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始まり(※少しシリアス)
終わり
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この生活が続いてたぶん1ヶ月ぐらい経ったと…思う。
僕は相変わらず、先生の言いなりで…ただひとつ変わったことと言えば、先生が喜ぶことが僕の喜ぶことになっていったと言うこと。
今のこの場所には先生と僕しかいないこともあってか、求められることが愛されることがこんなにも嬉しいことだなんて知らなかった。
『はあう…せんせ…せんせっ…!』
セックスする時はいつも先生…を呼ぶ。
それを求められていたし、お決まりの日課になっていた。
「気持ちいいですか…?」
『っ…はあっ、ああっ!!!』
コクコクと頷く僕に先生は嬉しそうに笑う。
その与えられる愛が最高に気持ち良くて監禁されているのはこちらなのに、心が満たされていくような錯覚を起こしてしまいそうだった。
この関係は長くは続かない。きっと終わりがやってくると信じていた時が嘘のようだった。
だけど、そう思っていた矢先、ある日…突然終わりはやってきた。
────────────────────────
ガチャ…ガチャ…
朝起きてきて、一番最初に僕の足枷と鎖、首輪を外している先生。
僕は何故そんなことをしているのか分からなくてキョトンとした顔で首輪を外す先生を見上げていた。
『な…んで、外しちゃうの…?』
「もう必要ないからですよ」
淡々とそう言いながら外し終えた首輪と足枷を床に投げ捨てる。
『な…に…言って…』
「君を今日で解放します。今すぐに家を出なさい」
そう言って、僕をここに連れてきた時に持ってきたであろう荷物を渡された。
バックに制服も詰め込まれているのだろう。
パンパンに膨れ上がった状態だった。
急なことに驚きを隠せない僕を無理矢理に立ち上がらせて、玄関前まで連れて来られる。
そのまま玄関に来ると、玄関には今まで何処かに仕舞っていた自分の靴が用意されていた。
戸惑う僕に先生は「早く出ていきなさい」と言う顔をして僕の背中をトンッと押した。
ぐらついた足取りで僕は言いたいことも言えず、自分の靴を履いて玄関の扉を開ける。
鍵の掛かっていない扉は簡単に開き、出ていく寸前に振り返った時の先生の顔は忘れることができないぐらい僕の目に焼きついた。
久しぶりの外の光に目を凝らしながら、僕は逃げるようにその場を後にした。
────────────────────────
あれから、なんとか家に帰った僕は、この居なかった間のことを家族から聞いた。
監禁されていた期間は約1ヶ月ちょっと。
その間は夏休みに入っていたようだった。
家族は先生から勉強のために合宿に出ていると聞かされていたようだ。
家に返されたのは8月の後半だった。
夏休みが終わる前に解放されたのである。
バイト先にもそのことを伝えていた上で、休みを取っていたらしい。
勉学に励むためにも仕方ないとバイト先も渋々、了承してくれていたようだった。
僕の周りは僕が先生に監禁されていたことなんて誰1人として疑わない様子だった。
僕が言ってもきっと誰も信じてくれない。
先生の相手を信頼させる力は絶大だった。
それが分かった時点で僕は何もかも諦めた。弁解しても意味がないと思ったからだ。
あと、弁解する理由も思いつかなかったのが正直なところである。
弁解して監禁されてました。先生を逮捕してください…。なんて言えるわけがない。
監禁されている間、何をされていたのか根掘り葉掘り聞かれるのが怖かった。
僕は残りの夏休みを溜まった課題を片付けて…あっという間に2学期が始まろうとしていた。
────────────────────────
夏休みが開けた後、普通の学校生活が始まった。
監禁される前と何も変わらず、勉強して友達と遊んだりバイト行ったり…。
ただ変わったことはふたつあって、ひとつは先生が僕から距離を取っていることだった。
あからさまに僕を避けている。そんな気がした。
元から保健室に行く事がない僕だったので、そんなに困ることはないのだが…すれ違っても全くと言って良いほど目を合わせてくれない。
そのうち、挨拶も…してくれなくなっていった。
他の生徒と話すときの笑顔を見ると僕は何故かその場からいなくなりたい衝動に駆られる。
この気持ちが何なのか考えたくはなかった。
そうしているうちに居た堪れない気持ちを隠すように僕も保健室の前を通るのをやめた。
あともうひとつと変わったことと言えば…
『はあっ…あうっ…ああっ、あんっ…』
今までしたことないひとりエッチをすることが多くなった。
夜になるとどうしても監禁されていたときの記憶なのか、無性に身体が疼く。
僕は自分を慰めるように自慰に没頭していた。
『ああっ…はうっ…はあっ…ううっ…』
気付けば、家には大量の玩具が揃っていった。
全部、自分を慰めるための道具だ。
『ああっ…はあっ…奥…もっと奥…欲しい…よお…っ』
だけど、その全部の玩具に満足しないのである。
どれだけ大きくても長くても無機質なものは僕の身体を満足させても何故か心が満たされない。
『はうっ…ああっ、いっ…くっ…っーーーーーー!!!!!』
毎日、どれだけ自分を慰めても虚しくなる心。
僕はその虚無感に襲われては疲れた身体をベッドに投げ出し、眠ることで毎日を過ごしていた。
────────────────────────
そうしている間にも、時間はどんどん過ぎ去っていって気付けば秋になっていた。
少し寒くなる手前、僕は荷物を職員室に運ぶために久しぶりに保健室の前を通った。
前が見えなくなるぐらいの荷物にグラつきながら前を通る寸前、保健室の扉が急に開く。
『…わっ…』
そして、先生と衝突する寸前で僕は止まった。
その時、持っていた荷物が崩れそうになるのを先生が受け止めてくれる。
『…あ、ありがとうございます』
どうせ無視される…。
そう思った僕は、素早く荷物を整えてくれる先生に軽くお礼を言ってすぐに立ち去ろうとした。
「いつも頑張ってて偉いですね」
その直後にふと先生からそんな言葉を掛けられて、頭をスッと撫でられる。
『っ…し、失礼…しま…す…』
急なことにびっくりした僕は辿々しい挨拶をして、その場を去った。
触られた…
触られ…た…
撫でられた頭がジンジンと熱を帯びているような気がして、その後どうやって職員室まで行ったのかは覚えていない。
触れられたのは何ヶ月ぶりだろう…
先生の大きな手で撫でられただけでこんなにも身体が熱くなるなんて…。
僕はその日、自分の荷物を持って家に帰ったあとベッドで包まって動けなくなった。
心臓の音がうるさい…。身体が熱い…。
なんでこんなドキドキしている理由なんて分からなくて、身体はずっと熱くて…
『はあっ…ああっ、あんっ…せんせ…っ』
久しぶりに呼ぶ先生の名前…
それだけで昂りが抑えられなくなっていた。
『くっ…はあっ…せんせ…せん…せっ!!!!』
すぐにイッてしまった。
ぐちゃぐちゃになった汚れた手を見て、溜め息が漏れる。
そうして、考えすぎた頭は心地良い眠りにつくため、ゆっくりと瞼を落としていった。
────────────────────────
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パタパタパタ…
足早に急ぐ足音…。
僕はある場所を目指していた。
その場所に行くまでに心臓は破裂しそうだし、凄く苦しいけど何とか平常心を保って急ぎ足で廊下を歩く。
『…失礼…しま…す』
到着した一室の扉を開けて、後ろでに鍵を閉めた。
奥へと向かうと綺麗な顔立ちの男の人が本を片手にこちらを向く。
「咲山くんじゃないですか、どうしましたか?」
『…神坂せんせ…』
先生に向かって一歩一歩と歩み寄る。
先生は持っていた本を机に置き、立ち上がると僕は先生の首に腕を回した。
『せんせ…んっ…んうっ…んんっ…』
先生の後ろの窓からカーテンが揺れるのが見えた。
下手したら先生にキスをしている僕が外から見えてしまうかもしれない。
でも、そんなことはお構いなしに僕は先生との久しぶりのキスに没頭する。
『はあ…っ』
唇が離れると同時に唾液の糸が引いた。
僕は潤んだ瞳で先生の顔を見る。
『あのね、せんせ…僕…』
言うのが怖かった。これまで自分の感情を抑えているつもりだった。
でも分かってしまった。
