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Capítulo5 dos diamantes
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「ダイヤモンドでは?」
「ダイアモンドなのよ、元はディアマンテの語源から
始まってイタリック系統よりアと派生した。
だから、この国ではダイアモンドという発音とするの」
「そうか、人にとって価値のあるこの結晶だが、
原石輸出の判別が時折異なるのが目についてな」
「展示物はこちらで細工する量もあるわ。
結婚祝いや飾り付けが他よりも優れていて、
0.3カラットが人気出始めているみたい」
「以前に聞いたのと同様か。
城外周に展示してある物も魔除けとして備える程で、
医療、防衛機能で用いるケースは皆無のようだ」
「確かに最近の採掘量はあまり良くないけど、
特殊な加工も大使のみ扱えているわ。
宝石好きでもないのに、どうして?」
「いや・・・こちらの事だ。気にしないでほしい」
「結晶とは火山より深く地に沈むもの。
世界は丸く、向心へ集う凄まじい重ねで構成。
火山岩と共に生成されるそれは見えぬ魅力ゆえ
時に掘り起こされ、価値や象徴として崇められ
地上に君臨する人と対を成すアンダーバサルト」
「元より産業で生計を立てる者によって、
ACとして無意味に扱われてゆく。
中には効果も知らず、行き先も理解できずに
塊を対価とした関係をもち続けてきた。
即ち業なり」
「ただ、流通は一律とはいかず。
環境、歴史の乱れで情勢はすぐに傾きを現す。
塊に乗じて他に浸蝕を始める現象は異界の者すら
かすむ行為を平然と繰り返している。
人の業を防ぐにはやはり人の鉄。
安全圏を築くためには鉄分を混じる存在のみ」
(やはり、アブソルートの完成には女性の血が必要か。
一酸化炭素の親和性はミオグロビンの影響が小さく、
ガス結合の配位子に区別の分かれ道とならざるをえない。
よって、男の血ではまったく反応を示さず、
タンパク質も考慮したが、割合的に判断しにくく
単なる四面体型の構造の問題ではないようだ。
赤は七色に分かれ、断ち切りを防いでゆく。
子を包む柔らかな袋の如く、かつ強靭な性質とは)
(不可解点も多くあるが、研究に失敗は許されない。
この国も情勢が次第に荒れている。
経済苦境の果ては常に国へと牙が及ぶもの。
彼女達に危害が及ぶ前に成さなくては)
(奇病も隣国で発生したのが確認されている。
万能薬の精製にシンナバーはまだ試作段階・・・。
どちらも、血液採取が問題の焦点となる。
倫理上、女性の血液採取は許されていない。
この事を素直に打ち明けるべきか、あるいは)
「これは・・・ダイアモンドですね」
「私達は念じて国の象徴として展示、
念を込めて刻印を入れています。
天使の結晶としてACと名付けましたが、
ネーミングがいささか大胆でしょうか」
「アンジェラス・クリスタルの由来はこれでしたか。
い、いえ、とても素晴らしい名だと思います。
あなた方はエクソシストだったのですね」
「古来より、出生不明にそうよばれていましたけど、
私達すら刻印の根源まで全て把握しておりません。
調合の方はよろしいのですか?」
「万能薬を作るべく、様々なACを調査してきました。
後は外部による脅威を防ぐ絶対防壁を建造するための
シンナバー生成も着手し始めております。
ですが・・・その――」
「私達の血で良ければ差し上げましょう。
すぐに器具の調達を要請します」
「気付いておられたのですか!?
