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私の言う事にご不満があるのなら、お城から出て行って下さって一向に構いません──。
1話完結
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とある理由で、私は王子の婚約者に選ばれたが……それを義姉は不満に思って居るようだった。
彼女は父の再婚相手の連れ子で、私の一族の血を引いて居ない。
だから、どんなに美しくても王子の相手には選ばれる事はないのだ──。
そう説明しても、彼女は納得しようとしなかった。
そして、父が不慮の事故で命を落とすと……彼女は私を出し抜き、王子に近づいた。
すると王子は、美しい義姉にすっかり心奪われ……私を城に迎え入れると同時に、彼女を愛人として傍に置くようになってしまった。
その後、義姉はまるで自分が王子の婚約者であるかのように振る舞い……私を使用人のように扱ったり、陰で色々と嫌がらせをして来た。
私はそんな義姉が嫌で仕方なく、彼女と別れて欲しい……彼女を城から追い出して欲しいと王子に頼み込んだ。
しかし王子は、私の頼みなど何一つ聞いてはくれず……むしろ、不美人で色気の無いお前とは今すぐ婚約破棄したい……義姉がそんなに嫌だと言うなら、お前が城を出て行けばいいと言った。
「お前は、元々俺の好みではないんだ。どうしても好きになれないのだから仕方ないだろう?この城の守護神だって、お前のような女より見目麗しい彼女の方が好きに決まって居る」
この城は、守護神の力によって守られており……そこに住む王族達は、代々その恩恵を受けて来た。
そして王子も、その中の一人だった。
「……守護神様が、私ではなく意地悪な義姉を選ぶ?そんなの絶対にあり得ません。容姿などいくら美しくても意味はない……必要なのは、私の一族の娘に受け継がれる聖なる血と……そして清らかな心です。王子、あなたはそのどちらも持った私を捨てようとした。守護神様からお気に入りのものを取り上げるなど……いくらあなたでも許されませんよ?」
私の気迫に、王子はその場でビクリと肩を震わせた。
するとそれを遠巻きに見て居た義姉が、王子に向かって偉そうな口を利くなと私に突っかかって来た。
「あなた何様のつもり!?王子の方が身分が上なのに……王子、こんな女は不敬罪で処刑しましょう!」
「そ、そうだな。それが良い!」
するとその瞬間、玉座の間に突然閃光が走り……それは、天から雷が落ちた事によるものだった。
そして近くでそれを受けた王子と義姉は、その場に倒れ込み体を痙攣させて居る。
「私は、守護神様のお気に入りだと言ったばかりでしょう?私は聖なる血により、守護神様……神に愛された娘なのです。そんな私を処刑するなどと言うから、そんな目に遭うのです」
そして私は、未だ床に倒れ込む王子に近づきこう言った。
「守護神様は、王子であるあなたよりも私の事を欲して居ます。故にこの先、この城はあなたでなく私に任せたいと──」
「そんな事、王が許す訳──」
「王なら、もうとっくにあなたを見捨てております。私ではなく意地の悪いその女を選んだ時点で、次期王の資質は無いとね。最近王が不在なのは、隣国に留学して居るあなたの弟君に会いに行き今後の事を相談して居るから──。弟君は予定を早め、もうすぐ王都この城に帰還し……私を婚約者に迎え、私と共にこの城を任される事になって居ます」
それを聞いた王子は、ショックで固まってしまった。
するとそれを見た義姉は、何も言えひたすらずに居る王子に代わり自分達はどうなるのかと尋ねて来た。
「お姉様、あなたには使用人として一生タダ働きして貰います。と言っても……あなたが担当するのは城の地下。そこにある物置や通路をひたすら掃除して下されば結構です。要は、あなたは一生日の当たる場所には戻れないと言う事ですね」
「この美しい私に、そんなドブネズミのような生き方をしろと言うの!?」
「じゃ、じゃあ俺はどうなる!?」
「あなたは……城の片隅にある小屋で、一生大人しくして居て下さい。私と弟君の邪魔をしようとしたり復讐など企めば、今度こそ命は無いでしょう」
するとそれを聞いた二人は、そんな扱いは我慢ならない……到底受け入れられないと文句を言った。
「そんなにご不満があるなら、だったらいっそこの城から出て行ってくれても私は一向に構いませんよ?ただ、それは追放と言う形ですから……そんな事になったあなた達を、誰も助けはしないでしょう。そうなったら、あなた達はすぐに野垂れ死にですね。それでも良いと言うなら、私は引き留めませんけど」
私の言葉に、二人は自分が惨めに死んで行く様を思い浮かべたらしく……そんな事になるくらいなら、言われた通りここで一生大人しくして居ると誓うのだった──。
その後、王が弟君を連れ無事城に帰還──。
私は一目で弟君に見初められ、彼と婚約する事に──。
そんな仲睦まじく幸せそうな私達を尻目に、王子と義姉はひっそりとその場から連れ出されて行くのだった。
その後、義姉は暗闇の中で毎日使用人の仕事に励んで居るが……劣悪な環境とストレスにより、かつての美しさはすっかりと失われてしまったらしい。
また王子も、小屋の中で孤独な幽閉生活を送る内に心身を病み……今は寝たきりの状態となって居ると言う。
私を裏切り処刑しようとした事で、彼はすっかり守護神様のご機嫌を損ね加護を失ってしまったようね。