もうこれは抗えない運命なのだと…。
『…愛してる…』
僕は相変わらず、先生の言いなりで…ただひとつ変わったことと言えば、先生が喜ぶことが僕の喜ぶことになっていったと言うこと。
今のこの場所には先生と僕しかいないこともあってか、求められることが愛されることがこんなにも嬉しいことだなんて知らなかった。
『はあう…せんせ…せんせっ…!』
セックスする時はいつも先生…を呼ぶ。
それを求められていたし、お決まりの日課になっていた。
「気持ちいいですか…?」
『っ…はあっ、ああっ!!!』
コクコクと頷く僕に先生は嬉しそうに笑う。
その与えられる愛が最高に気持ち良くて監禁されているのはこちらなのに、心が満たされていくような錯覚を起こしてしまいそうだった。
この関係は長くは続かない。きっと終わりがやってくると信じていた時が嘘のようだった。
だけど、そう思っていた矢先、ある日…突然終わりはやってきた。
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ガチャ…ガチャ…
朝起きてきて、一番最初に僕の足枷と鎖、首輪を外している先生。
僕は何故そんなことをしているのか分からなくてキョトンとした顔で首輪を外す先生を見上げていた。
『な…んで、外しちゃうの…?』
「もう必要ないからですよ」
淡々とそう言いながら外し終えた首輪と足枷を床に投げ捨てる。
『な…に…言って…』
「君を今日で解放します。今すぐに家を出なさい」
そう言って、僕をここに連れてきた時に持ってきたであろう荷物を渡された。
バックに制服も詰め込まれているのだろう。
パンパンに膨れ上がった状態だった。
急なことに驚きを隠せない僕を無理矢理に立ち上がらせて、玄関前まで連れて来られる。
そのまま玄関に来ると、玄関には今まで何処かに仕舞っていた自分の靴が用意されていた。
戸惑う僕に先生は「早く出ていきなさい」と言う顔をして僕の背中をトンッと押した。
ぐらついた足取りで僕は言いたいことも言えず、自分の靴を履いて玄関の扉を開ける。
鍵の掛かっていない扉は簡単に開き、出ていく寸前に振り返った時の先生の顔は忘れることができないぐらい僕の目に焼きついた。
久しぶりの外の光に目を凝らしながら、僕は逃げるようにその場を後にした。
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あれから、なんとか家に帰った僕は、この居なかった間のことを家族から聞いた。
監禁されていた期間は約1ヶ月ちょっと。
その間は夏休みに入っていたようだった。
家族は先生から勉強のために合宿に出ていると聞かされていたようだ。
家に返されたのは8月の後半だった。
夏休みが終わる前に解放されたのである。
バイト先にもそのことを伝えていた上で、休みを取っていたらしい。
勉学に励むためにも仕方ないとバイト先も渋々、了承してくれていたようだった。
僕の周りは僕が先生に監禁されていたことなんて誰1人として疑わない様子だった。
僕が言ってもきっと誰も信じてくれない。
先生の相手を信頼させる力は絶大だった。
それが分かった時点で僕は何もかも諦めた。弁解しても意味がないと思ったからだ。
あと、弁解する理由も思いつかなかったのが正直なところである。
弁解して監禁されてました。先生を逮捕してください…。なんて言えるわけがない。
監禁されている間、何をされていたのか根掘り葉掘り聞かれるのが怖かった。
僕は残りの夏休みを溜まった課題を片付けて…あっという間に2学期が始まろうとしていた。
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夏休みが開けた後、普通の学校生活が始まった。
監禁される前と何も変わらず、勉強して友達と遊んだりバイト行ったり…。
ただ変わったことはふたつあって、ひとつは先生が僕から距離を取っていることだった。
あからさまに僕を避けている。そんな気がした。
元から保健室に行く事がない僕だったので、そんなに困ることはないのだが…すれ違っても全くと言って良いほど目を合わせてくれない。
そのうち、挨拶も…してくれなくなっていった。