し、しかし大使から体液を利用するなど処罰で――」
「構いません、多くの民が救われるのならば、
身の糧も捻出する覚悟で望んでおります。
何より、貴方が直訴同様に求めているのですから」
「・・・・・・」
「ですが、これら2つも貴方に差し上げましょう。
昨日より、私達が新たに生成したものです。
研究としての材料にしても構いません」
「ダイアモンドを・・・本当によろしいのですか!?」
「もちろんですよ、研究や追求としてお役に立てるはず。
健康、安静のために尽くしてもらっています。
よって、私達は貴方を認めました」
「これからも共にこの国を見守っていきましょう。
もう10年も一緒にいるのですから・・・
契りの念も込めて」
「魔女裁判だと?」
「そうだ、得体の知れない秘術を全て取り締まる事にした。
大使も降脚、議決行使よりもう処分対象とする。
奇術の様にダイアモンドを生成していた者達だ。
無から何かが誕生するはずがない」
「濡れ衣だ! 精神文化は人々にとって必要な存在。
ACは適性ある者にのみ生成可能と報告したはずだ!
それに、結晶は貿易利潤の内には入れていない。
あの人達は私利私欲で生成などしていないぞ!」
「彼女の真意などどうでもいい。
これからの時代は科学を最優先課題として成り立たせる。
よって、現物の範疇を超えたものを全て破棄する」
「馬鹿な、同意なき大使の処分など大暴動を起こすぞ!
時代に関係なく、精神の拠り所は人にとって必要だ!!
彼女達はどこへ!?」
「今、捜索中だ。事勘づいて逃走したのだろうが、
すぐに見つかる・・・それと」
「グッ、何をする!?」
「残念だが、君も医療担当を降りてもらう。
資料の内容に、同様の結晶技術が記載されていた。
よって、研究は全て没収する。
悪しき魔術は焼き尽くすよう命令されてるのでな。
悪く思わんでくれ・・・」
「どれくらい経ったのだ?」
「6の日を越えた頃よ、あなたは大丈夫なの?」
「電灯もない地下に押し込められれば、
周期も刻も分からなくなる。
地上の様子はどうなった? 奴らはまだ?」
「大臣は死亡した。
隣国の応援でこの区域は解放されたからもう安全よ」
「弁えぬ故に身を滅ぼしたか・・・。
そうだ、彼女達は無事か? 今はどこに!?」
「大使なら・・・広場に」
「なんということだ・・・
私が、わたしが至らなかったばかりに・・・あああ」
「彼女達は最後まで平和を訴えていた。
処刑台に上らされてもなお、民を案じ続けていた」
「訴えはとどかなかった」
「祈りもとどかず」
「命も早送りに急逝」
「私も、横暴たる捕縛から救えなかった。
知識は肉体の閉ざされに窮地を克服できず、
解決へ導く法の1つも見いだせられずに」
「国民も彼女達の死に拍車をかけていた。
異質というだけで、惨たらしい仕打ちを。
守られるはずの者達が奇形というだけで・・・」
「この国に来たのは間違いか。
結局は物乞いの集まりにすぎなかった。
いや、どこも似た風潮だと薄々感じていた。
何のために知識を得続けてきたのか」
「今の私には、もう何も残されていない。
発展の礎すら取り除かれてしまった。
あるのは・・・」
「こちらのダイアを返上致します。
あなた方は、彼方でも平和を説き続けて下さい」
「魔女裁判は精神文化の因縁として付け入れられた。
詳細不明の理は全て破棄、棄却。
宗教の境界は視野に入るもののみ」
「場当たり的に都合の良いものだけ取り入れている。
そう、現物。金、宝石、あらゆる貴金属に魅了され、
人は価値という塊に囚われてゆく」
「そして、人口体の密集は闇を引き起こす。
蠢き、ひたすら目先の糧を求める様は
岩下に張り付くコウガイビルの様に巣食う。
そう、塊。動くカタマリこそ混沌の基となる」
「導くのか、壊すのか。
私には決められない。
欲求は生物における有象無象なき一存。
全てを得た後に煮える業に果てがあるのなら」
「ならば、私は研ごう。
体内にはまだ6つの塊が残っている。
世界が望む庶幾を内から全て覆い尽くす。
彼女達の反晶として歪んだ物質文化を。
愚民の求める目先だけの金光を」
「社会とは欲を包んだ蓑の集合体である。
私自身が遺思に変わり果てても
望む代償をこの地上へ返し続けてみせる
私は・・・わたしは・・・ワタシハ」
「ダイアモンドなのよ、元はディアマンテの語源から
始まってイタリック系統よりアと派生した。
だから、この国ではダイアモンドという発音とするの」
「そうか、人にとって価値のあるこの結晶だが、
原石輸出の判別が時折異なるのが目についてな」
「展示物はこちらで細工する量もあるわ。
結婚祝いや飾り付けが他よりも優れていて、
0.3カラットが人気出始めているみたい」
「以前に聞いたのと同様か。
城外周に展示してある物も魔除けとして備える程で、
医療、防衛機能で用いるケースは皆無のようだ」
「確かに最近の採掘量はあまり良くないけど、
特殊な加工も大使のみ扱えているわ。
宝石好きでもないのに、どうして?」
「いや・・・こちらの事だ。気にしないでほしい」
「結晶とは火山より深く地に沈むもの。
世界は丸く、向心へ集う凄まじい重ねで構成。
火山岩と共に生成されるそれは見えぬ魅力ゆえ
時に掘り起こされ、価値や象徴として崇められ
地上に君臨する人と対を成すアンダーバサルト」
「元より産業で生計を立てる者によって、
ACとして無意味に扱われてゆく。
中には効果も知らず、行き先も理解できずに
塊を対価とした関係をもち続けてきた。
即ち業なり」
「ただ、流通は一律とはいかず。
環境、歴史の乱れで情勢はすぐに傾きを現す。
塊に乗じて他に浸蝕を始める現象は異界の者すら
かすむ行為を平然と繰り返している。
人の業を防ぐにはやはり人の鉄。
安全圏を築くためには鉄分を混じる存在のみ」
(やはり、アブソルートの完成には女性の血が必要か。
一酸化炭素の親和性はミオグロビンの影響が小さく、
ガス結合の配位子に区別の分かれ道とならざるをえない。
よって、男の血ではまったく反応を示さず、
タンパク質も考慮したが、割合的に判断しにくく
単なる四面体型の構造の問題ではないようだ。
赤は七色に分かれ、断ち切りを防いでゆく。
子を包む柔らかな袋の如く、かつ強靭な性質とは)
(不可解点も多くあるが、研究に失敗は許されない。
この国も情勢が次第に荒れている。
経済苦境の果ては常に国へと牙が及ぶもの。
彼女達に危害が及ぶ前に成さなくては)
(奇病も隣国で発生したのが確認されている。
万能薬の精製にシンナバーはまだ試作段階・・・。
どちらも、血液採取が問題の焦点となる。
倫理上、女性の血液採取は許されていない。
この事を素直に打ち明けるべきか、あるいは)
「これは・・・ダイアモンドですね」
「私達は念じて国の象徴として展示、
念を込めて刻印を入れています。
天使の結晶としてACと名付けましたが、
ネーミングがいささか大胆でしょうか」
「アンジェラス・クリスタルの由来はこれでしたか。
い、いえ、とても素晴らしい名だと思います。
あなた方はエクソシストだったのですね」
「古来より、出生不明にそうよばれていましたけど、
私達すら刻印の根源まで全て把握しておりません。
調合の方はよろしいのですか?」
「万能薬を作るべく、様々なACを調査してきました。
後は外部による脅威を防ぐ絶対防壁を建造するための
シンナバー生成も着手し始めております。
ですが・・・その――」
「私達の血で良ければ差し上げましょう。
すぐに器具の調達を要請します」
「気付いておられたのですか!?