そしてその後、城の者達はそんな不幸に身を落とした二人の存在を忘れて行った。
勿論、私もあの二人の事を思い出す事は無くなり……今は愛する弟君と、幸せな生活を送って居るわ──。
彼女は父の再婚相手の連れ子で、私の一族の血を引いて居ない。
だから、どんなに美しくても王子の相手には選ばれる事はないのだ──。
そう説明しても、彼女は納得しようとしなかった。
そして、父が不慮の事故で命を落とすと……彼女は私を出し抜き、王子に近づいた。
すると王子は、美しい義姉にすっかり心奪われ……私を城に迎え入れると同時に、彼女を愛人として傍に置くようになってしまった。
その後、義姉はまるで自分が王子の婚約者であるかのように振る舞い……私を使用人のように扱ったり、陰で色々と嫌がらせをして来た。
私はそんな義姉が嫌で仕方なく、彼女と別れて欲しい……彼女を城から追い出して欲しいと王子に頼み込んだ。
しかし王子は、私の頼みなど何一つ聞いてはくれず……むしろ、不美人で色気の無いお前とは今すぐ婚約破棄したい……義姉がそんなに嫌だと言うなら、お前が城を出て行けばいいと言った。
「お前は、元々俺の好みではないんだ。どうしても好きになれないのだから仕方ないだろう?この城の守護神だって、お前のような女より見目麗しい彼女の方が好きに決まって居る」
この城は、守護神の力によって守られており……そこに住む王族達は、代々その恩恵を受けて来た。
そして王子も、その中の一人だった。
「……守護神様が、私ではなく意地悪な義姉を選ぶ?そんなの絶対にあり得ません。容姿などいくら美しくても意味はない……必要なのは、私の一族の娘に受け継がれる聖なる血と……そして清らかな心です。王子、あなたはそのどちらも持った私を捨てようとした。守護神様からお気に入りのものを取り上げるなど……いくらあなたでも許されませんよ?」
私の気迫に、王子はその場でビクリと肩を震わせた。
するとそれを遠巻きに見て居た義姉が、王子に向かって偉そうな口を利くなと私に突っかかって来た。
「あなた何様のつもり!?王子の方が身分が上なのに……王子、こんな女は不敬罪で処刑しましょう!」
「そ、そうだな。それが良い!」
するとその瞬間、玉座の間に突然閃光が走り……それは、天から雷が落ちた事によるものだった。
そして近くでそれを受けた王子と義姉は、その場に倒れ込み体を痙攣させて居る。
「私は、守護神様のお気に入りだと言ったばかりでしょう?私は聖なる血により、守護神様……神に愛された娘なのです。そんな私を処刑するなどと言うから、そんな目に遭うのです」
そして私は、未だ床に倒れ込む王子に近づきこう言った。
「守護神様は、王子であるあなたよりも私の事を欲して居ます。故にこの先、この城はあなたでなく私に任せたいと──」
「そんな事、王が許す訳──」
「王なら、もうとっくにあなたを見捨てております。私ではなく意地の悪いその女を選んだ時点で、次期王の資質は無いとね。最近王が不在なのは、隣国に留学して居るあなたの弟君に会いに行き今後の事を相談して居るから──。弟君は予定を早め、もうすぐ王都この城に帰還し……私を婚約者に迎え、私と共にこの城を任される事になって居ます」
それを聞いた王子は、ショックで固まってしまった。
するとそれを見た義姉は、何も言えひたすらずに居る王子に代わり自分達はどうなるのかと尋ねて来た。
「お姉様、あなたには使用人として一生タダ働きして貰います。と言っても……あなたが担当するのは城の地下。そこにある物置や通路をひたすら掃除して下されば結構です。要は、あなたは一生日の当たる場所には戻れないと言う事ですね」
「この美しい私に、そんなドブネズミのような生き方をしろと言うの!?」
「じゃ、じゃあ俺はどうなる!?」
「あなたは……城の片隅にある小屋で、一生大人しくして居て下さい。私と弟君の邪魔をしようとしたり復讐など企めば、今度こそ命は無いでしょう」
するとそれを聞いた二人は、そんな扱いは我慢ならない……到底受け入れられないと文句を言った。
「そんなにご不満があるなら、だったらいっそこの城から出て行ってくれても私は一向に構いませんよ?ただ、それは追放と言う形ですから……そんな事になったあなた達を、誰も助けはしないでしょう。そうなったら、あなた達はすぐに野垂れ死にですね。それでも良いと言うなら、私は引き留めませんけど」
私の言葉に、二人は自分が惨めに死んで行く様を思い浮かべたらしく……そんな事になるくらいなら、言われた通りここで一生大人しくして居ると誓うのだった──。
その後、王が弟君を連れ無事城に帰還──。
私は一目で弟君に見初められ、彼と婚約する事に──。
そんな仲睦まじく幸せそうな私達を尻目に、王子と義姉はひっそりとその場から連れ出されて行くのだった。
その後、義姉は暗闇の中で毎日使用人の仕事に励んで居るが……劣悪な環境とストレスにより、かつての美しさはすっかりと失われてしまったらしい。
また王子も、小屋の中で孤独な幽閉生活を送る内に心身を病み……今は寝たきりの状態となって居ると言う。
私を裏切り処刑しようとした事で、彼はすっかり守護神様のご機嫌を損ね加護を失ってしまったようね。
そしてその後、城の者達はそんな不幸に身を落とした二人の存在を忘れて行った。
勿論、私もあの二人の事を思い出す事は無くなり……今は愛する弟君と、幸せな生活を送って居るわ──。
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