他の生徒と話すときの笑顔を見ると僕は何故かその場からいなくなりたい衝動に駆られる。
この気持ちが何なのか考えたくはなかった。
そうしているうちに居た堪れない気持ちを隠すように僕も保健室の前を通るのをやめた。
あともうひとつと変わったことと言えば…
『はあっ…あうっ…ああっ、あんっ…』
今までしたことないひとりエッチをすることが多くなった。
夜になるとどうしても監禁されていたときの記憶なのか、無性に身体が疼く。
僕は自分を慰めるように自慰に没頭していた。
『ああっ…はうっ…はあっ…ううっ…』
気付けば、家には大量の玩具が揃っていった。
全部、自分を慰めるための道具だ。
『ああっ…はあっ…奥…もっと奥…欲しい…よお…っ』
だけど、その全部の玩具に満足しないのである。
どれだけ大きくても長くても無機質なものは僕の身体を満足させても何故か心が満たされない。
『はうっ…ああっ、いっ…くっ…っーーーーーー!!!!!』
毎日、どれだけ自分を慰めても虚しくなる心。
僕はその虚無感に襲われては疲れた身体をベッドに投げ出し、眠ることで毎日を過ごしていた。
────────────────────────
そうしている間にも、時間はどんどん過ぎ去っていって気付けば秋になっていた。
少し寒くなる手前、僕は荷物を職員室に運ぶために久しぶりに保健室の前を通った。
前が見えなくなるぐらいの荷物にグラつきながら前を通る寸前、保健室の扉が急に開く。
『…わっ…』
そして、先生と衝突する寸前で僕は止まった。
その時、持っていた荷物が崩れそうになるのを先生が受け止めてくれる。
『…あ、ありがとうございます』
どうせ無視される…。
そう思った僕は、素早く荷物を整えてくれる先生に軽くお礼を言ってすぐに立ち去ろうとした。
「いつも頑張ってて偉いですね」
その直後にふと先生からそんな言葉を掛けられて、頭をスッと撫でられる。
『っ…し、失礼…しま…す…』
急なことにびっくりした僕は辿々しい挨拶をして、その場を去った。
触られた…
触られ…た…
撫でられた頭がジンジンと熱を帯びているような気がして、その後どうやって職員室まで行ったのかは覚えていない。
触れられたのは何ヶ月ぶりだろう…
先生の大きな手で撫でられただけでこんなにも身体が熱くなるなんて…。
僕はその日、自分の荷物を持って家に帰ったあとベッドで包まって動けなくなった。
心臓の音がうるさい…。身体が熱い…。
なんでこんなドキドキしている理由なんて分からなくて、身体はずっと熱くて…
『はあっ…ああっ、あんっ…せんせ…っ』
久しぶりに呼ぶ先生の名前…
それだけで昂りが抑えられなくなっていた。
『くっ…はあっ…せんせ…せん…せっ!!!!』
すぐにイッてしまった。
ぐちゃぐちゃになった汚れた手を見て、溜め息が漏れる。
そうして、考えすぎた頭は心地良い眠りにつくため、ゆっくりと瞼を落としていった。
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パタパタパタ…
足早に急ぐ足音…。
僕はある場所を目指していた。
その場所に行くまでに心臓は破裂しそうだし、凄く苦しいけど何とか平常心を保って急ぎ足で廊下を歩く。
『…失礼…しま…す』
到着した一室の扉を開けて、後ろでに鍵を閉めた。
奥へと向かうと綺麗な顔立ちの男の人が本を片手にこちらを向く。
「咲山くんじゃないですか、どうしましたか?」
『…神坂せんせ…』
先生に向かって一歩一歩と歩み寄る。
先生は持っていた本を机に置き、立ち上がると僕は先生の首に腕を回した。
『せんせ…んっ…んうっ…んんっ…』
先生の後ろの窓からカーテンが揺れるのが見えた。
下手したら先生にキスをしている僕が外から見えてしまうかもしれない。
でも、そんなことはお構いなしに僕は先生との久しぶりのキスに没頭する。
『はあ…っ』
唇が離れると同時に唾液の糸が引いた。
僕は潤んだ瞳で先生の顔を見る。
『あのね、せんせ…僕…』
言うのが怖かった。これまで自分の感情を抑えているつもりだった。
でも分かってしまった。
もうこれは抗えない運命なのだと…。
『…愛してる…』
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