘えっぱなしで──。
「ねぇ、ルキ。僕もそれを手伝うよ。それだけ沢山商品があるんだし、荷物持ちくらいは任せてよ。」
「……ダメ、カノンはここに居て?すぐに帰って来るから」
「でも、いつまでもここに籠ってるのも──」
ここに帰って来てから、僕はまだこの家の周りの森を歩くだけでそれ以外はどこにも行っては居ない。
それでも生活できて居るはルキのおかげなんだけれど……いつまでもルキに頼って暮らして居るんじゃ、師匠失格だと思うんだ──。
でも、ルキは首を縦に振らなかった。
だから結局、家で大人しく帰りを待つ事にしたんだけれど……ルキ……早く帰るって言った割には、もう陽が落ちかけてるんだけど──。
心配になった僕は、家を出て森へと向かった。
すると森の出口に、空になった籠を持ったルキと……そんなルキを引き留める可愛い女の子が居た。
それに気づいた僕は、二人に気づかれないように咄嗟に大木の影に身を潜めた。
「……前からお話して居るように、あなたの気持ちには応えられません。あなたは、あくまでお客様の一人で──」
「でも、どうしても諦められないの!あなたほど有能で素敵な人が、何時までも森の奥に籠って居るなど勿体ないわ!ねぇ……ここでの暮らしを捨て、私の所にお婿さんに来てよ?私の家はお金持ちだし、ここに居るよりきっと派手で楽しい暮らしが出来るわよ──!」
15
お気に入りに追加
529
あなたにおすすめの小説


元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)
ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。
僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。
隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。
僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。
でも、実はこれには訳がある。
知らないのは、アイルだけ………。
さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪


拝啓お父様。私は野良魔王を拾いました。ちゃんとお世話するので飼ってよいでしょうか?
ミクリ21
BL
ある日、ルーゼンは野良魔王を拾った。
ルーゼンはある理由から、領地で家族とは離れて暮らしているのだ。
そして、父親に手紙で野良魔王を飼っていいかを伺うのだった。

婚約破棄されたショックで前世の記憶&猫集めの能力をゲットしたモブ顔の僕!
ミクリ21 (新)
BL
婚約者シルベスター・モンローに婚約破棄されたら、そのショックで前世の記憶を思い出したモブ顔の主人公エレン・ニャンゴローの話。

家を追い出されたのでツバメをやろうとしたら強面の乳兄弟に反対されて困っている
香歌奈
BL
ある日、突然、セレンは生まれ育った伯爵家を追い出された。
異母兄の婚約者に乱暴を働こうとした罪らしいが、全く身に覚えがない。なのに伯爵家当主となっている異母兄は家から締め出したばかりか、ヴァーレン伯爵家の籍まで抹消したと言う。
途方に暮れたセレンは、年の離れた乳兄弟ギーズを頼ることにした。ギーズは顔に大きな傷跡が残る強面の騎士。悪人からは恐れられ、女子供からは怯えられているという。でもセレンにとっては子守をしてくれた優しいお兄さん。ギーズの家に置いてもらう日々は昔のようで居心地がいい。とはいえ、いつまでも養ってもらうわけにはいかない。しかしお坊ちゃん育ちで手に職があるわけでもなく……。
「僕は女性ウケがいい。この顔を生かしてツバメをしようかな」「おい、待て。ツバメの意味がわかっているのか!」美貌の天然青年に振り回される強面騎士は、ついに実力行使に出る?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる