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不老不死の石2
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翌日、自宅で昼前に起きて朝食をとる。
台所からでは見えないけど、客もすでに数人いるようだ。
毎日早起きして仕込みをする姉も大変。
対して自分は最近になってから悪魔と交戦してなく、
小さな塊を淡々と拾い上げてる連日だけ。
気温も上がってきて、季節変わりの気だるさもあるけど、
何よりも問題解決への進展はいつまでも見えてなく、
行動維持の体力も気力も衰えがちになる。
戻ってきた姉に体調を気遣われる。
「しっかりと体に馴染んでる?」
「ふつう」
自身の感じだけではそうとしか言えなかった。
適性が高いといっても無敵な体じゃない。
今はどのくらいまで結晶の影響があるのか。
頭はおろか、手や足も人のそれと同じ。
姉に背中をさすられた感覚も昔とそう変わらない。
――――――――――――――――――――――――
「「近日より、都心部より出現していた悪魔の姿は
減少の傾向がみられた模様です。
昼夜監視を続ける自衛隊の適切な処置によって
被害者数が減少しており――」」
――――――――――――――――――――――――
TVのニュースキャスターが都心の近況を報告。
最近は夜間で街に繰り出す人も減ってきて、
悪魔に危害を受ける機会もなくなっていた。
まるで、邪魔者を掃除し終えたかのように、
奴らにとって不都合な相手を消し去って
計画の一部として着々と達成しているだろう。
相変わらず何をしたいのか理解できない。
この期でカロリーナも必要なくなったのか。
実質的な支配をする感覚には思えないものの、
オリハルコンオーダーズの思惑は何かしら進んでいる。
人を絶滅させたいのか、支配したいのか。
狙いが視えない今、こちらは言われるままに
ただただAC集めをしながら能力を蓄え続けるしかない。
(電話が)
携帯が鳴る。
アドレスは番号のみ表示で、個人番号ではない。
フリーダイヤルか、勧誘の電話でも無視は感じ悪くて
再度連絡の二度手間になりそうだから一応出る事にした。
「もしもし・・・郷か?」
「おれだよ、おれ。ごうだよ」
「お前、携帯じゃない番号からかけてるのか?
また病院からか?」
「そうなんだ。
いもうとのたんとうしゃがちりょうするのに
えーしーがいるってさ。だから、おまえにいまから
いうところにあるのをとってきてほしいんだ」
用件を言い終えて電話を切る。
どうやら、病院の担当医が川上の妹を治すために
特定のACが要るようだ。
結晶が病気に対する効果もあるのは意外。
なんだかマヌケな声だったが、いつもそうだから
考えるのにムダな時間を使わず。
とりあえず、指定された場所へ向かう事にした。
(ずいぶん大きな豪邸だな)
某区に到着、目的地は一等地にある大きな家だ。
名家か、単なる金持ちの家か、一目でも一般でない
貴重品のありそうな所なのは明らか。
取ってきてほしいと言われたものの、家の関係者から
もらうのか方法は聞いていなかった。
もらうといっても、自分が来るからには回収の手順。
でなければ、ここの人が直接病院に持っていけば良いはず。
だから、潜入として様子を探っても罰当たりではない。
誰もいないのか、チャイムを押しても無反応。
門は閉まっていて入れないので、1階から入れない。
リビアングラスで2階へ移動し、窓ガラスに触れると
普通に開けられた。
行動がほとんど空き巣同然だが、任務は任務。
人命救助という名目の下に入らせてもらう。
廊下からいくつかの部屋の内、書斎らしき部屋にあった
ガラスケースの中に目標の赤き結晶が入ってあった。
カギすらかけてないのも無用心に不思議だけど、
