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始まり(※少しシリアス)
欲望
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赴任当日、気になる子を見つけた。
その子は天使のような笑みで友達と仲良さそうに話していて、喜怒哀楽がハッキリしているような子だった。
僕は同性愛者だ。
自分でも分かっているのだが、ルックスは整っている方だと思っている。
男性が好きだが、女性でも男性でもその手のことに困ったことは1度もない。
保健室の先生として彼に接触したのは赴任して間もなくのことだった。
僕は一目見た時から彼のことが気になって、休憩中に遊んでいる姿はもちろん、廊下ですれ違う度に彼のことを観察するようになっていた。
それぐらいタイプだったのだ。
ただ、自分の癖を知っているからか安易には近づけない。
自分のモノにしたい。自分のモノにならないならいっその事、自分しか見れない環境に置いて支配したい。
誰にも言えないそんな癖を持っていた。
ある日、廊下ですれ違った時、勇気を出して話しかけてみることにした。
驚いた表情も可愛くて、話してみると人あたりの良さや性格の良さが滲み出ているような…まさに理想の子だった。
自分の目に狂いはなかった。
そう思いながら、楽しい彼との会話で癒されていた。
そこからはトントン拍子に距離を詰めて行った。彼に特別感を与え、距離を少なくしていったのだ。
自分が1番心配していた取っ付きにくそうなイメージを持たれないように、他の生徒の話題を交えながら会話を成り立たせていく。
そうすると安心したかのように話が盛り上がって、警戒心を無くし…彼の心の扉を緩くしていくことが出来た。
──────────────────
そして、信頼関係を持つ手前までいった時、転機が訪れる。
彼が授業中に怪我をしたのだ。
運び込まれてきた際には脳震盪を起こしているようで気を失っているのは目に見えてすぐ分かった。
運んできた人を早々に返し、ベットに横たわる彼の診察を行う。
待ちに待った獲物が来た…そんな気持ちをグッと堪えて、そこは教師としてのプライドを持って接した。
「骨に異常はないし、出血している感じもないな…」
独り言を呟くように問診を終えた後、ホッと安心したと同時にフツフツと湧き上がる衝動が自分を支配していることに気付いた。
「(…このまま、彼を自分のものにできたら良いのに…)」
そういう自分勝手な思考を巡らせて、唇が触れるか触れないかの距離で留まり、彼が目覚めるのを待つことにした。
──────────────────
『…んぅ…』
それから数十分経った後、彼は目覚めた。
暫く考えたように空を見つめ、理解したかのようにキョロキョロと目を動かしている彼に読んでいた本を閉じて近付く。
「あ、気が付いた?良かった、目が覚めたようで…何処か痛むところはある?」
顔を覗き込むように彼を見ると小さな声で『せんせ…』と言った。
その言葉だけで身震いするほどの感覚が自分を襲う。
「(あ~、かわいい)」
そんな感情を抱く自分の顔には1ミリにも出さず、彼を心配する言葉を並べて接した。
彼はどうやら足を痛めてしまっているようだった。だけど、自分にはそれが好都合だと思ってしまう。
彼が眠っている間にいろいろ考えていた…。
考えた結果、痛み止めだと言って処方した睡眠薬でまた彼を眠らせることにした。
フツフツと湧き上がる衝動をもう止めることは出来ない。
実行に移すなら今だ…。
彼の全てを手に入れるために自らの欲のために僕は動くことを決心したのだった。
その子は天使のような笑みで友達と仲良さそうに話していて、喜怒哀楽がハッキリしているような子だった。
僕は同性愛者だ。
自分でも分かっているのだが、ルックスは整っている方だと思っている。
男性が好きだが、女性でも男性でもその手のことに困ったことは1度もない。
保健室の先生として彼に接触したのは赴任して間もなくのことだった。
僕は一目見た時から彼のことが気になって、休憩中に遊んでいる姿はもちろん、廊下ですれ違う度に彼のことを観察するようになっていた。
それぐらいタイプだったのだ。
ただ、自分の癖を知っているからか安易には近づけない。
自分のモノにしたい。自分のモノにならないならいっその事、自分しか見れない環境に置いて支配したい。
誰にも言えないそんな癖を持っていた。
ある日、廊下ですれ違った時、勇気を出して話しかけてみることにした。
驚いた表情も可愛くて、話してみると人あたりの良さや性格の良さが滲み出ているような…まさに理想の子だった。
自分の目に狂いはなかった。
そう思いながら、楽しい彼との会話で癒されていた。
そこからはトントン拍子に距離を詰めて行った。彼に特別感を与え、距離を少なくしていったのだ。
自分が1番心配していた取っ付きにくそうなイメージを持たれないように、他の生徒の話題を交えながら会話を成り立たせていく。
そうすると安心したかのように話が盛り上がって、警戒心を無くし…彼の心の扉を緩くしていくことが出来た。
──────────────────
そして、信頼関係を持つ手前までいった時、転機が訪れる。
彼が授業中に怪我をしたのだ。
運び込まれてきた際には脳震盪を起こしているようで気を失っているのは目に見えてすぐ分かった。
運んできた人を早々に返し、ベットに横たわる彼の診察を行う。
待ちに待った獲物が来た…そんな気持ちをグッと堪えて、そこは教師としてのプライドを持って接した。
「骨に異常はないし、出血している感じもないな…」
独り言を呟くように問診を終えた後、ホッと安心したと同時にフツフツと湧き上がる衝動が自分を支配していることに気付いた。
「(…このまま、彼を自分のものにできたら良いのに…)」
そういう自分勝手な思考を巡らせて、唇が触れるか触れないかの距離で留まり、彼が目覚めるのを待つことにした。
──────────────────
『…んぅ…』
それから数十分経った後、彼は目覚めた。
暫く考えたように空を見つめ、理解したかのようにキョロキョロと目を動かしている彼に読んでいた本を閉じて近付く。
「あ、気が付いた?良かった、目が覚めたようで…何処か痛むところはある?」
顔を覗き込むように彼を見ると小さな声で『せんせ…』と言った。
その言葉だけで身震いするほどの感覚が自分を襲う。
「(あ~、かわいい)」
そんな感情を抱く自分の顔には1ミリにも出さず、彼を心配する言葉を並べて接した。
彼はどうやら足を痛めてしまっているようだった。だけど、自分にはそれが好都合だと思ってしまう。
彼が眠っている間にいろいろ考えていた…。
考えた結果、痛み止めだと言って処方した睡眠薬でまた彼を眠らせることにした。
フツフツと湧き上がる衝動をもう止めることは出来ない。
実行に移すなら今だ…。
彼の全てを手に入れるために自らの欲のために僕は動くことを決心したのだった。
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