し、しかし大使から体液を利用するなど処罰で――」
「構いません、多くの民が救われるのならば、
身の糧も捻出する覚悟で望んでおります。
何より、貴方が直訴同様に求めているのですから」
「・・・・・・」
「ですが、これら2つも貴方に差し上げましょう。
昨日より、私達が新たに生成したものです。
研究としての材料にしても構いません」
「ダイアモンドを・・・本当によろしいのですか!?」
「もちろんですよ、研究や追求としてお役に立てるはず。
健康、安静のために尽くしてもらっています。
よって、私達は貴方を認めました」
「これからも共にこの国を見守っていきましょう。
もう10年も一緒にいるのですから・・・
契りの念も込めて」
「魔女裁判だと?」
「そうだ、得体の知れない秘術を全て取り締まる事にした。
大使も降脚、議決行使よりもう処分対象とする。
奇術の様にダイアモンドを生成していた者達だ。
無から何かが誕生するはずがない」
「濡れ衣だ! 精神文化は人々にとって必要な存在。
ACは適性ある者にのみ生成可能と報告したはずだ!
それに、結晶は貿易利潤の内には入れていない。
あの人達は私利私欲で生成などしていないぞ!」
「彼女の真意などどうでもいい。
これからの時代は科学を最優先課題として成り立たせる。
よって、現物の範疇を超えたものを全て破棄する」
「馬鹿な、同意なき大使の処分など大暴動を起こすぞ!
時代に関係なく、精神の拠り所は人にとって必要だ!!
彼女達はどこへ!?」
「今、捜索中だ。事勘づいて逃走したのだろうが、
すぐに見つかる・・・それと」
「グッ、何をする!?」
「残念だが、君も医療担当を降りてもらう。
資料の内容に、同様の結晶技術が記載されていた。
よって、研究は全て没収する。
悪しき魔術は焼き尽くすよう命令されてるのでな。
悪く思わんでくれ・・・」
「どれくらい経ったのだ?」
「6の日を越えた頃よ、あなたは大丈夫なの?」
「電灯もない地下に押し込められれば、
周期も刻も分からなくなる。
地上の様子はどうなった? 奴らはまだ?」
「大臣は死亡した。
隣国の応援でこの区域は解放されたからもう安全よ」
「弁えぬ故に身を滅ぼしたか・・・。
そうだ、彼女達は無事か? 今はどこに!?」
「大使なら・・・広場に」
「なんということだ・・・
私が、わたしが至らなかったばかりに・・・あああ」
「彼女達は最後まで平和を訴えていた。
処刑台に上らされてもなお、民を案じ続けていた」
「訴えはとどかなかった」
「祈りもとどかず」
「命も早送りに急逝」
「私も、横暴たる捕縛から救えなかった。
知識は肉体の閉ざされに窮地を克服できず、
解決へ導く法の1つも見いだせられずに」
「国民も彼女達の死に拍車をかけていた。
異質というだけで、惨たらしい仕打ちを。
守られるはずの者達が奇形というだけで・・・」
「この国に来たのは間違いか。
結局は物乞いの集まりにすぎなかった。
いや、どこも似た風潮だと薄々感じていた。
何のために知識を得続けてきたのか」
「今の私には、もう何も残されていない。
発展の礎すら取り除かれてしまった。
あるのは・・・」
「こちらのダイアを返上致します。
あなた方は、彼方でも平和を説き続けて下さい」
「魔女裁判は精神文化の因縁として付け入れられた。
詳細不明の理は全て破棄、棄却。
宗教の境界は視野に入るもののみ」
「場当たり的に都合の良いものだけ取り入れている。
そう、現物。金、宝石、あらゆる貴金属に魅了され、
人は価値という塊に囚われてゆく」
「そして、人口体の密集は闇を引き起こす。
蠢き、ひたすら目先の糧を求める様は
岩下に張り付くコウガイビルの様に巣食う。
そう、塊。動くカタマリこそ混沌の基となる」
「導くのか、壊すのか。
私には決められない。
欲求は生物における有象無象なき一存。
全てを得た後に煮える業に果てがあるのなら」
「ならば、私は研ごう。
体内にはまだ6つの塊が残っている。
世界が望む庶幾を内から全て覆い尽くす。
彼女達の反晶として歪んだ物質文化を。
愚民の求める目先だけの金光を」
「社会とは欲を包んだ蓑の集合体である。
私自身が遺思に変わり果てても
望む代償をこの地上へ返し続けてみせる
私は・・・わたしは・・・ワタシハ」
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