スプラヴァン!

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2章 東日本県大会編

第18話  光線

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ホッカイドウ 白閃小学校

「光学研究所のニッタです」
「校長を務めるレイチェルです。
 ホッカイドウまでようこそおこしくださいまして
 本当にありがとうございます」

 校長室にある研究者が1人入ってくる。
ニッタと名乗る女性が話をするためにやってきた。
四国に住んでいる人であるけど、今回の用件で
わざわざここまで来てもらっていた。

「レイチェル校長先生、ご注文の通りにこれを。
 例の物のサンプルを持ってきました」
「確認いたします、すぐお茶を持ってきますので
 どうぞ、ここにおかけになって下さい」

ソファーにすすめられて座る。
お茶を1ぱいすすってから包みの中から小さく細長い
物を出しつつ今日の話を始めた。

「いちおうたのまれた通りに、このサイズまで作りました。
 事前のお話によると水鉄砲に取り付けると
 お聞きしたのですが?」
「ええ、スポーツ用のゴーグルについて使用するためで
 実際に大人用のものでなくてだいじょうぶです」

レイチェル校長は水鉄砲に新しい部品を付けるために
遠距離用のレンズをウォーターガンに取り付ける規格を
私にたのんできた。使用法は見た目通りに、遠くまで
見えるようにするために作られたと分かる。
でも、星を見るわけでもないので長さはそこそこでも
OKのようだ。

「ただ、レンズといっても度が高すぎないように
 調整してあります。子どもの目に悪いえいきょうなく
 100m付近まで設計されたていどですが、
 本当によろしいのでしょうか?」
「それくらいでちょうど良いと思います。
 コートの広さは決まっておりませんが、
 はしからはしまで見えるほどで良いです」

製造も主に四国の方でまかなってもらえるので、
ここ東北で工場を設置する必要はない。
負担も小さく、余計なお金もかからないので
ゴーグルそのものはとくに問題ないようだ。
しかし、彼女は下を向いている。
何か心配ごとでもあるのだろうか。
そして、顔を重そうに上げて話し始めた。

「じ、実は今日に私がここに来たのは水鉄砲だけの
 ことだけではないんです」
「他に何かがございましたか?」
「ええ、実は――」

ボソボソ

「そんな・・・ことも?」
「ええ、私もとうてい信じられない内容ですが」

おたがい顔を合わせて今のテーマを確認し直す。
こんな場所でウソなんてつくはずもない。
いったい、何の計画をしようとするつもりなのか。
さらに続きをうかがおうとしたところ。

「あ、主任から連絡がきてしまいました。
 すみませんが今日はこれで」
「は、はい・・・」

コノエは出ていった、見送りすら必要ないと足早あしばや
あまりにも小さくだれにも聞こえない声の話は
私でも少し信じられないもの。

(あの人の思うようになるのかしら・・・?)

校長としての立場ではそれ以上知ることはできない。
ほおに手を当ててジッとまどを見続ける。
四国からの知らせに、また1つの課題がふえる。
いずれにしろ、ホッカイドウでまた新たなものが発展。
県大会もすぐ間近に来ている。
来月からこれを取り入れてこちらのことを進めてゆく。
今日からスノウィオウルはまた1つ進化をとげて
子供たちの可能性は上がっていくのだけは分かった。
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