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1章 中部編
第2話 完成、そして実験1
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1週間後 永栄小学校グラウンド
校長先生からの要望通り、ガトリング型は完成。
1週間と2日と述べたものの、
2日あまりは想定外だが、
完成後も問題が起こることもありえるから、
早めに終わらせるのにこしたことない。
体育のウオバト授業が始まる前、メルとクラスメイトの
数人がつきそう様にいっしょに立ち会う。
車にのせて持ってきた大きく派手
[目立って注目されやすいこと]な2mもある筒に
くるめたシートをはがしてみんなにオヒロメ。
どんな打ち方をするのか、
胸をおどらせるような目で見ていた。
「ところで、この名前は?」
「まだ決めてない、あるとしたら書類にのっていた
コードネームくらい」
「なんだ、このG―W002って?
あんまり長いネームだと言いにくいだろ。
名称変えたらどうだ?」
「そうか、なら――」
「ブレイズウェイヴはどうだ?
水玉が連射で波のようにおしよせるから。
略してBW、そうすれば読みやすくて良いだろ!?」
「分かった、そうする」
メルはブレイズウェイヴ[BW]と名付ける。
ボクは一考もせずにアッサリと許可。
ブレイズ[連射]、ウェイヴ[波]と小学生が知らなそうな
単語を用いて決めた。
ちなみに、この学校の児童は大半英語を話せる。
1クラス5人と少数で、全校数も40人ほどしかいない
エリート校。知能が高い子どもばかりの集まりだ。
メルとも家族付き合いも仕事が同じでいっしょに
アメリカへ何回か行ったことがあり、
校風はともかく、中部より生み出された
1つの新技術開発としてここに下っているから
ヘタな様を見せるわけにはいかない。
「試し打ちする」
数少ないやじうまの児童たちが様子を見ている中で、
発射準備にとりくむ。
改めてこのウォーターガンの仕様を見直す。
丸みをおびた直方体の後ろに10L入りのタンク、
CO2[二酸化炭素ガス]タンク、
前方には6つのバレルが付いた大型の水鉄砲である。
電動型で引き金をひきっぱなしにすることで
多量の水玉を放出、
こしにそえて保ちつつ目標に向けてねらい続ける。
液体化されたCO2で水圧を高めているが、
飛距離はせいぜい15mくらいで
シリンジ式ほどにはおよばない。
両手でグリップ[持ち上げてつかむ部分]をにぎり、
バレルを的に向ける。
キュイイイン
トリガーを引きっぱなしで砲身が回り始める。
いっせいに打ちだすために水をためる時間で、
すぐに水玉を発射できない。
最初の1発目まで10秒かかる。
予定時間後、細い管を水がつたって
先から音がした、そして。
バルルルルルルルルル
「おおーっ!?」
1㎤の水玉がすさまじい量で飛び出た。
1秒間で8つも発射するこれは放出した後が非常に強力。
タンクが空になるまで約7分と長いので、
前方の空間をほぼ制する利点がある。
よって、短時間でヒットをとる水量については
今のところ中部がトップ。
父が提示してくれたものは
無数の冷涼をもたらすだろう。
ただ、重い。
水の世界では1L=1000ml=1kgと、
さらに10倍で走りながら打てない欠点があった。
プラスチックとモーター以外の重さはほとんど水によって
重力でのしかかるように付加されているので、
姿勢を保つのがせいぜい。
しいて言うなら、ボクは体育だけはあまり覚えがない。
小学生で10kgは相当重く、長く打つ体力も必要不可欠だ。
ボクの状況を分かっていたように
メルがみょうな案を言う。
「反重力装置を取り付けられないのか?」
「無理、反重力そのものがこれより
大きいサイズしかないし、仮に付けても
ウオバトルールに反するこういになる」
重力に逆らう機械で軽くできないかと聞く。