荒立てる必要もなくすんなりと取り出せた。
民家なのか、悪魔の類も現れず。
医療の担当者がなんでここのACを欲しがっているのか
よく分からないが、川上の妹が助かるのなら結果OK。
正門から出ると誰かに見られたりして気まずいので、
人目を忍ぶように塀を越えて出た。
(おかしな回収だったな)
一軒家からACを取る任務なんて、初の内容。
住民不在の空からそっと介入する動作は
ただの泥棒としか言いようにない。
人の世界にも、隙間があるものだとしみじみ実感した。
マーガレット主任から連絡が入る。
言葉の間髪入る前にすぐに科警研に来いと言われた。
またACの回収か、要件も聞かずにさっさと向かう。
「あんた、カロリーナちゃんの身元がどこか知ってる?」
「あいつのですか?」
主任はまだ彼女の事を調べていたようだ。
おかしな事にカロリーナの住所も不定扱いで、
ヨーロッパから病院に引っ越してきたくらいしか
聞かされていない。
自分も直に私生活の部屋を見た事がないから、
説明のしようがなかった。
「いや、よく知らないです。
病院で部屋を借りて寝泊まりしてるくらいで、
本拠地がヨーロッパのどこかじゃないんですか?」
「前にも言ったけど、あの子が海外にいた組織は
もうすでにもぬけのペーパーカンパニーよ。
個人経歴から辿っても、一般家庭の家もなく
向こうの学校のどこかで在籍した経歴もなかった」
「どうなってるんだか・・・」
あたかも、突然湧いて出たような出生。
てっきり、主任も個人情報を織り込み済みと思ってたから
すでに知っていると思っていた。
女性間のプライバシーなのか、何もかも隠し事ばかりで、
自分の見ないところでキツネとタヌキが化かし合いを
起こしているように頭をよぎる。
ひょっとしたら、自身の身元が誰かにバレて
海外へ逃亡したんじゃないかと疑いがにじむ。
なら、学生の身分証明はどうやって作成したのか?
人知れずに晃京内で生活できた訳も整理しきれなくなる。
「なら、どうやってここに?
学園とかも、住所登録もなく入学できないですよね?」
「衣食住が可能なら、登録自体は可能よ。
年齢詐称はさすがにくぐり抜けたようで、
病院で籍を置いても一住所として扱われるの」
「身元を隠して何で条件付きのACを・・・?」
「誰かに言われて回収しにいってたの?
GPSを観てさっきまでふらっとしてたから。
向こうで何か注文でも受けたの?」
「じゃ、じゃあ、郷が言ってた話は。
赤い結晶を取ってこいって言ったのは――!?」
「なんだか、ずいぶんとフェイクを仕込まれてるわね。
私が関与するACの情報をもてあそばされている感じ。
いい? よく聞きなさい!
聖オルガニック病院には――」
「そんな・・・あそこが?」
到底信じられなかった。
こんな身近にも覆うかの如く工作を図る者がいたとは。
なら、自分に泥棒の肩を担がせたのは?
この赤い結晶の目的は何のために取らせたのか。
一体どこの担当者なのか、郷にもう一度身元を洗うよう
電話して催促した。
「「お前か、どうしたー?」」
「おい、川上の妹を担当してるのは誰だ!?」
「「担当者って誰よ?」」
「もう忘れたのか!?
医療で使うACを取ってこいって話だ!
お前がどこから電話してきた時言っただろう?」
「「電話? してねーよ!
今日はずっと、街周で走ってたわ。
お前に連絡した履歴すら表示してねーっての!」」
「ええっ!?」
なんと、郷は連絡をしていなかった。
こいつの声を模した何者かが自分を陽動していた事になる。
元から交友関係の広さより、携帯以外で電話をしない。
あの番号はフリーダイヤルを利用した身元を装う方法で
自分がまんまと騙されていた。
そして、あろう事かこのタイミングで携帯が鳴る。
連続の通話ばかりで詰まる中、誘いの声がかけられた。
「リリア先生?」
「「聖夜君、すぐ病院に来てくれる?
ちょっと手伝ってほしい仕事があるの」」
台所からでは見えないけど、客もすでに数人いるようだ。
毎日早起きして仕込みをする姉も大変。
対して自分は最近になってから悪魔と交戦してなく、
小さな塊を淡々と拾い上げてる連日だけ。
気温も上がってきて、季節変わりの気だるさもあるけど、
何よりも問題解決への進展はいつまでも見えてなく、
行動維持の体力も気力も衰えがちになる。
戻ってきた姉に体調を気遣われる。
「しっかりと体に馴染んでる?」
「ふつう」
自身の感じだけではそうとしか言えなかった。
適性が高いといっても無敵な体じゃない。
今はどのくらいまで結晶の影響があるのか。
頭はおろか、手や足も人のそれと同じ。
姉に背中をさすられた感覚も昔とそう変わらない。
――――――――――――――――――――――――
「「近日より、都心部より出現していた悪魔の姿は
減少の傾向がみられた模様です。
昼夜監視を続ける自衛隊の適切な処置によって
被害者数が減少しており――」」
――――――――――――――――――――――――
TVのニュースキャスターが都心の近況を報告。
最近は夜間で街に繰り出す人も減ってきて、
悪魔に危害を受ける機会もなくなっていた。
まるで、邪魔者を掃除し終えたかのように、
奴らにとって不都合な相手を消し去って
計画の一部として着々と達成しているだろう。
相変わらず何をしたいのか理解できない。
この期でカロリーナも必要なくなったのか。
実質的な支配をする感覚には思えないものの、
オリハルコンオーダーズの思惑は何かしら進んでいる。
人を絶滅させたいのか、支配したいのか。
狙いが視えない今、こちらは言われるままに
ただただAC集めをしながら能力を蓄え続けるしかない。
(電話が)
携帯が鳴る。
アドレスは番号のみ表示で、個人番号ではない。
フリーダイヤルか、勧誘の電話でも無視は感じ悪くて
再度連絡の二度手間になりそうだから一応出る事にした。
「もしもし・・・郷か?」
「おれだよ、おれ。ごうだよ」
「お前、携帯じゃない番号からかけてるのか?
また病院からか?」
「そうなんだ。
いもうとのたんとうしゃがちりょうするのに
えーしーがいるってさ。だから、おまえにいまから
いうところにあるのをとってきてほしいんだ」
用件を言い終えて電話を切る。
どうやら、病院の担当医が川上の妹を治すために
特定のACが要るようだ。
結晶が病気に対する効果もあるのは意外。
なんだかマヌケな声だったが、いつもそうだから
考えるのにムダな時間を使わず。
とりあえず、指定された場所へ向かう事にした。
(ずいぶん大きな豪邸だな)
某区に到着、目的地は一等地にある大きな家だ。
名家か、単なる金持ちの家か、一目でも一般でない
貴重品のありそうな所なのは明らか。
取ってきてほしいと言われたものの、家の関係者から
もらうのか方法は聞いていなかった。
もらうといっても、自分が来るからには回収の手順。
でなければ、ここの人が直接病院に持っていけば良いはず。
だから、潜入として様子を探っても罰当たりではない。
誰もいないのか、チャイムを押しても無反応。
門は閉まっていて入れないので、1階から入れない。
リビアングラスで2階へ移動し、窓ガラスに触れると
普通に開けられた。
行動がほとんど空き巣同然だが、任務は任務。
人命救助という名目の下に入らせてもらう。
廊下からいくつかの部屋の内、書斎らしき部屋にあった
ガラスケースの中に目標の赤き結晶が入ってあった。
カギすらかけてないのも無用心に不思議だけど、
荒立てる必要もなくすんなりと取り出せた。
民家なのか、悪魔の類も現れず。
医療の担当者がなんでここのACを欲しがっているのか
よく分からないが、川上の妹が助かるのなら結果OK。
正門から出ると誰かに見られたりして気まずいので、
人目を忍ぶように塀を越えて出た。
(おかしな回収だったな)
一軒家からACを取る任務なんて、初の内容。
住民不在の空からそっと介入する動作は
ただの泥棒としか言いようにない。
人の世界にも、隙間があるものだとしみじみ実感した。
マーガレット主任から連絡が入る。
言葉の間髪入る前にすぐに科警研に来いと言われた。
またACの回収か、要件も聞かずにさっさと向かう。
「あんた、カロリーナちゃんの身元がどこか知ってる?」
「あいつのですか?」
主任はまだ彼女の事を調べていたようだ。
おかしな事にカロリーナの住所も不定扱いで、
ヨーロッパから病院に引っ越してきたくらいしか
聞かされていない。
自分も直に私生活の部屋を見た事がないから、
説明のしようがなかった。
「いや、よく知らないです。
病院で部屋を借りて寝泊まりしてるくらいで、
本拠地がヨーロッパのどこかじゃないんですか?」
「前にも言ったけど、あの子が海外にいた組織は
もうすでにもぬけのペーパーカンパニーよ。
個人経歴から辿っても、一般家庭の家もなく
向こうの学校のどこかで在籍した経歴もなかった」
「どうなってるんだか・・・」
あたかも、突然湧いて出たような出生。
てっきり、主任も個人情報を織り込み済みと思ってたから
すでに知っていると思っていた。
女性間のプライバシーなのか、何もかも隠し事ばかりで、
自分の見ないところでキツネとタヌキが化かし合いを
起こしているように頭をよぎる。
ひょっとしたら、自身の身元が誰かにバレて
海外へ逃亡したんじゃないかと疑いがにじむ。
なら、学生の身分証明はどうやって作成したのか?
人知れずに晃京内で生活できた訳も整理しきれなくなる。
「なら、どうやってここに?
学園とかも、住所登録もなく入学できないですよね?」
「衣食住が可能なら、登録自体は可能よ。
年齢詐称はさすがにくぐり抜けたようで、
病院で籍を置いても一住所として扱われるの」
「身元を隠して何で条件付きのACを・・・?」
「誰かに言われて回収しにいってたの?
GPSを観てさっきまでふらっとしてたから。
向こうで何か注文でも受けたの?」
「じゃ、じゃあ、郷が言ってた話は。
赤い結晶を取ってこいって言ったのは――!?」
「なんだか、ずいぶんとフェイクを仕込まれてるわね。
私が関与するACの情報をもてあそばされている感じ。
いい? よく聞きなさい!
聖オルガニック病院には――」
「そんな・・・あそこが?」
到底信じられなかった。
こんな身近にも覆うかの如く工作を図る者がいたとは。
なら、自分に泥棒の肩を担がせたのは?
この赤い結晶の目的は何のために取らせたのか。
一体どこの担当者なのか、郷にもう一度身元を洗うよう
電話して催促した。
「「お前か、どうしたー?」」
「おい、川上の妹を担当してるのは誰だ!?」
「「担当者って誰よ?」」
「もう忘れたのか!?
医療で使うACを取ってこいって話だ!
お前がどこから電話してきた時言っただろう?」
「「電話? してねーよ!
今日はずっと、街周で走ってたわ。
お前に連絡した履歴すら表示してねーっての!」」
「ええっ!?」
なんと、郷は連絡をしていなかった。
こいつの声を模した何者かが自分を陽動していた事になる。
元から交友関係の広さより、携帯以外で電話をしない。
あの番号はフリーダイヤルを利用した身元を装う方法で
自分がまんまと騙されていた。
そして、あろう事かこのタイミングで携帯が鳴る。
連続の通話ばかりで詰まる中、誘いの声がかけられた。
「リリア先生?」
「「聖夜君、すぐ病院に来てくれる?
ちょっと手伝ってほしい仕事があるの」」
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