この時代ではすでに反重力で空を飛ぶ技術が
生み出されていて重さをこく服する事ができる。
ここで天声により、中部編から読み始めた方へほそく。
ウオバトにおいて試合場の広さは決まっておらず、
大会などで指定した場所で行われるのが大半。
支給された水鉄砲でそれぞれ打ち合っていた。
水をくむ亜空間バブルとよぶ水槽から
取り出してまかない、小さな重力を発生させて
空気中の水分を集めてウオバトで用いるのだ。
広い試合場でもリフトを用いて移動することもある。
ちょっと重力について話したいところだが、
他地方編とかぶってしまうから省略。
かんたんに説明して空間は空っぽではないよ、
とだけ言っておこう。
しかし、直にウォーターガンへそうちゃくは
反則の部類に入るので取り付けはできない。
ここを許してしまうと、ドローンのように
空からリモコン操作で打つことができてしまい、
TVゲームのような指先のみの対戦と
変わってしまうために禁止されている。
あくまでも、自分の手と足で動くのが最低限の1ルール。
子どもらしく全身をいかして運動しなさいといわんばかり。
とりあえず、BWを軽くさせるとしたら
試合に用いる現物容量を減らすしかなく、
水を試合場に多く保たせたいボクと父にとっては
ありきたりで望ましくなかった。
アサルトライフル型は予備のマガジンが
2つまでしか持ちこみできない。
ちなみに、ウオッチがライフ判定するきじゅんが
どうなっているかというと、
水量と体の部位で決められている。
ウオバトはライフ100を最大として始め、
水をあびるたびに0まで減るシステム。
ある理由で、水質や量でライフの増減は
このうで時計で決まる。
理由は水質検査による査定。
たとえば、アサルトライフル型で決められている
水質は以下の通り。
直径2cmの水球が頭にヒットしたら40。
胴体は5、うでと足は10となる。
小学生は軟水、中高生以上は硬水で行う。
理由は設定資料集などで。
規格は地方によってすべて同じではなく、
ウォーターガンの種類でライフ増減がことなり
水が空気中へ射出した量や割合によっていりょくを
判定しているようだ。
何をどうもってウオッチに判定させているのか不明。
ボクも、これらのシステムのきめ細かさに
脳に電気が走った感じだ。
開発した政府がもっとも盾とする精査という言い分で、
規格のバラつきをそのまま野放しにされている。
これが良いか悪いかはどうも思っていない。
あくまでも大人の事情で後をおうしかないからだ。
そんな大人の1人であるイリーナ先生が来てしてきする。
「判定が1発につき、ライフ1みたい。頭部だけ2」
「イ、イチ?」
計測器は少ない数値をはじきだしていた。
つまり、1人あたり100発ヒットさせなければ
ビートを取れない。
強引に頭に全て集中させても50発かかり、
アサルトライフル型と大きく差がついていた。
水質に問題はなく、液晶画面にそのまま表示される。
ウオッチの計測は一番最初に製造した特許庁[PO]、
および内閣が決めた制定として絶対。
国が定めた決まりをもって、
以上の攻撃力は認められなかった。
校長先生からの要望通り、ガトリング型は完成。
1週間と2日と述べたものの、
2日あまりは想定外だが、
完成後も問題が起こることもありえるから、
早めに終わらせるのにこしたことない。
体育のウオバト授業が始まる前、メルとクラスメイトの
数人がつきそう様にいっしょに立ち会う。
車にのせて持ってきた大きく派手
[目立って注目されやすいこと]な2mもある筒に
くるめたシートをはがしてみんなにオヒロメ。
どんな打ち方をするのか、
胸をおどらせるような目で見ていた。
「ところで、この名前は?」
「まだ決めてない、あるとしたら書類にのっていた
コードネームくらい」
「なんだ、このG―W002って?
あんまり長いネームだと言いにくいだろ。
名称変えたらどうだ?」
「そうか、なら――」
「ブレイズウェイヴはどうだ?
水玉が連射で波のようにおしよせるから。
略してBW、そうすれば読みやすくて良いだろ!?」
「分かった、そうする」
メルはブレイズウェイヴ[BW]と名付ける。
ボクは一考もせずにアッサリと許可。
ブレイズ[連射]、ウェイヴ[波]と小学生が知らなそうな
単語を用いて決めた。
ちなみに、この学校の児童は大半英語を話せる。
1クラス5人と少数で、全校数も40人ほどしかいない
エリート校。知能が高い子どもばかりの集まりだ。
メルとも家族付き合いも仕事が同じでいっしょに
アメリカへ何回か行ったことがあり、
校風はともかく、中部より生み出された
1つの新技術開発としてここに下っているから
ヘタな様を見せるわけにはいかない。
「試し打ちする」
数少ないやじうまの児童たちが様子を見ている中で、
発射準備にとりくむ。
改めてこのウォーターガンの仕様を見直す。
丸みをおびた直方体の後ろに10L入りのタンク、
CO2[二酸化炭素ガス]タンク、
前方には6つのバレルが付いた大型の水鉄砲である。
電動型で引き金をひきっぱなしにすることで
多量の水玉を放出、
こしにそえて保ちつつ目標に向けてねらい続ける。
液体化されたCO2で水圧を高めているが、
飛距離はせいぜい15mくらいで
シリンジ式ほどにはおよばない。
両手でグリップ[持ち上げてつかむ部分]をにぎり、
バレルを的に向ける。
キュイイイン
トリガーを引きっぱなしで砲身が回り始める。
いっせいに打ちだすために水をためる時間で、
すぐに水玉を発射できない。
最初の1発目まで10秒かかる。
予定時間後、細い管を水がつたって
先から音がした、そして。
バルルルルルルルルル
「おおーっ!?」
1㎤の水玉がすさまじい量で飛び出た。
1秒間で8つも発射するこれは放出した後が非常に強力。
タンクが空になるまで約7分と長いので、
前方の空間をほぼ制する利点がある。
よって、短時間でヒットをとる水量については
今のところ中部がトップ。
父が提示してくれたものは
無数の冷涼をもたらすだろう。
ただ、重い。
水の世界では1L=1000ml=1kgと、
さらに10倍で走りながら打てない欠点があった。
プラスチックとモーター以外の重さはほとんど水によって
重力でのしかかるように付加されているので、
姿勢を保つのがせいぜい。
しいて言うなら、ボクは体育だけはあまり覚えがない。
小学生で10kgは相当重く、長く打つ体力も必要不可欠だ。
ボクの状況を分かっていたように
メルがみょうな案を言う。
「反重力装置を取り付けられないのか?」
「無理、反重力そのものがこれより
大きいサイズしかないし、仮に付けても
ウオバトルールに反するこういになる」
重力に逆らう機械で軽くできないかと聞く。
この時代ではすでに反重力で空を飛ぶ技術が
生み出されていて重さをこく服する事ができる。
ここで天声により、中部編から読み始めた方へほそく。
ウオバトにおいて試合場の広さは決まっておらず、
大会などで指定した場所で行われるのが大半。
支給された水鉄砲でそれぞれ打ち合っていた。
水をくむ亜空間バブルとよぶ水槽から
取り出してまかない、小さな重力を発生させて
空気中の水分を集めてウオバトで用いるのだ。
広い試合場でもリフトを用いて移動することもある。
ちょっと重力について話したいところだが、
他地方編とかぶってしまうから省略。
かんたんに説明して空間は空っぽではないよ、
とだけ言っておこう。
しかし、直にウォーターガンへそうちゃくは
反則の部類に入るので取り付けはできない。
ここを許してしまうと、ドローンのように
空からリモコン操作で打つことができてしまい、
TVゲームのような指先のみの対戦と
変わってしまうために禁止されている。
あくまでも、自分の手と足で動くのが最低限の1ルール。
子どもらしく全身をいかして運動しなさいといわんばかり。
とりあえず、BWを軽くさせるとしたら
試合に用いる現物容量を減らすしかなく、
水を試合場に多く保たせたいボクと父にとっては
ありきたりで望ましくなかった。
アサルトライフル型は予備のマガジンが
2つまでしか持ちこみできない。
ちなみに、ウオッチがライフ判定するきじゅんが
どうなっているかというと、
水量と体の部位で決められている。
ウオバトはライフ100を最大として始め、
水をあびるたびに0まで減るシステム。
ある理由で、水質や量でライフの増減は
このうで時計で決まる。
理由は水質検査による査定。
たとえば、アサルトライフル型で決められている
水質は以下の通り。
直径2cmの水球が頭にヒットしたら40。
胴体は5、うでと足は10となる。
小学生は軟水、中高生以上は硬水で行う。
理由は設定資料集などで。
規格は地方によってすべて同じではなく、
ウォーターガンの種類でライフ増減がことなり
水が空気中へ射出した量や割合によっていりょくを
判定しているようだ。
何をどうもってウオッチに判定させているのか不明。
ボクも、これらのシステムのきめ細かさに
脳に電気が走った感じだ。
開発した政府がもっとも盾とする精査という言い分で、
規格のバラつきをそのまま野放しにされている。
これが良いか悪いかはどうも思っていない。
あくまでも大人の事情で後をおうしかないからだ。
そんな大人の1人であるイリーナ先生が来てしてきする。
「判定が1発につき、ライフ1みたい。頭部だけ2」
「イ、イチ?」
計測器は少ない数値をはじきだしていた。
つまり、1人あたり100発ヒットさせなければ
ビートを取れない。
強引に頭に全て集中させても50発かかり、
アサルトライフル型と大きく差がついていた。
水質に問題はなく、液晶画面にそのまま表示される。
ウオッチの計測は一番最初に製造した特許庁[PO]、
および内閣が決めた制定として絶対。
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以上の攻撃力は認められなかった。
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